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[ SF/ファンタジー ]
星を継ぐもの
巨人たちの星シリーズ
ジェイムズ・P・ホーガン 出版月: 1980年05月 平均: 8.15点 書評数: 40件

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東京創元社
1980年05月

東京創元社
2023年07月

No.40 6点 sophia 2024/05/30 23:15
専門的な記述が大部分を占め、かつ硬い翻訳で読み辛いことこの上ありません。電話帳を読まされたみたい(「占星術殺人事件」より)で、全体の8割方を斜め読みしたんじゃないでしょうか。真剣に理解しようと熟読していると後ろから肩を叩かれそうな作品です(「超理系殺人事件」より)。曲がりなりにも読了できたことだけが収穫で、再読しないと理解を深めることはできなそうですが、その気力は残っていません(笑)もう少し研究者たちの人間ドラマのようなものを入れてくれるとめりはりが利いて読み易かったのかなあと思います。

No.39 9点 ALFA 2024/05/04 14:02
もはやSFのレジェンドだが、特殊設定本格ミステリーとして楽しめる。
二つのアリバイ?トリックが壮大にして爽快。

ところで作品発表は1977年、現在はそろそろ作中の2030年代に近づいているので意地悪く未来予測の当たりハズレをご紹介。
まず当たり オンライン決済、ネット会議、自動運転(もうすぐ)。
ハズレ ソ連(とっくに崩壊)、イギリスでの給料は欧州ドル?建て(いまだにポンド建て)、会議中のタバコ休憩(今はあり得ない)、スマホならぬPC電話、そして何よりも世界平和(世界政府など夢のまた夢)。
月旅行や他の惑星への移動はSFとしての設定だからまあ別かな・・・

「ダンチェッカー!!」「なんでっかー?」「あんたの最後の演説、植民地主義的人類礼賛で気に入らんわ!」「さいでっか~」・・・で1点減点。

邦題が詩的でいい。読みごたえ十分の名作。

No.38 8点 斎藤警部 2023/08/21 20:55
◯◯か。 それ以外か。。。。 

開発中の月面にて、人間の死骸が見つかる。 宇宙服を着用し、電子機器を纏い、馴染みのない文字で埋められた手帳を持つ彼が亡くなったのは、科学的判定に拠ると、驚くことに今から五万年も前!!!!! ... そこへ更に追い打ちを掛けて、新たな驚異の発見が畳み掛けて来る。。。。 迎え撃つのは世界中から集まった、諸々の学問分野の精鋭たち。

第一の◯◯的アリバイトリック乃至真相はあまりに巨大な虚を突くものでした。 読む側の憶測として、或る種の交通系アリバイトリックを、電車の代わりに宇宙船か◯◯◯◯◯◯か何かでキメてくれたのかと思いきや、まさか、アレが◯◯◯◯いたとはな!! これ、仮に鉄道トリックに置き換えたら、どんな事態になるんでしょうか。。?!

第二の◯◯的アリバイトリック乃至真相(半捻りの逆説?!)は「SF前提」ってわけで何気に予想は付いたものの、、そのもたらす感動の熱量では、こちらが上回ってしまいました。

ブラウン神父を彷彿とさせるが、島田荘司の薫りも確かに漂う(空さんおっしゃる通り)、シンプルで鮮やかな巨大トリック。 みりんさんおっしゃる「首無の如き祟るもの」も分かる気がします。 東野圭吾を連想させる科学の子ぶりも頼もしく突出。

次第に物語の科学基盤が強固となり、良い意味でほとんど演説あるいは論文調になる。理詰めで到達する驚愕の仮説(真相)、仮説と反証の素敵な反復、宇宙規模で論理のキャッチボール、知的で端正でユーモアある対立と協力。 ◯◯◯がバトンタッチするサプライズ感も素敵。 お仕事小説としても上等。 アクションシーンは全て想像に任せ、直接暴力描写は徹底封印、という逆ハードボイルドみたいな行き方も素晴らしく誇らしく輝いている。

