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ミステリの祭典

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空中ブランコ
精神科医・伊良部シリーズ

作家 奥田英朗
出版日2004年04月
平均点7.08点
書評数25人

No.25 7点 みりん
(2024/05/27 04:34登録)
シリーズ2作目は患者たちの症状がよりディープになり、前作にあったような普遍性を少し欠いている印象。なので、個人的には『イン・ザ・プール』の方が好きですが、こちらも十分楽しめました。282ページ2h24min読了。
なかでも『女流作家』が1番良かった。強迫症まではなくとも、作者自身にも似たような経験があったのかなって邪推してしまいます。出版不況、映画離れなどエンタメの多様化による弊害はこの頃から既に…

※小説家って本当に大変ですね… 神経をすり減らして絞り出した物語を数時間で消費された挙句、作品の真価も読み取れない批評家気取りのクソガキに7点とか付けられる職業なんですよ、、、全ての小説家に対して敬意を忘れないようにします。

No.24 7点 take5
(2023/09/03 22:56登録)
イン-ザ-プールが7点だったので
もう少し高くてもよいかとおもいましたが
四捨五入して7点ということで。
伊良部シリーズはとにかく読みやすい
そして面白いです。
精神科医としてめちゃくちゃな様で
読者にも痛いというか刺さる
ところが出てくるのが、
ユーモア作品の王道です。
一話の長さもちょうどよいです。

見たことはないですが、
映画やアニメにもなった様です。
キャラが立っている証拠ですね。

No.23 9点 タピオカ
(2023/08/23 12:35登録)
患者たちのキャラクター造形が面白い。みんな、誰しもが経験するような、共感できるような悩みごとで病を患っている。それを伊良部が薬などに頼らず患者たちを直していく様が面白い。

No.22 4点 パメル
(2021/03/07 09:51登録)
伊良部一郎シリーズ第二弾。第131回直木賞受賞作品。
患者は全員三十代。それまでの人生に立ち止まって振り返った時、現在の自分にしこりとして残っているのを感じている。誰にも悩みを相談できず、病院を訪れた患者に対し、伊良部の言動と行動は相変わらずで、治療といえば注射のみ。そして興味のあることにはやたらと首を突っ込んでくる。患者は保護者気分で付き合わざるを得なくなってくる。
その稚気に驚き、呆れ、「この医者で大丈夫だろうか?」と不安を覚え、ついには病気で悩むこと自体が馬鹿馬鹿しくなってしまう。このような人が組織にいたら、どんなに楽しいだろうと想像しながらも、鬱陶しいだろうなとも思う。
現代社会の中、身体の不調を訴える人は多い。病院に行ってもどこも悪くないと言われ、病院を次々と変える人もいるらしい。本作は、それぞれの世界の大変さとか、人間誰もが持つ煩悩や嫉妬心がユーモラスに描かれている。
このシリーズのファンの方は、この滅茶苦茶な診療がうけているのだと思うが、個人的にはついていけなかった。ユーモアセンスが無いのでしょう。

No.21 7点 HORNET
(2017/12/02 13:47登録)
 私としては1作目よりよかった。
 何も考えてなさそうな無邪気なボンボン精神科医・伊良部一郎のもとを訪れるさまざまな悩みを抱えた人たち、その人たちの職業や趣味を「ぼくにもやらせて」と一緒にやりだす伊良部、といったパターンは前作と同じ。ただ、本作の方が奥田英朗にしては珍しく(?)ハートフルなハッピーエンド感が強かった気がするのは私だけか?
 最後の「女流作家」などは、主人公の友人・さくらの魂の叫びや、看護婦・マユミが初めて見せた人間らしさ(?)にちょっと感動してしまった。
 患者の伊良部に対する心のツッコミにも磨きがかかり、何度も噴出してしまう。ユーモアとあたたかさが同居した快作、作者の上手さを感じる一作だった。

No.20 6点 いいちこ
(2017/02/23 19:12登録)
やむを得ないことだが、本作はシリーズ2作目であるが故に、1作目のような新鮮なインパクトは備えていない。
また、各短編の主人公の人物像を造形するにあたり、イン・ザ・プールより特殊な職業を選択したことから、前作の際立った美点であった等身大の人物造形と、取りあげられた精神的不調の今日性が大きく後退している。
結論として、水準は大きく超えているが、イン・ザ・プールには遠く及ばない印象

No.19 8点 smk
(2013/12/22 10:58登録)
トンデモ神経科医、伊良部一郎シリーズの第2作。
1作目同様(それ以上?)コミカルでリーダビリティも高く、さくさく読めました。義父のヅラは爆笑必至。
ただし、ミステリではないので△1点。

