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[ ハードボイルド ]
新宿鮫
新宿鮫シリーズ
大沢在昌 出版月: 1990年09月 平均: 7.38点 書評数: 34件

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光文社
1990年09月

光文社
1997年08月

双葉社
2005年06月

光文社
2014年02月

No.34 6点 文生 2022/12/11 10:21
キャリア組でありながら出世を捨てた一匹狼の刑事という主人公の設定が秀逸。そのことによって警察小説でありながらハードボイルドという独自のジャンルを構築することに成功しています。鮫島や晶をはじめとして登場人物も魅力的。緊迫感に満ちたストーリーも申し分なしですが、後続の作品と比べるとこじんまりとまとまりすぎている気がします。第1弾ということもあってキャラクター紹介に重きを置いているようでもあり、個人的にはその辺りがやや物足りませんでした。

No.33 8点 zuso 2022/10/06 22:11
拳銃密売犯を追う防犯課の鮫島警察部の捜査活動と、警察官殺害事件を追う捜査本部の活動を、同時進行的に描いていく警察小説。
冒頭からラストまで、目一杯に緊迫感がみなぎっており、ストーリー構成から人物造形に至るまで素晴らしい。

No.32 7点 クリスティ再読 2020/04/12 22:00
90~00年代あたり評者ミステリから結構離れてた時期があるんだけど、なぜか鮫の旦那だけは読んでたな。その理由を考えるとね、評者が指摘すると嫌がる方はいるだろうけど、このシリーズはゲイ小説として読めるんだよね。シリーズの始まりからしてインラン旅館の場面だし。まあだからシリーズ的にも鮫島と晶が結ばれる、なんて全然思ってもいなかったさ(苦笑)。で、正規の英題か知らないが、光文社文庫だと「The Saint in Sodom」って載ってるから、海外に売る時には当然そういうウリになるに決まってるよ、違うかい?
でシリーズ第1作は改造銃職人がゲイで、危うく鮫島まで貞操のピンチに陥る(ま、ピンチは貞操だけじゃないが)のが一番の見せ場な気がする。この職人が作った改造銃は何に仕掛けられているか?がミステリ的なポイントなので、ミステリ色が薄いわけじゃない。まあだけど、今はもうないもの(あるんだけどね)だから、読者が推理してアタるものじゃない。評者的には懐かしいけどね。
あと評者的な読みどころはオタクのエドくん。いかにもな脇筋をどう絡めるか?がこの作者らしい。襲撃犯の正体と動機に関する伏線も含め、手際よく捌いている印象。まあガンマニア、制服マニアってのも、マッチョなゲイ臭さが漂うものでね、二丁目のネエちゃんたちだけでなくて、全体に「Sodomな新宿」の小説という印象が強い。
まあこのシリーズもまったり楽しんでいこうか。評者は奇数番が好きな傾向がある。
(このシリーズ、意外に「ゲイ」って単語を使わないな。ホモとかオカマは出るけど、最低限にする配慮はある。ブランドステッター物はポリシーで「ホモセクシャル」だけどねえ)

No.31 8点 斎藤警部 2016/06/16 13:25
HYYY(早く読みたいゆっくり読みたい)の典型。KUNU(これが売れずに何が売れる)の代表。YYDD(よくぞ世に出した、でかした)!結末の締まりだけミステリ視線じゃ(要は小説として)急にちょっと緩くなるゆえ、ただそれだけで大幅減点!それでも8点(8.46くらい)難なくキープ。本当に良く仕上がったA級娯楽小説。短いラストシークエンスも最高に泣ける。アタイはモリアーティよりルパンよりホームズがいいけど、悪いけどサメよりキヅが好きだな。 ”鮫島は無言でその様子を見守った。。” 桃井も最高だが俺はやっぱ木津だな。藪も本当に魅力的な奴だ。もちろんサメも充分いいんだぜ。「彼」って誰やねん。。ライヴハウスで喧騒と感傷を撒き散らす音楽の描写には期待以上のリアリティ。これが嬉しい。(歌詞は別)

