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[ SF/ファンタジー ]
マラコット深海
アーサー・コナン・ドイル 出版月: 1957年01月 平均: 4.50点 書評数: 4件

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東京創元社
1957年01月

早川書房
1962年01月

東京創元社
1962年01月

東京創元社
1963年12月

早川書房
1970年01月

No.4 2点 レッドキング 2022/06/14 18:03
うーん、深海怪獣たちのエヅラがねえ・・エビラ・ウニゴン(海老・雲丹の分際で人に食われず人を喰う)・アゴラ(提燈アンコウ怪獣)・マンダ(海竜の方ね)みたいなの・・何よりZ級大傑作「グリード」の化物深海獣みたいなの、ほしく・・

No.3 4点 クリスティ再読 2020/12/06 15:25
ドイルの死の前年に出版された海洋SFで、実質中編くらいの規模だ。本作の中心人物はマラコット博士で、チャレンジャー教授ではない。まあ、いくら俺様気質のチャレンジャー教授でも、「チャレンジャー海溝はオレの名前から命名されたんだ!」とは言えないもんねえ(苦笑)太平洋はマリアナ海溝ではなくて、大西洋のカナリア群島のそばに、マラコット深海(海溝だろう)はあるようだ。
船から吊り下げた潜水函にマラコット博士、アメリカ人動物学者ヘッドリー(ワトソン)、それにアメリカ人の技術者スキャンランの3人が乗り込み、海溝を探検するが....巨大ザリガニのハサミで命綱を切られて、さらに海溝の最深部に潜水函は落ち込んでいってしまった! しかしそこにあったのは、アトランチス人の海底都市だった。

という話。なんで海底都市がそんなに海溝の中にあるの...とか、水圧とか、あるいはイギリスからのラジオ放送を受信するとか、科学的ツッコミをしたくはなるけど無意味だと思う。このアトランチス人の社会は、思考をそのまま映画にして見せる機械とか、もちろん水中生活を可能にする酸素や動力の供給、元素変換で海中にもかかわらずコーヒー(みたいなもの)を飲ませてもくれたりするくらいに、強烈に科学が発達している一方、フェニキアの人身御供で有名なモーロックの神殿があったり、風俗はエジプト風。しかも、主人公たちの面倒を見てくれるリーダーの名前が...マンダ。

円谷「海底軍艦」!? 評者くらいのトシの人だったら、こっちのツッコミの方が確実。唐沢なをき氏も同じツッコミをしているのを見つけた。ただし、ラスボスは龍じゃなくて、邪神バアル・シーバ、晩年のドイルらしく最後はオカルトのノリ(幸福の科学みたい)で、ハッピーエンド。
というわけで、科学に弱くてオカルトなドイルのSFで、ドイルの最後の小説みたい。

とりあえずドイル年代順に、ホームズ・チャレンジャー・ジェラール関連はコンプ。歴史小説までは手が回らないが、ミステリ系単発短編は別途やろうと思う。

No.2 7点 Tetchy 2016/07/23 23:47
これがドイル最後の小説のようだ。空想冒険小説ではチャレンジャー教授がシリーズキャラクターとして有名であるが、本書では海洋学者マラコット博士が主人公を務め、冒険の行き先は大西洋の深海だ。

もともとドイルは海に関する短編を数多く発表しており、新潮文庫で海洋奇談編として1冊編まれているくらいだ。そして深海の怪物に関する短編もあり、もともと未知なる世界である海底にはヴェルヌなどのSF作家と同じように興味を抱いていたようだ。
そしてそれを証明するかのようにマラコット博士一行が海底でアトランティス人たちと暮らす生活が恐らく当時の深海生物に関する資料に基づいてイマジネーション豊かに描かれている。

しかし物語のクライマックスと云える邪神バアル・シーパとの戦いは果たして必要だったのか、はなはだ疑問だ。
この戦いをクライマックスに持ってくるよりもやはり物語の中盤で描かれる、彼らの生還を詳細に書いた方がよかったのではないか。

唯一おかしいのは水圧に関する考察だ。本書では深く潜っても水圧が高くなるのは迷信であるとして彼らの深海行の最大の難関を一蹴している。今ではそのような理屈だと物語の前提から覆るのだが、ドイルはどうしても深海冒険物語を書きたかったのだろう。最後の作品でもあるのでそこら辺は大目に見るべきだろう。
しかし最後の作品でも子供心をくすぐる冒険小説を書いていることが率直に嬉しいではないか。読者を愉しませるためには貪欲なまでに色んなことを吸収して想像力を巡らせて嬉々としながら筆を走らせるドイルの姿が目に浮かぶようだ。翌年ドイルはその生涯を終えた。
最後の最後まで空想の翼を広げた少年のような心を持っていた作家であった。合掌。

No.1 5点 斎藤警部 2016/03/15 11:24
サー・アーサー最後の小説はノン・シリーズSF。 チャレンジャー教授の代わりにマラコット博士が登場、主人公の壮健なる青年を巻き込んで深海探索、ところが事故が起き、想定外の超深海へと沈み切ると、そこには思いがけず、退廃を極めた"人間社会"が存在していた。。 そして色々あって(笑)。。 爽やかなラヴ・ストーリー的結末で〆るカラフルな作品(深海にて何らかの出逢いがあったわけやね)。 何かがこうガツンと来るわけでなく、厳しい文明批評こそ有るもののセンス・オヴ・なんとかのセの字も嗅ぎ当たりませんが。。上質の退屈と共に短い小説をゆっくりと時間を掛けて読んでしまったものです。


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