No.18 7点 Q-1
(2013/07/27 00:07登録)
この作品もインザプールと同じく
精神科医伊良部が知ってか知らずか突飛な行動で
精神疾患者を治療していく痛快ストーリーです。

すべての話がお約束のような展開なのですが
何故か飽きません。
今作では義父のヅラ、ホットコーナー、女流作家が面白かったです。
特に女流作家は伊良部が人間的な側面を垣間見せたのが印象的でした。
マユミさんも相変わらず謎が多いですがインザプールと同じく
最後に人間臭さを見せてくれてホッコリしました。

No.17 8点 TON2
(2013/01/09 18:16登録)
文春文庫
 精神科医伊良部一郎シリーズ第2弾。
 飛べなくなった空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のヤクザ、義父の学部長のカツラが気になってしょうがない医学部助教授、まともに一塁に投げられなくなったプロ野球の三塁手、今まで書いたものと同じではないかと思ってしまう女流流行作家たちが、心の癒しを求めて総合病院地価の伊良部の診療室を訪れます。
 子どもじみた伊良部の行動に、心の奥の問題がほぐれていきます。
 伊良部の性格、行動が笑わせるなぁ。

No.16 7点
(2012/01/13 14:52登録)
伊良部シリーズ名作短編集。
「空中ブランコ」「ハリネズミ」「義父のヅラ」「ホットコーナー」「女流作家」の全5編。
前短編集「イン・ザ・プール」にくらべると、サーカス団員、ヤクザ、医師、プロ野球選手、作家と、主人公の職種自体が特徴的。お笑い度、感動度(?)は前作以上、ミステリー度は???で同程度。とくに「義父のヅラ」のお笑い度は前代未聞。
新幹線の中で読んだので笑いと涙をこらえるのが大変だった。
しかもラストはクサくなく、実にうまい。
注射するときに伊良部医師が鼻の穴を広げて覗き込む描写が少ないのが、ちょっと物足りなかったかな。伊良部の変態的な表情が目に浮かぶあのシーンが、いちばんのお気に入りです。

No.15 7点 haruka
(2011/05/29 10:39登録)
笑わせて、ドキっとさせて、最後にしんみりさせる。パターンは決まっているのだが、マンネリにならずに毎回楽しめる。

No.14 4点 ムラ
(2011/05/26 16:56登録)
綺麗にまとまった短編。伊良部のキャラもいいけど、患者の悩みもどこか共感を持てるものでよい。とはいえ、ビックリするようなオチはまぁ待っていなかった(そういうの求める作品じゃないことはわかってるが)
綺麗にまとまりすぎて、伊良部の突拍子のないキャラがどんな行動するのか割と予想できたせいで、それほどの可笑しさを感じなかったのはあるかも。

No.13 8点 E-BANKER
(2011/05/03 18:59登録)
大好評の伊良部シリーズ第2弾。
なんと「直木賞」受賞作。
①「空中ブランコ」=表題作に相応しい出来。でも、そんなことより伊良部が空中ブランコをやる姿なんて・・・そりゃ観客も大爆笑でしょう!
②「ハリネズミ」=尖ったものが苦手のヤクザ・・・これも笑えるけど、すごく人間臭い話。心の弱い人間ほど「ハリ」を立てて威嚇するってことですね。
③「義父のヅラ」=これはもう大爆笑!! ウチの社内にもいます。誰もが「ヅラ」と知ってる人! 主人公がついに義父のヅラを取り外してしまう場面なんて・・・読書で久し振りに笑わせていただきました。でも最後はちょっと「ホロッ」とさせられる。
④「ホットコーナー」=ありますよねぇ・・・相手を変に過大評価してしまうこと。どんなに優秀に見える人だって、しょせんは人間ですし・・・あと、努力と経験は決して裏切らないってことかな。
⑤「女流作家」=これもうまい。こんな悩みを持った人っていっぱいいそうな気がする。何事も「こだわり」と「信念」が大事ってことでしょう。
以上5編。
いやぁ・・・さすがの面白さ!直木賞受賞作だけあります。
人間の悩みや変なプライドなんて何の意味もない、肩肘張らずに、自分に正直に生きていこうよ・・・って思わされますねぇ・・・
これこそが、ドクター伊良部のカウンセリング。
読み物としては15点くらい進呈したい気分ですが、ミステリーではないでしょうから、まぁこの程度の評価ということで・・・
とにかく未読の方がいらっしゃいましたら(特に仕事や人間関係に悩む大人の方)、カウンセリングのつもりで是非読んでください。お薦め!
(③は最高に笑える。他も十分面白い。)

