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ミステリの祭典

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平均点:6.20点 書評数:388件

プロフィール| 書評

No.388 6点 そして誰も死ななかった
白井智之
(2024/10/23 22:27登録)
ネタバレをしています。

 たしか、この方の作品は2作品目です。特殊設定とグロと緻密な論理が得意な方なのでしょうかねw この作品もそんな感じでした。ただ、ユーモアミステリとはいかないまでも登場人物が妙に明るく、すこしギャグ調なのでグロでもそこまで気になりませんでした。

 推理小説部分について。
 特殊設定×某有名作品ばりのクローズドサークルな作品です。ただそれだけでなく、その特殊設定をフルに活かした死亡時間を錯覚させるトリックはたの作品では見たことがなく新鮮でした!
 また、多重解決ものであり、次々と出てくる新説とその論理的な否定は圧巻でした。とても良く作られていますね。
 私は死体に触らせない斉加年がすこし怪しんだぐらいで、あとのことは全く分かりませんでした;; 途中、各登場人物の主観文章が書かれています。ミステリにおいて主観文章が犯人らしくない=犯人ではないという考えは通用しないことは流石にわかります。ただ、書かれ方的にミスリード過剰な感じがしますw

 総じて、珍しい設定かつ、その設定を活かしたトリックが魅力で、グロいにも関わらず読みやすい作品でした。


No.387 6点 ユリ迷宮
二階堂黎人
(2024/10/12 19:12登録)
ネタバレをしています。

 全く関係ない話ですが、この作品の前に2冊の本を読み、しかし解決編前で止めておいて考えるということをしていますw 結構長期で悩んでおりますw
 私にとって久しぶりの二階堂蘭子シリーズです。中短編集ですが全体的に本格色が強く、それでいて非常に読みやすく満足しました。


○ロシア館の謎
 壮大なトリックでした。また、推理小説らしからぬ展開と秘宝伝説は蘭子シリーズらしかったですねw このトリックを考えてから物語の舞台と背景と設定を考えたのか、はたまた逆なのか気になるところですw

○密室のユリ
 意外な犯人には驚きましたが、やはり私は糸とかそういう道具を使っていろいろ密室を作る系は苦手です;

○劇薬
 中編であり、内容が濃く楽しめました。多重解決の趣があり、後半の二転三転する展開はわくわくさせられます。
 全然関係ないことですが、コントラクト・ブリッジのルールをさっぱり理解できませんでしたw 文中に何度も"簡単に理解できると思う"旨の文章があり、自分の頭の悪さに絶望しました;; 結局、youtubeにある簡単ルール解説動画を見て、何となく理解しました。ただ、まあまるきりわからなくてもこの小説は楽しめると思いますw
 私は、"善蔵が脅迫状を書いた主をあぶりだす為に狂言自殺未遂をして失敗して死んでしまった"という展開を考えておりました。それに近いものがダミー推理として部分的に使われていましたねw
 真の解決ですが、現実的ではありますがやや拍子抜けした感があります。善蔵への恨みつらみが語られる前半は丸々ミスリードに近いと思いますし、犯人の行動を予想するのも難しい気がしますw 善蔵を殺したかったのに気分でターゲット変更→偶然の不運で善蔵が死んじゃった…なんて推理が難しすぎますねw

 本格度が高く、読みやすいよい中短編でした。劇薬のラストの展開にはやや不満がありますが、長編ではないですし、満足です。


No.386 7点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2024/08/27 22:53登録)
ネタバレをしております。

 かなり昔に、ドラマ古畑任三郎に幻の女の最初の展開に近いものがあり、この作品のあらすじは知っておりました。非常に興味を引かれる面白いものでしたが、長い時間読んでおりませんでした。先日、泡坂作品を読んだときにふと本作品を思い出し、本の山から持ってきて読みましたw

 推理小説というよりも2時間ドラマ的な趣が強いです。しかし、どんでん返しがある展開で、推理小説の醍醐味である騙された感を味わえる作品です。そのため、ミステリファンでも満足できるのではないでしょうか? クリスティーでもこういう作品が多いですしね。
 ただ、途中、私の苦手な警察小説のような捜査をするシーンが多いページが続きます。どんでん返し的にも必要だと思いますが、私的にはすこし退屈に感じ、目が滑ってしまいました;;
 幻の女の正体については、小説的にも無理もない感じでよかったです。ただ、なんだか寂しいような悲しいような読後感となりました;

 全体的に、名の知れた名作にふさわしい内容でした! 証言者が次々に死んでしまうのに違和感を感じましたが、まったく真相を当てることができませんでした; 私は平和ボケしすぎているのかもしれません;


