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ミステリの祭典

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砂男
学生アリス&江神シリーズ、作家アリス&火村シリーズ ほか

作家 有栖川有栖
出版日2025年01月
平均点5.75点
書評数4人

No.4 5点 HORNET
(2025/10/19 22:00登録)
江神シリーズ2編「女か猫か」「推理研VSパズル研」
火村シリーズ2編「海より深い川」「砂男」
ノンシリーズ2編「ミステリ作家とその弟子」「小さな謎、解きます」

ファンが期待する有栖川作品らしいのは、火村シリーズの2編。表題作は特に、非常にオーソドックスな「短編推理小説」。出色の出来ということもないが、手堅くまずまず面白い。真犯人や動機は予想通りだったが、それは平均的に「犯人当て」を楽しむことができたということ。
対して本作に収録されている江神シリーズはややチープ。特に「推理研VSパズル研」は、クイズを題材にした小エピソード、って感じ。
ノンシリーズ2編は、「ミステリ作家とその弟子」のほうがよかったかな。 

No.3 5点 虫暮部
(2025/06/13 14:32登録)
 本書の成立過程があれこれ記されているが、単に出来がちょっと弱くて短編集に収録し損ねていたものが集まっちゃったんじゃない? と言う感じもするな~。
 「推理研VSパズル研」のロジックが理解しきれない。作中の説明の仕方はベストなのだろうか?
 表題作。鉄道事故の真相が不明なままで良いのだろうか?
 「小さな謎、解きます」は両方ピンと来た。漢字マニアなもので。歌詞の件は私も気になっていた。ああいうねじれたメタ構造の歌は他にも、「大きなうた」とか、「わかれうた」とか……。

No.2 6点 まさむね
(2025/06/01 22:25登録)
 作者の単行本未収録作品を集めた作品集。江神シリーズ2本、火村シリーズ2本、ノンシリーズ2本の計6作品を収録。出来栄えはマチマチといったところですが、個人的には青い目・緑色の目の既存パズルを活用した「推理研VSパズル研」がベストか。既存パズルの回答後の展開が江神シリーズらしい。
 何より、2つのシリーズを同一の文庫で読めたことが、ファンとしては楽しかったですね。

No.1 7点 makomako
(2025/05/18 20:51登録)
砂男は中編で、それ以外は短編です。
作者が書いておられるようにかなり以前に作り上げたが、何らかの理由で発表を控えていたものを集めた短編集です。
したがってこの本全体のまとまりはありません。
最初の2編は名探偵が江神さんで、後ろのほうは火村です。
これを読んでいると作者の発表作品をリアルタイムに読んできたものとして懐かしいと気持ちとともに、作者がいかに真摯に作品を作っているかがよくわかります。
そろそろ学生アリスシリーズの長編を読みたいところでしたので、ちょっとだけ渇きが癒された感じです。
でももうそろそろ学生アリスシリーズの最終編を書いてほしいなあ。作者も書けなくなるかもしれないし、なんといっても私が読めなくなってしまわないうちにお願いしますよ。

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