home

ミステリの祭典

login
シーマスターさんの登録情報
平均点:5.94点 書評数:278件

プロフィール| 書評

No.278 5点 春から夏、やがて冬
歌野晶午
(2015/02/15 21:32登録)
寄り添えども寂しく、想えども切なく、美しくも哀しく愚かしい喜劇にも似た悲劇。


No.277 6点 花の鎖
湊かなえ
(2013/12/09 22:07登録)
3つのストーリーが3交代で進み、やがて繋がるという物語であり、パターンとしてはさほど珍しくないだろうが、その種の作品の中でも本作には斬新な試みが感じられ異彩を放っているように思われる。
何が斬新かと言う前に、まず文庫の帯の「驚きのラスト」というフレーズには恐らく作者自身が心外の念を抱いているのではないだろうか。この作品は決して、3つの話が突然1つに結びついて読者をあっと驚かせようという小説ではない。
個人差はあるだろうが、多くの読者が(恐らく)真ん中すこし過ぎあたりから少しずつ各々の繋がりが見えてくるように作者に導かれ、終盤にはまるで作者と一緒に物語を組み立てている(パズルを嵌め込んでいくという感覚に近いだろうか?)ような気分にすらなってくる・・・こういう感触を味わわせてくれる小説は個人的には殆ど記憶にない。

各々のストーリーの途中は若干ダラダラした感じもあり、ラストも「くどさ」が拭えない上、期待された「感動」の要素もやや薄弱な感が否めない。何より湊かなえらしい毒を期待して読むと肩透かしを喰らった気分になるだろうが、美しく哀しく救いがある物語でもあり、個人的にはこの人の構成力の素晴らしさがデビュー作から変わっていないことを実感させられた。(まぁ偶然の多用・・特に本作では同じサークルで同世代のAML・・も相変わらずだが)


No.276 5点 彼女は存在しない
浦賀和宏
(2013/10/26 23:35登録)
一般にミステリーファンには好まれにくいと思われるガジェットを扱った作品だが、本作のアイデア、トリックは悪くないと思う。
終わってみれば、2視点からの交互の進行形式もよく練られていたし、この作者特有の「奇怪さ」も程よく出ていたし。

しかし個人的には内容の割りには長すぎるように感じた。というのは、この人の文章は読みやすいようで読みにくい。いや、各々の文章そのものは平易で現代的なんだけど、話の流れというか紡ぎ方が何かグニャグニャしていて、どうもなかなか読み進まない。これもこの作者の作風なのだろうが、もう少し何とかしてほしいと思いながらナントカ読み通した感じ。

まぁ105円でゲットした本だからさほどの不満はないけど。


No.275 7点 アルファベット・パズラーズ
大山誠一郎
(2013/10/02 23:46登録)
かなり以前からこの中短篇集の文庫化を待っていたが、忘れた頃に・・・で、今年の6月に文庫化された様子。(刊行から9年目)

しかし最終作を除いた3作は・・決しておかしな日本語が使われているわけではないが・・とにかく魅力がない文章で、どうにも引き込まれない。内容も様々なミステリー要素が詰め込まれているが、「小説らしさ」がまるで感じられず殆ど推理クイズの「問題編+解答編」の世界。その解答編の推理もとてもロジックとは言えない思いつきの連続で正解に至っていたりで、要するに色々なアイデアを授かったミステリーマニアの中学生が一生懸命、辻褄が合うようにアレコレ取って付けながら書いたパズラーという感じ。