No.385 6点 湖底のまつり
泡坂妻夫
(2024/08/12 01:21登録)
ネタバレをしております。

 どことなくウイリアム・アイリッシュの幻の女を思い出す紹介文に惹かれて買いましたw 実は、幻の女はずっと前に買って以来読んでなく、また湖底のまつりも読んでおりませんでしたw 幻の女を読んだ後に読もうと思っておりましたが、なくしてしまいました;; ということで、湖底のまつりを先に読みました。
 
 推理小説というよりかは、恋愛小説のような表現が多いですが、なぜか私はかなり早い段階で本書の最も大きなトリックに気づいてしまいましたw 晃二(偽)には女性的なものを感じ、女性だったとしたらどうなるだろう?と考えながら読んでみました。すると、村も祭りも登場人物も、すべてトリックのために用意されたような伏線が多く張られていることに気づきますw 晃二(本物)が緋紗江と出会った際の事と、紀子が体験した事や言葉に多く共通点を持つならば、それを知る緋紗江にしかできないことですからね。

 推理小説というよりも恋愛小説チックであり幻想的でもあります。エンディングの読後感もよかったですw ただ、現在の読者では気づく人も多いトリックなので、本格推理小説としての評価は難しいですw 男女を錯覚させるトリックの最も古い作品であればもっと評価しますが…どうなんでしょうかね?


No.384 6点 三幕の殺意
中町信
(2024/07/25 23:36登録)

ネタバレをしております。

 クローズドサークルに惹かれて買ったのですが、割と普通の推理小説の雰囲気でした。たしかに、複数人の男女が閉鎖的な空間に閉じ込められてはいますが、連続殺人ではいし、またお互いを犯人扱いしてギスったりするようなサスペンス性も薄かったです。
 また、序盤に登場人物たちが日田原への恨み辛みがあるシーンがあります。探偵役?になる刑事の津村にすらあります。すこし変わった構成でしたが、あまり効果的だったように思えません。ただ長ったらしくて読みづらかったです;
 作中に鮎川さんの名前が出てきますが、すこしこの作品も鮎川作品のような趣があると思います。あまり無駄なところがなく、純粋にトリックを楽しめる作品である一方、小説としてはやや退屈な感じがしますw ただ、アオリ文の通り、最後の3行は楽しめました。
 神崎がパクった日田原の推理小説(実は海外作品)についてですが、見事なトリックの短編であれば海外作品であっても有名なはずで、推理作家志望の神崎や選考会がしらないはずがない…と思ってしまったのですがw

 推理小説部分について。
 小粒ですが、効果的なアリバイトリックが見事でした。私はさっぱり見抜けられませんでした;; 
 また、探偵役のような津村が神崎と同室であり、神崎のアリバイを真っ先に主張してしまったことから、自然と犯人から外してしまいましたw もっとも犯人から遠い人物こそ疑えという基本を忘れていましたw

 全体的にやや読みづらさと味気なさを感じましたが、アリバイトリックに関しては楽しめました。


No.383 7点 カラスの親指
道尾秀介
(2024/07/14 18:59登録)
ネタバレをしております。

 コンゲームというジャンル?なのでしょうか? 以前、五十嵐貴久さんのFakeを読みましたが、ジャンル的にはそれに近いものを感じました。
 この作品も本格ではないので評価が難しいのですが、合間合間にすこしあるユーモアと、各キャラクターと恐ろしいヒグチとの因縁、登場人物がそろってからのテンポの良さもあり読了までそう時間がかからなかった良い作品のように思えます。ただ、主人公を始め多くの登場人物にはつらい過去があり、回想シーンなどはやや読みづらさを感じましたw

 推理小説ではないものの、最終盤にはすべてをひっくり返すドンデン返しがあり、ミステリファンでも満足させられると思います! 特に、すべてはテツさんの超人的な計画だったことによってトサカが生存していたことが最もよかったですw
 やや間抜けよりに描かれていたテツさんの人物像も、やっぱりミスリードだったのでしょうかね…。
 私は、本当に一瞬だけ、テツさんをまひろ達の父だと疑いましたw 数ある妄想の中の1つなので、全く当たったと言えませんが。まひろ達の父のみ物語に全く登場していなかったため、もしテツさんが父ならばどういう事になるだろう?と少しだけ想像しましたが…。作者は私の想像をかるがる超えていきましたw

 本格推理小説が好きな私ですが、ジャンルにこだわらず読めば本作品も非常に楽しめました。これほど読後感がよい小説も珍しく、すべての人に進められるような本は貴重ですねw


No.382 7点 奇術師の密室
リチャード・マシスン
(2024/06/09 19:30登録)
ネタバレをしております。

 タイトルがあまりにも魅力的で購入しましたw 
 ただ、思うに、日本人向けのタイトルにして釣っているような気もするのですよねw いわゆるミステリ的な密室である"鍵のかかった部屋にどうやって入って殺人をし、どうやって出たのか?"という謎は全くないです。奇術師の小道具がいっぱいある部屋でほぼ完結する劇のような感じでした。私のような人間がタイトルに釣られてホイホイ購入してしまうから出版社の作戦成功なのですがw

