兇人邸の殺人 剣崎比留子シリーズ |
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作家 | 今村昌弘 |
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出版日 | 2021年07月 |
平均点 | 7.38点 |
書評数 | 24人 |
No.24 | 7点 | hsiyehmeipo | |
(2024/05/02 22:12登録) トリックはすごくシンプルだけど王道。しかし設定が面白く、展開もスリル満点だった。 建物の構造もすごくわくわくするつくりで、見取り図を見ているだけで楽しめる。 |
No.23 | 7点 | メルカトル | |
(2023/11/08 22:33登録) 『魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟"として人気を博す地方テーマパークだった。園内にそびえる異様な建物「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在"による無慈悲な殺戮が待ち受けていた。待望のシリーズ第3弾、ついに刊行! Amazon内容紹介より。 頭の悪い読者代表として言わせてもらうなら、ゴチャゴチャし過ぎ。この全容を完全に把握するのは到底無理です。頭の弱い私には、ドタバタ劇の合間にミステリの側面を覗かせている様にしか思えません。しかし、比留子の推理のキレは鋭く、どんな状況にあっても冷静で的確です。其処は認めなければなりません。まあその辺りを含めて考えると、本格ミステリの出来としては高水準であるのは間違いないとは思います。 もう少し整理してくれたらなあと、そう考えるのは贅沢と云うものでしょうか。みなさんは怒涛の展開と怪異の習性、ワトソン役の活躍、探偵の窮地、首切りの謎、人体実験等々に惹かれて平均点を押し上げたのだと私は解釈しています。それだけレベルの高い読者諸氏が集まった結果だと。 私でさえ7点を付けたのですから当然かも知れません、特に終盤の謎解きとラストのあれは凄かったと思いますよ、素直に。 |
No.22 | 7点 | mozart | |
(2023/07/29 14:46登録) 前作と比べると(屍人荘のように)ブッとんでいてなかなかグロい特殊設定だったのでちょっと引いてしまいました。あからさまなミスリードを誘うパートにはさすがにミステリー素人の自分でも欺されませんでしたが、かといってあのような真実を推理・予想できるわけもなく、作者の術中にはまってひたすら比留子探偵の推理に感心させられるばかりでした。 あの人物の登場から続編もありそうなので期待したいところです。 |
No.21 | 7点 | びーじぇー | |
(2023/05/18 23:46登録) 葉村譲と剣崎比留子は、班目機関の研究資料を探す企業グループとともにある人物が秘匿しているものを回収に、廃墟テーマパークにある、かつては監獄のアトラクションだったという通称・兇人邸へ向かう。そこで数カ月に一度従業員が経営者・不木玄助に招かれるが、中に入った者は二度と戻らなかった。屋敷で一同は不木に詰め寄るが、彼が案内した先には恐るべき者が待ち受けていた。 洋平たちの首をはねて回る●●。舞台となる迷路状の兇人邸の禍々しさも迫力十分だし、さらにそこで●●とは別の口の連続殺人が起きるとなればなおさらで、ホラー度は三作中トップなのではないか。 合間に挿入される「追憶」の章は班目機関の犠牲になったと思しき少年少女のエピソードを綴ったもので、哀切な演出が効果的。肝心の剣崎比留子は奥の部屋に囚われの身となり、今回は安楽椅子探偵役にとどまっているのが残念だが、葉村譲とのホームズ&ワトソン劇にも進展が見られたし、二人の関係は今後も楽しみ。 |
No.20 | 10点 | 密室とアリバイ | |
(2023/05/03 09:44登録) 屍人荘という高すぎた壁に屈することなくシリーズ3作目にして最高の出来栄え |
