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ミステリの祭典

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ひとんち 澤村伊智短編集

作家 澤村伊智
出版日2019年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2020/01/13 20:41登録)
(ネタバレなし)
 ノンシリーズのホラー短編集。8本収録。就寝前に読んでひと晩経つとあまり記憶に残ってないものもひとつふたつあるが、おおむねの作品は、なかなかコワイ。
 以下、印象的な作品の短評。

『夢の行き先』
 学校怪談ものだが、どことなく民話風な展開。そこそこに怖いオチに行き着くのが、かえって作品の印象を深めている。

『闇の花園』
 ……作者は、こういうものを一度は書いてみたかったんですね、という感じ。ちょっと微笑ましいような気もする。

『宮本くんの手』
 スーパーナチュラル性よりも、人の心の闇の怖さの方が残る一編。結構キツイ。

『シュマシラ』
 webの感想では本書中の人気上位作のようだが、初読でピンとこなかったので二回読んでなんとなく魅力がわかった。水木しげるの昭和30~40年代の怪奇短編のような話。

『死神』
 直球・剛球の怪談。問答無用にじわじわ来る怖さ。

『じぶんち』
 50年代「異色作家短篇集」の(中略)ホラー編+奇妙な味、のような内容。これも地味にゾクゾク来る。ちょっと星新一っぽい。
 
 ちなみに『シュマシラ』が「比嘉姉妹シリーズ」の世界観とリンクしている? というAmazonのレビューがあって、「え?」と思ったけど、それって、237頁のあの名前のことか? この作品世界にもアレは存在する、という解釈も可能なような気もするけれど。

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