皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 女王蜂 金田一耕助シリーズ |
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横溝正史 | 出版月: 1954年01月 | 平均: 6.12点 | 書評数: 25件 |
![]() 東京文芸社 1954年01月 |
![]() 東方社 1957年01月 |
![]() 講談社 1960年01月 |
![]() 角川書店(角川グループパブリッシング) 1973年10月 |
![]() 講談社 1975年01月 |
![]() 東京文芸社 1976年06月 |
![]() KADOKAWA 2001年12月 |
No.5 | 5点 | ミステリー三昧 | 2009/09/30 17:41 |
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<角川文庫改版>金田一耕助シリーズの代表作です。
「絶世の美女」の登場はシリーズの定番であり、物語の中心に置かれることが多い。今回もその類に漏れず、全身の血が騒ぐような惨劇が繰り広げられる、といったお決まりのパターンで物語が進む。しかも『犬神家の一族』とダブリ過ぎ。 ただ、ヒロイン役の「智子」に関しては官能的な描写が過剰に続くこともあり、一際美しい女性を想像してしまった。きっと今までで一番の美人だと予想される。なんせ「女王蜂」ですからね。まぁ、そんな話題は「映像を観た人」向きだろうから無意味でしょう。 事件は推測だけで場当たり的に解決するため、説得力に欠ける。当然、読者に向けられた伏線はなく「本当に解決したのか?」と思わずにいられない。金田一さんに苦言したい。「せめて犯人だけは守りましょう」と・・・ 余談ですが、コナン君の名ゼリフ「犯人を推理で追い詰めて自殺させる探偵は殺人者と変わらないぜ、バーロォー」は金田一耕助に向けられた言葉と判断して差し支えないでしょうね。 |
No.4 | 6点 | マニア | 2008/10/06 03:24 |
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絶世の美女にして生粋の女王智子が、20年前の月琴島での惨劇と、現在の彼女の周りで起きる血みどろの連続殺人劇を通じて、少女から背伸びした大人の女性へ、そして再び無垢な少女へと回帰していく成長物語はそれだけでも楽しめる。
しかし、動機、トリックを含めた真相は強引すぎたり納得できないものもあり、ミステリとしてはちょっと拍子抜けしたかも・・・。特に犯人の動機はいきなり突拍子の無い感じが否めない・・・。 でも、とても美しい情景を想像できるエンディングはかなり好き。 |
No.3 | 7点 | シュウ | 2008/09/25 00:32 |
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横溝作品特有のおどろおどろしさも薄いし犯人の動機やトリックもちょっとがっかりするものだったりで横溝黄金時代の作品の中では
ちょっと落ちるのは間違いないと思います。ただそれでも楽しく読めるのは登場人物の魅力が大きいです。 主人公の金田一はもちろん、ヒロイン大道寺智子よりある意味では存在感がある家庭教師の神尾秀子、怪しさ大爆発で素敵過ぎる九十九龍馬など 登場人物の行動を見守るだけでも楽しいです。横溝作品にしては珍しく後味のいいエンディングも印象的です。 |
No.2 | 8点 | 白い風 | 2008/03/07 23:25 |
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過去の事件と現代の事件、トリックを含め重要なのは過去の事件。
”こうもり”と云うキーワードを元に過去の事件を解く金田一。 智子の結婚候補者が次々殺される理由には正直納得はできないけど楽しめました。 家庭教師・神尾先生の存在を含め、個人的にはこのようなエンディングも好きな方なので+1点しました。 |
No.1 | 8点 | vivi | 2008/01/31 01:14 |
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20年前、小さな島・月琴島で起こった密室での殺人。
そして現代、美しい主人公・智子にふりかかる悪夢。 非常に盛りだくさんの仕掛けが施された作品です。 横溝氏は、血みどろの人間劇を書く一方で、 非常にロマンティックな恋模様も描いた作家でしたが、 この作品では、その両方を味わうことができますね。 作中、何度もハッとさせられること請け合いです(^^) |