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ミステリの祭典

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どうせ世界は終わるけど

作家 結城真一郎
出版日2025年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2025/10/10 12:47登録)
 謎解き中心と言うよりは、それを通じて作者の言いたいことが色々ありそうなメッセージ系ミステリ? でもそれをこんな風にはっきり出しちゃっていいの?
 ハイ、これを読んでこう思って! ここで共感して! みたいな作者の思惑があまりに露骨。そういうのはもっと物語の背後に上手く潜ませて欲しい。作中のサッカー少年のように、“押し付けんなよ” “言われたからやってるみたいになるのは納得がいかない” って気分。
 そんな中で「友よ逃げるぞどこまでも」だけはとても面白い。そしてそれは、登場人物の心情云々よりも、犯罪絡みの設定に負うところが、やはり大きいのではないか、と思った。

No.1 6点 まさむね
(2025/08/11 20:22登録)
 小惑星が地球に激突し、人類は滅亡する。ただし100年後に…。絶妙な設定の中で描かれる連作短編集。100年の猶予は長いのか短いのか。自分ならどうするのか、深く考えさせられます。
 終末系小説でイメージされるような寂寥感はなく、むしろ〝希望〟を感じます。マイベストは3話目の「友よ逃げるぞどこまでも」か。最終話は、無理に色々詰め込まなくても良かったような気も。

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