海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 短編集(分類不能) ]
まだらの紐 ドイル傑作集1
東京創元社ドイル・コレクション
アーサー・コナン・ドイル 出版月: 2004年07月 平均: 5.00点 書評数: 7件

書評を見る | 採点するジャンル投票


東京創元社
2004年07月

No.7 5点 レッドキング 2022/06/15 21:22
  「王冠のダイヤモンド」 「戯曲版:マザリンの石」ではなく、あっちがこっちの小説化とな・・戯曲の方が効果的。
  「戯曲版:まだらの紐」 これは戯曲化だと。”おお、ヘレン、まだらの紐が・・” の、ヘレンでないのが残念。
  「競技場バザー」「ワトスンの推理法修行」  ホームズロジック披露とそのパロディのショートショート。
  「田園の恐怖」 アルプス善良民集落の連続殺人事件。うまく展開してたらサイコミステリ・・
  「ジェレミー伯父の家」 友人の招きで滞在した詩人の館。謎の家庭教師の女と秘書の正体は・・
※「消えた臨時急行」「複数の時計を付けた男」は別収録にあり割愛。また草稿オマケ付き。※このサイトにお邪魔し始めた数年前、プロト「まだらの紐」と勘違いして単体採点として書込み、一度削除しており、今回改めての書込みです。 

No.6 6点 クリスティ再読 2020/12/17 18:11
この項は創元推理文庫のホームズのいわゆる「外典」を収録した本の感想を書く場であって、決して「冒険」収録の短編「まだらの紐」の感想を書く場ではないと思うんだがね....この本に収録されているのは、

「王冠のダイヤモンド」事件簿の「マザリンの宝石」の原型の一幕物の戯曲。事件簿「マザリンの宝石」は本当にこの戯曲を手直しただけのもので、かなり手抜き作業だったのがうかがわれる。戯曲の方は悪役はモラン大佐で、こっちのがまっとうな作品だと思う。この戯曲を「空き家の冒険」に流用したから、変則的なことになったようだ。
「まだらの紐」同題短編を膨らませて戯曲化したもの。三幕あって長めの作品だから、短編にはない場面も追加されている。姉娘の死を巡る検死審問やら、ホームズの部屋に妹娘以外の三人の面会人がいて、そのうち一人は恐喝王ミルヴァートン! だから追加部分もなかなか楽しいし、クライマックスも盛り上がる。ナイスな舞台劇だと思う。
いやだからさ、ドイルは本作を「密室トリック」物だとは、絶対思ってないと思うんだよ。暗闇で待機して、思いもかけないところから侵入してくる殺人者...というあたりのサスペンスをドイルは「面白い!」と思って書いているのが、この戯曲化でも窺われるんだけどなあ....

「競技場バザー」「ワトソンの推理法修行」この2作はホームズの特徴的な推理法だけを抽出して書いたショートショート。「競技場バザー」はメタな仕掛けになっていて洒落ている。
「消えた臨時急行」「時計だらけの男」の2作は鉄道ミステリだが、ホームズは出ずに、犯人の告白で真相判明。ちょっとした不可能興味みたいなものがある。「消えた臨急」の方は犯行がなかなか大掛かりで、マンガチックな陽気さがあって、場面を想像すると面白い。映像にすると映えると思う。
「田園の恐怖」は田舎村の連続殺人事件の話。意外性が少しある犯人だが、露見は偶然。ホラー味を狙ったか。
「ジェレミー伯父の家」はワトソン博士みたいな経歴の勉強中の医者が友人の招待を受けて伯父一家の元で暮らすが、インド人の家庭教師と、伯父の秘書の奇妙な関係に気づく....インドを巡るロマン味が読みどころ。
「シャーロック・ホームズのプロット」は遺稿から発見された未作品化作品の梗概。出来は良くない。
「シャーロック・ホームズの真相」は、ホームズ復活前に受けたインタビューの内容。ドイルはホームズは気に入ってなくて..というその通りの内容。

というわけで、コレクターズ・アイテムだけど、「まだらの紐」と「競技場バザー」が面白い。一応「消えた臨急」は非ホームズのドイルのミステリでは有名作なので読んでおかないと...もあるし。新潮文庫の「ドイル傑作選」とダブるのは「消えた臨急」「時計だらけの男」だけだから、読む価値はある。

