ムラさんの登録情報 | |
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平均点:4.28点 | 書評数:296件 |
No.156 | 6点 | 七回死んだ男 西澤保彦 |
(2011/06/17 23:58登録) 設定も面白かったしなにより主人公の軽い感じのキャラも良かった。文章のユニークさも見ていて面白いし、長さも気にならないので楽しんで読める。最後のとってつけたようだがドンデン返しをしてやろうという作者の粋な心も高感度。ドタバタはグダグダにさせないのが難しいけど上手く嵌ると面白いねほんと。 ただこれをパズルというのはどうかと思う。 個人的にはこの設定と主人公なら推理じゃなくてもいいから他の話も見てみたい |
No.155 | 4点 | 星降り山荘の殺人 倉知淳 |
(2011/06/16 17:38登録) ひとまず携帯やラジオがポピュラーじゃない時代というの懐かしさを感じる。 内容はフェアと書いてあるとおり正統派な感じのトリック。と、いうよりフェアにしようと頑張ったトリックというほうが正しいのだろうか。ミスリードが割りと分かりやすかったが正当な感じで来ていたので嫌いではない。 メイントリックは読めたけどその他の細かいほうのトリックはいまひとつわからなかった。ミステリサークルのところとかは特に推理に至るのが難しかった気がする。 「ウザイ女」を絵に描いて額縁入れて美術館に飾ったら前売り券が千枚売れたようなキャラが二人もいるのはどうも辛かった。あとちょっと長かった。 あと犯人最後豹変しすぎな気が(笑) |
No.154 | 5点 | 真夏の方程式 東野圭吾 |
(2011/06/14 19:34登録) 一定水準以上の面白さあり、科学と環境を両てんびんにかける話は原発問題に重点を置いているいまもっともタイムリーな話の気がする。 テンポや人物描写や話の完成度も高い。。 ただ、期待してたガリレオシリーズとは少々違う感じだったかなぁ。Xの献身とまではいかなくても聖女の救済くらいの驚きとミスリードが欲しかった。それだけが非常に残念。テーマが献身なだけに、容疑者Xのオマケストーリーに留まっているかんも否めない。 |
No.153 | 2点 | 今はもうない 森博嗣 |
(2011/06/10 17:55登録) なんでこんなくだらないW密室をここまで引っ張ったんだ……。 本当にやりたいのがもうひとつのトリックってもはわかるし、ミスリードを頑張ってたのもわかる(途中までは萌絵が今までよりうっとおしいと思ってしまったし) だけどこの密室トリックに対する長さは限界超えてる。人知の及ばないトリックとか意味なし冗談仕掛けるの犀川先生だかでいいですからほんと。 もうちょっと書きよう無かったのか。話の綺麗さが台無し。 個人的には一点ぶち込みたいくらいガッカリだったけど話としては良いので二点で。 とりあえず犀川先生の出番少ないとこの量はきついです……。 |
No.152 | 5点 | 異邦の騎士 島田荘司 |
(2011/06/07 21:43登録) プロットが上手く石岡のと御手洗の出会いもあって楽しめた。 トリックはさすがに昔の作品だからわかりやすい(というよりも手記ネタは完全にパターンな気が) ストーリーとして単純によかったので満足。 |
No.151 | 5点 | 封印再度 森博嗣 |
(2011/06/06 17:52登録) 萌絵の行動は好き嫌い別れそうだけど物語的には楽しめた。 密室の作り方や鍵の開け方も科学的で面白い。謎の持ってき方もなかなか。 ただあの男の子の言葉遊びだけはこじつけ勘が半端無い気がする。 謎を読者に解かせる気がないのはシリーズを通してよくわかってるのでそこは問題なし。 |
No.150 | 1点 | 謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 |