 密室でもなく、アリバイトリックでもなく、犯人当てもないです。しかし、度重なるテンポのいいドンデン返しのおかげで、非常に速く読了できましたw 
 本格推理小説ではないので評価が難しいのですが、私はとても面白く感じました。ただ、作品の中盤あたりまでは少しユーモラスな雰囲気もあったのに、終盤はやや悲しいというか寂しいというか、ハッピーエンドではなかったですね;; マックスとブライアンが悲しい。


No.381 5点 密室蒐集家
大山誠一郎
(2024/06/03 19:38登録)
ネタバレをしております。

 密室蒐集家という魅力的なタイトルに惹かれて買いましたw その名の通り、密室がテーマの連作短編です。
 密室蒐集家も登場します。名前を名乗らず、歳も取らず、ひたすら密室を解くマシーンのような密室専門探偵です。キャラクター自体はあまり個性のあるタイプではないですが、どこか精霊やエルフ(?)のような神秘的な感じがありますw
 また、全体的にミステリ的要素以外の余分な文章がなく、テンポが速く進みます。そのため、非常に読みやすく時間がかからずに読了できました。

 難癖部分
 全体的に、非常に強く偶然がかかわっております。そのため、推理するのはほぼ不可能に思えますw ただ、密室というのは元来そういうものばかりな気がしますw 犯人がアリバイのために狙い通りの密室を構築する…といった密室が最も好みですが、そういう密室って本当に少ないですよねw
 また、短編小説なので蓋然性や現実性が犠牲になっても仕方がないとは思いますが、どうせならもっとダイナミックというか、心に残るような大トリックがあってもよかったかな?と思いますw 馬鹿ミス…というと人聞きが悪いですがw

 以下、長くなるのでなるべく一言だけ各章の感想を書きますw

・柳の園
 割とスタンダードな密室でした。共犯と偶然がありましたがw この章の千鶴さんはのちに少し登場しましたが、こういうつながりがもうちょっとほしかったですねw

・少年と少女の密室
 主観人物の勘違い系密室なのですが、密室それ自体よりも、少年少女の性別の認識がズレている部分に感心しました。少し叙述トリックの香りがする仕掛けですね。名前が中性的だったので私も一瞬それを疑いましたが、警察に自己紹介しているのでスルーしてしまいました。なるほど心情的にそうしたのに納得です。また、それを使った犯人断定も面白かったですし、この本では一番だったかな?

・死者はなぜ落ちる
 私は、"死体が落ちるのは仕掛けであり、わざと見せたから優子が犯人!"と思ってましたが、それは偶然だったんかい!! 咄嗟に偶然を利用する優子は肝が据わりすぎてますねw

・理由ありの密室
 初めに犯人の視点の文章があり、犯人が作った密室であることが明記されてます。主に、なぜ簡単に破られる密室をつくったのか?が問題になってきます。非常に細かい論理が積み重なりますが、私には解くのが不可能に思えますw 頭の良い人なら、この章はもっと高評価なのでしょうねw

・佳依子の屋根に雪ふりつむ
 クリームシチューを食べてから寝て、翌日頭痛で起きたことがから、睡眠薬を飲まされている→経過日数の認識のズレが起こっている…までは疑いましたが、それ以降は全く分かりませんでしたw この本で一番のダイナミック密室でしたねw

 総じて、読みやすく面白い密室でした。偶然性が強いため推理は難しいですが楽しめました。ただ、これが本格ミステリ大賞かといわれればNOだと思いますがw


No.380 6点 変な絵
雨穴
(2024/05/25 23:53登録)
ネタバレをしております。また、ほんの少しだけですが、変な家にも触れております。

 変な家が大変読みやすい作品だったため、変な絵を続けて読みました! 期待通り、変な絵も読みやすかったです。2日で読めてしまいました!!
 タイトルの通り、絵に関する連作短編です。大きく3章に分かれて絵が提示され、そこから小さな違和感などから隠された秘密などが徐々に明らかになっていきます。絵はこまめに表示されるので、読者はページを巻き戻す必要がなく、変な家と同じく非常に読みやすいものでした。
 また、やや小粒ながらアリバイトリックもあり、叙述トリック的な仕掛けもあり、より推理小説の色合いが濃くなっております。

 以下、難癖部分
 第一章は非常に個性的でしたが、第二章、三章は部分的には既視感がありました。第二章は叙述トリック的な仕掛け、第三章はアリバイトリック部分がよく見る感じでした。私はわからなかったので恐縮ですがw ただ、全体的に良くまとまっていると思います。
 また、最初の絵が直美のものだとして、文鳥を守るために他者を攻撃することもするというのを暗示しているとしても、急に人が変わったように由紀を殺してしまう行動をしているのはちょっとわかりませんでしたw
 変な家では、会話文章には発言している人物の名前が表記されている戯曲のようなスタイルで読みやすかったのですが、今作では普通の小説のスタイルになりました。でもまあ、これで評価を下げることはしませんがw

