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[ 本格/新本格 ]
バラ迷宮
二階堂蘭子シリーズ
二階堂黎人 出版月: 1997年01月 平均: 5.50点 書評数: 8件

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講談社
1997年01月

講談社
2000年01月

No.8 6点 nukkam 2019/02/21 22:48
(ネタバレなしです) 1997年発表の二階堂蘭子シリーズ第2短編集です。「ユリ迷宮」(1995年)は200ページを超す作品を収めているため3作から成りますが本書は6作が収められ、短編集としてはこちらの方が多彩に楽しめると思います。臣さんやE-BANKERさんのご講評で評価されているように短編であっても大時代的な雰囲気が漂っているのが作品個性となっており、謎解きの面白さもたっぷりです。トリック重視の作品が多いのもこの作者ならではですが、毒殺トリックの謎解きの「薔薇の家の殺人」はページが多いこともあってプロットにも力を入れてます。作中でエラリー・クイーンの「フォックス家の殺人」(1945年)が引用されてますが、使われているトリックは異なりますけどちょっと似ているところがありますね。トリックが印象的なのはグロテスクな犯罪にふさわしい凄惨な真相の「喰顔鬼」です。

No.7 5点 MS1960 2018/03/23 13:05
本格の雰囲気を出した6つの物語。個人的には、トリックや複線、意外な結末といった本格の要素を考えると、「薔薇の家の殺人」と「変装の家」が好み。
<ネタバレあり>
但し、「薔薇・・」に関しては、あそこまで手の込んだ方法で殺人をするのかは疑問。証人である妹が姉の動きを全て見ている、という前提が必要だが、その確率は限りなく低く、一瞬でも見逃せば証人としての機能しなくなってしまう。「サーカス・・」は物語としては面白いがグロテスクでトリックも凡庸。「炎・・」はあまりに非現実的。「喰・・」は物語としては面白いが意外性はあまりない。「ある・・」はダイイングメッセージを使った意欲作だが、これまた意外性があまりない。

No.6 6点 メルカトル 2014/01/27 22:28
再読です。
二階堂蘭子シリーズ、6篇からなる短編集。どれもそこそこ及第点を上回っている作品ばかりだと思うが、個人的にベストは『サーカスの怪人』。語り口調がさながら蘇った乱歩といった感じで、大時代的な雰囲気を醸し出している。事件の謎はとても魅力的で、引き付けられるものがあるが、トリックはまあなんというかちょっと無理がある気もする。そんなマイナス点を差し引いてもこれは近年では、二階堂氏の他には島荘くらいしか書けないのではないかと思う。
次点は『火炎の魔』で、完璧な密室の中、被害者は突然発火し凄まじい勢いの炎に包まれて焼け死ぬというもの。この作品は、ガムテープで目張りまでしてある密室が逆にこのトリックを可能にしているという、他に類を見ない異色の密室殺人事件となっているところに注目したい。
他の作品もそうだが、全般におどろおどろしい雰囲気を盛り上げるためか、過剰な表現が目立つのが気になる。「私は、頭を鋼鉄のハンマーで殴られた気がした」とか、それは作者自体が言葉で言い表すものではなく、読者が自然と心の中で感じるべきことだと思うので、そんな恥ずかしい一人称表現は控えめにしてほしいものである。

No.5 7点 2011/12/29 14:39
バラバラ死体が舞い降りる『サーカスの殺人』をはじめ、提示される不可能犯罪の謎がみな魅力的で、しかも怪奇風味を味わえる、趣向が種々異なる6編を集めた名探偵・二階堂蘭子シリーズ作品集です。

トリックは、多くが理系専門知識モノや推理クイズもので好みとはいえませんが、それ以外のミステリ要素は気に入り、予想以上に楽しめました。
なかでも、やや長めの『薔薇の家の殺人』は謎、真相、トリック、伏線、ストーリー、語り口のバランスがとれていて、編中ベストだと思います。トリックは計画的であるものの咄嗟の判断を必要とするもので、犯人の巧妙さに驚かされます。この真相を解明した蘭子はもっとすごい。最後のひとひねりも、ラストの結び方も決まっています。

