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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
木曜の男
別題『木曜日の男』『木曜日だった男』
G・K・チェスタトン 出版月: 1951年01月 平均: 6.44点 書評数: 9件

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1951年01月

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1960年01月

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1963年01月

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1978年04月

光文社
2008年05月

No.9 2点 レッドキング 2023/12/13 22:51
破壊と秩序、テロルと詩、アナキスト結社のナンセンス活劇に始まり、冗談みたいな弁証法的な冒険が、夢幻的な戯画へと展開し、ヘーゲル言うところの「全てが全てと転倒し合う永遠の喜劇」に収束する・・が、そこはチェスタトン、ヘーゲル同様、耶蘇教カトリックへの肩入れは忘れない。ミステリとしては・・結社メンバーのドミノ的正体明かし。

No.8 5点 虫暮部 2023/05/09 12:44
 書かれている事柄は判るが、他愛のない話。第十三章の追跡行以降急にノリノリになる(さくらももこのナンセンス系漫画みたい)からと言って、免罪符になるわけではない。それで? と言う感じ。

No.7 5点 モグラの対義語はモゲラ 2021/04/16 18:13
これは……何というか凄かったな。今の私では理解できないというか。
チェスタトンは童心しか知らなかったのでその印象で読んだのだが、イメージを裏切られたなというのが読後最初に思った感想である。
とりあえず強烈で心地よい熱量は感じられるし、序盤の無政府主義者の団体に潜り込む件なんかはポップにエンタメをやっていて面白い。ただまあ、個人的には微妙に人に薦めづらいかなあ。いや、こういうの結構好きなんだが。

No.6 8点 斎藤警部 2021/04/12 13:40
ラストシーンの晴れ渡り感が眩しい。。。。(ラス前のぶちまけ感も凄まじい。) こう見えて友情と淡い恋の物語だよな。。(その置き場所がとんでもなくシャイでトリッキーなんだが。。) 時々、未来視点からの振り返りがカットインする所がニクいね。読了後、その意外な意味が滲みる。。逆説とユーモア、洞察の冴えは言うまでもないが、、ってやっぱり言ってしまいます。軽奇書と呼びたいですね。(じゅうぶん重いけど、愉しくて読みやすい、が、自然と玩読を強いられるので時間は掛かる。) 現代に無政府主義というと世界を繋げた極大グローバル企業群とスーパー富裕層を想うが、著者だったらそのへんどう描くだろうか。。 本筋から遊軍として離れるような、本筋そのもの(のパラフレーズ)のような、ドタバタアクション展開も滑稽に色彩豊かに盛り上げる。。!! 途中から、昭和の某人気ドラマを連想して笑っちゃいました(笑)が。。。。。。。スパイスリラー、のパロディ、かと思って裏切られるのもまた一興、といった一面もある快作です。オモロいゎア。。。。。。。。

No.5 7点 弾十六 2018/12/11 05:09
1908年出版。iBook版(光文社文庫 南條訳)で読了。昔々、創元文庫(吉田訳)で読みました。
飲み食いをする美味しそうな場面が多いな、と思って読んでたら、訳者あとがきに「ピクニック譚」とありました。南條訳は難しい冒頭の詩(E.C. ベントリーに捧げたもの、吉田訳は省略)をちゃんと訳していて、その詩の解説も(訳者あとがきに)ついています。
吉田訳は取っ付きにくい感じがありましたが、南條訳はこなれててとても読みやすい仕上がり。
まさに夢を見ているような展開で大好きな物語。もっと圧倒的に恐ろしかった記憶があったのですが、再読してみたら結構軽いファンタジーでした。第8章までは本当に素晴らしいです。
実はスパイスリラーのパロディかもしれません。そうすると時代的にオッペンハイムやルキューなどが元ネタでしょうか?(と言っても、この二人の作品を読んだことはありませんが…)
ではトリビアです。ガードナーのThe Annotated Thursdayは未見。どんな注がついてるのか、とても気になります。なおページ数は創元文庫のもの。
p32 大きなコルトの拳銃 (a large Colt’s revolver): さすがにSAAでは古すぎるのでM1892あたり?正しく「輪胴式拳銃(リヴォルバー)」と訳して欲しいなあ。(気にするのはマニアだけ)
p37 アリー スローパーの半休日(Ally Sloper’s Half-Holiday) 吉田訳では「赤本」: WEB検索で見たら不気味なガリガリの赤鼻おじさんでした。
p52 安物の葉巻(...)ソーホーで2ペンスで買ったやつ: 現在価値は消費者物価指数基準(1908 /2018)で0.966ポンド、141円。英国の安売りシガー(通販)を探したら3ポンド/本くらいが最安値でした。
p70 大英博物館のメムノン像(Memnon in the British Museum): 顔の横幅約1メートルの像。優しい顔だけど…
p75 死人の眼にペニー銅貨を乗せて、云々という物語(ugly tales, of some story about pennies being put on the eyes of the dead): 眼が開かないようにする工夫らしい。
p186 カービン銃(carbines) 吉田訳では「銃」: 騎兵隊(gendarmes、吉田訳:「憲兵」)なので短くて馬上で扱いやすいカービン銃です。