一方で、本作の示した謎など太陽系の中ではまあまあ小さなもの、銀河系の中では微小なもの、宇宙の中では極小なもの、とでも言いたげなほど大きな謎を残したままの終結。 そこに溢れ出す、見えない続篇のプレゼンス。。。  いくつかの、小説としてバランス欠いた感のある要素も、そんなもん、宇宙や世界全体の中で見たら取るに足らんよ、と作者がメタに開き直ったわけでもなかろうが、とにかく見事にそんなもん吹っ飛んでしまっており、気にならないこと      の如しである。 人種的にはどうだったのよ的方面の突っ込みは ・・・ これもやはり、とりあえず瑣末な事としておきましょう。

プロローグとエピローグが綺麗に繋がるのも素敵です。 【言ってみりゃネタバレ →】 エピローグ、まさかまた何万年後ってことは、、 なんて思いましたが。。

そしてやはり、タイトルが抜群に良いな。 原題が熱い! 邦題は深い! チャーリーと言えば、浜かセクストンか、苗字の無いルナリアンの彼だな!

何にせよ、2027年からスタートするお話。 そろそろ読んでおかないと、読書が小説を追い越してしまうよ。

No.37 9点 みりん 2023/03/08 00:21
SFはあまり読まないのですがこの作品は楽しめました。
作中に出てくる専門的な用語や知識ほとんどわからないのですが、最も重要な謎である「チャーリーは何者であるのか」とそれを既存の枠組みから説明しようとすると現れる多数の矛盾についてはとても理解がしやすいです。あらゆる謎や矛盾をたったひとつのシンプルな仮説で説明できるようになるのは正にミステリー的要素ですね。ジャンルや時代、キャラの国籍など何から何まで違いますが「首無の如き祟るもの」の謎が解けた時と同じような快楽物質が出ます。

No.36 10点 ROM大臣 2021/06/08 16:15
「月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。だが、綿密な調査の結果、驚くべき真実が判明する。彼は五万年前に死亡していたのだ!」という内容紹介文にそそられた。
彼は異星人?それともタイムスリップした未来人?謎の答えは想像もつかない。ただ、どんな謎でも論理的に説いてほしいと思っていた。結論から言えば、感動的なほど論理的な完璧なミステリ。
いたって科学的だが、中心軸が量子力学やコンピューターでなくダーウィンの進化論というのがいい。

No.35 8点 じきる 2020/10/26 00:40
バリバリのハードSFに、文字通り宇宙規模のアクロバティックなロジックを絡めていてミステリーとしても読み応え十分。
普段ここまで骨太のSFは中々読まない為、科学的に研究・分析を繰り返して徐々に真相に迫っていくスタイルは新鮮でした。

No.34 9点 バード 2019/01/29 10:52
久しぶりにSFを読んだが、こんなに面白いジャンルだったけ?と思わせられた。この本の何がいいって、SF特有の造語が最小限で、頭を使わずともすっと物語に没頭できる点と思う。(科学用語は多用されているが、私は職業上その手の用語にはなじみがあり、読みやすかった。)

月のトリックは予想できたが、発見された事実を整理して書いているからこそ予想できたのだろう。また、新たな発見のたびに生じる科学者たちの興奮がこちらにも伝わってきて、のめりこんじまった。続きも絶対読みます。

No.33 7点 レッドキング 2018/05/30 19:46
島田荘司のこと書いていて連想がこれに移った。これが面白いのは島田のトリックよりスケールがでかいってことではなく、「10万年前の宇宙服着た人間の遺体が月の洞窟で発見」って不可思議トリックの種明かしが、話の「幹」として機能していることだ。
※ところで、面白いSFって、概して面白いミステリでもあって、「SF的感動」て、実はミステリ的解明のことなんでは?と密かに思っている。

No.32 5点 虫暮部 2017/11/01 10:10
 ルナリアンは12進法。ルナリアンとガニメアンの指の数。両者の間を隔てる二千五百万年の時間。といったあからさまな伏線に全くノータッチなのは続編で回収する為の仕込みなのだろうか? 
 それはそうと物語中盤、チャーリーの手記とその矛盾が紹介された時点で、月に関する真相は即座に見当が付いてしまった。世界各地で議論が巻き起こりあらゆる種類の新説奇論が氾濫し、との設定にするには難易度が低いと思う。知識の乏しいアマチュアがポロッと思い付いてトンデモ本として出版されそうな説だ。

