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[ 本格/新本格 ]
姑獲鳥の夏
百鬼夜行シリーズ
京極夏彦 出版月: 1994年08月 平均: 6.90点 書評数: 168件

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講談社
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No.128 4点 りゅう 2010/03/09 08:19
 文章は軽妙洒脱、ストーリー展開も巧み、ユーモアもあって実に読みやすい作品なのだが・・・・・・。
 真相は実に意外なものである。当たり前だ。このような馬鹿らしい種明かしを作者がするとは誰も考えないだろうから。究極的とも思える馬鹿らしさ!この種明かしをどう見るかによって、評価はガラリと変わるのであろう。
 作品の設定には、この馬鹿らしい種明かしに現実味を持たせる工夫がされてはいるのだが、取って付けたような強引さは拭い去れない。
 知ったかぶりで、言葉を弄んでいるとしか思えない京極堂の講釈にも閉口した。

No.127 8点 文生 2010/01/28 04:13
事件を妖怪の仕業、推理を憑き物落としに見立てたストーリーが興味深く、一気に引き込まれた。
反則気味の人間消失トリックも榎木津の特殊能力や京極堂の薀蓄を伏線としてからませ、そのうまさに思わず納得させられてしまった。
個人的には本作品がシリーズのピークで以後巻を重ねるごとにボリュームの増加が冗長に感じられ、ミステリーとしての質も低下しているように思えるのが残念。

No.126 9点 isurrender 2009/07/22 00:48
登場キャラクターが非常に個性的で映画化されるのもわかります
アンチではあるけれども、個人的には満足できる

No.125 7点 touko 2009/07/09 23:16
すみません、細かい内容までは覚えていないんですが、ブームの頃にノリノリで読みました。
ポストモダン的なアプローチを専門用語を一切使わず、妖怪やオカルト等に絡めて読み解くというのが、とにかく斬新で、今風なエンタメだなあと感心した記憶が。
(適当とはいえ最新の科学的知識で面白おかしく特撮やアニメを解釈する「空想科学読本」の人文系版のようなノリといいますか)。
今思うと、そういうのって、とーっても90年代風だったりするので、今から読む人には、当時ほどのトレンド感(死語)はないとは思いますが、それでももちろん楽しめるはず。

No.124 8点 Tetchy 2009/07/09 23:01
一読、実に真っ当な本格ミステリというのが率直な感想だ。元々ミステリとは始祖ポーが、明らかに怪物の仕業である、または説明のつかない怪奇現象の類いであると思われた事象を実に明解な論理で解き明かすことを主眼にした文学形態である。
つまり人々が恐れていた謎という闇の部分に論理という光を当て、人智の物とする行為。
この京極堂こと中禅寺秋彦の「憑物落とし」は正にこの行為そのものである。
だからこの妖怪シリーズは妖怪というモチーフと物珍しさ、憑物落としという興趣くすぐる演出で新たな本格という風な捉えられ方をしたが、実は黄金期ミステリ時代への原点回帰的作品なのだ。

そして全編に繰り広げられる薀蓄、これまた薀蓄の波。
しかもこれらの薀蓄が実に最後に有機的に働く。

そして親が娘に成す因果の業の恐ろしさ。この辺りのロジックのおぞましさは耽美な美しささえ感じさせる。

が、それでもメインの二十ヶ月間も妊娠している妊婦、密室から失踪した夫の行方という謎の真相はいささか、いやかなり乱暴すぎる。
私も心が五感に及ぼす作用の事は重々承知しており、この真相を全くの暴論と唾棄しようとは毛頭思わないが、やはり本格ミステリという様式に則った作品でこれをやってはならんだろうと思う。
なぜならこの実際にある物が見えないという心理的フィルターを利用すれば、何も苦労せずに不可能犯罪が書けてしまうからだ。
やはり死体が隠されているのならば、巧妙に隠匿されなければならない。
そしてそれを万人の読者が納得できる形で作者は謎を解き明かしてくれなければならない。
これがホラーならばまだ十分許容できたが、本作は本格ミステリであるから、この真相は受け入れがたい。

でもこの独特の世界観とキャラクターの魅力は抗し難い。今後もシリーズを読み続けるつもりだ。

蛇足だが、蛙のような赤ん坊は、某有名マンガ家のこれまた某有名医療マンガに前例あり。私はそれを読んでいたのですぐに解ってしまった。

No.123 7点 結奈 2009/05/19 14:41
序盤、読むのが辛かった。
読んでも読んでも頁が進んでいかない感覚。

しかし中盤以降は一気に引き込まれ、
雰囲気・トリック共に自分は楽しめました。

No.122 8点 E 2009/03/07 16:12
記念すべき京極氏作品。独特の世界観が堪りません。
確かに事件の真相は判る。しかし「解決」した訳ではなく
「これで、終わったのだ----」
この夏は関係者によって忘れられない夏となった。

人間に奥深く棲む憑物が織り成す、これぞ京極堂世界!!

