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ミステリの祭典

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クロク、ヌレ!

作家 真梨幸子
出版日2008年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 シーマスター
(2013/07/26 23:35登録)
何とも不思議な作品。

読んでいて気持ちのいい話でないことは間違いないが、作者の作品カラーとされている「イヤミス」という感じではないし、初期の作品や『殺人鬼フジコ』でドギつく使われているエログロも殆どない。

前半はやたらと回りくどい展開で、且つ話の方向性が散乱しているのでなかなか入れ込めづらかったが、「プロジェクト」と過去の話がリンクされてくる辺りからはリーダビリティ急上昇。

様々な濃厚なストーリー・パーツを組み込んでいく構成力はこれまで自分が読んだこの作者の全ての作品で感じたものだし、(主に若~中年女性の)随所々々の心情・行動の描写表現も笑って頷いてしまうものが多いし、忘れがちにさせられながら時々テラーが出没する地の文もオリジナリティが高い。

ミステリとしては何ということもないが完成度の高いエンタメ小説だと思う。


もっとメジャーになっていい作家だと思うのだが・・・

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