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ミステリの祭典

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レッドキングさんの登録情報
平均点:5.27点 書評数:888件

プロフィール| 書評

No.888 7点 サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ
エドワード・D・ホック
(2024/11/19 23:34登録)
齢七十を超えた老医者探偵が、若かりし頃に扱った回顧事件簿。毎年の様に「密室」事件に出会い続けたんだねぇ(^^)。各話のマクラに、「まあ、御神酒でもどうかね」て聞き手に酒を勧める決めゼリフが付く。(米国の御神酒って何だ?)  
  「有蓋橋の謎」 あの「マディソン郡の橋」みたいな橋の途中で馬車ごと消失した男。雪足跡トリック付き。7点
  「水車小屋の謎」 半隠遁者の殺害と消えた金庫書類と古い頭蓋骨の連結や如何に。4点
  「ロブスター小屋の謎」 密室脱出ショーのさなかに密室刺殺された魔術師、密室トリック如何に。3点
  「呪われた野外音楽堂の謎」 祭りの最中に町長を刺殺して衆視現前で消失した幽霊、見事なWhoWhy伏線。8点
  「乗務員車の謎」 汽車の「密室」車両での車掌刺殺と宝石盗難。ダイイングメッセージ付き。5点
  「赤い校舎の謎」 校庭のブランコより忽然と消えた赤毛の少年。トリックもダミーミスリード設定も鮮やか。7点
  「そびえ立つ尖塔の謎」 教会尖塔「密室」で刺殺された牧師。両面構え二段オチ解決が見事。7点
  「十六号独房の謎」 独房扉とフロア入口、二重ロック密室から消失した仏怪盗の手口。5点
  「古い田舎宿の謎」 覆面強盗連続消失のドンデン返しオチがユニーク。ダミーねたは・・オマケかな。7点
  「投票ブースの謎」 四方を壁と衆視カーテンに囲まれた密室での凶器消失刺殺。4点(作者の前書には異議あり)
  「農産物祭りの謎」 祭りイベント「タイムカプセル」への死体現出(消失でなく)トリック。3点
  「古い樫の木の謎」 飛行機より降下のスタントマン絞殺事件。唯一同乗していた俳優に犯行は不可能だった。4点
※平均して、5~6点といったところだが、ほぼ全作の中心に、密室または不可能の殺人・消失(現出)を備える心意気を買って、全体で7点。※その他「長い墜落」て言う非シリーズのオマケもついてる。


No.887 6点 慈悲の猶予
パトリシア・ハイスミス
(2024/11/16 23:37登録)
夢想家で神経質な作家の夫と天衣無縫な画家気取りの妻。アーチスト夫婦の甘い生活が、倦怠と焦燥に囚われた日常となり、やがて、夫の妻殺害夢想と妻のカケオチ家出へと至る。官憲・隣人・知人の殺人疑惑視線に対して、半ば狂った自己陶酔から、容疑払拭どころか偽装自演さえする男。ミステリをグロテスクに屈折させた倒錯サスペンスだが、意外にも面白く。


No.886 4点 女嫌いのための小品集
パトリシア・ハイスミス
(2024/11/16 23:34登録)
原題にあるMisogyny、「女嫌い」どころか言わば「病的女性嫌悪症」、生理的・歴史的・宗教的に堆積した・女自身にさえ(にこそ)堆積した・精神構造。文庫本200頁足らず・しかも大きめ字体・に17作ぶちこまれた、コミカルにしてグロテスクなショートショート集。ミステリ苦味はイマイチ。


No.885 6点 九人の偽聖者の密室
H・H・ホームズ
(2024/11/12 22:48登録)
カー「三つの棺」オマージュと聞きさっそく。どラテン系陽気カトリック臭ふんぷんで、なんと、シスター探偵(^'^)登場。カー・トリックとカトリックの融合と行きたいところだが、そもそも、密室に「なって」おらず、ん? この、あえてのワンオープンドア、ひょっとして、京極「姑獲鳥」「陰摩羅鬼」祖先筋風ネタ? 思わせて、幻影カートリック軽量バージョンであった。スウェーデンうなぎカーの方が面白いかな。