各作品に触れると
『Pの妄想』・・なぜクビにしない?ていうか正にツッコミどころ満載。
『Fの告発』・・これは驚いた。しかし「絶対ムリ」としか思えない。
『Cの遺言』・・凝り凝りだが古~い海外短編の類似ネタに理屈コネコネ。
しかし・・・・
『Yの誘拐』・・170ページ程の(本書で唯一の)中編だが、この数年間に読んだミステリーの中で最も衝撃を受けた作品のような気がする。それは前3作に依存するところも非常に大きい。
まず前半の「手記」のリーダビリティの高さ。前3作のトツトツとした推理クイズがいきなり切々と引っ張る誘拐サスペンスに変貌。私は手記の筆者にかなり感情移入してしまい、その焦燥、悲愴、絶望に浸り入ってしまったが、まぁこの辺は読者の環境により大きく異るところだろう。手記が終わって後半に入ると「例によって」トーンダウンするが事件の真相は・・私は手記での情動が大きかった分・・エモーショナルな乱高下とともに犯人の悪魔性に慄然とするショッキングなものであった。
そして前3作では「こんなもの(帯に書いてある)推理合戦じゃねぇよ」と思わせられるが最後にその意味が実感される。

本書を評価できるかどうかは作者の「読者を驚かすためなら多少の無理筋でも構わない」という意気込み、創作スタイルに共感できるかどうかだろう。


No.274 6点 眠りの牢獄
浦賀和宏
(2013/09/11 20:48登録)
この作者は相当なコワレ系の作家らしいが、本作はまごうかたなき本格ミステリーである。ただし端整さと異様性を併せ持った本格であり、その骨子となるネタは
①交互に進む二つのストーリーの関連と殺人のカラクリ
②カバーにも書かれている「...の理由」
③対オンリー読者トリック
の三つと思われ、本格としては①がメインになるが、本作品としてのメインは何と言っても③だろう。
このネタ自体は最早辟易モノだが、ミスリードのしかたがかなりエグい。何しろ小説の作風、そして「本」(ノベルス)そのものを利用した手法であり、これを早々に看破した読者がいるとすれば、その方(々)はこの作者以上にヤんでいるに違いない。(褒め言葉のつもり)

何はともあれリーダビリティも非常に高く、私的には時間潰しに最適の一冊だった。(もちろん褒め言葉)

ところで「読書メーター」という読書サイトの感想投稿欄は結構コワいね。前置きなしのネタばらしが少なくないもんね。


No.273 4点 オレたちバブル入行組
池井戸潤
(2013/09/04 18:22登録)
銀行業を舞台にした、桃太郎もまっつぁおな完膚なきまでの勧善懲悪劇。
金融やら財務やらには極めて疎い自分にも十分読みやすく書かれているが読後は少々食傷気味。

主人公・半沢直樹が最後に勝つのがあまりにも明らかなキャラクター設定である上、勝つための「証拠」を奪うプロセスが数々の偶然や、うまくいき過ぎるコソコソ作業や、相手方の信じられない不用心によるところが甚だ大きいのには社会派小説としてプロットが幼稚過ぎる印象を受けた。

半沢が「証拠」を握ってからは、自分を嵌めようとした上司を真綿で首を絞めるが如くジワジワと苦しめ、追い詰め、最後は罵詈雑言を浴びせ土下座をさせた上、自分を昇進させる。
そして損害を被らされた相手に対しては、プライドをズタズタにしてから(社会的に)地獄に落とす。
更に親のカタキにも土下座をさせる。

悪党共の末路は自業自得と言えばそれまでだが、あまり気持ちのいい復讐・挽回劇ではなかった。

まぁ、現実の銀行ではどんなに理不尽な状況に置かれても上司に反抗的な言動をとることなど絶対にあり得ないらしいし、それは銀行でなくても大企業ならどこでも同様だろうから、その辺りのストレスを日々強く感じている人達には本作のような話は痛快極まりないのだろう。


No.272 6点 こわれもの
浦賀和宏
(2013/08/06 23:04登録)
「立ち読み厳禁!読み始めたら止められません」という帯の惹句に釣られて食いつく。(最近文庫化されたらしい)

まぁ読みやすい文体ではあるが、前半は人気漫画家と、彼の悲劇を予知したという中年女性と、漫画オタクの話がもったいをつけながら悶々と進む。

自分にとっては初読の作家であり、超常現象アリかどうか等を含めて全く作風を知らなかったので「先の見えない感」は悪くなかった。

半ば過ぎあたりからページをめくる速度が上がり、終盤の目まぐるしい展開と(完全に想定外とは言えないまでも)意外な真相は確かに読み応えがある。
ただムリ感もかなり大きい・・・が、このムリ感とアンニュイな幻影感は作者特有の作品世界の一面なのだろう。

