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ミステリの祭典

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江守森江さんの登録情報
平均点:5.00点 書評数:1256件

プロフィール| 書評

No.1256 4点 アリバイのダイヤル
リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク
(2011/03/29 02:52登録)
AXNミステリー「刑事コロンボ」今週の放送エピソードはコレ。
以前に視聴した記憶のないエピソードだったので、おさらいではなく先にノベライズを読んで、録画視聴でおさらいする逆パターンを試してみた。
別のエピソードで試みるべきだった。
電話と録音のアリバイに関して小説だとどうにも古臭く感じる(ドラマは古臭さも味わいの一つ)
トリックを仕掛ける犯人も盗聴を逆手にとるがコロンボが突き付ける証拠も逆転の発想。
素晴らし過ぎて、同様な発想の証拠提示は転用過多で、一話完結型ミステリードラマなら大概一度は使用しているだろう。
それでも思い付かない人は毎回思い付かないのかもしれない。
※要注意
ここからネタバレ
普通な思考経路だと、あってはならないモノを探す間違い探し的発想の一方通行になり、なければいけないモノに注意が向かない。
それ故にミステリーで使用したくなる気持ちは理解できるが(発想の基本設定ではあるが)ここまで使用過多になると先が読めすぎてしまう。
もっとも本作に罪は無いし、ミステリーとしての楽しみを奪っても何度も接して脳裏に刷り込まれたら日常生活で活用できる場面がきっと来るだろう。


No.1255 5点 小説 LIAR GAME The final stage
浜崎達也
(2011/03/28 03:22登録)
先週土曜日に地上波初放送された映画(劇場版)をノベライズした作品。
原典の漫画には無い劇場版オリジナルなエピソードでドラマ版の完結編でもある。
決して小説として優れているワケではないが劇場版を観て感じた2つの弱点はノベライズにはない。
一つ目は作品の肝である《刺客X》が劇場版では(嫁曰わく)メンバーが揃った時点で配役(役者の格)から一目瞭然(一緒に視聴した家族全員が即○○○○だと察した)だがノベライズには役者の格は適用されない(でも映画写真が挿入されているので要注意)
二つ目は結構複雑な騙しとロジックのゲーム展開なので映画では論理を消化しているうちに次の場面だが、図解付でジックリ読み返せるのが嬉しい。
「LIAR GAME」ソノモノのオチが味気ないのが残念だが「エデンの園」ゲームは面白いし、騙しの手口や刺客X当ても論理的で作品本来のポテンシャルは発揮されている。
昨年の公開時に映画館へは出向かず先にノベライズを読んで地上波落ちするのを待ったのは大正解だった。


No.1254 7点 都知事選の勝者
高山聖史
(2011/03/25 23:08登録)
作者本来の得意分野である選挙サスペンスに戻った事は非常に喜ばしく、実在の人物を想起させる主人公のライバル達(石原慎太郎&そのまんま東)にニートのカリスマ・ブロガーまで加えた選挙戦は実際の都知事選より格段に面白い。
選挙は表舞台より裏事情の方が面白いのは間違いなく普通に描けばハズレは少ない、その反面で多くの既存作品(ドキュメントや暴露本含む)で裏事情は暴露されていて新ネタが少ない事も間違いない。
その面も時代に即した手口を組み込みクリアーしていて面白い。
※余談パート1
石原慎太郎都知事の「津波は天罰」発言は撤回されたが本音なのは間違いない!(言い方が下手過ぎ)
私は東日本大震災が天罰とは思っていないが、平和ボケした日本国民への《痛みを伴った自然界からの大警告》だと思っている。
いつ何時、東日本大震災を越える規模の東海大震災や富士山の大噴火等が起こらないとも限らないのだから・・・・。
余談パート2
今回の都知事選で「そのまんま」とだけ書いて投票したらどうなるのだろう?
現職を〈そのまんま〉として石原慎太郎の票になるのか?
そのまんま東(東国原)の票として扱うのか?
判別不能で無効なのか?
そして実際にそんな投票があるのか?
開票翌日のニュースが楽しみだ。