No.884 5点 死の開幕
ジェフリー・ディーヴァー
(2024/11/09 22:32登録)
ルーン三部作(か?)その二。場末レンタルビデオ屋から、零細ビデオ制作会社に「栄転」したヒロイン。爆破テロ事件に巻き込まれたポルノ女優の死を追って、ビデオ作家への道の夢追い人となるが、同時に、テロ事件に絡んだ、数多の危険を呼び寄せる女探偵の道を突き進む羽目に。いかにも一癖ありそうな容疑者の男達が、三、四いや五人と出て来て、渋い壮年警官とのロマンス道連れに、すっかり、サラ・パレツキー風ヒロインみたいになっちゃった。犯人Who解明ナカナカだが、ツイストエンドは全くの予想通りで、逆に驚いた。
※ルーン三部作その三、「Hard News」の翻訳を希望。


No.883 8点 招かれざる客たちのビュッフェ
クリスチアナ・ブランド
(2024/11/06 22:45登録)
食前酒、メインディッシュ、口直し、デザートにコーヒーと、コース料理擬えの短編集。フルコース2コース分位ある。
 第一部:コックリル・カクテル・・・4作全体で、7点
  「事件の後に」 シェイクスピア劇団で起きたオセロ劇になぞらえた扼殺の真相は・・
  「血兄弟」 ろくでなしウリ二つ双子の非道犯罪の顛末。
  「婚姻飛翔」 暴虐な嫌われ者富豪の毒殺。キャラツイストに操りネタ、これこそジョロウグモのコトワリ。
  「カップの中の毒」 妄想にまで昇りつめた自己中女の咄嗟毒殺犯罪の陥穽。
 第二部:アントレ(肉魚料理)
  「ジェミニークリケット事件」 密室殺人の高級食材に、多重ダミー解釈・サイコ風味濃厚ソースのメイン一皿・9点
  「スケープゴート」 犯人消失の珍味食材に、ダミーHow解明とドンデン返しWho旨苦ソースがけサブ一品・8点
  「もう山査子摘みもおしまい」 小児とヒッピー達の夢幻的にして悲劇的ファンタジーの食材不明一皿・・採点不能
 第三部:口なおし 
  「スコットランドの姪」 真珠盗難を廻る、詐欺ペテンの二転三転いや四転・6点  (これを「口直し」って・・・)
 第四部:プチ・フール(スイーツ)・・全体で、7点
  「ジャケット」 妻殺し完全犯罪を企図する男の倒叙サスペンスで、最後は心底ぶったまげるオチ。
  「メリーゴーランド」 遺品ポルノ写真恐喝の二転三転メリーゴーランドショートショート。
  「目撃」 カー以前にポーに出てきそうな(当時は車ないが)トリック(このネタ、わかるんだなぁ)
  「バルコニーからの眺め」 メンヘラ主婦のサイコショートショートで、ラストは定番。
 第五部:ブラック・コーヒー・・全体で、6点 
  「この家に祝福あれ」 ヒッピー風赤子連れ男女と孤独な老婆のちょっといい聖話・・からの・・
  「ごくふつうの男」  「優しすぎる女」と性犯罪常習者たる「ふつうの男」のブラックなショートショート。
  「囁き」 虚言で父親を欺き、従兄を射殺させた少女の、これこそイヤミス。
  「神の御業」 愛娘と孫を轢き殺したロクデナシ男を弁護する警官の「御業」。最初の10行で展開が見える。
フルコース、こってりと2コース分位はあって、全体で・・平均でなく・・8点。
※クリスチアナ・ブランドの最高作って、「ジェゼベルの死」でも「はなれわざ」でもなく、この作品集ではあるまいか。


