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[ SF/ファンタジー ]
宇宙の一匹狼
フレドリック・ブラウン 出版月: 不明 平均: 6.00点 書評数: 1件

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東京創元社
1993年07月

No.1 6点 クリスティ再読 2026/10/15 12:51
ブラウンというと、戦前はなんでも書く短編作家だったわけだけど、戦後はミステリはほぼ長編のみ、SFは長編も短編も、と比較的ジャンルの使い分けが偏ったことになる。5冊あるSF長編の4作目だからブラウンでも終盤。原題も「Rogue in Space」で邦題の「一匹狼」よりもさらに「無法者」というニュアンスが強いかな。いやガチのハードボイルド悪漢小説というべきで、読んでいて連想するのはまさに悪党パーカー。

名うての悪党クラッグが仕事で呼び寄せられた。しかしそれは罠。濡れ衣で逮捕されて裁判になるが、その判事で有力者のオリヴァーに逆に仕事を持ちかけられる。火星の天才科学者からあるものを奪う計画だった。クラッグはオリヴァーの計画に乗らざるを得ない...その計画の中で裏切られたクラッグを救ったのは宇宙を漂う「考える岩」だった!

という話。ストーリーラインがブチブチと断続していて、かろうじてクラッグのキャラクターで統一されているという、なかなかイビツな小説なんだよね。だから客観的な出来がいいかといえば、悪い。しかしこの悪党クラッグのハードボイルドっぷりが徹底していて、それに妙な魅力がある。SF設定にあまり意味がないのでは?と思ってしまうくらい。究極に孤独で、自分のサバイバルだけに全フリの、肉食獣のような男一匹の話。最後の方など寂滅感さえも感じる。

出来は悪いが、評者は好き。ヘンな魅力がある小説。


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