[ ホラー ] ドイル傑作集Ⅲ 恐怖編 |
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アーサー・コナン・ドイル | 出版月: 1960年07月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
![]() 新潮社 1960年07月 |
No.2 | 7点 | Tetchy | 2022/01/18 00:01 |
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最後の三冊目にしてやっと通常の読物として満足できるものが揃い、ほっとした。
「革の漏斗」、「サノクス令夫人」以外はどれも標準点である。特に最後の「ブラジル猫」は友人を地下墓地に巧みに迷い込ませた「新しい地下墓地」のパターンを応用し、ひっくり返させ、更に夫人の振舞いにダブル・ミーニングを持たせてアクセントをつけている。 異形物の「大空の恐怖」、「青の洞窟の怪」は『ロスト・ワールド』の作者である面がよく出ており、物語作家ドイルの面目を保った感がある。 これでドイルの作品は最後になるが、全般的な感想を云えば、世評の高い『バスカービル家の犬』、『緋色の研究』や短編「まだらの紐」、「銀星号事件」などよりもあまり巷間の口に上らない『恐怖の谷』の方が読物としてレベル的にも断然面白かったのが非常に印象に残った。 やはりホームズ譚は世の中に紹介されすぎなのだろう、世評高いものはもはや手垢が付きすぎた感があり、新鮮味に欠ける。 そしてまた『緋色の研究』や『四つの署名』、『恐怖の谷』に挿入される犯人判明後の挿話がすこぶる面白かったのも新たな発見であった。この挿話では文体から既に別人と化しており、本質的にこの作者が何を書きたかったのかをあからさまに示しているようだ。 最後に最も残念だったのが悪訳の多い事。日本語で読みたいのだよ、私は。21世紀でもあるし、改訳するのが潮時でしょう。 |
No.1 | 4点 | レッドキング | 2022/01/08 16:37 |
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「新しい地下墓地」 ローマ地下遺跡の迷路を舞台にした、二人の考古学者の恐怖の復讐譚(さぞや恐かったろう)
「サノクス婦人の場合」 乱歩の「踊る一寸法師」にも通ずる戦慄の復讐劇(痛くてイタい!) 「ブラジル猫」 「技師の親指」風味の危機一髪スリラー(あれを「猫」とは!) ※「大空の恐怖」「革の漏斗」「青の洞窟の恐怖」三作については「北極星号の船長」にあるので割愛。 |
アーサー・コナン・ドイル
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