No.1253 2点 タナボタ!
高嶋哲夫
(2011/03/25 22:29登録)
これはタナボタ当選した若手国会議員の成長物語にまぶした政治批判&政策提起小説で私的なミステリーの範疇にはないのでポリシー通り2点。
だが、最初は杉村太蔵元議員を彷彿させた主人公が真っ当な政治家に成長する展開に鳩山由紀夫や小沢一郎を想起させる登場人物も含めて非常に面白い政治エンターテインメントになっていて、一般小説での評価なら満点に近い。
防災サスペンスを検索したオマケでヒットした作品だが、オマケの方が楽しめてしまった。
東日本大震災が起きなければ全く注目しておらず手にしなかった作者(映画・ミッドナイトイーグルの原作者である事すら気づいていなかった)だけに、楽しめてしまった事で火事場泥棒になった様な複雑な気分を引き起こした。
一方で続編を匂わせた終わり方だし、作者の得意分野な震災(原発事故含む)が現実に起こった今こそ、続編で政治ベースな震災対応から復興支援を描くチャンスではなかろうか!


No.1252 4点 ファイアボール・ブルース
桐野夏生
(2011/03/25 01:03登録)
神取忍をモデルにした女子プロレス小説に薄味なサスペンスを盛り込んだ作品。
一時期男子プロレス以上に女子プロレスにハマっていた(もっとも全女のテレビ中継だけだが)
神取忍より北斗晶の方がプロレスラーとしては遙かにエンタメ性が高いし、それ以上に《飛翔天女》豊田真奈美が、魅せる女子プロレスでは抜けたナンバーワンだろう。
女子プロレスという好きなテーマの作品なのと短い作品なので読み切ったが、以前に作者の作品(タイトルは忘れた)を途中で投げ出した事を思い出した位に視点や作風が合わないと感じた。
続編もあり一気に読む予定で図書館から借りていたが震災と相俟って読む気が失せたので返却してしまった。
はっきり言ってプロレスラーだった頃の神取忍やその時代の女子プロレスが好きだった人以外には全く無用な作品。
ミステリーとしては3点だが、女子プロレス等の裏事情が少し楽しめたので4点とした。


No.1251 4点 黒のエチュード
リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク
(2011/03/25 00:40登録)
AXNミステリーの放送を録画してあったが自宅の整理(資料倒壊で密室になった部屋のドアはハンマーで叩き壊した)に追われなかなか視聴出来なかった(もっとも忘れるくらい前に何度か視聴している)
密室化した部屋に埋もれた図書館の貸出資料もなんとか取り出せ無事に返却出来て良かった(本作もその一冊)
本作は読むミステリとしては凡作で役者の演技と音楽を映像で楽しむ作品(コロンボの愛犬初登場)
私は嫁一筋で浮気と無縁なので本作を楽しめるが、浮気中の方々は嫁と愛人の挟み撃ちに要注意!
嫁を愛人殺しのアリバイ証人にしなければならない時点で即アウト。
女性の浮気に対する勘は名探偵の比ではないし報復は恐ろしい(コロンボに逮捕されなくても、返って犯人は針のムシロだろう)


No.1250 5点 TSUNAMI 津波
高嶋哲夫
(2011/03/21 05:48登録)
東日本大震災が起きた今、震源地が違うだけの予知小説だと断言しよう。
政府や東電の対応まで本作の想定内。
M8の続編的な作品で、こちらは津波被害をメインにしている。
今回まとめて読んだどの作品でも震源地が東北の太平洋沖には設定されていない事と近年の現実の大型震災発生地が結構意外な場所な事を考えると《次》も想定外な場所で発生するのだろう!と思ったら大本命な静岡沖かもしれない。
静岡沖が震源地だと東京でも大津波が発生しそうだし、現住所は確実に被害対象地域だとの実感がある。
資産の保全を早期に済ませ嫁の両親が健在なシンガポールへの移住を本気で検討せねばなるまい。
日本に骨を埋める覚悟でいたのだが、今回の地震で脆くも崩れ去った。
小説を読んで自身を顧みるなんて正に防災サスペンス。
※余談
作者のブログも読んでみたが、この手の作品を連発しているので専門家と勘違いされてしまいテンテコマイしている模様。


