嘘と隣人 |
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作家 | 芦沢央 |
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出版日 | 2025年04月 |
平均点 | 7.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 8点 | HORNET | |
(2025/08/31 00:05登録) 知りたくなかった。あの良い人の“裏の顔”だけは…。ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し…。リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?(「BOOK」データベースより) 退職した元刑事・平良正太郎を主人公とした連作短編集。事件にまつわる人たちの「嘘」を共通要素として扱っている。一つ一つの謎とその真相が非常にしっかり仕組まれていて面白い。置換冤罪を題材とした「最善」は特に面白かった。 短編集ながら、一作一作のレベルがなかなか。これはよかった。 |
No.1 | 7点 | まさむね | |
(2025/07/06 12:57登録) 定年退職した元刑事・平良正太郎が主人公を務める連作短編集。様々な「嘘」が共通テーマで、社会派の一面もあります。元刑事らしい淡々とした語り口と転換の組み合わせが良。 ①かくれんぼ:ⅮⅤ夫からの被害の発端となったのは…。 ②アイランドキッチン:事件の真相よりも記憶に残る激ヤバ女。こんな人間にロックオンされたら…怖すぎる。 ③祭り:外国人労働者を巡る課題。ミステリ度は収録作で一番か。 ④最善:痴漢冤罪。本当に最善の策だったのか。巧みなプロット。 ⑤噓と隣人:人は何故嘘をつくのか。承認欲求や保身…。少しだけ救いのある話。続編がありそうな締め方。 |