 総じて、変な家よりもより推理小説的要素を盛り込んだ作品になっています。しかし、圧倒的な読みやすさは損なわれておらず、文章を書くのがうまい方だと思います。


No.379 5点 本格推理⑥悪意の天使たち
アンソロジー(国内編集者)
(2024/05/23 19:17登録)
ネタバレをしております。

 非常に昔に買っていて、移動中などにちょくちょく読んでおりました。半分ちょっとまで読んで、そのまま数年経ってしまっていました;; 今やっと読み終わりました。そのため、半分ちょっとより前は大分記憶が薄くなっています。軽く読み直してからひと言ずつぐらいコメントを書きますw
 原稿枚数制限がある短編集なので、現実性や論理性を求めすぎるのは酷だとおもいます(でもそうだったら高評価でw)。心に残るような要素があったら満足です。

・閉ざされた山荘にて
 本格色の強いクローズドサークルで満足しました。ちょっとチャイナ蜜柑を意識した作風ですが、服が逆なことの使い方は本家より面白かったです。フェア度が高く、すべてがわからなくても犯人が当てられました。

・やさしい共犯
 スイマセン、あまり印象に残りませんでした;;

・雪かきパズル
 小さな疑問から論理的に犯人を当てる本格色の強い作品でした。難易度が高く、私にはさっぱり当てられませんでしたw

・殺しのからくり
 ドンデン返しがあるトリックもので凝っています。個人的には共犯があるのが好きでは無いですが、ドンデン返しに効いてます。

・不思議と出会った夏
 不可解な現象を論理的に解決する感じの作品。すべての謎の解決にに説得力がありますが、やや印象が薄い作品でした。

・犬爺さんの事件
 結末を想像すると不謹慎ながらちょっと笑えますが、これは当てられる気がしませんw 

・よりによってこんな時に
 アリバイトリック+犯人当て+動機当て全部混ぜ込み豪華セットみたいな感じですが、どうも地味な印象を受けました。

・サンタクロースの密室
 読後感がよい密室もの。これみよがしにココアがあるので、これを使って鍵の受け渡しをしたのはすぐわかりました。しかし、ヤカンからコップにココアを注ぐ際、鍵がコップに当たって音が出るんじゃないかな?って思いますが。

・時間収集家
 ちょっとした館もので、時計がいっぱいある特殊空間。時計が犯人当てにかかわってくるのが良かったですが、時計を交換するのもリスクでそれを悟らせないようにぶっ壊しまくるのもリスクがあるんじゃなかなw 

・うちのカミさんの言うことには 2
 天窓とくりゃ、そりゃそうだよなという展開w 細かい点は気づけなかったですが、天窓を壊した人間が犯人だと決めつけましたw

・午前零時の失踪
 非常に凝った作品ですが、密室も入れ替わりも既視感があります。しかも、これ本当に成功するのかな…?といった感じw 短編なので蓋然性は度外視するとしても、既視感が強いのはいまいちかも?(他作品もそうだけどw)

・青い城の密室
 精神病院や双子という面白そうな雰囲気のワードが出ますが、割と普通の密室殺人に落ち着きます。でも、電気ショックでの殺人って、解剖でわかっちゃうんじゃなかったでしたっけ? 接触部が焦げるとかして。

・早春賦
 これはダメでした;; 物語全般で興味が湧かず、真相を見てみてもフーンって感じで…w


 全体的に、綺麗にまとまった本格物が多かった半面、心に残るような個性のある作品はなかったように思えます。
 うちのカミさんの~って、タイトル、既視感があったので勝手に1を読んだと思っていたのですが、そうじゃなかったみたいですw


No.378 6点 変な家
雨穴
(2024/05/08 18:49登録)
ネタバレをしております。

 雨穴さんはyoutubeでたびたびお勧めに上がってきて知ってはいましたが、私が見た動画は2つぐらいでそこまで詳しくは知っておりませんでした。変な家の動画もその時は見たことが無かったです。しかし、雨穴さんのパロディ動画(察しが悪いやつ)を視聴してから興味が湧き、本家変な家の動画を視聴後、この小説も読みました!

