まさむねさんの登録情報 | |
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平均点:5.87点 | 書評数:1225件 |
No.1225 | 6点 | 天に昇った男 島田荘司 |
(2025/03/29 16:47登録) これって、制度的にも医学的にも無いよね…と思っていたら、そういうことでしたか。島荘作品の中では異色作でしょうね。賛否はありそうですが、冒頭から終盤までグイグイ読ませる魅力があります。 死刑制度に関する作者の主張は思ったほど直接的ではなかったのですが、確かに「あり得る」状況であるし、考えさせられるものはありました。 |
No.1224 | 6点 | 十和田湖殺人事件 中町信 |
(2025/03/27 21:56登録) 複雑な構成で、多少前に戻って人物関係や当該人物の行動を確認したりといったこともございました(この点は人物の書き分け等の工夫で防げたような気も…)が、内容としては水準以上に楽しめました。終盤の伏線回収は鮮やかでしたし、ラストの締めも作者らしくて好きです。 告発しようとすると殺害されるパターンが続出することは、まぁ、展開上やむを得ないことは分かりつつも、なぜ皆さま(例えば「明日話す」とか言って)留保しようとするのか、死亡フラグが立ち過ぎる点については、ちょっともどかしさもありました。ちなみに、舞台が「十和田湖」である意義はほぼありません(笑)。 |
No.1223 | 6点 | 濱地健三郎の呪える事件簿 有栖川有栖 |
(2025/03/22 20:51登録) シリーズ第3弾。 よりホラー寄りになっている印象ですが、例えば「戸口で招くもの」のように、論理性を兼ね備えた作品もある辺りは作者らしい。決して禍々しさのみを強調せず、人の優しさを感じさせる点も作者らしいかな。いずれ短編も、コロナ禍の時期を舞台にしているのも特徴の一つ。 濱地健三郎との志摩ユリエのコンビもしっくりきているし、次作にも期待したいと思います。 |
No.1222 | 5点 | そして少女は、孤島に消える 彩坂美月 |
(2025/03/16 14:18登録) 若い女性5名を無人島に集めて行われる映画のオーディション。10歳でデビューし、人気子役となった18歳の井上立夏もその一人だった…。 現実パートと演技パートが交互に出現し、不穏な空気が漂います。その空気感が嫌いということはないのだけれど、個人的には多少しつこいかな…という気も。ラストは、もっとディープなトコロを想定していたのだけれど、結構あっさり味なのね…という印象も。採点はこのくらいか。 |
No.1221 | 6点 | サヴァイヴ 近藤史恵 |
(2025/03/12 21:57登録) 「サクリファイス」シリーズの短編集。孤高のクライマー石尾とそのアシスト赤城、一世代下となる伊庭と白石という、特に一作目のサクリファイスに登場したロードレーサーたちが各短編でそれぞれの個性を発揮します。 短編によって主人公や時代設定が変わる(しかも前後したりしながら)のですが、それもまぁ、いいアクセントになっていると捉えたいと思います。個人的には、石尾と赤城のコンビが登場する3短編が良かった。石尾の成長もだけど、チーム内で重要な役割を担っている赤城に感情移入してしまう方は多いような気がするなぁ。 |
No.1220 | 6点 | エデン 近藤史恵 |
(2025/03/11 21:36登録) 「サクリファイス」の続編。ヨーロッパに渡った白石誓が語り手で、自転車ロードレースにおける世界最高峰の大会「ツール・ド・フランス」が舞台。 ミステリ要素は極めて薄かったこともあって採点はこの辺りに留めますが、良質な読書時間であったことは間違いないです。自転車ロードレースの奥深さや選手たちの熱い想いを感じました。白石の語りが良いのですよね。一方で、日本人女性の絡ませ方が中途半端だったような気も(まぁ、大きなポイントではないし、丁度良い案配なのかもしれないですけど)。 |
No.1219 | 6点 | 時限病棟 知念実希人 |
