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ミステリの祭典

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神様の次くらいに
人の死なない謎解きミステリ集

作家 久住四季
出版日2024年11月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 7点 ミステリーオタク
(2025/12/24 23:02登録)
 「ミステリの祭典」にご参加、ご閲覧の皆さん、メリークリスマス。
 イヴの今宵、如何お過ごしでしょうか。
 私はたった今、この「神様の次くらいに」を読み終えたところです。というか何とか今日中に読み終えようと気合いで完読しました。
 サブタイトルも穏和なこの短編集ですが、甘く見ると結構やられますよ・・・

 《さくらが丘小学校 四年三組の来週の目標》
 うーん、平和でいいねー。
 それでいてミステリとしてもなかなかの構成。
 少し早熟な子供達、そして若き成田先生の今後の成長も楽しみ。

 《ライオンの嘘》
 おっとソレを使ってきたか。ちょっと笑っちゃうけどまぁ高校生の心理を上手く利用したということで許せる。
 そして密室トリックにはもっと笑っちゃうよね。殆ど漫画。
 ここまでくれば最後のダメ押しにはさほど驚かない。

 《神様の次くらいに》
 家電量販店のオープニングセールに突撃する若い男女の話だが、延々と開店前の待ち時間でのシーンが続く。一体いつどんな事件が起きるのかと読み続けると折り返しを大分過ぎた辺りで「ある事」が起きる。そして伏線もしっかり張られている。
 この物語の季節は夏だが、今の時期に読んだ私には作者からのクリスマス・プレゼントになった。

 《小さいものから消えよ》
 ここまでの3話とは異なり「普通の人」とは言えない有名なタレント探偵と作家であり本編の語り手でもあるその助手(と言うと本人は怒る)が図らずも探偵役となる。
 しかしこの話はチョットねー。
 核になる発想は面白いとは思うが、かなりの専門知識がなければ推理のしようがない。まぁミステリというより「そんなこともあるんだ」というお話として読めばいいのだろう。

 《デイヴィッド・グロウ、サプライズパーティーを開く》
 最後はアメリカン・ホームバースデーパーティーが舞台の少しリッチなコジャレタ・ミステリ。
 前半ではパーティーへの招待、準備、更に会のオープニングからイベントの進行が描かれる。
 そして主役が参加者達からのプレゼントを次々と開示する場において最後の一つをリヴィールした時に「事件」がエクスポーズする。
 私はすぐに「犯人」を確信したのだが・・・
 後半ではパーティーは語り手の探偵ショーと化す。しかし前話同様推理には一般常識とは言い難い知識が持ち出されるし推理過程においてもコジツケっぽさが少なからず感じられた。それでも一筋縄ではいかない意外な展開は流石だったし、パーティーの主役にとっても素晴らしいバースデーになったようだ。
 

 以上5編、「日常の謎」にカテゴライズされている本書ですが、前述のとおり大半の作品で予想を上回る捻りが仕掛けられていました。
 

 さて、今年も残すところあと一週間となりましたがこの一年、皆さんのミステリ読書ライフはどのようなものだったでしょうか。私は一年前の今日、ここで「今年はトータルではイマイチだった」というようなコメントをしたかと思いますが、本年は一転、多くの楽しいミステリに出会えたと感じています。これも当サイトの皆さんに依るところが大きいので皆さんにはとても感謝しています。
 来年も宜しくお願い致します。

 それでは皆さん、良いお年を。

No.2 7点 sophia
(2025/09/19 23:28登録)
●さくらが丘小学校 四年三組の来週の目標 7点
●ライオンの嘘 7点
●神様の次くらいに 8点
●小さいものから消えよ 7点
●デイヴィッド・グロウ、サプライズパーティーを開く 7点

思っていた以上に粒ぞろいの短編集で、「日常の謎」には収まらない緻密な論理展開や二重解決などもあり、どの話も甲乙つけがたいのですが、この状況で起こり得る事件を探偵役が既に予測していたことを「店員が不親切」という発言で表した表題作を一番の高評価とさせていただきます。

No.1 7点 まさむね
(2025/05/24 15:47登録)
 日常の謎5編から成る短編集。派手さはないけれど、バラエティに富んでいるし、心憎い反転もあって水準以上に楽しめました。
①さくらが丘小学校四年三組の来週の目標
 若き小学校の教師が主人公。コミカルな好編。
②ライオンの噓
 高校が舞台。肝となる部室での出来事は、いくら何でも気付かれると思うな。
③神様の次くらいに
 大学生の男女が主人公。謎というよりも、爽やかなラストが印象的。
④小さいものから消えよ
 探偵と推理作家のコンビが、公園から毎日何かが(しかも小さいものから順に)消えていくという謎を追う。王道ではあるが、もうワンパンチ欲しかったかも。
⑤デイヴィッド・グロウ、サプライズパーティーを開く
 「星読島に星は流れた」に脇役として登場したデイヴィッド・グロウが再登場…らしいのだけど、全く記憶になかった。粋な反転に好感。

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