No.1249 5点 M8
高嶋哲夫
(2011/03/21 05:21登録)
ヤケクソな気分と遅ればせながら今後の震災対策を兼ねて防災サスペンス作品をピックアップして読み漁った(現時点で自分の復旧活動は意味がなく時間が余った)
大規模地震な想定の本作でもM8な設定なのだから如何に東日本大震災が破格だったのかが解る。
それでも本作は首都が被災の中心で描かれるので違った部分で被害は甚大。
首都機能がマヒしたら今の日本では持ちこたえられないかも知れない。
本作を読み東北の被災者の方々には申し訳ないが震源地が東京近郊でなかったのがせめてもの救いだった気がしてきた。
ここまで大規模な災害になると地域レベルの防災意識を強化しただけでは全く太刀打ちできないのが現実だと実感した。


No.1248 5点 震災列島
石黒耀
(2011/03/21 04:45登録)
作品自体は震災を利用した暴力団への復讐譚でタイトル程のスケール感はないが、東日本大震災が起きた現在ではかえってその方が良いのかもしれない。
地震発生場所が東南海を想定して書かれた以外は、概ね東日本大震災で同様な事態が起こっている。
火山噴火を描いたメフィスト賞受賞のデビュー作でも似たような事態が起こったし、作者の予知能力が凄いのか?
否!日本が想像以上な自然災害発生国なのだろう!突き詰めると日本から避難したくなる(でも日本以外が安全を保障されている訳では決してない)
それにしても、現実に大震災が起こると、この手の作品を単なる娯楽であるパニックサスペンスとしては楽しめなくなってしまう(パニック映画だとニュース映像に被り更に苦い)


No.1247 5点 震源
真保裕一
(2011/03/21 04:01登録)
多分、東日本大震災が起こらねば一生手にせず読む事もなかっただろう作品。
家族全員肉体的被害が一切無かった反面で、生活基盤である運用資産に甚大なダメージを被る可能性大で、更に書籍コレクションの倒壊で自宅のトランクルームが密室化してしまい(修理せず放置状態)ヤケクソな気分で一週間が過ぎた。
ヤケクソついでに震災関連小説を不謹慎にも読み精神面の自己回復を試みた。
連日ニュース映像で目の当たりにした様な場面が連発し、余りのタイムリーさに驚ける。
地震以上に、そこから派生する津波の怖さや人災(陰謀)が描かれ今回の震災被害にイメージが直結する。
それでも、平時に読んだら凡作なのかもしれない(否!東日本大震災を経験した時点で本作は凡作ではなくなった)
※余談
地震発生時には都内所有ビルの内部被害(ほぼ保険で補修可能)だけで済みそうだったが、まさか福島で運用している土地(先祖伝来の相続財産)が放射能汚染(避難境界線付近で資産価値の大幅ダウン)危機にさらされるとは予測出来なかった(>_<)


No.1246 4点 消された子供
エリザベス・ジョージ
(2011/03/09 02:15登録)
毎度AXNミステリーでのドラマ視聴後のおさらいになるのだが、今回はドラマ視聴から間隔が開いた。
忙しく、おさらいを中断していたら図書館で下巻が貸出中の憂き目にもあってしまった。
本作まで視聴して(読んで)本格ミステリとして本シリーズは毎度似たり寄ったりな意外な犯人設定と隠蔽パターンな印象が強まった(気の利いた2サス並み)
それ故にドラマでは前半で誘拐殺人犯の察しが付くが、原作ではボリューム(上下巻900ページ越)の関係で、その場面になかなか至らないので犯人を察するのも下巻に入ってからになる(笑)
一応ミスリードになる政治家(結構無茶な設定)絡みの人間関係描写は面白いが、如何せん長い。
#ボヤキ
最近、読書体力の低下(物凄く実感がある)に伴い、長編作品でも活字の大きい講談社文庫で350ページ程度な作品が手頃な長さだと思えてきた。ボヤキ終了#
配役に不満さえ持たなければ、AXNミステリーと視聴契約してドラマを録画し、早送りを混ぜた時短視聴が【楽】で楽しい気がする(原作が未翻訳な先の展開も視聴出来る←一部確認済)
※注記(お節介)
AXNミステリーでの「リンリー警部」の帯再放送は(シーズン3まで)今週で終了するので、再度再放送されるのは早くても半年後だろう。
※作者名で検索すると映画「英国王のスピーチ」や競馬のレースが先にヒットするし、リンリー警部で検索すると殆どドラマ関連といった笑える現象が見れる。