No.31 10点 ねここねこ男爵 2017/09/21 13:16
文句なしにおすすめ。
とても魅力的な謎の設定と、その解決時におけるカタルシス。
専門知識部分も説明してくれているのでストレスなく読めるかと。
登場人物もみんないい人w

かなり古い作品のため、翻訳が少々堅苦しいかも。

No.30 8点 クリスティ再読 2017/03/26 18:08
本作、あまり評判がイイので読んでみることにした。皆さんもおっしゃるように、科学理論のパズラーみたいな小説だ。なので、ちょっと目先を変えて、SFパズラーとしてちょっと議論してみたいと思う。なので少しバレるかな。
ちなみに評者は前半のルナリアンの出自も後半の月の問題も、矛盾が出た段階で真相に感づいた。まあそれだけ矛盾を解決する手段が、フェアプレーかつ論理的に「これしかないよね」という必然性がある、ということでもあるから、これは積極的にイイことだと思う。
ただ本作は出版が77年で古いために、どうしても科学と技術の観念が70年代風だ(DECは愛社精神かね)。なので、今時点の知識で見ると妙な違和感のある議論をしている部分が目立ってしまうんだが、実はそれらはほぼすべて作者による仕込みだったりする...というわけで、どうも評者は居心地の悪さみたいなものを感じながら読み続けてたな(評者は最後のダンチェッカーのお説教は苦手だ。この人の議論は本サイトではまず扱われないジャンルの早川書房の看板作家だったグールドの議論だなぁ)。
けどやはり本作、ツカミである謎の設定はウマくて読書意欲をそそられる。そこは本当に脱帽。そういえば本作の謎と似たような状況は本作の出版後に現実に起きたんだよ。1991年にアルプスの氷河から発見された死後5000年のアイスマンの件だ。ちょうど1桁違うが、良い小説は現実が模倣する、のかな。
評者はどうも科学技術に依拠したハードSFの読み方がよくわかってないから、居心地が悪いのか...皆さんと比較すると少し辛い点になる。ごめんなさい。力作だと思います。

No.29 9点 tider-tiger 2016/05/28 14:29
腰が抜けそうになった一冊。面白い小説とはなんぞや?
知的好奇心をくすぐることだけで読ませていく。ど素人が書いたと言われても納得できるような作品でフィリップ・マーロウの言い回しを借りて酷いことを言わせてもらうと「小説を書くにあたってやってはいけないことが10あるとしたら、この作者はそのうちの7つ8つは知っている」
なのに、途方もない嘘、途方もない謎、途方もない浪漫を兼ね備えた希有な作品となっている。
邦題が素晴らしい。本作の読後感を変えてしまうくらいの名邦題だと思った。
「Inherit the stars」 この原題に見える欧米的な世界観があまり好きになれないのだが、「星を継ぐもの」とすることによってその要素がかなり薄まり、感動と幽玄が加味される。
ハードSFはどちらかというと苦手だが、本作とクラークの「幼年期の終わり」を読んだときの感動は忘れられない。

No.28 10点 ロマン 2015/10/21 15:01
SF不朽の名作。月面で見つかった5万年前の人間と思われる死体の謎を巡り、展開していく物語。非常に「サイエンス」しているのが良い。当然、その謎がわかる瞬間の面白さは大きいのだけど、何よりもその謎が解明されるまでのサイエンスな過程に非常に惹きつけられた。これぞサイエンス・フィクションだと思わず唸る。プロローグとエピローグの繋がり方も秀逸。加速していく物語と科学描写、宇宙の壮大な光景にページを捲る手が止まらない。読んでいくうちにタイトルの意味がわかってくる構成が本当に良い。

