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[ クライム/倒叙 ] 泥棒たちの昼休み |
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結城昌治 | 出版月: 1996年09月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
新潮社 1996年09月 |
講談社 1999年11月 |
No.1 | 5点 | kanamori | 2016/01/10 11:22 |
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刑務所内の木工作業場に毎日昼休みに集まる囚人たち。それぞれが、自らの悔恨の過去を回想し、仲間たちにその経緯を語り始める---------軽めのクライム小説8編を収めた連作短編集。
本書は、連載中に作者が亡くなったため連作短編集としては未完です(遺品の愛用ワープロの中に9話目の冒頭部分が書かれた”原稿”が残っていたそうです)。とはいえ、各話は独立しており、読了するのにとくに問題はありません。 タイトルは「泥棒たち」となっているものの、根っからのプロの犯罪者はわりと少なく、ごく普通の生活を送っていた男たちが、魔がさして横領や詐欺に手を染め、塀の中に転落する様が多く語られます。犯行のきっかけは、やはりバクチと女が多いです。(そのへんは皆さんも充分に気をつけてくださいね)。 ミステリとしての出来栄えという点では、各話ともヒネリやオチにあまり見るべきところがなく、予想していたクライム・コメディのような方向にも向かわないので、作者の初期短編と比べると物足りないですが、語り口は相変わらず職人芸の域です。 |