No.882 6点 叫びと祈り
梓崎優
(2024/11/01 00:12登録)
砂漠・スペイン・ロシア・アマゾンを舞台にした四短編に一編プラスして連作集に纏めてある(か?)。
  「砂漠を走る船の道」 小キャラバン隊での斬殺事件のユニークなWhyに、ユニークな叙述トリック付き。8点
  「白い巨人」 数世紀を隔てた風車密室からの人間消失。(京極の「あれ」やね) 5点。
  「凍れるルーシー」 ロシア正教修道院での聖女不腐屍体を巡る「事件」・・・ん? 4点。
  「叫び」 死病による絶滅を前にした未開種族での連続刺殺事件。第一編の逆を行く「構造主義的」Whyが見事。7点
  「祈り」 上の四短編を纏めた、ハッピーエンディングなプチドグラマグラ。採点対象外


No.881 6点 バーニング・シーズン
サラ・パレツキー
(2024/10/28 04:51登録)
アル中の叔母とのゴタゴタが、地域の政治・経済勢力との土地売買巨悪に絡み、知人警官達との暗闘に巻き込まれ、孤軍奮闘する一匹狼(+雌犬と隣人老人)の女探偵。今回の悪役背景にあるのは、保守=共和党ではなく、リベラル=民主党・・中には民主党シンパ時代のドナルド・トランプがモデルとしか思えないキャラ*も・・。分かり安い悪役の「保守白人男性」のみならず、「リベラル有色人種女性」の偽善も見逃さない、アグレッシブでヒロイック・・言い換えれば、短気・浅慮・猪突猛進・・なヒロイン、懲りずに凄い。今回も点数オマケ。
*まんま、「ドナルド・トランプにはなれなかったよ」って1章がある )^o^( 。


No.880 4点 汚れた街のシンデレラ
ジェフリー・ディーヴァー
(2024/10/23 23:13登録)
ニューヨークのレンタルビデオ屋で働くリベラル・・「リベラリズム(進歩的イデオロギーと社会的エリート臭の混合)」ではなく・・真にリベラル(=自由きまま)な二十歳の娘。夢見がちな娘が出くわした顧客の老人の死。老人が繰り返しレンタルした映画に、宝探しロマンを抱き、乗り出した冒険が危険なサスペンスを呼び寄せる。後のライムシリーズで花開く、倒叙・カットバック手法と、キャラ・設定ツイストが既に先駆されているのみならず、ライム物のテクニカルな彫琢=わざとらしさ、のない粗削りさが逆に魅力的。点数オマケ。


No.879 7点 アミュレット・ホテル
方丈貴恵
(2024/10/21 23:01登録)
ハイクラス犯罪者御用達ホテルの、「治安」管理をするホテル探偵が主役の短編集。
  「アミュレット・ホテル」 三人の男女犯罪者が容疑者の密室殺人。密室作成のWhyがユニーク。7点
  「クライム・オブ・ザ・イアー」 毒殺の不可能トリック・・伝統的模範的トリックの一つね・・6点
  「一見さんお断り」 脱出不可能ホテルよりの犯人消失。二重成りすましトリック見事。7点
  「タイタンの殺人」 密室での凶器発現・変容・消失トリック複雑系・・解明後の費用対効果感はイマイチ・・6点
で、全体で7点。 SFとは違ったユニーク設定においても、全編、「密室」付きサービス。何気に凄い作家 。


No.878 4点 クロノ・モザイク
二階堂黎人
(2024/10/20 18:02登録)
突然、未来にタイムワープして殺人事件に巻き込まれた中学生。すぐに現実の「過去」に引き戻されるも、時折、未来へ飛ばされては奇怪な事件に遭遇し、過去に戻されては現実の時間・・高校から大学、社会人・・を生きて、「未来の修正」にあがく羽目に。命からがらの事件や女たちとのロマン、さらには数体のバケモノ登場に絡めて、手に汗握る「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ライトサスペンス、かつプチスペースSF。まあ、面白いし、ミステリでなくもない。