(2011/06/03 18:44登録) 会話が楽しめる。けど、ミステリとしてはさすがに薄すぎ。 設定もイマイチ新しさを感じられなかった。別に新しくなくっても面白い作品はあるけど、今回はそれもなし。 一番良かったのは表紙かな。コメディチックで素晴らしい絵だった。これはイヤミではなく本音。 |
No.149 | 3点 | ダブル・ジョーカー 柳広司 |
(2011/05/31 20:57登録) スタイリッシュじゃないけど地味でカッコイイスパイの続き。 展開が素早く面白いんだけどやっぱりオチが好きになれない。話がまとまりすぎていてある程度筋がわかってしまうのもちと残念。 前作と読んで見て、当時どんだけ日本がおかしかったかがわかる本である。 |
No.148 | 6点 | 第三の時効 横山秀夫 |
(2011/05/27 18:03登録) 全体的に上手くまとまった警察者短編ストーリー。どれもハズレが無くミステリー性があって面白い。 個性的な班長が事件を解決する話だが、二班の班長が一番個性ありそうなのにちゃんと出てきたのがこの表題にある第三の時効のみなのが残念。しかしこの短編の中では一番好きな話である。 |
No.147 | 4点 | 空中ブランコ 奥田英朗 |
(2011/05/26 16:56登録) 綺麗にまとまった短編。伊良部のキャラもいいけど、患者の悩みもどこか共感を持てるものでよい。とはいえ、ビックリするようなオチはまぁ待っていなかった(そういうの求める作品じゃないことはわかってるが) 綺麗にまとまりすぎて、伊良部の突拍子のないキャラがどんな行動するのか割と予想できたせいで、それほどの可笑しさを感じなかったのはあるかも。 |
No.146 | 5点 | チーム・バチスタの栄光 海堂尊 |
(2011/05/24 03:14登録) 途中までは本当にこれは推理的な内容なのかと疑ったが、白鳥という探偵の登場で、ああこれは推理なんだな、とほっこりした。とはいえ読者が推理するような感じじゃなくて、推理をする探偵と主人公の動向を楽しむような感じかな。どのキャラもきちんと個性が出ていて面白かった。病院をテーマにしたミステリはあまり見たなったから新鮮だったってのもあるる。ちなみに、ドラマは見て無い。 |
No.145 | 4点 | 流星の絆 東野圭吾 |
(2011/05/19 22:45登録) 長文をすらすら読ませる展開のスピードさと文章は相変わらず流石のもの。 話も良い。 ただちょっと予想通り過ぎたのと(予想通りでも面白い作品はいくらでもあるが)東野の作品ではあくまでも平均なのが残念。東野さんだったらもうちょっと上手く書けるんじゃ、って期待はやはりしちゃう。 手紙やさまよう刃みたいに読者の胸をつき刺すような被害者と加害者の微妙な心理関係が書かれている作品だと期待したが、そこまででもなかったのがなお残念。 |
No.144 | 7点 | 占星術殺人事件 島田荘司 |
(2011/05/19 02:30登録) 某漫画でドストレートのネタバレを食らったので楽しめないかと思ったがそんな事はなかった。 メイントリック以外にも散りばめられたトリックや伏線などは見事なもの。 御手洗のキャラもいい。 最初の数ページがなんとなく黒死館的な読み辛さを感じたが、そこは仕方ない。さすがに文章減らせるような所はちらほらあった気がしたけど。 ただやっぱりネタバレなしの状態で読みたかったですね。「そして誰もいなくなった」もそうだが、古い名作だと他の本でもトリック使われることが多いから、高確率でネタバレ食らうのが無念。 作品とは関係無いけど本の解説で『「何と意外な結末!」「××を凌ぐ」って煽り文句のある本は裏切られる確立が高い』には大いに賛成したい。本当にガッカリするからあれやめて欲しい。 |
No.143 | 7点 | 半落ち 横山秀夫 |