No.30 10点 Izumi 2015/07/17 00:03
大沢在昌の出世作。新宿鮫シリーズの一作目。
新宿歌舞伎町で警察官連続射殺事件が発生。同じ頃、新宿署防犯課に勤務する鮫島は一人で銃密造犯を追っていた。警官殺し事件に署内が躍起になるなか、鮫島はあくまでも銃密造犯に拘り追い詰めるが、そこには巧妙な罠が――。

主人公鮫島は警官であるが、本作はマクベインの87分署シリーズのようないわゆる警察小説とは少し違う。鮫島はキャリアでありながらある出来事でエリートコースを外れ、堕ちた偶像として警部という階級でありながら新宿署の一捜査員として飼い殺しにされている。同僚からも疎まれ一匹狼として行動しているため、犯罪組織にも鮫島の行動はタレコミなどで流れない。音もなく近づき噛む(逮捕する)ことからつけられた通り名が“新宿鮫”である。鮫島が警察という組織に属していながら、むしろ私立探偵に近い行動をとるところが本シリーズの特色であり最大の魅力である。
また鮫島の存在こそイレギュラーだが、警察の捜査、内部機構などはリアルに描写されている。ほかにもキャリアとノンキャリア、本庁と所轄という、いまではミステリを読まない人にもお馴染みの(『踊る大捜査線』の影響ですね)対立を、いち早く描いたのも本作である。

ハードボイルドタッチの警察小説と聞くと重く感じる人もいるかもしれないが、本作は文章が軽快で非常にテンポがよく読みやすい。脇を固める登場人物も鮫島の恋人であるロックシンガーの晶をはじめ魅力的であり、それらの人間関係を通して鮫島が犯罪を追うだけのマシーンではなく、血の通った人間であることを伝えてくれる。
昨今の組織(チーム)を主軸とした警察小説とは異なるが、まぎれもなく国産警察小説の礎となった名作だろう。

No.29 6点 いいちこ 2014/04/14 17:20
個性的な登場人物たちの活躍を活き活きと描き出す筆致で、リーダビリティは高い。
ただミステリとしての仕掛け・企みは希薄。

No.28 7点 TON2 2012/11/05 20:29
組織の階段からはずされたキャリア警部・鮫島を主人公としたリアルな警察小説です。新宿のまちのにおいが伝わってくるようです。

No.27 7点 2012/03/10 09:40
ハードボイルド物は、敬遠していましたが面白く読めました。
ただ、ミステリの要素が少ないのでこの点数です。

No.26 6点 Q-1 2011/04/17 14:31
ミステリー小説というより鮫島刑事のヒューマン小説といった感じでした。
ラブシーンがトレンディドラマっぽくて読んでるこっちが恥ずかしくなる感じでしたが、単純に読み物として面白かったです。
もう少し推理が利くシーンがあると良かった。

No.25 6点 VOLKS 2011/02/04 14:20
有名な作品なのに、なんとなく今まで触手が伸びずに読んでいなかったのだが、まぁ楽しめた。
どろっとした手触りのダークな警察ハードボイルド作品。
ハードボイルド作品ならば、原りょう・北方謙三の方が好みかなぁと感じたが、鮫シリーズ他の作品をまだ読んでいないので、読んでみたいとは感じた。

No.24 8点 白い風 2011/01/24 23:03
「新宿鮫」シリーズの第一作目だね。
人気になる通り、キャラ設定がしっかりしているね。
主人公鮫島の他に晶、上司桃井、鑑識係員の薮・・・そしてその他の刑事たち・・・。
緊迫感のある作品だったよ。
ただ、全てのキャラが結び付くのはちょっと出来過ぎ感はあったけどね(笑)