No.19 | 8点 | ぷちレコード | |
(2023/03/30 22:19登録) デビュー作同様、本作でも閉鎖環境への考察が新鮮で、なおかつ行き届いている。営業中のテーマパークの一角にありつつも、そこだけは来園者の立ち入りが禁じられた兇人邸の特殊性が登場人物たちに強烈な焦燥感をもたらすし、読者にはサスペンスを与える。また、それが登場人物の思考の筋道にも影響を与え、事件の構造にも関わってくる造りも見事。 さらに密閉環境における事件解明のためのロジックが丁寧に作られている点にも好感を抱く。最終的に意外性に富んだ真相が明らかにされると同時に、犯人の悲哀も明らかになって胸を打つ。 |
No.18 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2023/03/26 19:05登録) パニックホラーを8割ぐらいにして、本格推理は2割ぐらいにした方がよかったのかな?との印象。殺人鬼に係るアリバイは館の構造を把握していないと無理です(笑)。見取り図はありますが・・・。よほどの酔狂でない限り、解こうとは思わないのでは?。ラストの鍵に係る真相は秀逸なんですけど、いろいろ欲張りすぎた感もあり、埋没してしまう懸念大です。なんと言っても脱出ゲームの肝ですからねえ。 |
No.17 | 7点 | みりん | |
(2023/02/20 23:22登録) 「屍人荘」「魔眼の匣」の二作品と比べてしまうとミステリーとしては物足りなさを感じますが、いつもの"人智を超える存在"のルーツについて「追憶」という章でしっかりと描かれており、そこが前2作より楽しめました。 ようやく最新作まで追いついたので初めて発売日に買えるであろう四作品目も楽しみにしておきます。重元は今後キーパーソンになるんだろうか |
No.16 | 6点 | suzuka | |
(2022/10/13 01:08登録) 見取り図を見ながら事実関係を追っていくのを挫折し、途中からは流れで読んでいましたが、それでも真相を開示されればちゃんと理解できました。 ミステリとしてだけでなく、物語の部分も面白く、脱出の下りは結構グッときました。 |
No.15 | 7点 | レッドキング | |
(2022/08/30 21:36登録) 女学生探偵:比留(ヒル!)子シリーズ第三弾。「我らの敵はジェイソンであって、モリアーティでない・・」 第一殺人の絞殺者Whoロジックに、1点・・加点法で採点 第二殺人のアリバイ時間ロジック及びSFコードトリックに、2点。 紛失キー取返しHowダニット(面白い!)に、1点。 建物構造設定(よくぞこんなの)に、2点。 SFホラーWhoダニット倒叙に、1点。・・で、合計、7点。 ※この作者のみならず、女学生ホームズに隷属する男子学生ワトスンて、どうしても「この手」の匂いを振り撒くのね。 ※既刊三作中、読んでて一番ワクワクさせられた。次は来年かな、楽しみだ。(^.^) |
No.14 | 7点 | 名探偵ジャパン | |
(2022/07/06 17:14登録) シリーズ第三弾も安定のクオリティ。最近の若い作者は本当に「ハズレ」を書きませんね。とはいえ、さすがに1作目、2作目のようなインパクトは薄れます。『屍人荘』以降、この手のミステリが爆発的に増えたという状況もあるのでしょうが。作者にはこの路線の第一人者として、今後も頑張ってほしいものです。 ただ、文章だからかなり誤魔化されているのだと思いますが、この話が置かれた状況がかなり異常(事件そのものとかいう話でなく)で、「こんなことになるんかいな」と思わないでもありません。 |
No.13 | 7点 | 測量ボ-イ | |
(2022/05/08 12:51登録) 話題の作品を先日読了。この作品もなかなかのものでした。 詳細は先に書評くださった方の意見と同様なので繰り返しませんが、一口で言えば、 よくこれだけの設定をつくれたなあというところに感心。 CC(クロ-ズドサークル)好きの方にはもちろん、そうでない方にも一読をおす すめします。 「屍人荘・・」と「魔眼のハコ・・」に続く第3弾ですが、個人的には「魔眼のハ コ」が最も好みかな。この作者はしばらく追いかけたいと思います。 |
