home

ミステリの祭典

login
レッドキングさんの登録情報
平均点:5.28点 書評数:928件

プロフィール| 書評

No.928 6点 ぶち猫 コックリル警部の事件簿
クリスチアナ・ブランド
(2025/04/01 20:02登録)
ショートショート・短編・戯曲取り混ぜた作品集。作者の死後出版とな。
 「最後の短編」 従兄に冤罪を着せての相続殺人が策士策に溺れ・・今は昔の電話ネタ倒叙ショートショート。
 「遠い親戚」 これも相続殺人を廻る人物トリックサスペンス。
 「ロッキングチェア」 初老姉妹と三十路女、三人の怪死の真相・深層に沈む痛ましき浪漫の残酷な顛末。
 「屋根の上の男」 雪の古館で死亡した公爵。館内に凶器はなく状況は密室殺人だった・・・
 「アレバイ」 アリバイでなく「あればい」のショートショート、みぎょと!
 「ぶち猫」 ” 二度目の夫殺しを企む女と愛人" の倒叙三幕劇が十八番の多重ツイストした(ちとし過ぎ)挙句・・・


No.927 8点 図書館の殺人
青崎有吾
(2025/03/29 07:03登録)
体育館の「密室」、水族館の「何故?」に続く、「館物」ロジックシリーズ第三弾は、図書館「ダイイングメッセージ」。残された物証と状況から、容疑者を絞り込んで行く手際の超絶ぶり。その上、ロジックの説得力と「意外な犯人」の驚きを両立させる見事さ。・・心底感嘆せざるを得ない。!(^^)!

(ここまで褒めといて、こんな事は言いたくはないのだが、犯人(この設定は見事)と探偵を除くと、登場人物たち・特に・少女たちのキャラが、みんな同じ様にしか記憶に残らんのよね。あれほど、様々な諸属性くっ付けられてんのに・・つまり、本格物にむかーしから言い古されたステレオタイプの悪口通り「人間が描けてない」のよねぇ。読んでる間は実に面白いんだが・・(-"-))


No.926 3点 アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
(2025/03/29 06:52登録)
♪ Yes, ’n’ how many years can some people exist
  Before they’re allowed to be FREE?
  Yes, ’n’ how many deaths will it take till he knows
  That too many people have DIED?
  The answer, my friend, is blowin’ in the wind
  The answer is blowin’ in the wind ♪    (Bob Dylan)


No.925 7点 ドグラ・マグラ
夢野久作
(2025/03/23 22:17登録)
「三奇書」を「本格ミステリ」としてクールに評価してみよう、その一。

第一人称の「意識者」と、明示された殺人者が、「=」である事を仄めかされながらも、「脳髄所有者≠主体者」と言う珍リロンが、Whoダニットロジック成立要件の近代合理主義をハグラカして・・・・と、やっぱりヤメた、これ、本格ミステリとして評価するの・・・
「精神現象学」や「存在と時間」、「吾輩は猫である」や「家畜人ヤプー」・・こういうのをミステリとみなすのと同様にムリだ。本格ミステリとして括る「のは勿体ない」あるいは「価値がない」。
「アクロイド殺し」や「Yの悲劇」、「黒死館殺人事件」や「虚無への供物」、これらをミステリと呼ぶならば、これ、「ミステリではないもの」である。作者自身、「絶対科学探偵の事実小説」あるいは「胎児の夢」と嘯くところの、「アンチ・ミステリ」なのだ・・・ん? アンチミステリ(何を今さら)? ・・・ブウウ・・・ンンン・・・(;^ω^)< 点数、名誉7点!


No.924 6点 夜より暗き闇
マイクル・コナリー
(2025/03/16 22:01登録)
ヒエロニムス・ボッシュシリーズ第七弾。刑事ボッシュが、映画監督を殺人容疑で糾弾する検察側証人となる法廷劇と、心臓移植を受けた元FBIプロファイラーが、ボッシュを「本物のボッシュ(16世紀初頭オランダ画家)」に擬えた殺人者と見立てる猟奇ミステリが、二つの別事件として並行進行する。検察側刑事と殺人容疑者、「二人のボッシュ」をどう繋げるんだ?思いつつ読み進めると、「操り」ミステリ真相・・からの「操りの操り」ツイスト(て、事で良いのか?)エンドへ。ボッシュ心底の洞穴およびプロファイラー移植心臓の" Darkness more than Night " は、ナカナカにくるなぁ。


No.923 8点 水族館の殺人
青崎有吾
(2025/03/10 23:55登録)
容疑者十数人を捌くアリバイ明示とユニークなアリバイトリック。バケツ・モップ(別題「黄色いモップの謎」!)・紙片・血痕・足跡・腕時計等から犯人を絞り込んで行く鮮やかなロジック。そして、「何故、殺人をヒケラかし(隠蔽でなく)て、わざわざ屍体をサメに喰わせた?」Whyの二段オチ・・見事!(クイーンや有栖川有栖より好みかも)


