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[ 本格/新本格 ]
名探偵水乃サトルの大冒険
水乃サトルシリーズ
二階堂黎人 出版月: 2000年02月 平均: 5.08点 書評数: 12件

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徳間書店
2000年02月

講談社
2002年02月

No.12 3点 レッドキング 2023/12/05 23:06
水乃サトル君シリーズ短編集。
  「ビール家の冒険」 空き家の如き一軒家に残された大量の缶ビールの謎。5点
  「ヘルマフロディトス」 女子高生マル文字日記に仕込まれた殺人Who手掛り。3点
  「『本陣殺人事件』の殺人」 本家イチャモン付けと新機軸の提示・・唯の「針糸トリック」だが・・4点
  「空より来る怪物」 天窓以外は密室だった山小屋での密室焼殺トリック。6点
※短編ミステリ集として平均5点。が、第四編キャラ・「宇宙神~」同様・のヘキエキ感と、余計な後書「~が許されるのは島田荘司先生(! °o°) だけ・・」云々にマイナス2点。

No.11 6点 nukkam 2022/07/24 15:28
(ネタバレなしです) 1997年から1998年にかけて発表された社会人・水乃サトルが活躍する本格派推理小説の中短編4作をまとめて2000年に出版された短編集です。解決が早いのでサトルの天才ぶりが際立っており、「ビールの家の冒険」(1997年)といい、「ヘルマフロディトス」(1997年)といい、証拠品の実物を確認する前によくまあそんなことを思いつくものですね。「『本陣殺人事件』の殺人」(1997年)は横溝正史村というテーマ・パークの舞台まで用意して有名作「本陣殺人事件」(1946年)のトリックに別の真相の可能性を用意した意欲作。謎の魅力も雰囲気もいいのですが犯人当ての謎解きが雑な出来ばえなのが惜しいですね。宇宙人による殺人かもしれない謎が後年作の「宇宙神の不思議」(2002年)を連想させる「空より来たる怪物」(1998年)は発想の逆転アイデアが講談社文庫版の巻末解説で「バカミス的トリック」と評価されていますけど、長編でなくコンパクトに中編のボリュームに収めた点で成功していると思います。

No.10 7点 mediocrity 2019/09/23 23:22
『軽井沢マジック』で登場した長身、美形の水乃サトル君が活躍する短編集。キャラもストーリーもかなーりゆるいが、押さえるべきところはしっかり押さえていると感じた。

①ビールの家の冒険
実際に触って違和感に気付かなかった連中は無能。話を聞いただけでわかってしまうサトル君は有能。
ところで、エビスビールは製造工場記号Hの大分日田工場の物がおいしいので、わざわざ九州の酒屋に注文する人もいるらしい。日田天領水なんてあるくらいだから水がいいのだろう。

②ヘルマフロディトス
個人的にはこの作品は好きです。当時38歳のおっさんがこんな物よく書けたものだと感心してしまう。ただ、当時38歳のおっさんがこんな物を書いたのを、生理的に受け付けない人も多いだろうなあ。

③『本陣殺人事件』の殺人
『本陣殺人事件』の別解釈をサトルが示す。確かに手ぬぐいの件はその通りだ。

④空より来たる怪物
バカミスですね。これを書きたいがために、水乃サトルなんてキャラを作り出したんじゃないかと勘ぐってしまう。

No.9 5点 まさむね 2012/01/06 21:27
サクサク読めてしまう,軽い短編集。作品ごとに短評を。
①ビールの家の冒険:私が犯人なら,そんな面倒なことはしないなぁ。
②ヘルマフロディトス:私が犯人なら,日記を燃やすなぁ。その不合理性を「精神的に子供」で済ませていいものか?
③『本陣殺人事件』の殺人:本家への新解釈は確かに興味深かったけれども,私が犯人なら,倣う必要性を感じない。
④空より来たる怪物:これぞバカミス。嫌いではない。

 総合的には,犯人の心理を度外視しすぎで,トリックのためのトリックって印象。一方で,「それを言っちゃあ…」と自分に突っ込んだりも。まぁ,作者は敢えてやっているのでしょうし。
 ちなみに,水乃サトルは,軽い短編集に丁度いいキャラですねぇ。ギリギリこの点数かなぁ。

No.8 4点 E-BANKER 2009/11/01 21:23
水乃サトルシリーズの短編集。
4編とも軽い作品でサラッと読めすぎる内容。
「ヘルマフロディトス」・・・児童向けの推理クイズみたいな作品。「なんじゃこりゃ」的です。
「『本陣殺人事件』の殺人」・・・元ネタの解決について異を唱えているところのみが読みどころ。
あとの2つも評価には値しないでしょう。
蘭子シリーズの合い間にやっつけで書いたんですかね?

No.7 5点 江守森江 2009/05/24 06:01
このシリーズの売りはサトルではなく、サトルのお姉さま方にあると思う。
短編になるとお姉さま方が登場しにくく残念。
但し、ミステリーとしては短編のがスッキリして格段に良い。

No.6 6点 vivi 2009/01/20 00:35
こういう極端なキャラクターが「名探偵」にはふさわしい・・・
という二階堂氏の信念なのでしょうか。
それでも、蘭子の方はかなりアクの強い人物ですが、
水乃サトルは憎めないキャラですね。
どこがどうオタクなのか分からない、とっちらかった人物像で(^^;

ビールの話は、ちょっと現実性に欠ける気がしますね。
発想は面白いけど、本当に作るか?って感じ。
それだったら、埋めたほうがマシですよね(笑)
本陣殺人事件の話が、やはり一番面白かったです☆

No.5 5点 シュウ 2008/09/24 21:52
ヘルマフロディトスはちょっと勘弁して欲しい。読んでて恥ずかしかった。
『本陣殺人事件』の殺人が一番面白かった。この横溝正史村利用してもっと作品書けばいいのに。
本陣殺人事件のトリックはもともとあの日本家屋が頭の中に浮かんでこなくてよく分からなかったんで、これもよく分からなかった。

No.4 4点 Dain 2005/05/11 01:31
イマイチです。どうしても登場人物に魅力を感じない。トリックもオチが読めるものが多く、ちょっとがっかりです。

No.3 6点 なの 2004/09/12 18:16
水乃サトルのダメ人間っぷりが楽しいですね。
肩の力が抜けていて、単純に楽しい作品でした。
『ビールの家の冒険』は、元ネタの西澤氏よりもすっきりしたオチでした。
こっちの方が納得できるなぁ・・・。

No.2 2点 おさるさん 2002/07/28 12:22
拍子抜けする作品が多くて・・・。

No.1 8点 テツロー 2002/05/05 00:50
 話を重ねるごとに、生活人として段々駄目になってくような気がするな、水乃サトル。

 「ビールの家の冒険」と「ヘルマフロディトス」は、缶ビールの証言や残された日記という手がかりの矛盾を突いて真相を看破する。「『本陣殺人事件』の殺人」と「空より来たる怪物」は、機械的トリックの解明。前者の方が好みですが、後者のトリックも短編ということでうまくまとまっていたと思う。「空より〜」のトリック、解説でバカミスと言われていたが、僕はハタと膝を打った、良い方のバカミスだと感じました。

 後、どうでもいいことではあるが、「本陣〜」に出てきた奇譚社という出版社、解説では京極夏彦の「妖怪」シリーズが挙がっていたが、元は綾辻行人の「迷路館」のネタだろう。ただ、漢字が違う〜。(稀譚社が正解)わざと変えたのか間違えたのか…、マニア的にはそこは合わせて欲しかった。


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