なかなか没頭できるミステリーが見つからない中、この作者の作品をもう少し読んでみようかなー・・・とも思うけど・・


No.271 6点 クロク、ヌレ!
真梨幸子
(2013/07/26 23:35登録)
何とも不思議な作品。

読んでいて気持ちのいい話でないことは間違いないが、作者の作品カラーとされている「イヤミス」という感じではないし、初期の作品や『殺人鬼フジコ』でドギつく使われているエログロも殆どない。

前半はやたらと回りくどい展開で、且つ話の方向性が散乱しているのでなかなか入れ込めづらかったが、「プロジェクト」と過去の話がリンクされてくる辺りからはリーダビリティ急上昇。

様々な濃厚なストーリー・パーツを組み込んでいく構成力はこれまで自分が読んだこの作者の全ての作品で感じたものだし、(主に若~中年女性の)随所々々の心情・行動の描写表現も笑って頷いてしまうものが多いし、忘れがちにさせられながら時々テラーが出没する地の文もオリジナリティが高い。

ミステリとしては何ということもないが完成度の高いエンタメ小説だと思う。


もっとメジャーになっていい作家だと思うのだが・・・


No.270 6点 擬態
永嶋恵美
(2013/05/15 23:33登録)
永嶋さんだから当然イヤミスを期待して読む。
帯にもそう書かれているし。

しかしこれは・・・・・・・・・緩々。

「転落」や「災厄」に比べると話の完成度は高くなっている気もするがインパクトが弱い。
いや、インパクトはそれなりにあるのかもしれないがスパイスが遥かに弱い。(薄い?)

読了してみれば、ミステリーとしてそこそこ巧みではあるが殺人などの凶悪犯罪があるわけでもなく、主人公の女子大生、並びに関係する若い女性達の生活描写(殆ど色気もない)が大半を占めるので読中、中だるみ感も少なからず。


No.269 3点 同葬会
藤ダリオ
(2013/05/15 23:25登録)
時間つぶし用のアイテムとして再びダリオの本を購入。
10人が1人ずつ減っていくというような趣旨の触れ込みに引かれて。

しかし露骨に期待ハズレ。
B級サスペンスを期待していたがC級ホラー、というよりこれは子供向けのオカルト漫画にするしか活かしようがない。
まぁうまく作れば「リング」「らせん」系の映画にしてそこそこいけるかもしれないが。

途中まで読んだところで、いい加減嫌気がさして結末に飛ぼうかと思っていたが、いつの間にか本が消失してしまった。
だから半分ぐらししか読んでいないという事実もある。


No.268 5点 出口なし
藤ダリオ
(2013/04/09 23:32登録)
「いれ込めミステリー渇望症」に陥っているので、世評が芳しくないのを承知で(個人的に好みの)ソリッドシチュエーションという触れ込みの本書を手に取る。

うん、この分野が好きなら悪くはない。
まさにB級ホラーサスペンスど真ん中。ひまつぶしには最適。ポテトチップスを食べるのと同じぐらい楽しい。真相なんかどうでもいい。

作中ではしきりに映画『CUBE』を思い出させる設定みたいなことを言っているけど違うでしょう。これは明らかに矢野龍王、特に『極限推理コロシアム』の流れでしょう。

それはともかくチョット気になったのは、作中でいくつかの映画のネタバレをしていること。特に『シックスセンス』の核心をズバッとバラしているのには流石にいかがのものかと感じた。


No.267 6点 夜行観覧車
湊かなえ
(2013/04/03 22:13登録)
確かにミステリーとしては何ということもない構成だし事件の核も目新しいものではないが、相も変わらずイヤになるほど人間臭いリーダビリティでグイグイ引っ張ってくれる。相性もあるだろうが、やはりこの人は文章で読ませる作家だと改めて実感させられる。(ドラマも割りと評判が良かったようだが)

