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ミステリの祭典

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証拠が問題

作家 ジェームズ・アンダースン
出版日1991年11月
平均点6.83点
書評数6人

No.6 7点 あびびび
(2018/06/09 23:02登録)

(ネタバレ?)一転二転する結末は十分に楽しめた。これが叙述トリックと言う奴かと、改めて苦笑するしかない。まあ、確かに、登場人物の色々な視点から見れば当然そうなるわけで、決して反則技と言うわけではない。さらっと読めて、満足感も十分なら、それで良いではないか。7.5という点数があれば…。

No.5 7点 蟷螂の斧
(2014/04/03 09:41登録)
物語の展開は判り易いし、文章も読み易い。よって深読みをすることもなくスラスラ読んでしまいました。犯人はまったく判りませんでした(笑)。登場人物表で「?」のつく人物は初めてで、その人物かと思われる者が途中から登場するのですが、うまく騙されました。全体の印象はスマートということですね。また、物語とは全く関係ないのですが、警部をどのような呼称にすればよいのか?が全編を通して出てきます。こういったユーモアも好きです。

No.4 6点 nukkam
(2011/01/11 18:16登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の本格派推理小説の本書の特徴は2人の男女がコンビを組んで謎解きに挑戦というよくありそうな設定で、このパターンだと往々にしてユーモアミステリーになりがちですが本書は全く違う様相を見せます。重要容疑者の家族だったり被害者の親族だったりと微妙な立場にあり、その探偵活動は決して足並みが揃っているわけではなく次の展開が容易には予想できません。最後のロマンスは唐突かつ余計な気もしますが緊迫感漂うプロットは魅力的です。

No.3 6点 kanamori
(2011/01/07 18:06登録)
殺人容疑で逮捕された夫の潔白を証明するため、被害者女性の兄とともに調査に奔走することになる妻・アリソン。
「黒い天使」を連想させるプロットで、天使の顔・アルバータと本書のヒロインが重なるところですが、アイリッシュ風の叙情性はなく、アリソンは現代的で芯の強い女性として描かれていて、小説のテイストも明るめです。
登場人物が限られており、途中真相はなんとなく見えてきますが、巧妙な叙述のテクニックで核心はうまく隠蔽されています。
小粒ながらスマートな叙述トリックものでした。

No.2 7点 給食番長
(2009/05/19 23:49登録)
これはピリッとトリッキー

No.1 8点 こう
(2008/08/10 23:56登録)
叙述トリックものの秀作です。プロローグで殺人がおこり、一章目で一人で家にいた主婦の描写があり、そこに出張中の夫が予定より早く帰宅する。その夜中に刑事が訪問し(冒頭の)殺人現場で目撃された夫を容疑者として逮捕して、という展開のストーリーです。
 その後夫の無実を証明するために妻が奔走し、ストーリーが二転、三転してゆきます。
 解説は有栖川有栖氏が書いていますが、解説通りで作品に示された叙述トリックを見破れるかが主眼でしょう。犯人自体の見当はつきやすい作品ですが、叙述トリックを見破って疑えるかどうかだと思います。個人的には犯人の予想はつきましたが叙述トリックには初読時全く気付きませんでした。
 結末もありきたりの展開ではなく、皮肉が利いています。
 尚、ある登場人物の行動が有栖川氏のある作品の犯人の行動に非常に似ていると思われこの作品がモチーフとなっているかもしれません。そういう意味でも有栖川氏が解説しているのもわかる気がします。
 またジェームズ・アンダースンの他の作品も言えることですが殺人事件を扱っているのに全く暗さがなく明るい作風の中物語が進行してゆきます。
 全作品お薦めの作家だと思います。

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