No.1245 5点 イン・ザ・プール
奥田英朗
(2011/03/09 01:04登録)
「空中ブランコ」を先日読んでいるので面白さは保証付だと思って手にした。
期待通りの面白さで満点(8点)でも良いが、本作も私的なミステリーの範疇には入らないのでポリシー通り2点。
でも、それでは気が引けるので妥協して5点(私の平均点←意識的に調整中)にしよう。
テレ朝を「ゼロの焦点」から勢いで視聴したドラマ(←嘘:毎回惰性で観てる)のエピソードが表題作だった。
いや〜2サス大好きな私には最高なゲストである中山忍に2サスのパロディをさせ、本作の映像化作品中では最高に素敵なエピソードだった(って他が酷すぎ)
録画した中山忍の水着姿を何度も観ていたら本作同様に【勃起】が治まらず、嫁といたしてしまった(←ウソピョーン)
私は児○ポ○ノ(←危険:伏字)が規制強化以前の緩かった時期、エロ画像&動画にハマって携帯中毒だった(>_<)(←これまた勃ちっぱなし)
次の「町長選挙」は都知事選にでも合わせて読んでみようかな。


No.1244 4点 消された過去
安達瑶
(2011/03/06 04:05登録)
権力に媚びず女を誑し込む悪漢刑事シリーズ第六弾。
ベタな主人公の設定なのが意外に人気があるらしく、安定して新作が出版される事に戸惑う。
それ故に本来のエロな描写が激減し、それも女を誑し込む悪漢刑事な主人公がまったく女を誑しもしなければ貪りもしないなんてシリーズ継続の意味がない!
悪漢刑事がさほど悪漢ではなくなり、敵対する悪徳政治家の陰謀を暴いて倒すサスペンスなんてありきたりな継続ならシリーズを終了してほしかった。
主人公の魅力がダウンしたらテコ入れか打ち切りのどちらかしか道はない。
田舎の悪漢刑事だとネタ切れな感じだが、本作の終わり方だと次もありそうな気配だ(>_<)


No.1243 3点 リ・ジェネシスー感染ー
東野司
(2011/03/06 03:43登録)
カナダ制作のドラマを日本独自でノベライズした珍しい作品(よってカナダのテレビ制作者ではなくドラマ視聴して小説化した東野司の編著となり日本人作家作品に分類される)
WOWOWでは最終シーズンの4まで全話放送されたが、地上波ではテレ東でシーズン2までしか放送されていない(私は番宣につられ視聴した:現在BSで放送中)
本作は、生物科学を用いた組織的テロとそれに対応する科学者チームの対決になるシーズン1の途中までのノベライズになっている。
正直、ドラマを視聴したらわざわざ読む程ではない(24のノベライズを読む様な感じ)
しかし、バイオテロ・サスペンスな内容でドラマの方向性が(途中からバイオ・パニック対策に)変わる前までのノベライズである事とドラマその物が一般には流行らなかった(ドラマ視聴者は少ない)ので逆説的にノベライズで楽しめば良いのかもしれない。
もっとも専門用語は興味がないとチンプンカンプンかも。
主役のサンドストロム博士並みに頭脳と下半身の緩さが乖離した科学者(ガリレオ湯川准教授を女にだらしなくしたイメージ)は日本では認められないだろうから、ある意味カナダは凄い。
海外ドラマを視聴してノベライズする企画を考えた扶桑社の担当者は何を考えているのだろう(サッパリ売れてないし)


No.1242 5点 空中ブランコ
奥田英朗
(2011/03/03 10:20登録)
フジテレビで深夜にアニメ版を放送していたが全く面白くなく2回で視聴を止め、現在テレ朝で放送中のドラマ版も(何となくは観ているが)面白くない(余貴美子にソソラレないのは痛い)
しかし某所で、あれだけ面白い原作を何であんなにツマラナくできるのか?と書かれていたのを見て図書館から借りてきた。
ナルホドな面白さだったので満点(8点)にしようかと思ったが、私的なミステリーの範疇外な作品なのでポリシー通り2点。
でも疲れを吹っ飛ばす面白さの小説に2点は気が引けるので妥協して5点にしよう。
※私的なミステリーの範疇も結構いい加減で整合性を欠いていますがご容赦下さい。


