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ミステリの祭典

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枯葉色グッドバイ

作家 樋口有介
出版日2003年10月
平均点7.00点
書評数3人

No.3 6点 シーマスター
(2013/03/04 22:51登録)
時々見られるパターンだが、別にホームレスにならなくても(他に道があるんじゃないか)・・・というホームレスが主人公のヒューマンタッチ・ミステリー。

思いつきも含めて推理思考の展開やロジックの仕込み方はなかなか端正だし、随所で読まされる伊坂幸太郎ばりの(こっちの方が先か?)軽妙(~珍妙)な会話もギリギリ鼻につかない程度に抑えられていて結構笑えるところも多い。

正直、真相に関しては今ひとつピンとこない感が拭えないが、全体的にはストーリー性とミステリー性とリーダビリティのバランスがよくとれた作品だと思う。

No.2 7点 蟷螂の斧
(2012/11/08 10:44登録)
既読2作品は青春ミステリーでしたが、本作は凄惨な一家殺しと女子高生絞殺で趣(重さ)が相違していました。共通している主題は、被害者の過去を調べれば、知りたくないことまで暴かれる・・・その覚悟があるか?というような気がします。ホームレスの元刑事と女性刑事、女子高生(惨殺された家族の生き残り)の関係がユーモラスに描かれ、本作品の底に流れる陰湿さを緩和しており、うまいと思います。元刑事の推理(勘によるものが多く本格とは言い難いのですが・・・)が当たっているようで微妙に?という点が本作の読みどころではないかと思います。

No.1 8点 makomako
(2012/10/19 08:03登録)
 樋口氏の小説はいつも無頼(古い!)な感じと、暖かさと皮肉と洒落たセンスが感じられ、ストーリーよりそちらの方面に惹かれて読んでしまうこともあるのですが、この作品はかなりしっかりと筋書きだててあり、作者のも述べているように終わりまできっちり書かれている。
 主人公がホームレスまで落ちぶれた敏腕警官というのもちょっと極端な設定に思えますが、読んでいくとぜんぜん気にならなくなる。
 ストーリも二転三転して最後はきっちりとどんでん返しとなっており、この作者らしく無謀に走りやすい吹石夕子にもちゃんとお手柄をあたえているのがなんとも優しい。
 ちゃんと終わりまで書いてくれたので文句は言えないのだが、これはこれでちょっとくどい感じというのは読者のわがままでしょう。
 とにかくとてもよかった。

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