ラストは「拍子抜け」とか「中途半端」という感想が多いようだが、個人的には十分作者らしさが出ているように感じた。


文庫の解説にはいきなり『告白』のネタバラシがあるので未読の方はご注意を。


No.266 5点 インタビュー・イン・セル
真梨幸子
(2013/03/27 22:51登録)
サブタイトルのみで買い。

残忍な連続殺人が現実の「北九州連続監禁殺人」にインスパイアされた事件として描かれているが、今現在これを読み始めてまず脳裡にフラッシュするのは何と言っても尼崎でしょう。(書かれた時期からして作者も十分意識していたはずだと思うが..)

前作『殺人鬼フジコ』は本当に酷い話だったが、そのリーダビリテイは(少なくとも自分には)絶大なものがあった。本作はその点では数段劣るものの作者の作品構成力という点においては毎度のことながら唸らされる仕上がりになっている。ただ「あの女性」が最後にあそこまでやるモチベーションなど、いくつか理解し難い点があるのも毎度のことだが。

かなりの技巧派でありながら、この作者が今ひとつメジャーになれないのはエログロ色の濃いイヤミスを敢えて手に取る読者層が薄いことに加えて、散乱した糸の断片が1本に繋がっていくが如くの仕掛けについていくのに少々エネルギーを要するという所以もあるかもしれない。
あとは、どうしても湊かなえの影に隠れてしまうというところだろうか...


No.265 6点 枯葉色グッドバイ
樋口有介
(2013/03/04 22:51登録)
時々見られるパターンだが、別にホームレスにならなくても(他に道があるんじゃないか)・・・というホームレスが主人公のヒューマンタッチ・ミステリー。

思いつきも含めて推理思考の展開やロジックの仕込み方はなかなか端正だし、随所で読まされる伊坂幸太郎ばりの(こっちの方が先か?)軽妙(~珍妙)な会話もギリギリ鼻につかない程度に抑えられていて結構笑えるところも多い。

正直、真相に関しては今ひとつピンとこない感が拭えないが、全体的にはストーリー性とミステリー性とリーダビリティのバランスがよくとれた作品だと思う。


No.264 6点 悪党
薬丸岳
(2013/02/13 23:14登録)
薬丸岳の第4作。

ミステリ性は前3作に比べると明らかに薄いが、今回もメインテーマに据えられた「被害者遺族の悲痛」の描写(『闇の底』は若干ずれていたかな?)という観点からは、それらの作品に勝るとも劣らない。

作者の作風の2大特徴、「圧倒的なリーダビリティ」と「物も言わせぬ偶然の多用」という点においても。

本作は探偵業をなりわいとする主人公の悲痛極まりない物語と、各章ごとの「陰惨な過去を清算したい依頼者たち」の連作短編集風の物語のカップリングとなっており、互いに暗鬱感、苦悩する様が共鳴され合う作りになっている点が特筆に値する。

(結末に関して)



なぜ彼女は去って行ったのか?
エピローグを作るためでしたね。本当に最後の最後で「解放感」を味わえました。


No.263 6点 犯罪ホロスコープⅡ 三人の女神の問題
法月綸太郎
(2013/02/04 22:30登録)
法月ホロスコ-プ第2弾。黄道十二宮の後半の6話。

・「宿命の交わる城で」・・作者らしい巧みの業が遺憾なく盛り込まれているが如何せん、ややこしい。
・「三人の女神の問題」・・全体に凝り過ぎの感がある本短編集のなかでは、ほどよい凝り加減。
・「オーキュロンの死」・・悪くはないけど、こういう犯人はねぇ...
・「錯乱のシランクス」・・そんなん知らんくす
・「ガニュメデスの骸」・・悪くはないけど、こういう犯人はねぇ...
・「引き裂かれた双魚」・・無茶苦茶な話だが、洗脳を使われちゃうとね...