(2025/03/03 23:15登録) 脱出ゲームの要素も悪くはなかったですが、登場人物それぞれの〝秘密〟が明らかになり、真相を突き止める部分がやはり読みどころでしょうか。グイグイ読まされました。一定予測の範囲内ではあったものの、最終盤の転換は、想像できなかったですね。タイトルに反してタイムリミット感はそうでもないのだけれど、他の面で十分楽しませていただきました。 |
No.1218 | 6点 | 探偵AIのリアル・ディープラーニング 早坂吝 |
(2025/03/01 21:35登録) ラノベ的な展開&書きぶりに、前半は少し戸惑ったのですが、連作短編全体として巧く流れているし、ミステリとしても成り立たせていることには感心(ちょっと無理のあるネタもあったけど)。特に最終話 「中国語の部屋」 の仕掛けは好きですね。AI探偵という、新しい感覚で読めたのも自分としては楽しかったな。 |
No.1217 | 5点 | 猫の耳に甘い唄を 倉知淳 |
(2025/02/24 21:32登録) うーむ。丁寧であり、フェアであり、念入りでもありましょう。で、あるが故に、カタルシスには至らない。 うーむ。作者の親切心が強く出過ぎたということで。 |
No.1216 | 6点 | 新 謎解きはディナーのあとで2 東川篤哉 |
(2025/02/22 21:17登録) シリーズ第2章の第2弾。影山執事の暴言が優しめになったなぁ、とか、風祭警部の着眼点が何気に良くなっているなぁ、とかいう印象はありつつも、いつもの黄金の流れの5短編を収録。不思議とマンネリ感はありません。むしろ安心して読める心地よさを感じましたね。ミステリとしても、小粒ではあるものの、安定した面白さがあります。アイドル・キラリンが印象的な「灰色の血文字」、なぜ被害者の服を奪ったのか「服を脱がされた男」あたりが、作者らしくて好きですね。 |
No.1215 | 6点 | 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集 澤村伊智 |
(2025/02/13 21:40登録) ホラー21連発の掌編集。時間の隙間に少しずつ読んでいこうと思っていたのですが、次の掌編も気になるなぁ…が続いた結果、あっという間に読み切ってしまいました。 ちょっと意図をつかみきれない作品もあったのだけれど、多彩なパターンで楽しめます。たった2ページでの反転が見事な「せんせいあのね」、想定外のオチ「さきのばし」、ひっそりと怖い「満員電車」辺りが好み。 |
No.1214 | 6点 | パンとペンの事件簿 柳広司 |
(2025/02/11 21:07登録) 1910年代に実在した「売文社」を舞台とした連作短編。 勉強不足で、「売文社」はもとより、機関紙「へちまの花」、さらに堺利彦、大杉栄、荒畑寒村、小口みち子らの名も初めて知ったのですが、皆が生き生きと描かれていて、読み心地は良です。当時の時代背景も含めて、勉強にもなりました。ミステリー度は低いのですが、自由とは何か、世評とは何か、今に繋がる課題を考えさせられもして、良い読書をさせていただきました。 |
No.1213 | 7点 | ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中に 斜線堂有紀 |
(2025/02/09 13:33登録) 粒ぞろいの短編集。SFあり、ハードボイルド調ありと筆も幅広く、読者を飽きさせません。読ませます。6.5点を切り上げてこの採点。 ①ある女王の死:ある女性の一代記。 ②妹の夫:SF。時空を超えた伝達と推理。通信官ドニが素敵。 ③雌雄七色:タイトルがアレだけど、二度読みはしました。 ④ワイズガイによろしく:一転してハードボイルド調。 ⑤ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会:キャラもの? |
No.1212 | 6点 | 夜ごと死の匂いが 西村京太郎 |