No.12 | 7点 | パメル | |
(2022/03/24 09:21登録) このミス4位、本ミス3位。本作も含め、毎回特殊設定ミステリで楽しませてくれる。相性の良いこの作家は、しばらく追っていこうと思っている。 テーマパーク内に放置されたアトラクション、通称・兇人邸。創薬会社社長・成島は、班目機関の研究資料を手に入れるため、事件を呼び寄せる体質を持つ剣崎比留子に同行を申し入れる。剣崎やプロの傭兵たちと共に、兇人邸へ潜入した葉村譲を待ち受けていたのは、殺人事件と●●の存在であった。 海外のパニックホラーを彷彿させる雰囲気が漂っており、冒頭からワクワクさせてくれる。●●の存在と殺人犯と気を付けないといけない対象が複数ある。●●の存在に怯えながら、誰もが怪しく思え疑心暗鬼になり、腹の探り合いをしていくところが読みどころ。 兇人邸には本館と別館に分かれていて、本館にも主区画と副区画とある。建物の構造が複雑で、見取り図を見ながら推理するのも、本書の魅力の一つである。●●の存在には大きな弱点があり、それによって行動範囲が制限されるとともに、潜入した人たちの行動範囲が広がるというのが面白さに繋がっている。心理的なクローズド・サークルで、外に助けを呼ぼうとすれば出来るが、それぞれに都合があり仲間内で意見が割れ、そうはしない。 この特殊設定を活かした殺人犯のトリックと動機、終盤の怒涛の展開が熱い。また、助手役の葉村譲が大活躍し、助手としても人間としても成長しているのも嬉しい。人物像もしっかり描かれており、色々な人の想いが最後に詰まっているラストには震えた。次作も期待したい。 |
No.11 | 7点 | 人並由真 | |
(2022/03/04 02:17登録) (ネタバレなし) 『パックマン』か『平安京エイリアン』を想起させる、迷路的空間を徘徊するモンスターを相手にしたサバイバルゲームのごときシチュエーションは鮮烈。モンスターのSF設定もパズルストーリー部分をふくむ作劇要素に十二分に奉仕し、舞台設定を作りこんだという面では文句なしに三作中、一番であろう。 ただし波状攻撃のごとく明かされる意外な真相は読みごたえがあった一方、正に手数の多さが読む側の感興を相殺してしまった一面もある(先行の方のレビューで言うなら、個人的には文生さんのものに一番、共感)。入念な作品を楽しむのは、ときに難しいものだと改めて感じた。 で、イカれた、しかし(中略)動機の真相は、思いきり賞賛したいような反面、反応に困るところも……(汗)。 なお先にモンスターのSF設定をホメたが、最後に明かされる(中略)のロジックは、ちょっと説明不足だったとは思う。あまり丁寧に書いて読者に勘付かれまいとした配慮かもしれないが、ここはミステリ初心者さんの感想に近しい感慨を覚えた。 あとこのモンスター、どうやって(中略)してきたのでしょう。そこらへんは不要な生態になっていたのか? 評点はさすがに6点ではちょっと低すぎるという思いで、この数字で。 |
No.10 | 9点 | まさむね | |
(2022/01/10 21:02登録) シリーズ第三弾。面白かったですねぇ。「屍人荘の殺人」以降、高水準の作品を確実に示してくれている作者に感謝したい。 やはりクローズドサークルの作り上げ方が巧みですね。巨人の設定もポイントが高い。細かい点ではありますが、各登場人物の設定がスッと頭に入ってくる気配りも素晴らしい。中盤まではドキドキ、中盤以降は完全に作者の掌で転がされていました。真相も印象深いですし、全体として様々に考えられています。個人的には「屍人荘」以上の評価かも。続編も大いに期待します。 |
No.9 | 9点 | E-BANKER | |