 とんでもなく読みやすかったです。一晩で読了したのはいつ振りか思い出せませんw
 不動産ミステリーで間取り図に関する話が多いのですが、その都度間取り図が示されていてページを巻き戻さなくても話が理解できます。さらに間取り図のアップやマークで今どこの部分の話をしているのかを丁寧に表現してくれます。これは本格推理小説作家も見習うべきですw
 また、登場人物が発言する際は文章の最初に名前が記されていて、とても理解しやすいです。戯曲に近いものを感じますが、戯曲って読みやすいんですよね。それによるトリックも疑いましたが、それはなかったです(なかったはずw)

 本格推理小説ではないので推理小説として評価するのはどうかと思いますが、二転三転する展開と意外な結末、ラストのドンデン返しは推理小説ファンでも楽しめる趣向だと思います。

 以下、難癖点。
 不動産ミステリーで間取り図が肝のミステリかと思いきや、ページ半分辺りであまり間取り図が関係なくなっちゃいましたw 後半は民俗学とか因習とか、旧家の骨肉の争いとか、ミステリによくある感じが強くなります。
 また、ラストのドンデン返しは魅力的ではありますが、黒幕の狙い通りに人が動くかというと疑問です。ホラーだから論理性はいらないのかもしれませんが。

 総じて、書評点が低かったので不安でしたが、読みやすく楽しめる作品でした。推理小説を読んだことがない人はおろか、本を読まない活字離れした人にもお勧めです。一方で、本格推理小説を愛するミステリマニアには物足りなさも感じるかもしれませんね。


No.377 7点 人間の顔は食べづらい
白井智之
(2024/04/12 21:29登録)
ネタバレをしております。

 前から注目していたものの、グロ表現があるということで敬遠しておりました。しかし、非常に端正な推理小説でしたw エログロ表現もあるのですが、それほど過剰というわけでもなかったです。直接的なグロよりも、クローンを作って食べるというSF設定のほうが面食らいましたねw ミノタウロスの皿とか、ゼノギアスを思い出しましたね(ちと違うか?)w

 論理的な多重解決系、叙述トリック的な仕掛け、どんでん返しがあり、推理小説的にも濃い内容でした。
 主に、誰が冨士山にクローン生首を送れたか?が主な問題になっていて、細かいアリバイ検証や仮説と否定が行われます。途中の河内ゐのりの説も、チャー坊の説も説得力があり、しかもその反証も論理的で素晴らしいです。ただ、個人的には細かすぎて当てられる気が全くしません…;; 100遍よんだとてわからないでしょうねw
 叙述トリック的な仕掛けとして、柴田和志と河内ゐのりは読者には1人ずつにみえるが実際は2人ずついるというような趣向の物がありました。正直、これは現在ではありきたりな叙述トリックなので、私でも感づきました。伏線やヒントも結構あり、とくに柴田周りではタバコを吸う・吸わない、人肉を食べる・食べない、よく似た人物が目撃される、写真が違う人だと言われるなど多くありました。フェアだと思います。河内ゐのりに関してはそこまで多く伏線を拾えてませんが、やっぱり柴田があれだと、河内ゐのりも2人いるのではないかと思うのが自然ですよねw
 最終的に、冨士山がクローンと入れ替わっていた驚きがありました。さらに柴田(チャー坊)と共謀した計画だったのは読めませんでしたw 共犯は好きではないのですが、どんでん返しとしてよかったですw 不思議と読後感が良いのもいいですねw

 総じて、ちょっときつめの特殊設定ですが端正な推理小説でよかったです。たの高評価作品も読みたくなってきました。


No.376 6点 真珠郎
横溝正史
(2024/04/04 19:13登録)
ネタバレをしております。また、同時に収録されていた孔雀屏風についてもネタバレをしております。

 真珠郎はどこにいる、で始まりますが、かなり真珠郎という殺人鬼がメインの小説でした。美しく、残酷に教育された真珠郎は魅力たっぷりですねw 
 前半は真珠郎と鵜藤の狂気さで、サスペンスホラー(?)のような趣でしたし、テンポもよくてページが進むのが速かったです。ただ、やや古い小説なので、異体字や今ではめずらしい言い回しなどを辞書で調べながら読んだため、そこだけ少し読みづらかったですw これは私の国語能力の低さもありますが;;

 後半になり由利先生が登場しだしてから、一気に推理小説の色が濃くなります。ただ、推理小説が好きな人や、横溝作品を数作読んでいる人ならば、全体的なトリックは細かいところがわからなくても大筋は予想できるものだと思いますw 乙骨君と由美さんはやはり怪しいですしねw