No.27 10点 Izumi 2015/07/12 23:50
文句なしのSFミステリの傑作。
「月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。それは現生人類とおなじ生物であるにもかかわらず五万年前に死亡していた」ホーガンはこのなんとも魅力的な謎の提起から壮大なスケールの物語を紡いでくれた。そのロマン溢れるストーリーはそれがフィクションであることを残念に思ってしまうほどである。
ミステリ要素は少なくなるが続編である<巨人たちの星>シリーズもあわせて読みたい。

No.26 9点 2015/04/23 10:14
月面で発見された5万年前の人間らしき遺体。
事実が淡々と語られ、読者はそれをもとに想像を膨らませながら興奮しながら読める。そんなノンフィクション・タッチの本格SFミステリー。
すごいのは、やはり最後に明かされる真相(トリックと仮説)です。

<以下、ネタバレ風>
作者がこの小説でいちばん書きたかったのは、ダンチェッカーによる人類の歴史の謎解き(ホモ××は〇〇だった。そして、□□を駆逐した)だったのでは、と今は思っています。
初読時は、ハントが解明した月のトリックがあまりにも突飛で強烈だったので、そのことに興奮しすぎたようです。当時はトリックだけを見て、肝心要の謎の正体をおろそかにしていました。
(でも、やっぱりあのバカミストリックはすごい!!)
ということで本書は、空想科学小説の姿はしているが実は歴史ミステリーだったと、今になって理解しました。
この小説の影響なのか、世界を征服したアングロサクソンは実は〇〇だった、などの話もあります。

再読には別の目的がありました。
一つ一つの事象を考察し、次々に証拠をそろえていく中盤。この中盤はまるで松本清張の『点と線』の捜査みたい、という記憶が残っていました。これを確認するための再読でした。
人間ドラマがない点を含め共通点があると思うのですが。この感覚、変なのかな。

最後にひとこと。
ハントがルースリーフ・ファイルを抱えて仲間の部屋へ向かう場面があったが、今読むと違和感がある。現代ならノートパソコンかモバイルかタブレットだろう。
コンピュータや通信ネットワークの発展までは、予見できなかったのか。

No.25 9点 アイス・コーヒー 2014/10/26 13:03
SFでありながら「5万年のアリバイ崩し」とも称され、ミステリ作品としても高く評価される傑作。スピード感のある展開に引き込まれ、最後までひたすら面白かった。
件のアリバイトリックは実に斬新で見事。月面で発見されたチャーリーの手帳が肝となるのだが、このトリックには脱帽させられる。
そして同時に明かされる人類の過去。歴史ミステリ的こじつけ刊はあるが、壮大で魅力的な真相といえるだろう。本作は最初から最後まで知的探求の興味が尽きないのだが、なかでも終盤の展開は本当に壮絶。
ひたすら真相を追って捜査と考察を繰り返すだけで、物語としての展開はほとんどないのにこれだけ面白いというのは驚くべきことで、感服する。
アーサー・C・クラークで宇宙ものがトラウマ化していた自分が久しぶりに楽しめた宇宙ものだけに、本作に出会えたことはかなり嬉しかった。小説として極めて優れていることはいうまでもない。

No.24 7点 ボナンザ 2014/04/08 21:55
SFでありながら本格好きでもうならされるような名作である。

No.23 7点 いいちこ 2014/03/20 18:00
壮大な舞台設定を背景としたハードSFながら本格ミステリとしても佳作。
映像で楽しめれば、なおよかったか

No.22 5点 haruka 2013/06/17 23:09
太陽系の成り立ち、人類の起源を壮大なスケールと緻密なプロットで描いた大傑作。だと思うが、読んでいて非常に疲れた。私的には楽しめるか楽しめないかギリギリのライン。

No.21 7点 測量ボ-イ 2013/05/12 09:22
基本SF小説でありながら、本格ミステリとしても評価の高い
作品です。なるほど読み応えはさすがにありますね。
但し内容はその方面に知識のない方にはちょっとキツイかも。
僕も正直よく理解できていないところは一部あります。

・・・でも、この真相は太古のロマンを感じますね。


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ジェイムズ・P・ホーガン
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