『サーカスの殺人』は、派手さはいいが、このトリックはちょっとね?
『変装の家』は最も地味。トリックは類似モノがいくらでもありそうです。手馴れた読者なら見破れるとは思いますが、最後までわからなかったので自分にとっては良作です。
『喰顔鬼』はサスペンスフルで怪奇趣味が濃く、怖さを堪能できます。
『ある蒐集家の死』はダイイング・メッセージ物ですが、ダイイング・メッセージ自体はたいしたことがありません。でも小トリックを絡めて全体トリックを完成させたところは見事です。
『火炎の魔』。周りから監視された状態の密室内の人体自然発火という謎自体が、なんとも魅力的です。でもトリックの実現可能性はどうなんでしょうね?

6編すべて、平均以上の満足度が得られました。カーの短編とくらべても遜色がないと思います。大時代的でスマートさには欠けますが、むしろそこは横溝的で好ましいです。
ところでなぜ、みなさんの評価は高くないのでしょうか?ほんとうにたいしたことがないのか、二階堂氏の実力からして物足らないということなのでしょうか?
新本格作家のわりに、このサイトでの登録件数がすくないのも意外です。なにか理由があるのでしょうか?本格直球勝負ではなく叙述トリックなどの味付けが必要なのでしょうか?(すみません、疑問符ばかりで)
とにかく、氏の作品をほとんど読んでいないので研究する必要はありそうです。

No.4 6点 E-BANKER 2011/04/15 23:05
二階堂蘭子シリーズの作品集。
第1作品集「ユリ迷宮」に続く第2弾です。
①「サーカスの怪人」=人間大砲というのがかなり血生臭い。こういう奇術的トリックは作者の得意技ですね。
②「変装の家」=トリック自体は普通。「盲目」の人物が出てきた時点で想像がつく。
③「喰顔鬼」=ホラーじみた話だが、真相には特に捻りがなかった・・・
④「ある蒐集家の死」=ダイニング・メッセージもの。推理クイズのようなストーリー&プロット。なんかスッキリしないなぁ・・・
⑤「火炎の魔」=ある化学物質を使えば人間を簡単に焼死させられる・・・ということ。
⑥「薔薇の家の殺人」=フーダニットについては読み応えあり。最後の捻りもなかなか効いている。まあまあの秀作。
以上6編。
蘭子シリーズとしてはちょっと喰い足りないような印象。やっぱり長編向きの探偵&シリーズだと思います。
クドイくらい大時代的で、薀蓄やドロドロした展開で、というんじゃないと満足できない!
これぞファン心理。
(⑥はなかなか面白い。他はどれも今ひとつの出来ですねぇ)

No.3 6点 ギザじゅう 2005/03/22 14:08
全体的に小粒な印象は否めない。
「サーカスの怪人」「喰顔鬼」「火炎の魔」はちょっとした物理、化学の知識を応用しただけで、この解決にカタルシスを感じるかどうかは難しい。またフーダニット色もほとんど無いので、ますます残念。
「変装の家」はまあまあの出来か?ただネタもわかりやすい。再読したら楽しめるだろうが、そんな気も起こらない。
「ある蒐集家の死」は単純なダイイングメッセージものながら、消去法推理をしたり、推理の過程がロジカルで、そこは面白い。厳しく言えば、今時この程度のDMで読者に対抗するのもどうか?
唯一満足なのは「薔薇の家の殺人」。これもちょっとした物理の知識を応用してはいるものの、誰もが知っているような(小学生的な?)知識を利用しているために、手を叩いてしまう。やはり推理小説はこうでなくちゃ。

No.2 3点 norito_japan 2002/12/05 23:16
無理ありすぎ

No.1 5点 tenkyu 2001/07/29 17:57
いつもの事ながら、名探偵を演出する事に余念の無い作品。とはいえ「ある蒐集家の死」は面白かった。また文庫版の解説は一読の価値があると思う。


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