 あまり無駄な部分がなく、テンポ良く楽しめる推理小説でした。高評価なのもうなずけますね。

 同時収録されていた孔雀屏風は、推理小説というよりも悲しいロマンス作品でしたね。悲しいですが読後感も悪くなく、良い短編だと思いました。


No.375 6点 消人屋敷の殺人
深木章子
(2024/03/19 19:49登録)
ネタバレをしております。

 海外翻訳物を読むときは時間のかかる私ですので、その次は読みやすい国内クローズド・サークルを読むことにしておりますw ということで、この作品を選びました。
 また、舞台となった屋敷は江戸後期の武家屋敷であり、大量の人が消えたという伝説があり、館ものでもあります。これはわくわくさせられますねw
 文章は癖がなく、割と序盤で主観人物が屋敷入りします。土砂災害による偶発的なクローズド・サークルになる王道パターンです。ここまでは読みやすかったのですが、殺人らしい殺人は表面上では起こらず、推理小説特有の誰が・どのようにして・どういった理由で殺したのか?を読者(や登場人物)が考えることができません; なので、中盤あたりからやや読みづらさを感じましたw

 推理小説的要素について。
 これは当てるべきでしたw 伏線も多く張ってあり、気づいた時にはなぜわからなかったのか悔しい思いをしましたw これには別の理由もあるのですが後述w
 失踪した兄を心配する幸田と、流星社の編集である司の視点が交互に書かれております。こうなると、推理小説ファンからしたら、まず真っ先にお互いの視点で登場する人物の認識が間違っているのを疑いますよねw 私も当然、深山・西条と平井・城戸入れ替わりを疑っていたのですが、編集者司の存在がそれを否定してしまいます。ここで私の推理はずっと止まってしまいましたw
 伏線はいろいろありましたねw 流星社女編集者の失踪、新城が幸田と名字読みする所などなど…読み返すと多いですねw 324p時点で、あっそうか!となりましたw
 ただ、騙されておいてなんですが、登場人物の認識をずらすトリックも、時系列の認識ををずらすトリックも、今の時代の推理小説ではよく目にするものです。大変上手い推理小説だと思いますが、オリジナルティという点ではいまいちでした。当てるべきだったと思ったのはこのためですw
 また、どんでん返しありきな展開なので、なにか推理小説的な考えるポイントを途中で与えてもらえればもっと好みでした。ただ、時系列をずらして平行して書くスタイルでは、あまりこういうことは難しいのでしょうね(片方だけに違う犯行はかけず、両方に似た犯行を書くと偶然の一致が過ぎてしまう)。

 総じて、読みやすく、どんでん返しも綺麗に決まった、叙述トリックの優等生的作品でした! 初めて手にした推理小説がコレならばもっと評価が高いと思うのですが、やはり似た作品を多くみると6点ぐらいが妥当かなと思ってしまいますw


No.374 7点 赤い館の秘密
A・A・ミルン
(2024/03/08 19:16登録)
ネタバレをしております。

 乱歩ベストに入っている作品だし、くまのプーさんの作者の推理小説ということで、存在は知っておりましたが古典なせいか食わず嫌いをしていた作品でしたw 
 しかし、非常に雰囲気がよく、キャラクターもいい意味で嫌味がなく、古典にもかかわらず極めて読みやすい作品でした。特にギリンガムとベヴァリーの探偵とワトソン役は、どこか楽しみながら推理をしているのが良かったです。秘密の通路を探すことや、ケイリーにバレないように芝居をうったりするところはドキドキわくわくとしますねw
 ただ、館の図は挿入されておらず、トリックにはそれほど重要でないとしても幾らかの読みづらさを感じてしまいました;

 推理小説部分については、さすがにメイントリックは今ではやや古さを感じましたねw 普段、あまり真相を当てる事のできない私でさえ、序盤でトリックに気づきました。それを示唆する伏線をすべて回収したわけではありませんが。同じようなトリックの作品はちょくちょく見ますしね。
 ただ、トリックがみえみえだったから価値がないというわけではなく、やっぱり面白く感じました。似たような作品が後世に多く出たのなら、それは優れている証じゃないかとおもいますw

 不満点を挙げるとすれば、やっぱりコレ系トリックはちょっと現実的に難しいのかなっていつも思ってしまいますよねw 誰もロバートを見たことがないですし、死体となったマークを見たのも限られた人物ではありますが…。
 あと、鋤と馬亭にいったベヴァリーの集めた情報の「女が飲みに来ていた」というくだりは余分なミスリードだったかもしれませんw あそこで私はとんでもない勘違いをしたかと思いましたw まあ作者の術中にハマっただけですがw

 総じて、雰囲気が良く読みやすく、かつ本格度の高い素晴らしい作品でした。現在の読者が読むとトリックがバレるのは古典あるあるなので差し引いて考えた方が良いですねw 甘めですが7点で。


No.373 5点 九龍城の殺人
月原渉
(2024/02/21 01:26登録)