(2025/02/06 23:20登録) 7つの短編を収録。 4短編は刑事(主に十津川)視点。十津川やその相棒の設定が短編ごとに微妙に異なっていたりする辺りは興味深いです。 残り3短編は私立探偵(森恭介or秋葉京介)視点で、個人的にはこちらの方が好み。スピード感と意外な結末で楽しませてくれました。 各短編が発表されたのは、1971年~1977年までの間。トラベルミステリー注力期以前の、作者の様々な試みが垣間見える短編集でした。 |
No.1211 | 5点 | 本格的 死人と狂人たち 鳥飼否宇 |
(2025/02/03 21:37登録) バカミス好きの私としては、思ったよりも?マトモというか、しっかりしていた印象…いや、そうとも言い切れないか。うーむ。「本格的」というタイトルどおりかもしれない。 増田助教授が嫌いになれないのだけれども、続編「官能的」を読んでみるべきか否か、暖かくなる頃までに考えてみたいと思います。 |
No.1210 | 6点 | 朝比奈さんと秘密の相棒 東川篤哉 |
(2025/02/01 15:11登録) 鯉ヶ窪学園を舞台とする連作短編集。であるので、確かに「鯉ヶ窪学園シリーズ」なのだろうけど、主要メンバーは一変しているし、新シリーズと捉えた方がいいかもしれません。 まずは、理事長の娘であり、在校生でもある朝比奈譲がいい味を出しています。(別シリーズでも同じようなキャラが…という突っ込みも含めて、)いかにも作者らしいキャラ設定です。相棒となる石橋君のキャラ変体質は、何とも都合よすぎる設定だなぁ…とは思うのですが、短編的には良い変調をもたらしているし、まぁ、いいか。 中身としては、丁度いい小粒感。いや、決して悪い意味ではなく、気楽に読める短編集としていいんじゃないかな。 |
No.1209 | 7点 | 毒入りコーヒー事件 朝永理人 |
(2025/01/21 23:02登録) これは面白かった。 「誰が毒を入れたのか」。登場人物が限られている中、その真相解明の過程が楽しかったですね。そして終盤の怒涛の絵解き?が素晴らしい。 「カップの底から真相が浮かび上がるとき、読者は『自分が何服も盛られていた』ことに気付くだろう」との、市川憂人氏の推薦文は、非常に的を射ています。手軽に読み進められる文量でもあるし、一読の価値はあると思います。個人的に、こういう作品は大好物だし、長く印象に残りそう。 |
No.1208 | 6点 | みどり町の怪人 彩坂美月 |
(2025/01/19 21:39登録) 埼玉県内の架空の地方都市を舞台とした連作短編集。時代設定は1990年代初めで、SNSはおろかインターネットも一般化しておらず、都市伝説が私たちの傍にあった時代。その町には怪人が出て、女性と子どもを殺すという噂があった。実は過去に、母子殺人事件があり、犯人は未だに捕まっていない…。 …と書くとホラー感満載と思わされそうだけれども(まぁ、そういった要素も無くはないのだけれど)、各短編はイイ話も多く、読後感も悪くないです。主人公が短編ごとに変わるのも、気分が変わって悪くないかな。最終話は、予測どおりではありましたが、どうなのかなぁ。そういう結末でいいものか、ちょっと考えさせられはしましたね。 |
No.1207 | 6点 | 成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 |
(2025/01/13 21:57登録) sophiaさんのおっしゃるとおり、最終話「探さないでください」はミステリーとも言えましょう。そういうことで、続編も書評しちゃおう。 いやはや、今回も成瀬あかりとその周りの仲間がいいなぁ。笑いつつ、何か泣きたくなるんだよなぁ。こういう時代だからこそ、成瀬あかりが必要なのかもしれない。純粋に楽しく読みました。 |
No.1206 | 5点 | 改訂・受験殺人事件 辻真先 |
(2025/01/11 16:43登録) スーパー&ポテト・シリーズ第3弾。「中学」・「高校」と来て、今回は「受験」か。ふむふむ。 なかなか魅力的な謎で楽しく読めたのだけれど、その真相自体は些か凡庸かもしれません。でも、構成の妙や意外性の演出は流石であります。あらためてタイトルを振り返って、なるほどねぇ。 |