No.5 5点 江守森江 2009/09/16 05:15
ホームズ物で最初に読んだ作品。
中学生の頃に少年向けを読んだが、その頃は鮎川の時刻表物を読破中だったのでホームズを好きにはならなかった。
数年前に纏めてホームズ物ドラマ(吹き替え)を観て原作もオサライした。
クリスティーと違いドイルは原作での技巧は少ない印象でドラマで手軽に楽しむ方が良いと思った。
それ位ドラマのデキも良い。

No.4 5点 okutetsu 2009/08/21 07:18
古典的密室トリックの名作ですね
ただ今読むとさすがに無理があるかなと

No.3 5点 堀木正雄 2009/01/18 15:35
名作ですね。代表的な密室殺人です。

No.2 5点 dei 2008/10/16 17:19
子供のころ読んで感動したのを覚えている

No.1 4点 Tetchy 2008/07/10 20:30
東京創元社が独自に編纂しているドイルの未発表短編、もしくはホームズ物以外の短編を集めたドイル・コレクション第1集。
「王冠とダイヤモンド」、「まだらの紐」の2つの戯曲が入っているところが、ミステリ収集家の興味をそそるだろうが、そうでない人にしてみれば、あまり価値のない短編集かも。

とはいえ、「ジェレミー伯父の家」、「田園の恐怖」の2編は今読むと古臭く感じるが、当時としてはその真相が奇抜で、かなりセンセーショナルな内容だったと思われる。

シャーロッキアンもしくはドイルファンならば、読んでおくに損はない1冊。


キーワードから探す
アーサー・コナン・ドイル
2024年05月
ササッサ谷の怪―コナン・ドイル奇譚集
平均:5.00 / 書評数:1
2011年12月
ラッフルズ・ホーの奇蹟
平均:6.00 / 書評数:2
2008年04月
陸の海賊
平均:5.00 / 書評数:2
2007年05月
クルンバーの謎
平均:6.00 / 書評数:2
2004年07月
まだらの紐 ドイル傑作集1
平均:5.00 / 書評数:7
2000年02月
北極星号の船長
平均:5.33 / 書評数:3
1983年03月
真夜中の客―コナン・ドイル未紹介作品集2
平均:4.00 / 書評数:1
1982年11月
ササッサ谷の怪―コナン・ドイル未紹介作品集1
平均:3.00 / 書評数:1
1971年09月
霧の国
平均:2.67 / 書評数:3
1971年02月
毒ガス帯
平均:4.00 / 書評数:3
1971年01月
勇将ジェラールの回想
平均:6.00 / 書評数:2
1960年07月
ドイル傑作集Ⅲ 恐怖編
平均:5.50 / 書評数:2
1959年01月
シャーロック・ホームズの回想
平均:6.50 / 書評数:20
1958年01月
ドイル傑作集Ⅱ 海洋奇談編
平均:4.50 / 書評数:2
1957年01月
ドイル傑作集1 ミステリー編
平均:5.00 / 書評数:4
マラコット深海
平均:4.50 / 書評数:4
1955年04月
シャーロック・ホームズ最後の挨拶
平均:4.81 / 書評数:16
1955年01月
シャーロック・ホームズの叡智
平均:6.33 / 書評数:3
1954年05月
バスカヴィル家の犬
平均:6.41 / 書評数:29
1954年01月
勇将ジェラールの冒険
平均:5.50 / 書評数:2
失われた世界
平均:6.40 / 書評数:5
1953年10月
シャーロック・ホームズの事件簿
平均:5.33 / 書評数:15
1953年08月
恐怖の谷
平均:7.00 / 書評数:16
1953年06月
緋色の研究
平均:6.44 / 書評数:25
1953年04月
シャーロック・ホームズの帰還
平均:6.94 / 書評数:18
シャーロック・ホームズの冒険
平均:8.22 / 書評数:40
1952年01月
四つの署名
平均:5.29 / 書評数:21
不明
最後の手段―コナン・ドイル未紹介作品集3
平均:3.00 / 書評数:1
シャーロック・ ホームズの冒険(世界推理小説全集版)