ネタバレをしております。

 個人的にツユリシズカシリーズの印象の強い方です。事前にシリーズではないと調べてから買いましたが、タイトルがあまりにもそれっぽいので勘違いされることも多いかと思いますw
 また、○○の殺人のようなタイトルだと、ツユリシズカシリーズと同じく本格色の強いものだと期待しがちですが、本作は本格というよりかは香港映画のような(?)すこしアクションがあってドキドキハラハラがあり友情ありみたいな…うまく言えませんが、本格ミステリとはちょっと違った趣がありました。強くて美しい女性が多数登場し、ちょっとしたチャーリーズ・エンジェルです(一回も見たことないけどw)。
 九龍城というと、とても密集した違法建築と汚さ、犯罪や麻薬が横行していてひどい状態だけどもなぜかとても魅力的にみえるものですが、本作に出てくる九龍城は一部を除いて権力者が設えたキレイな空間が良く出ます。九龍城特有の異質さを利用したトリックなどを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。

 推理小説的部分は、それほど良いものではありません。
 大きく2つの要素がありました。城と呼ばれる施設の風呂場の殺人についてと、主人公フーの母親や出生についての謎です。
 風呂場のロン殺しについては、容疑者がみな一人では殺人が行えない時点でうっすら感づきました(完全にはわかりませんでしたが)。むしろ、ホンファが犯人ではないことを指摘する部分が本番かもしれません。
 フーの母親入れ替わりは、まあよくある類の驚きなので、ミステリ的価値は感じませんでした;;

 総じて、非常に読みやすく読後感もいい本ですが、ミステリとしてはいまいちな感じでしたw


No.372 7点 七人の証人
西村京太郎
(2024/02/10 16:46登録)
ネタバレをしております。

 たしか、私が初めて読んだ西村京太郎作品です。
 特殊な状況に惹かれて買いました。変に説明文っぽくなく自然と状況が頭に入る感じの文章で、非常に読みやすくすぐに読了できました! 登場人物も標準的なクローズドサークル並で一気に登場しますが、章ごとに誰がメインで話しているのかが絞られていて理解しやすいです。
 おそらくクローズドサークルのカテゴリーに入る作品とおもいますが、主な流れは1年前の殺人事件の検証であり、クローズドサークル特有のスピード感や緊張感はありませんでした。ただ、証言者と容疑者の父佐々木との検証がリーガルミステリさながらで、細かい部分の検証の積み重ねで真相が少しずつ明らかになっていく様子が楽しめました。

 推理小説的要素について。
 1年前の事件についてはアリバイトリックでもなく、証言者・警察・弁護士の適当さから生まれた偶然の産物っぽいので、推理小説的には楽しめませんでしたw 2時間ドラマ的に楽しんだ感じです。
 また、孤島での検証中の殺害についても、別にアリバイ検証をするわけでもなく、動機面から犯人捜しをすることが多かったです。1年前の真犯人=孤島での犯人はそこそこ納得がいきましたが、結局1年前の殺しの動機については取ってつけたような感じで、しかもラストシーンも極めてあっさりでしたねw
 孤島での犯人=1年前の真犯人の流れですが、これについてはなんとなく読者が予想できると思いますw また、浜野の写真の検証が終わったぐらいから、サバイバルナイフのロジックによって、犯人はかなり絞られてしまいますし、小林が真犯人であるのも透けて見えてしまいます。ただ、これはフェアさの表れかもしれませんw

 総じて、本格推理小説としてではなく、1冊の本としてみた場合、とても面白い本でした。


No.371 5点 ティンカー・ベル殺し
小林泰三
(2024/02/06 17:33登録)
ネタバレをしております。また、シリーズ通してのネタバレもしてしまっているかもしれません。

 だいぶ前にこの作品が発売されているのは知りました。文庫版を待っていたのと、作者が亡くなられていてティンカー・ベル殺しを読んでしまうとこのシリーズが終わってしまうのが寂しくて読むのを先延ばししていました。読み終わって悲しい気分です;;
 夢の中ではメルヘンの世界、またメルヘンの世界で眠ると現実の世界に帰るといったシリーズ恒例のギミックが健在です。また、誰がどのアーヴァタールなのかは嘘をついて申告している可能性があり、その予想を楽しむのも恒例です。
 非常に読みやすく、ほとんど漫画を読んでいる感覚で読了できるのもシリーズ恒例です。また、メルヘンの世界の住人はどこか倫理観が現実世界とは違い、結構鬼畜なやつがいて悲惨なことになるのも恒例ですw 中でも今回は、暴君じみたピーター・パンがやたらめったら人を殺すのでひときわ悲惨なことになっております。気分で人殺しをするわ、すぐに忘れるわの史上最低の探偵が誕生しましたw 探偵行為は放棄しておりますがw

 推理小説的要素について。
 ピーター・パンによるティンカー・ベルを殺す描写があり、すぐに忘れてしまっていて、探偵になるという通常の小説では考えられない探偵=犯人ものが見られます。ただ、ピーター・パンは本当に殺してはいなかったのですがw
 メイントリックの同名による犯人の認識をずらすトリックは、残念ながら現在では価値を感じられませんw 双子の片割れが焼死したさい、「ピーター愛してる」と言ったので嫌な予感がしましたがw 
 また、富久がウェンディだったのは意外ではあったのですが、シリーズでは必ずその要素があるため、これに関してはマンネリでした。富久の最期に関してはサスペンス性が高く、ホラー系SSのひとつを思い出しました。