(2022/01/08 18:36登録) 「屍人荘の殺人」「魔眼の匣の殺人」に続くシリーズ三作目。 今回も探偵=比留子、助手=葉村のコンビが当然活躍するのだが、途中は意外過ぎる展開に! 2021年発表で、各種ランキングを賑わせた作品。 ~”廃墟テーマパーク”に聳える「兇人邸」。班目機関の研究資料を探し求めるグループとともに、深夜その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち受けていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。さまざまな思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出の道を選べない。さらに、別の殺人者がいる可能性が浮上し・・・。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?~ いやいや、こんな”突拍子もない”設定、よく考えたねえー ただ、個人的な感想でいうなら、大評判となった「屍人荘」よりも、もちろん「魔眼の匣」よりも本作の方が断然上に思えた。(世間的にはそうでもないようですが・・・) 「屍人荘」もかなりの特殊設定だったけど、本作はそれを凌駕する。もはや完全にゲームの世界だ。 なにしろ、訳の分からないほど入り組んだ迷路さながらの「館」だし、人の力を完全に超越した巨人が殺人者(しかも首斬り魔!)だし、探偵役の比留子は脱出不能で完全に孤立するし・・・ もはや、何が何だか、普通なら混乱必至のプロットだと思う。 しかしながら、そうはならない。作者の考えぬかれた「仕掛け」に読者は翻弄されることになる。特に、巨人以外の「生き残り」による殺人、これも首斬りなのだが、アリバイを主に四重五重にも張り巡らされた作者の「罠」にはなかなか感服させられた。久々に聞く名言(?)「困難は分割せよ」(by二階堂蘭〇)の更に上を行く、「困難の三分割」・・・これはかなりの興奮を覚えた。成るほどねぇ・・・、だからの首斬りとは・・・恐れ入りました。 過去の「追憶」シーンはいわゆるカットバック的手法なのだが、これも読者にとっての「罠」として有効に作用している。(読者は当然、アイツがあいつで・・・って予想するもんね) 「巨人」の設定(夜しか活動できない、必ず首を斬るなど)もゲームキャラ的要素満載なのだが、この1つ1つの設定がトリックや仕掛けに活かされているところも評価が高い。特殊設定にばかり目を奪われるけど、要は、ありとあらゆる要素がすべて1つの真相につながっていく、かなり真っ当なミステリーということだろう。 まぁさすがに動機(真犯人以外の行動も含めて)については首肯できない箇所も目立つし、細かい突っ込みどころは多いのは事実だけど、それを補って余りある面白さだった。新年から、こんな作品読めてまずはラッキー。 (単行本135ページの比留子の言葉『…確かに脱出の手段はあるけど、それを使うことで状況がより悪化する可能性がある。これは私たち自身が留まることを選ばざるを得ないクローズドサークルなんだよ』。これがプロットの出発点かな?) |
No.8 | 7点 | makomako | |
(2022/01/07 21:32登録) このシリーズも3作目となった。こういった設定だと物語の設定はある程度自由度があるのでどんなお話となるかと期待して読みました。 確かに面白い内容でしたが、初めのほうは推理小説というよりオカルト小説の傾向が強い。 中盤以後は密室迷路の推理がいろいろされて、いかにも本格推理小説となってきます。これかといった方法が提示されかなりよさそうだがやっぱり無理といった推理が次々と出てきて読者を混乱させます。こういった推理がめんどくさいと思う方にはこの小説は全く向きません。 かなり後半になりようやく犯人の正体や怪物の正体がわかるような展開となり、私などは久しぶりに名探偵の推理の前に答えがわかったと喜んだのですが、どっこい作者はそう甘くはなくさらに奇抜などんでん返しとなり、哀れ私の推理は木っ端みじん。 こういった感覚が味わえるのは作者の本格推理作家としての力なのでしょう。 ただちょっと作風が二階堂蘭子シリーズのようになってきているのが心配です。蘭子シリーズも初めはとても良かったのですが後期にはスカスカになってしまったので。 |