No.877 7点 ぼくは化け物きみは怪物
白井智之
(2024/10/18 23:01登録)
「最初の事件」 同じクラスの小学生に降りかかる窃盗・障害(+殺人)事件。封筒折り目ロジックが鮮やか。7点。
「大きな手の悪魔」 「幼年期の終わり」風味SF+ハードボイルド調+本格ミステリロジック&トリックに、5点。
「奈々子の中で死んだ男」 昭和三年の底辺遊郭街を舞台にした、娼婦探偵と幽霊ヤクザの毒殺犯捜し。6点。
「モーティリアンの手首」 プチ「星を継ぐもの」異星人化石ミステリより、ティプトリー風生物SFネタ部分がよく。7点
「天使と怪物」 フリークス見世物一座の密室殺人三重解決。密室三つ分の価値あり(第一のはチト無理じゃね)。 8.5点
で、平均で7点。 巻頭の二種のフリが、全作貫く展開になるのかと思ったが、5作とも、全く独立した短編であった。


No.876 4点 青の時代
三島由紀夫
(2024/10/14 23:00登録)
「白昼の死角」の事書いたんで、同じく「光クラブ」をモデルにしたこれも。こちらは本来の主役一点に焦点を当てた小説。三島らしい諧謔と逆説に満ちた文体で、権威の蹉跌に翻弄され、「偽悪」と言う新たな権威に挺身して夭折した青年の顛末を描いている。でも、これをミステリと呼ぶには・・” 彼、なんでこうなったの?” Whyミステリと、こじつけるしか・・でも、そんなこと言ったら、すべからくミステリになってしまうか、教養小説。


No.875 5点 白昼の死角
高木彬光
(2024/10/14 22:57登録)
対米敗戦数年後、一人の天才東大生が起こし一世を風靡するも、官憲に弾圧され崩壊した、高利金融組織「光クラブ」。その実話を元にしたピカレスク浪漫で、大半は、創業者のカリスマ東大生亡きあと、後を継いだ「No.2」がダークヒーローとして、立て続けに引き起こす金融証券犯罪の物語。悲劇的な天才的創業者を、より豊かな創造的才能を持ったNo.2が乗り越えて進む展開・・BeatlesやR-Stonesもそうだったなぁ・・が見事。ミステリとしては、「利子のトリック」のHow(いかにカモるか)倒叙もので、フィクションとしては、「奪取」「白夜行」等の祖先筋。そして、事件としては、T商事、Hエモン・Mファンド等の他、霊感商法等の諸カルト教団事件の祖先筋かな。ニセ証券被害偽装、カラ売り、手形パクリ詐欺、手形裏書詐欺・・いろいろ、勉強になりました。

※資本主義とは、「悪」を前提とした繁栄の原理であり、そして、それ以外に「現世の幸福」を可能にする体制など有り得ない・・「天使に支配されるぐらいならば、悪魔を支配する方がマシだ」(アラブの格言だったか)


No.874 8点 密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック
鴨崎暖炉
(2024/10/11 23:24登録)
密室How(トリック解明)特化ミステリ第二弾。タイトル通り七密室。各部屋ごとに3点満点で加点評価。
  「ラジコン密室」:2.5点・・音ネタ後出し感だけ惜しい。 「錠・閂密室」:1.5点・・「液体窒素」はイカンな。 
  「蝶番密室」:0.5点・・「液体窒素」、やめぃ!  「断首密室」:2.5点・・これ面白れぇ(^.^)  
  「カードキー密室」:1.5点・・んな事は知らん、でも説明には納得。  「十字塔密室」:2.5点・・島荘やねぇ。 
  「高塔密室」:2点・・もしかしたら、凄いトリックかも、伏線ちゃんとあったし。 
で、2.5+1.5+0.5+2.5+1.5+2.5+2=13・・13点!ん、サイトのルール違反になってしまう。では、加点でなく平均点で、(13÷7):3 = X:10、X=(13÷7)×10÷3、で、6.19047619…≒6点。そこに、密室特化の姿勢を真摯に讃えて、加点1点。さらに、ラノベ超えたポップな愉しさに、オマケ1点。合計 8点。