 総じて、極めて読みやすい本ですが、推理小説としてはかなり薄味といった感じでした! あとがきによるといろいろな構想があったらしく、残念でなりません。


No.370 6点 夜歩く
ジョン・ディクスン・カー
(2024/01/26 19:51登録)
ネタバレをしております。

 割と久しぶりのカー作品です! 
 カー初の長編?らしいですが、らしさが詰まっておりますね! 元妻を殺し損ねた精神異常シリアルキラー的なローラン。警察が警備している中での密室殺人で、しかも首を切られる凄惨な事件。序盤の展開をみるだけでもワクワクさせられるのがカーらしいですw
 事件が起こるまでは読みやすかったのですが、それ以降が若干読みづらさを感じ、読了までには時間がかかりましたw 原因はちょっとわからないのですが、なんか文章が比喩表現?が多いのか、私と相性が悪かったようです。

 推理小説的要素について。
 ローランの整形によって誰かに化けているのはワクワクさせられる要素で、個人的にはミスリードだったような気がします。そう感じるのは私だけかもしれませんがw ヒントがあったので、早い段階でローラン=サリニーだとは予想がつきましたが、ローランを犯人だと思い込んでしまってそこから推理が進みませんでした;; 第一の密室事件で実際に殺された時間はかなり前だと予想しましたが、そこからサリニー面のローランがどうやって建物から出るのかわかりませんでしたw 物語後半にバルコランから、ローラン=サリニーであることととその入れ替わり時期の情報が提供されますが、そこからまたもう一度推理するべきでしたね。
 密室については、結局二人による協力作業だったため、推理は難しかったですねw もちろんヒントはあったのですが。それに、エデュアールの行動は運が絡むような気がするのですが…? とはいえ、密室なんて多少の無理がないと実現できないですし、わたしは楽しめましたw
 かなり意外な犯人だったのもよかったですねw

 総じて、ホラー感や密室、意外な犯人など、推理小説の魅力がつまった良い作品だと思います。カーは駄作が無いですね(といっても、高評価作品からつまみ食い的に読んでおりますが)。


No.369 6点 予言の島
澤村伊智
(2024/01/13 19:55登録)
ネタバレをしております。

 クローズドサークルものだと思って購入しました。また、ヒキタの怨念があるという島の話であり、霊能力者が6人死ぬと予言をしたり、作中にも名前が出ますがw三津田や横溝ものの雰囲気を期待して買いましたw ただ、これはのちに、やや裏切られますw
 ミステリではありますが推理小説っぽい説明が長い文章ではなく、ホラーやサスペンス、あるいはパニック物のような楽しみ方ができます。読みやすくどんどんページが進みました。始めまホラーのテイストが濃く、怨霊の正体が明かされたことや沙千花の存在もあってホラー感が薄れていき、登場人物達のわだかまりがあらわになっていくサスペンスっぽくなっていきます。怨霊=硫黄ガスから逃げる描写はパニック物さながらのスピード感と緊張でしたね。
 このまま推理小説的要素が薄いままで終わるのかと思いきや、ラストはちゃんと推理小説としての驚きどドンデン返し、叙述トリックが待ち受けていました。読み返すのも楽しい作品です。ただ、ちょっとだけ後味が悪くはなってしまいましたねw

 推理小説的要素について。
 一人多い系叙述トリックでした。私は本作品をいれて、6作品目の一人多い系叙述トリック読了ですねw 実は、まったく見破れませんでしたw 
 とても多くの作品に書かれているトリックなので、トリック自体よりもそこに至るまでの伏線の張り方や個性的なアイディアが評価の基準になると思います。本作品はラストに書かれていた通り伏線は多く張っており、ただのトリックパクリ作品ではなくきちんと推理小説になっております。
 特にうまいと思ったのは2点あります。まず、宗作がたびたび敬語になっている点。ふつうは違和感しかないのですが、社畜時代の名残がでてしまうのかなと同情的になり見逃しましたw もう1点は登場人物の多くが関西地方のなまりがあり、女性と男性の区別がつきづらくなっている点ですね!
 ただ、既視感がつよい作品であることは変わりありません。淳の母が沙千花を殺す動機は、某有名作品の外れない予言の存在がある推理小説を見ているかのようでしたw

 総じて、読みやすい上に推理小説の醍醐味のドンデン返しを味わえる良い作品でした。同様のトリックを扱った他作品のほうが大きな個性があったため、やや薄味な印象になりましたが、小粒ながらうまいと思わせる隠し方や伏線もありました。

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