No.7 | 8点 | zuso | |
(2021/12/28 22:41登録) 舞台となるのは、古さを売りにしたテーマパークにたたずむ「兇人邸」。そこに秘匿されている「重要なもの」を回収するのに同行してほしいと依頼を受けた剣崎比留子は、同じ大学の後輩葉村譲らと共に深夜、屋敷に侵入する。しかし、鉄の扉の先で待っていたのは、大なたで人間の首を刈る隻腕の巨人だった。 外部への脱出が困難になるだけでなく、脱出方法によっては巨人を外界に解き放ってしまう恐れもあるという仕掛けがユニーク。死体が増えていく中で、巨人以外にも殺人者がいることが判明、幾重もの謎が巨人の生まれた悲しい過去に結び付く。物語のラストでは意外な展開が待っており、次作への期待も高まった。 |
No.6 | 8点 | 虫暮部 | |
(2021/10/31 13:46登録) 特殊設定サヴァイヴァルが面白過ぎてフーダニット部分が埋もれちゃったなぁ。 “あの子”の実体がアレなら、“生け贄”は無意味だったかもしれない? 雑賀の来歴は一応提示されたが、女性のほうのソレは不明のままで気になる。 |
No.5 | 7点 | ミステリ初心者 | |
(2021/09/20 18:26登録) ネタバレをしています。 待望のシリーズ第3作! 非常に読みやすい文章に、丁寧な描写や館見取り図、ワトソン役葉村による容疑者タイムテーブルなど、全くストレスがありません。かつ、今回も現実には存在しない巨人や、人体実験を受けた生き残りなどをうまく絡めつつの犯人当てや不可能トリックは健在です。 非常に濃厚な本格要素がおおいです。主に4つあり、それぞれすべて水準が高かったです。 前半の、探偵剣崎比留子による犯人当ては、倒叙形式でのミステリになっており、これだけでも1冊分の価値がありました。正直いって、この部分が一番出来が良かったです。ただ、挑戦状、あるいはそれを示唆する文が無かったために(自分はそう感じましたw)、私があれこれと考える前に比留子が解いてしまいました(涙)。読者と共に解く本というよりかは、探偵比留子が勝手に解くのを眺める小説のようで残念です(笑)。まるで、石持浅海。挑戦状がついていれば大幅加点するのですが、この作者は従来の推理小説を揶揄することを多く書いており、絶対に挑戦状などつけないでしょうね。 次に、誰が雑賀を殺したか?という犯人当てについてです。中華包丁関連の話や、不木の首切りなど、非常に論理的で隙が無い犯人当てでした。たとえ、雑賀の首の謎(いつ切ったのか、いつ運んだのかなど)がわからなくても、とりあえず犯人当てはできるという趣向(?)であり、フェアさを感じました。 雑賀の首はいかにして切られたか、については、密室などと同じ系統の不可能犯罪ととらえて読みました(笑)。血のトリックによる、首を切られた時間の詐称は盲点でした…。剛力が雑賀の死体の発見した後では、首を切るのは非常に難しくなってしまうため、むしろ剛力が発見した時点で切れていたのではないかとも考えてしまいましたが、それだと馬鹿ミスですね(笑)。ただし、生き残りは出血死しない的な要素がありますが、これは説明不足と思います。あと、巨人が雑賀を発見して首を切るか?は偶然の要素が絡みますし、第一犯人の狙った通りの時間ではなかった偶然もあっての不可能犯罪なので、どちらかというと好みではありません。 最後に、いかにして鍵をゲットするかという問題。まるで、北山猛邦氏のような狂気じみた方法で、大変気に入りました(笑)。負け惜しみですが、北山猛邦作品だったなら、解いた自信があります(笑)。 総じて、個人的シリーズ最高傑作の魔眼の匣よりかは劣るものの、推理小説としての密度と水準は依然として高く、早くも次の新作が待ち遠しいです。 |