No.922 8点 体育館の殺人
青崎有吾
(2025/03/08 04:57登録)
じつに面白かった。「バカみたいに頭が良いダメ高校生」が探偵役の、密室体育館殺人事件。
「 Aは、その時間、密室状態であった空間に、死体と共に存在した唯一の人物であるが故に、犯人である」 てなロジックに、「 もしAが犯人であるならば、Aは、殺人を犯した空間を密室状態にしておくはずがない」てなロジックで反証。
おー(拍手)。
密室事件は一つだけだが、密室構成のWhy・What(Howでなく)の素晴らしさと、「傘」と「映像デッキ」のあまりにも見事なロジックに、8点あげちゃう。

このサイトで作者の名前を知 ったが、そのタイトルのセンスが好みに合わず(伊坂幸太郎等と同じく)ずっと食わず嫌いだった。もっと早くから読んでりゃ良かった。
それにつけても、相沢沙呼・今村昌弘・方丈貴恵・鴨崎暖炉・早坂吝・白井智之・青崎有吾・夕木春央・・・80年代以降生まれの「ポスト新本格」「新々本格」(勝手に名付けちゃう)世代の本格レベル、あまりにも高過ぎ・・・


No.921 7点 エンジェルズ・フライト
マイクル・コナリー
(2025/03/04 22:25登録)
ヒエロニムス・ボッシュシリーズ第六弾。肛門を撃ち抜かれて殺された、アンチ警察の黒人弁護士。男女二人の黒人警官を手駒に、因縁ある警察内警察やFBI捜査官と組まされて、事件解明にあがく主役刑事。容疑者の元同僚警官・管理上司・マスコミ・女監察官等と絡みながら、妻との深刻なトラブル平行描写で進行する警官ミステリが、物語半ばに至り、まるで、アンドリュー・ヴァクス「探偵バーク物」如きネタへと急転し、黒人暴動の最中に、辛く苦いハードボイルドエンドを迎える。

※過酷で非道だった白人警官の黒人への対応と、対する反動的な黒人暴動、その反省より産まれた人権擁護措置。が、その「行き過ぎ」が、警官側への理不尽な扱いへと逆転し、さらにそれが、警官の陰湿な行為を誘発し、更なる黒人暴動を産み・・・果てしなく続く泥沼の道。他人事ながら、タイヘンだなぁ、米国の「人種」「人権」問題。(黒人問題ともかく、じつは他人事でもないんだよな、「人権」問題。)


No.920 2点 人間の証明
森村誠一
(2025/03/02 22:18登録)
「かあさん、あれは好きな帽子でしたよ・・・」  ♪ ままあぁぁ どぅゆうりっめんばあぁぁ ♪


No.919 5点 高層の死角
森村誠一
(2025/03/02 22:16登録)
大型ホテル舞台の二つの殺人事件・・密室物一編とアリバイ崩し物一編・・を繋げた長編ミステリ。
   鍵と目撃証言による堅固な二重密室トリックに3点(満点)。
   殺害時刻アリバイトリックに、2点(3点中)。で、計 5点。
密室トリックは・・最近はこの基本形のブっ飛んだ 応用物イッぱい出てるが・・作者考案で当作初出(いいのか?)とのことなんで特許権付き。アリバイトリックの方は、レジスターカードネタなかなかだが、時刻表ネタは予め全提示してくれてないと「本格フェア」とは言えないなぁ・・でも、んなことしたらブチ壊しだもんな^m^(ところで、インモウは証拠にならんのか?)


No.918 4点 ウォッチメイカーの罠
ジェフリー・ディーヴァー
(2025/03/01 12:05登録)
ライムシリーズ第十六弾。「チャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルがNYにやって来たのは、リンカーン・ライムを殺すためであった」・・・ついに来てしまいました「ウォッチメーカー最後の事件」。長年、そろそろだと思ってはいたが・・・お別れは突然にやってきて、すぐにすんでしまった。ウォッチメーカー最後の陽動は、必殺凶器「フッ化水素酸」と大型クレーン倒壊惨事を利用したスクリーンプレイ。初っ端から、Who(= ウォッチメーカー)、Why(= ライム殺し)を声高に謳うため、その後のツイスト展開、ネタは派手なのに驚き効果はギクシャクしちゃって、そこは残念。シリーズのラスボス、ライムのモリアーティ、その最後は、ライムとの以心伝心の元に、ニヒリズムの海に沈む、静かなる落陽であった。
※ところで、このシリーズ、次作からは「ウーマンX」てのがラスボスになんのかな? 愉しみ(^o^)丿