全作、法月氏らしい技巧と構図の変転を兼ね備えていると思うが、真相究明に当たっての「心理面の推測」がいずれも独善的というかコジツケが強い印象は拭えない。人の内面の動きなんてそんなに単純に他人が読めるものではないだろうと。

いずれにせよ、のりりんはやっぱりテーマに縛られずに自由に書いた方がいいですね。


No.262 6点 完全恋愛
牧薩次
(2013/01/16 22:37登録)
これはなかなかどうして大した作品だ。

ミステリーとしての評価は「分かれるでしょうね」としか言いようがないが。

個人的には、本作はミステリーというより画匠の一代記であり、あまり好みとは言えない(高々550ページが途方もなく長かった)が、伝記というか人生録的な小説も好むミステリーファンなら大いに楽しめることだろう。

第二次大戦末期から平成二十年ぐらいまでの社会背景を(恐らく)かなり忠実に描写しながらの展開は大河的だし、またビミョーとは言え、いくつかのトリックの伏線の仕込み方にも唸らされるものがある。

作者については全く知らなかったが、ちょこっとググって見たら本日芥川賞を受賞した黒田夏子さんに共通するものがあるようで、ちょっと驚き。ていうかこれぐらいの人でないとこれぐらいの作品は書けないよね。


No.261 8点 東西ミステリーベスト100(死ぬまで使えるブックガイド)
事典・ガイド
(2012/11/27 23:38登録)
これは楽しい。実に楽しい。

現時点での唯一無二の国内・海外のオールタイム・ベスト100。(何しろ「ジェノサイド」まで入ってるんだからね)
相撲の番付表のようなランキングを眺めているだけでも飽きない飽きない。
測量ボーイさんが仰るようにいくらでも感想・感慨が湧いてくる。

国内については、こうさんや蟷螂の斧さんがご指摘のようにノリリンが入ってなかったのは少し意外でしたね。ただし私が想定したのは彼の短編集『冒険』『新冒険』『功績』のうちどれか一冊は...というものでしたが。道尾秀介と西村京太郎が皆無だったのもちょっと意外かな。

海外に目を向けると上位6作は「あまりにも見慣れた古典群」で、もはや「不動のトップ6」の感が強い。全体的にも確かに保守傾向が強いように思えるが三大巨匠の有名諸作の入り具合なんかを目盛り代わりにして見ると、(もちろん私が読んでない作品がたくさんあるが)トレンドに捕われない古今欧米ジェネラルなランキングとしてはまぁこんなもんじゃないかな~と個人的には割と納得感が大きい。

ただねぇ、本書が「死ぬまで使える」ではあってほしくはないなぁ。10年後、いや20年後でもいいから「そろそろ改訂しないと」と言われるぐらい魅力的な作品が今後続々創出されることを期待したいですね。


No.260 5点 償い
矢口敦子
(2012/11/27 23:29登録)
う~ん、なんか様々な出来事が雑然と連ねられていて個人的にはリーダビリティに乏しかった感じ。
最後には纏まりを見せ、それなりにミステリーなのだが、所々に出てくる人間や贖罪に関する主人公目線の考察も薄っぺらいし、またこの作者は取材の精度にムラがあるようにも思えた。よくここまで調べたなぁと感心するところが多かったが、反面「・・・」というところもチラホラ。

『傷跡』がなかなか読ませてくれたので自分に合った作者かなと期待して『そこにいる人』に続けて本作を読んでみたが2作とも私的にはhitもfitもしなかったと言わざるを得ない。
ヤグっちゃんとはしばらくbyebyeかな。


No.259 5点 そこにいる人
矢口敦子
(2012/10/31 23:12登録)
命という最も重いテーマを扱ったストーリーが、女子大生の視点からの、また彼女の恋愛模様も絡めた比較的軽いタッチで160ページという長さに纏められた作品だが、さすがに短すぎる感は否めない。

作者名から、てっきりミステリーと思って手に取ってしまったが、これをミステリーの範疇に入れるにはミステリーの領界線をかなりの主観パワーで引っぱり広げる必要があるようだ。しかし、ほぼ全ての読者が驚くであろうポイントが一つだけあるので、まぁご勘弁を。

278中の書評を表示しています 1 - 20