No.121 10点 だい様 2009/03/05 10:07
百鬼夜行シリーズ第1弾

とにかく斬新。
独特の世界観と魅力的なキャラクター、蘊蓄、そして何といってもミステリー史上最強のトリック(?)と大満足。
『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君!』

No.120 5点 ちぃ 2009/03/02 22:21
最後までいっきに読めたんですが・・。
いまいちトリックに納得がいきませんでした。
キャラもいい味出してるんですが(笑)今まで自分が読んだ作品とは違っていって消化できていない感じがしました。
次の作品を読もうか迷い中です・・。

No.119 6点 堀木正雄 2009/01/18 15:46
想像妊娠はどうかと。
本格を抜きにすれば語彙や知識も豊富で物語や登場人物などもとても面白いんですが。

No.118 5点 spam-musubi 2008/11/19 08:38
全体の流れはよく、引き込まれながら読むことができました。
ぎりぎりまで、「オカルトを肯定するのか?それでミステリになるのか?」
と疑問を持って読みましたが、一応ミステリとして解決。

ただ、個人的な好みの問題かもしれませんが、
多重人格などの要素を謎解きに組み入れるのはどうにも好きになれません。
「犯人は病気でした」っていうのは反則。あくまで理性的に、
目的意識を持って犯行に及んで欲しい(笑)。
また、関口という人物の視点で文章が書かれていますが、この人自身も
精神不安定なところがあり、感情移入すべき人物が見つからなかった。

京極は初めて読んだのですが、この先どうしようか微妙なところ…

No.117 8点 zedd 2008/11/10 03:54
本来のミステリーの楽しみ方とは幾分違っていると思う。そこにハマるかどうかが評価の分かれ目。個人的にはかなり面白いスタイルだと思う。

No.116 3点 ロビン 2008/11/05 00:38
途中からはもう、なんだか置いてけぼりにされたような感じで……。自分には全く合いませんでした。

No.115 6点 かづき 2008/07/30 13:42
京極夏彦氏の作品に手を出す切っ掛けとなった本、というかやはり最初から読んでみなければと言うことで、
長年本屋で「誰がこんな辞書みたいなの読むんだろう」と思いながら眺めていた京極堂シリーズ「姑獲鳥の夏」
折しも映画になるという話を聞いて、キャストが好きな俳優さんばかりだったので、読む切っ掛けにもなりました。
映画も観ましたが、断然原作の方がよいです。
トリック云々より、人の心の擦れ違いが引き起こす悲劇がもの悲しいお話だと思います。

No.114 7点 itokin 2008/07/10 08:21
京極作品の入り口と思って読んだが今までにないオカルトみたいで読み終わってもすっきりしない。何か独特の引きつける力はあるのだが・・・。

No.113 8点 rintaro 2008/06/30 20:07
この作品のトリックはむしろ普段からミステリー、特に本格物を読みなれた人のほうが意外性や斬新さを感じるのかもしれません。私としてはこの作品で下手な機械的トリックを使われる方がよっぽど興ざめしたかと思います。
作品全体を評価するのなら(そもそも作品からトリックを抽出してそこだけを語るなんて本末転倒なんですがね)京極堂シリーズの中でもコンパクトに纏まっているし、なによりあの作品全体に漂う読者に眩暈を催させるような妖しい雰囲気はある意味このシリーズの最大の魅力だと思います、この怪しい雰囲気が京極夏彦の言う「妖怪」なのかもしれませんね

No.112 1点 sasami 2008/06/28 06:02
登場人物にリアリティがなく全く感情移入できませんでした。
我慢して読んでいたのに最後にあのオチでむかつきました。最後まで読んだ本でこれほどがっかりした本はないです。

No.111 5点 ぴあん 2008/06/25 22:51
初読時は・・・え?トリック・・・これ?っていう思いが強かったですが、なんだかんだ言ってその後に続く作品群をまんまと読み漁ることになったので、強烈な各キャラクターたちを理解する上での入門書みたいなものなのかも。

No.110 4点 竜王 2008/03/23 23:30
この作品に10点はありえない。10点を付ける意味が分からない。

なぜなら王道ではないから。本作は、周りに正当な本格ミステリー小説が存在して、それらの中で異彩を放つことによって初めて輝けるもの。

本作のあらすじを要約して話したら、オチ(トリック)の滑稽なオヤジギャグのレベル。もしくはそれ以下。※もちろんミステリーとして見た場合。

No.109 5点 キトウY 2008/01/11 01:41
期待が大きかった分、これを読んだときにはガッカリしました。


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