No.917 4点 死体を買う男
歌野晶午
(2025/02/24 23:07登録)
「語り手:江戸川乱歩、探偵役:萩原朔太郎 」 てな設定の作中作(白骨鬼)と、その出版の顛末を語る「額縁」部分から成り、終わりに作中作が這い出して来て額縁部と融合する。双子トリックひねりネタなかなかだが、読ませ処は作中作の「乱歩風」文体。
※え! 遠い過去を慕うぅぅ?・・(タイトル、そっちの方がイイじゃん(^_-) )


No.916 6点 0の殺人
我孫子武丸
(2025/02/22 06:14登録)
冒頭、作者に限定提示された容疑者は4人。それが、ひとりふたりと死んでゆき・・そして誰もいなくなって・・・。 標準レベルの短編3作ネタを、「タイトル通り」の顛末解明のWhatダニット長編に纏め上げてあって、Goodよ。


No.915 5点 俳優パズル
パトリック・クェンティン
(2025/02/20 07:06登録)
舞台は「舞台」、役者は「役者」、幽霊屋敷の如き劇場で、開演に向け稽古する演劇関係者・・アル中上がり演出家・精神病上がり女優・脚本家・舞台監督・曲者揃いの俳優女優・・達に起きる奇怪(カー「鏡」ネタ+「闇からの声」複合技ナカナカ)な連続事件のWhy・Who。事件の顛末に平行描写される演劇進行もナカナカ魅力的。(コンサートともかく、演劇で観客が大興奮するって感覚、チト分らんが・・)


No.914 3点 迷走パズル
パトリック・クェンティン
(2025/02/16 05:08登録)
舞台は精神病院、役者は院長はじめ医療関係者と、曲者揃い(そりゃ、まあねぇ)の入院患者達。奇怪な「声」現象と連続殺人が起きて、どうやら莫大な遺産の由来が濃厚で、はたして犯人やWho? ※ " 犯人は君以外にはないと思っていたのだよ "・・「探偵役」と知らなければ一番ウサン臭かった奴に言われてる。


No.913 6点 殺す者と殺される者
ヘレン・マクロイ
(2025/02/12 06:31登録)
このネタを使った絶妙な密室モノができそう。あと・・明確な記載はないが・・これ、操りモノとしても読めるなぁ

※ミステリのネタとしては魅惑的だが、どれ位「現実性」があるのか疑問の領分が二種あって、一つは、知覚異常・認識異常(古典的「赤緑色盲」等からSF設定、京極「姑獲鳥」「陰摩羅鬼」、最近出会った「左右把握異常」ってのまで)のネタ。で、もう一つが、この作品の領域。現代の精神医学で、この手の現象って、どこまで「認められ」てんだろ。


No.912 4点 隠蔽捜査
今野敏
(2025/02/11 12:47登録)
警察小説て言うより警察官僚小説。ミステリでないとは言えず、面白くなくもなかったんで、点数オマケ。
人間的弱さに揺らぎながらも、組織にも己自身に対しても峻厳な主人公の意志やよし。たーだ、息子に対する姿勢は・・うーん(-_-;)・・孔子曰く「吾が党の直き者は、是に異なり。父は子の為に隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の中に在り。」だしねぇ・・・
※ところで、警視庁の部長より、警察庁の課長の方が、格が上なのね、勉強になりました。


No.911 4点 白い女の謎
ポール・アルテ
(2025/02/08 14:57登録)
待ってました!ポール・アルテの新翻訳。心臓病の初老富豪をめぐる、ソフトオカルトWhoダニットのオチは・・カー密室(てっきり「鏡」トリックかと・)ではなくて、クリスティ十八番の「あれ」と「あの」トリックであった(^'^)。クイーンオマージュとしか思えないネタも付く。「幻影風味」バーンズシリーズも悪くないが、「ド本格」ツイスト博士シリーズの未訳分を、ドンドン出してチョおーだい(財津一郎風) 。


No.910 6点 しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人
早坂吝
(2025/02/04 22:48登録)
タイトルの「しおかぜ市」と「迷宮」、内容の陰惨な一家強殺事件とバーチャルゲーム風連続殺人、この「と」をどやってつなげんだ?は、ま、そんなところかな、だった。それよりも、あのネタ・・あまりに古典的な「あのネタ」の変形・・が作品のキモ。この為の迷路設定にはカンプク。
そもそも、この類のネタに、どこまで現実性あるのか知らないが、これを上手く工夫した密室トリック作品の出現に期待しちゃう。


No.909 6点 止まった時計
ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
(2025/02/04 07:02登録)
あの素晴らしき怪作「赤い右手」の作者に、別のミステリ本があったとは!
(ひょっとすると夏来健次って訳者の詩的センス文体力のタマモノなのかもしれん・・)

928中の書評を表示しています 1 - 20