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[ 本格/新本格 ]
巨大幽霊マンモス事件
二階堂蘭子シリーズ
二階堂黎人 出版月: 2017年09月 平均: 5.80点 書評数: 5件

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講談社
2017年09月

No.5 5点 nukkam 2020/09/14 20:55
(ネタバレなしです) 2017年発表の二階堂蘭子シリーズ第9作の本格派推理小説です。出来事は1920年の冬から翌年春に開けてのシベリアで起こり、蘭子は安楽椅子探偵よろしく手記と伝聞から謎解きします。ソヴィエト体制下ながらまだまだ反革命勢力も抵抗して内戦状態の中、財宝が隠されていると噂の死の谷へ向かう武装商隊と、彼らを次々に血祭りにあげていく正体不明の「追跡者」との攻防を描いた冒険スリラー色の濃いプロットです。マンモスの正体の半分は蘭子の推理よりも前に明かされますが、そこには本格派の要素が全くありません。推理による謎解きはむしろ消えた足跡の方が印象的でした。部分的にはいいと思えるところもありますが、様々な要素を詰め込み過ぎて純然たる本格派とは言えないのが好き嫌いが分かれそうです。あとフェアプレーをアピールするのはいいけれど「アガサ・クリスティのように、手掛かりも与えずに読者を騙すような卑怯な手は使っていない」と自画自賛したのは勇み足では。クリスティと違う手法でアンフェアなことやっているように思います。個人的にクリスティーは大好きな作家なので私も客観的な意見を書けないのは承知の上ですが、作者にクリスティーを批判する資格はないと思います。

No.4 6点 名探偵ジャパン 2019/07/16 00:25
「双面獣事件」を経て「覇王の死」に至ったところで、本格ミステリではない遠いところに行ってしまった感のあった「二階堂蘭子シリーズ」でしたが、久しぶりに刊行された本作はなかなかに「本格」していました。
同シリーズの「ロシア館の謎」の続編という位置づけなのですが、その「ロシア館」自体が相当昔の作品のため、たぶん誰も読み直そうとはしないまま本作を読んでしまったのではないでしょうか(私もそうでした)「ロシア館」は短編で量もないので、ついでに一緒に収録してしまったほうがよかったかもしれません。

No.3 5点 人並由真 2017/10/31 10:52
(ネタバレなし)
 うーん……。微妙だなあ。タイトルロールの幽霊マンモスの謎は、現代の新本格ミステリとして普通に常識的? な範疇に収まるし。途中の不可能犯罪の謎の提示はなかなか魅力的なものの、一方で作品全体の結構なんかはある程度、早々と予見できてしまうし。
 さらに反則的な大技はその規格外れぶりを芸にしようとしてるらしいが、あまりカタルシスが得られないんだよね。それとは別のトリックと言うか真相も、かつてJ・D・カーがぎりぎりのところで使ったものを<変なミステリ横溢の新本格のなかならこういうものも許されますよね、てへっ>と、用いた印象である。

 あと作者の狙いはわかるような気がするけれど、それでもある登場人物の××××××は、読んでいてあまり楽しくない。
 先駆作である芦辺の『地底獣国の殺人』と島田の『奇想~』が悪い意味でちらつき、後発感を拭えないのもマイナスポイント。

 得点もそれなりに多い作品ではあるが、それらを相殺する要素も少なくない。そんな一冊。

No.2 6点 makomako 2017/10/08 22:26
二階堂蘭子シリーズは4半世紀も続いているとのことです。初期の本格推理モノは素晴らしく、リアルタイムで読んできた私は作者の将来をおおいに期待したものです。ところが最近の作品はとんでもないものとなり果ててしまった。能力が枯れてしまったのかなあ。
そんな中ではこの作品はまあましな程度には出来上がっています。
ばかばかしいので読むのをやめようかとまでは思わず、一応何とか最後まで読めます。
でもやっぱり現実離れしたむちゃくちゃなところも多い。あり得ない確率で起きたことがいっぱい出てきて、それを蘭子がたちどころに分かるというのもどう考えても不自然だし。


No.1 7点 はっすー 2017/09/15 00:05
二階堂蘭子シリーズの新刊
出来としてはかなり良いかと思います
特に足跡のトリックは二つとも好印象(二つ目の方が好きです)
どこかで見たことのあるようなトリックを複数組み合わせて新しいトリックを作るところは流石ですね
ただタイトルのマンモスの謎はもはや謎なのか?となってしまうレベルのものでしたので1点引きました

あとこの作品で重要なのは『ロシア館の謎』の続編であるということです
『ロシア館の謎』を直前に読んでいると楽しみが倍増します
一応自分は既読だったのですがかなり前に読んだのでトリックぐらいしか覚えてませんでした…(楽しみは倍増しませんでした…)
というよりも20年以上前の短編の続編を今さら出すとは…


二階堂黎人
2017年09月
巨大幽霊マンモス事件
平均:5.80 / 書評数:5
2015年09月
亡霊館の殺人
平均:7.00 / 書評数:2
2014年07月
クロノ・モザイク
2014年04月
ラン迷宮
平均:6.50 / 書評数:2
2012年05月
増加博士の事件簿
平均:2.60 / 書評数:5
2012年02月
覇王の死
平均:4.33 / 書評数:3
2011年08月
東尋坊マジック
平均:4.00 / 書評数:3
2010年07月
誘拐犯の不思議
平均:4.00 / 書評数:2
2009年06月
智天使の不思議
平均:4.20 / 書評数:5
2008年07月
鬼蟻村マジック
平均:5.25 / 書評数:4
2007年12月
双面獣事件
平均:4.00 / 書評数:2
2005年11月
カーの復讐
平均:5.50 / 書評数:2
2005年04月
稀覯人の不思議
平均:4.67 / 書評数:3
2004年10月
魔術王事件
平均:4.75 / 書評数:4
2004年05月
ドアの向こう側
平均:7.00 / 書評数:1
2003年07月
猪苗代マジック
平均:4.67 / 書評数:3
2002年11月
増加博士と目減卿
平均:4.50 / 書評数:2
2002年10月
宇宙神の不思議
平均:4.00 / 書評数:5
2002年03月
宇宙捜査艦「ギガンテス」
平均:5.00 / 書評数:2
2001年04月
悪魔のラビリンス
平均:5.86 / 書評数:7
2000年02月
名探偵水乃サトルの大冒険
平均:5.20 / 書評数:10
1999年11月
諏訪湖マジック
平均:5.43 / 書評数:7
1999年08月
クロへの長い道
平均:7.50 / 書評数:2
1999年06月
名探偵の肖像
平均:6.00 / 書評数:1
1997年01月
バラ迷宮
平均:5.50 / 書評数:8
1996年11月
奇跡島の不思議
平均:5.57 / 書評数:14
1996年04月
私が捜した少年
平均:6.43 / 書評数:7
人狼城の恐怖
平均:7.57 / 書評数:28
1995年06月
軽井沢マジック
平均:4.71 / 書評数:14
1995年04月
ユリ迷宮
平均:5.70 / 書評数:10
1994年12月
悪霊の館
平均:7.17 / 書評数:18
1993年08月
聖アウスラ修道院の惨劇
平均:5.27 / 書評数:15
1992年10月
吸血の家
平均:7.21 / 書評数:14
1992年08月
地獄の奇術師
平均:5.03 / 書評数:35