この一節が昔から大好きなんです。「一匹の蠅が、なぜ全宇宙と戦わねばならないのか? 一茎の蒲公英(たんぽぽ)が、なぜ全宇宙と戦わねばならないのか?」(Why does a fly have to fight the whole universe? Why does a dandelion have to fight the whole universe?)
子どもごころに、ハエやタンポポも戦っていたのか? そうか戦っているんだな! という気づきがあったのです…

No.4 6点 ボナンザ 2018/12/02 09:58
チェスタトン必殺の怪作。どうすればこんな展開に持っていけるのか・・・。

No.3 10点 クリスティ再読 2015/06/21 17:22
神様と会ってしまった人々の話。
こういうのどうやってこういうサイトで採点しろと言うのだろう?

チェスタトンはブラウン神父も含め、著作を開始する支点としてミステリの形式を借りているだけで、黒死館とかドグラマグラと同様に、ミステリでない彼方へジャンプしてしまっている....

しかし改めて読むと実は結構これ中二病な解釈ができる(まあセカイ系だよね)。アニメ化希望。要するに「serial experiments lain」こそが「木曜の男」の真っ当な後継者である。ここらへんがこの作品の真の生命力であり、古くなる要素がいろいろあるブラウン神父よりも長生きするかもしれない....そういうあたりを含めてこれは普遍的(カソリックってそういう意味だ)。
月並みでない小説を求める読者ならば必読。

あと個人的にはチェスタトンの描写の「絵心」が素晴らしい。男性作家には珍しいことだが服装描写も具体的。本当に視覚的な人間だと思う....

No.2 6点 kanamori 2011/02/25 22:29
中学生の時にブラウン神父の流れで読んで途方に暮れた作品。今回うん十年ぶりに「木曜日だった男」(光文社古典新訳文庫)で再読しました。
二人の詩人による思想小説のような序盤の問答と、不条理文学的な幕切れの部分は、凡庸な読書人の身には今回も理解不能な訳ですが、その間に挟まれた、詩人ガブリエル・サイムの無政府主義最高評議会への潜入捜査のくだりが滅法面白い。七曜会メンバーの次々と暴かれる正体は、お馴染みのチェスタトン的逆説に溢れています。スパイ冒険小説のパロディですな、これは。
冒頭にある、幼馴染で親友のE・C・ベントリーに捧げられた序詩のなかの一節、
「これは今は昔語りとなった恐怖の物語、(中略)それが語る真実を君以外の誰も理解するまい」
・・・・なるほど、凡人には読解できないなと納得。

No.1 9点 Tetchy 2008/09/28 00:07
チェスタトンの数少ない長編。
無政府主義者の集会に潜入する詩人のお話という、なんともチェスタトン趣味ど真ん中の作品だ。
一読して、そのあまりの奇想ぶりと、博覧強記の鹿爪らしい文章に戸惑い、辟易するかもしれない。
しかし二度目に読むと、この奇妙さが甘美な毒となって読書の愉悦をもたらすのだから不思議。

最近光文社の古典文庫で『木曜だった男』の題名で新訳刊行された。つまり21世紀に残すべき名作というわけだ。
光文社の選択眼の高さに賞賛を送りたい。


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