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ミステリの祭典

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割れたひづめ
ベイジル・ウィリングシリーズ

作家 ヘレン・マクロイ
出版日2002年11月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 YMY
(2022/01/17 22:41登録)
吹雪の山荘もので、過去に不自然な怪死事件が何度もあった部屋が出てきて、そこで密室犯罪が起きる。交霊術もあって、道具立てとしては古色蒼然たるものだが、かなりモダンに処理している。
導入部と最後の吹雪の追跡劇は読ませるが、密室トリックは大したことないし、ビックリするような結末でもない。

No.2 6点 nukkam
(2016/09/22 01:40登録)
(ネタバレなしです) 「殺す者と殺される者」(1957年)の後のマクロイはしばらく不調期だったようで1960年代にはわずか3作しか発表していません。その1つである本書(1968年出版)は「幽霊の2/3」(1956年)以来久々に書かれたベイジル・ウィリング博士シリーズ第12作の本格派推理小説でマクロイの本格派路線への復帰を期待させました(しかし本書に続くシリーズ次作はさらに12年待たねばならなかったのですが)。カーター・ディクスンの「赤後家の殺人」(1935年)を彷彿させる「死の部屋」が扱われており、特に前半部が素晴らしいです。オカルト的な雰囲気に加えて子供たちの陰謀と事件との絡ませ方など謎とサスペンスの盛り上げが見事です。魅力的な謎に比べるとトリックが平凡なのはちょっとがっかりだし、謎が解けたらハイ終わりという結末(後日談の類はありません)には物足りなさも感じますがなかなかの読み応えがありました。

No.1 5点 kanamori
(2010/06/18 21:24登録)
ベイジル・ウィリング博士シリーズの第12作目。
吹雪で道に迷ったウィリング博士夫婦が辿りついた屋敷での怪奇趣向の殺人事件を描いています。
サスペンス小説に軸足を移していた作者が久々に書いた本格編ですが、「人を殺す部屋」テーマとしては、少年少女の造形がサスペンスに水を差し緊迫感に欠ける展開で、真相も意外なものとは言えませんでした。

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