No.12 6点 まさむね
(2011/04/26 21:22登録)
 いやはや,伊良部センセはすごいですね。アユミちゃんも気になってしょうがない。
 前作のイン・ザ・プールに比べて患者の質(?)が向上しているせいもあるのか,上品な仕上がりです。毎回決まった形で収束する,まさに水戸黄門的な作品集ではありますが,一切マンネリ感を抱かずに読みきることができました。
 ちなみに,この採点は「ミステリ性が皆無の作品については30%オフ」との独自評価基準に基づくものですので,ご容赦を。

No.11 5点 江守森江
(2011/03/03 10:20登録)
フジテレビで深夜にアニメ版を放送していたが全く面白くなく2回で視聴を止め、現在テレ朝で放送中のドラマ版も(何となくは観ているが)面白くない(余貴美子にソソラレないのは痛い)
しかし某所で、あれだけ面白い原作を何であんなにツマラナくできるのか?と書かれていたのを見て図書館から借りてきた。
ナルホドな面白さだったので満点(8点)にしようかと思ったが、私的なミステリーの範疇外な作品なのでポリシー通り2点。
でも疲れを吹っ飛ばす面白さの小説に2点は気が引けるので妥協して5点にしよう。
※私的なミステリーの範疇も結構いい加減で整合性を欠いていますがご容赦下さい。

No.10 7点 メルカトル
(2011/02/25 23:47登録)
奥田英朗氏の作品を初めて読ませてもらった。
一読後の感想は、なんと言っても精神科医の伊良部一郎の強烈なキャラと看護婦のマユミの魅力に見事に嵌った感じ。
笑える小説もたまにはいいもんだねえ、気分が楽になるようだ。
伊良部の元を訪れる患者達は、その無茶苦茶な治療法に驚かされるが、さすがに医師だけあって実は計算どおりの経過を辿っているような気もする。
いずれにしても、ほとんどの患者が快方に向かっているし、後味もすっきり清涼感があって良いと思う。
また、最終話『女流作家』のラストシーンには、思わずホロリとさせられた、これまでの作風からは考えられない場面に少し驚かされた。

No.9 7点 E
(2010/09/20 22:15登録)
伊良部医師とアユミちゃんが相変わらずで良かった。
前作と全く同じで楽しめましたね。
この中では表題作と女流作家が好きです。

No.8 7点 シーマスター
(2010/09/12 23:11登録)
心因性疾患に悩むエグゼクティブ達と彼らの主治医・ドクター伊良部が紡ぎだすエキセントリックなヒューマンドラマ5作。

【空中ブランコ】 きれいに纏まりすぎる気がしないでもないが、こういう事って実は結構あるのかもしれない。
【ハリネズミ】 この人、ほんとヤクザの下層世界に詳しいよね。
【義父のヅラ】 実にバカバカしいが可笑しい。ドタバタコメディーで本当に笑ったのはいつ以来だろう。その他いろんな意味で面白かったですよ。
【ホットコーナー】 これも「いい話」だが、個人的に「負けた方が一月・・」に爆笑。
【女流作家】 作家が作家の悩みを書いているのだから、これはリアリティが高い実情話なのだろう。映画監督の話はいまいちピンと来なかったけどラストはジンと来ました。

シリアスとコントの混合構成で、クサさを醸し出さずに最後に清々しさを残す話を常ならぬリーダビリティでこれだけ連ねるだから大したものだと思う。
自分も少しだけ癒されました。

No.7 8点 あびびび
(2009/12/07 18:39登録)
ここまで6人の方が全員8点という評価。それなら自分は9点で…と思うほどよくできた短編集だが、ここはミステリー的評価の場であり、それを考えると8点かなと考えた。

しかし、どの話もよく出来ており、7点にはしたくない。こんな笑える物語にはめったに巡り合えない。自分は表題作が一番つまらなかった。

No.6 8点 こもと
(2009/11/17 12:37登録)
 一作目に感じた、伊良部キャラの突拍子のなさが、二作目ともなると、あろうことか、違和感を感じなくなってしまったという・・・そんな恐怖を味わった(笑) 逆に、何をやらかしてくれるのかと、期待してしまう始末。
 しかし・・・表紙の赤ちゃんが、私にはもう、伊良部にしか見えない。 かわいいのに、気の毒。

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