※密室はミステリの「花」。ただ、こうも、自分にとって理想的なミステリ出て来て、改めて思ったんだが、一本の単体に「薔薇」「チューリップ」「百合」「ひまわり」・・と派手に多輪すると、ぶち壊しになる面もあるなぁ。一本は一二輪の花で集約されてる方が、作品としては美形かな。「三つの棺」「殉教カテリナ車輪」「ポアロのクリスマス」「能面殺人事件」みたく。(桜ツツジの如く群れ咲きの道もあるか)


No.873 6点 二人のウィリング
ヘレン・マクロイ
(2024/10/08 07:07登録)
通り掛りの偶然に、自分の名前を「盗」称する男に出くわした探偵精神医。偽称男の後を付けて乗り込んだのは、地区セレブ達が集う、ちょっとしたホームパーティー。そこから不可解な二重毒死事件に遭遇し・・・。
巻頭の献辞に ” ジョン・デイクスン・カー夫妻に ” ってあるんで、ん?マクロイがカー献辞? ほう、マクロイ、密室やんのか・・思ったら、カーはカーでも「毒殺ラブ」カー(^<^)の方であった・・「不可能」してなくはないけどね。

※相変わらず、ナチス由来ネタに拘ってるな、マクロイ。
※本当だぁ、グレタの姉妹判断(文庫本第一刷P141、192)翻訳ミスってる。英語じゃ、一単語では、Sister(Brother)しかないもんね。そもそも、「姉」と「妹」(「兄」「弟」)を分ける概念自体が薄いのかな、英米。


No.872 4点 鳥の巣
シャーリイ・ジャクスン
(2024/10/07 00:14登録)
四重人格・・卑屈で内気なA、素直で健気なB、凶暴な悪戯者(ロキの如き)C、高慢で功利的なD・・の娘と、翻弄される精神科医、偏狭で抑圧的な叔母、計6人による、グロテスクでコミカルな精神分析治療サスペンス。医師と娘のみならず、娘内人格ごとの一人称叙述の変化が巧みで、場面によってはジェイムス・ジョイス「ユリシーズ」。1954年の作品で、まだ、この手のネタ活かした本格ミステリの体は成してないが、What:過去に何があったの? Who:最後に女を統治したの何番目人格? のミステリにはかすっている。


No.871 2点 宇宙の戦士
ロバート・A・ハインライン
(2024/10/05 22:19登録)
「エンダーのゲーム」の事書いてて、この作品も思い出した。こっちは露骨に、十字軍由来の異教・異端壊滅衝動に彩られた宇宙戦争SFだった。男女および民族間の平等は達成されながら、軍歴を持つか持たないかで、ハッキリ権利が区別される未来世界で展開する、蜘蛛の様な宇宙生物・・たぶん、異教徒・有色人種・東洋人等がイメージされている・・との死闘。30年後に映画化(「スターシップ・トゥルーパーズ」)された際の、巨大昆虫風生物の方は、怪獣映画ビジュアル的に面白かった。


No.870 3点 エンダーのゲーム
オースン・スコット・カード
(2024/10/05 22:11登録)
「名探偵に甘美なる死を」「VR浮遊館の謎」と立て続けに、バーチャル空間ゲームもの読んで、この名作SFを思い出した。異星生物との存亡をかけた戦争の最中、宇宙船内で少年兵達が行う戦闘訓練バーチャルゲームが、どんでん返しオチする話だった。その後もシリーズ化して、第二作「死者の代弁者」は、なかなかに面白かったが、この作家の宗教的価値観の臭いが、どうしても鼻につき、残念。ミステリとしては・・うーん、「銀河鉄道の夜」の方がミステリアス。


No.869 5点 VR浮遊館の謎ー探偵AIのリアル・ディープラーニング
早坂吝
(2024/10/01 22:43登録)
探偵AIシリーズ第四弾。方丈貴恵「名探偵に甘美なる死を」に続き、こちらもバーチャル空間ゲーム物。幾つかのロジックと設定ドンデン返しは見事だが、あれより、本格ミステリ質量は、1~2ランク劣るかな、と。そう言えば二人とも京大ミス研あがりなんだっけ、綾辻ともかく麻耶の後輩は、キレるなぁ(^<^)

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