No.23 5点 HORNET 2011/01/11 02:23
 「鮫島」のキャラクターがたっている。何よりもそれです。よって,自分としてはミステリの要素は薄いように感じました。
 以前,何かのアンソロジーでこのシリーズの短編(タイトルは忘れましたが・・・何か雨の日にバーに立ち寄る話)を読み,そのかっこよさに魅かれてこの作品を読みましたが,そこでイメージしたよりも鮫島は軽い感じがしました。もちろんそれもまた魅力的でした。

No.22 4点 ムラ 2011/01/09 17:43
王道的なハードボイルド小説。
ところどころに熱いシーンがありますね。
昌と鮫島のキャラはよかったけど、彼の必要性がイマイチ物足りなかった。
鮫島が怯えるところは人間っぽくていいですね

No.21 8点 ZAto 2009/10/21 01:07
鮫島が晶に上司の桃井のことをぼそっと語るラストの小粋なセリフまで一気に読み終えて思ったこと。
かつての“衝撃的警察小説”も早くも王道の色合いに染まっていたというか、妙な気分だがクラシックに触れたような読後感だった。
もちろんよく出来た物語は十分に再読に堪えるものだ。

No.20 8点 E-BANKER 2009/09/05 23:00
まさに記念すべき「新宿鮫」シリーズの第1作目。
この作品が、この後20年以上も続いていく超人気シリーズになるとは、このとき誰が想像したでしょう。
~ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく・・・「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。待ち受ける巧妙な罠。絶体絶命の鮫島。登場人物の圧倒的な個性と最後まで息をつかせぬ緊迫感~

もはや書評の必要もない作品でしょう。
大沢氏は本作発表まで、これといったヒット作にめぐまれず、不遇を囲っていた作家でしたが、それまでの鬱憤を全て晴らすが如く、才能を見事に開花。
いやぁ、とにかく登場人物がこれほど魅力的&個性的に書かれた作品(シリーズ)には、いまだにお目にかかれません。
そして、何とも言えない緊張感溢れる展開。
手に汗握りながら、終盤を迎え、感動のラストでは涙さえ流したくなる・・・
これぞ、エンターテイメントの到達点とさえ感じてしまいます。

本作では、改造銃の名手・木津に絶体絶命のピンチに追い込まれた鮫島を、普段は「昼行灯」と思われていた上司の桃井警部が救出するという、シリーズ通しての重要な場面が出てきます。(これだけでも必読)
孤独な闘いを強いられきた鮫島にわずかながらでも差してきた光明。
桃井や、藪、そして晶・・・今後のシリーズでも重要な人物たちもすべて登場。
本シリーズは、是非順番に読んでいただきたい!
中途半端な読書はして欲しくないとさえ言いたい!(それくらいの「思い」なのです)

No.19 7点 ロビン 2008/09/29 19:33
日本のハードボイルドのほとんどは主人公が警察で、あまり読む気になれず、ここまできた。
本書も刑事という設定でこれぞハードボイルドという孤高の男。そのため、どうしても組織からはみ出した人間としなければならず、そういった警察機構の対立の描写も多い。
などなど、個人的な好き嫌いはあるのだが、面白かったです。緊迫感のある文章と物語展開。ただ、ちょっと軽い印象を受けてしまった。

No.18 7点 あい 2008/05/16 22:40
面白かった。この作品から始まるシリーズは基本的にはずれがないから安心して読める。

No.17 8点 itokin 2007/12/30 15:25
警察小説として、話の展開、スピード、迫力、全てに満足。
横山秀夫と少し違った面白さがあった。

No.16 9点 Tetchy 2005/07/10 01:07
警察小説の金字塔といっても過言ではないでしょう。
登場人物、舞台設定、事件など全てにおいて周到に練られているなぁと思いました。
文体は海外作品のハードボイルドと違い、意外にあっさりしているのが印象的でした。

No.15 8点 くりからもんもん 2005/05/24 10:05
おもしろかったです。まあ、ミステリではないですね。刑事小説としてはよくできていると思います。息もつかせぬ展開・まあまあ無理のない設定・程よい恐怖。携帯電話でライフル弾が撃てるってのが若い子には違和感あるでしょうね。


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