(2011/05/16 19:31登録) 警察、検事、記者へといろんな人が犯罪を犯した一人の犯人の行動を探っいく道筋となったホワイダニットストーリー。 個人的にホワイダユニット小説はラストの意外性よりも物語の説得力のほうに重きを置いている(意外性も合わされば満塁ホームランだが)ので今回の小説はとても面白く見れた。 被告人は空白の二日をどうすごしたか、よりも、被告人の人間性を第三者の者たちはどのように見ているか、がとても気になる作品となっていた。 テンポもよく、文章の感じも好み。 (こっからネタバレ注意) 薄いって意見もあるけど、殺人者の○○を○ったという事実は世間的にはかなりのマイナスになってしまう気がする。 まぁ、薄いか濃いかで言われたら薄いが。 |
No.142 | 3点 | ジョーカー・ゲーム 柳広司 |
(2011/05/14 05:21登録) スタイリッシュなスパイ物。ではないけど仕事人としての味が出ていてとてもいい。 すらすらと読めて楽しかった、と同時に当時の日本はやっぱ狂ってるなと思う一冊であった。 最後の奴はスパイというよりも昼ドラとか火サスかな。優秀なスパイにしてはトリックがお粗末なのが残念。 せっかくだから地味で優秀なスパイ物で通して欲しかった。 |
No.141 | 2点 | 少女地獄 夢野久作 |
(2011/05/13 19:29登録) いろんな悪意の詰まった短編集。 物語の登場人物にどこか共感してしまう一冊である。 |
No.140 | 5点 | 密室殺人ゲーム2.0 歌野晶午 |
(2011/05/10 19:31登録) 前作の設定を引き継いだ作品。 王手のときよりも一つ一つの謎の濃さは深まっているのかな。 短編的な謎をみんなで解く形になっているので、今回もすらすらと読む事が出来楽しかった。 ただストーリーとしてのオチは前作よりも低いかなぁ。前作も投げっぱなしに見えたオチがさらに投げっぱなしに感じたし。 ザンギャくんとアクスの漫才が先代ほど切れ味がなかったのがなお残念。というか前作に比べてキャラが若干薄い。これはワザとかもしれんが。 でも頭狂人が「本当に好きなら殺さない」って何度も言うのは、殺人衝動の弱さは所詮偽者って位置づけなのかなぁ。とにかく三部作という事なので次回に期待。 余談だが、SOWはグロが苦手だが謎が面白いということなので、頑張って3までは見た。1,2はオチが楽しめたが、3はただなんとなくグロくしとけって感じで肩すかしであった。それ以降はもう見て無い。この本もそうならないように祈りたい。 |
No.139 | 4点 | ささらさや 加納朋子 |
(2011/05/09 18:28登録) 基本的に日常ミステリ物は内容が薄くてそれほど好きじゃないのだが、この作品は単純に物語として楽しめた。 気の弱い女性に集まるばあちゃん達やギャルママの雰囲気がとてもほのぼのとしていて、それでいて実際にありそうな感じてとってもいい。 子を育てる親ってのは本当に大変なのだなと、なんだかしんみりさせてくれる作品でした。 ささらという町の雰囲気もとてもいいですね。一度は住んでみたいと思える場所でした。 |
No.138 | 5点 | 陰摩羅鬼の瑕 京極夏彦 |
(2011/05/05 18:59登録) 面白かったかどうかと言われるとけっこう楽しめた作品。 京極にしては館あり、見当違いの考えをする警部ありとなんとなくオーソドックスな推理物っぽいけど、まぁそんなわけもなく。 ミステリかと思ったら死の壁を読んでいる感覚だった。もう一度あの作品を読み直したくなる。 犯人が最初っから検討つくけど、どちらかと言えばホワイダニットに当ると思うからそこは満足。動機についてはイマイチ見当つかなかったので。 中番の中だるみさえなければなお満足だったのに残念。 なお、京極シリーズの中では割とまともな方の榎さんが見られる。 いっつもいっつも後手に回る京極の姿を見るのも段々慣れてきた。 |
No.137 | 6点 | 倒錯のロンド 折原一 |
(2011/04/15 18:57登録) 叙述トリック抜きでも展開そのものが楽しめた。 トリックは第一部読み終わったあたりでなんとなく気がついてしまったけど、作者の技巧までは読みきれなかったので十分楽しめる。 さすがに二つ目のトリックまではわからなかったけれども。 しかし、叙述トリックをやるぞー!とわざわざハードルを高くした上できちんと楽しませてくれる作品は本当に尊敬できる。 |