No.1241 6点 黒い白鳥
鮎川哲也
(2011/03/03 09:58登録)
鬼貫警部アリバイ崩し長編は角川文庫で鮎川哲也フェア的にコンスタントに出版された際に、小遣いをコツコツ貯めて揃え今でも所有しているが引っ張り出すのが億劫なので再読の為に図書館で創元版を借りた。
どうせ犯人当てではなくアリバイ崩しに突き進むのだから前半の労働争議や新興宗教の部分を削り、最初のアリバイ崩し一本の方がスッキリしているし、時刻表型アリバイ崩し離れが進む今でも通用する作品だったかもしれない。
受験勉強からの逃避もあったにせよ、あれほど夢中になって読んだ作品なのに、今ではその頃の感動は得られなかった。
一番の読み所が初読な有栖の解説と思えてしまうのだから、何たるテイタラク。
若かりし頃の感性は、もう戻ってこない気がしてきた。


No.1240 5点 ゼロの焦点
松本清張
(2011/03/03 06:50登録)
今度の日曜日にテレ朝で広末版映画の地上波初放送がある(毎度の事、映画館に足を運ばないので未見)
たまには映画を観る前に原作を読んでみよう!ってのはウソピョーン。
以前にドラマ版を何回か観てるし、中学時代に読んだ記憶もある。
当時はまだ童貞だったし男女関係(特に夫婦関係)に無関心な為ピンと来なかった(そんな印象のみ残っている)
いや〜再読したら思いの外楽しめてしまった。
もっとも、失踪した夫も《触らぬ神に祟りなし》で普通に新婚生活に没頭出来る努力をすべき(・・・・・・って、それじゃ作品が成立しない)だし、何故殺されなければならなかったのか理解不能な被害者が2人もいるし「サッサと警察に任せろよ!」的なラストの為のご都合主義まであって突っ込み所も沢山ある(結構アラ探しって楽しい)作品だった。
それでも2サス大好きな私なのでラストは絶賛して〆よう。


No.1239 6点 十二人の怒れる男
レジナルド・ローズ
(2011/03/03 05:21登録)
私が観て知っていたのはリメイク・ドラマ版でNHKで放送した作品だった(これも素晴らしいが今でも視聴可能かは不明)
本作の原点な生放送ドラマのフィルムは博物館展示品でリマスター版は米国限定発売らしい。
そして、つい先程一番有名で日本でも出回っているモノクロ(字幕版)映画版のVHSテープ(図書館貸出)を巻き戻し再生も交えながら本書(脚本)と平行して視聴&読書してみた。
正にリーガル・サスペンスな密室劇の原点で素晴らしい映画だった。
これは、映像・舞台関係者なら是非手掛けたくなるので脚本家などの更なるアイデア転用も致し方あるまい(←三谷幸喜「12人の優しい日本人」など結構観ている)
しかし脚本単独では(冒頭に映画写真・陪審員No.付もあるのに)イメージが非常に喚起できない(番号な陪審員の性格とセリフの一致に戸惑う)
また舞台脚本用でもある為に翻訳独自で細かな改変もある。
正味140ページの薄い脚本なので時間の無駄にはならないが映画単独で楽しむのがベストだと断言してしまおう。
元が脚本しか存在していないが、どうせなら翻訳のついでに三谷幸喜か芦辺拓などにノベライズして貰えていれば小説単独で楽しめたかもしれない。
映画は満点(8点)だが、どうも脚本は味気ない。


No.1238 5点 Under The Dragon’s Tail
モーリーン・ジェニングス
(2011/03/03 00:05登録)
これまた未翻訳で未読な「マードック・ミステリー」シリーズの一作なのだが、タイトルからシリーズ特有のバカミス色が色濃く滲み出ていて興味津々な一冊。
しかもドラマ版の原題や和題に同一内容らしいタイトルが無いので更に興味を惹かれる。
本作は映画化されDVDも販売されているので海外通販で購入し、嫁に同時翻訳させながら視聴する裏技を計画中(息子の英語の勉強になると半ば強引に説得した)
わざわざ海外のバカミスを翻訳出版しても売上は期待出来ないから、自力で工夫するしかない。
※字幕版の海外ミステリ・ドラマの同一エピソードを繰り返し観ると、何度目かで字幕を読まなくても英・独・仏語なら聞き分けられ、よく使われる表現なら翻訳要らずで視聴可能に・・・・・なるワケがない(*_*)
※採点は内容すら知らないが興味の分で私の平均点の5点で保留する。
当サイトで私が翻訳出版して欲しいと訴える事で、どこぞの出版社の目に留まり翻訳されないだろうか?(って無理だよなー)


No.1237 5点 Let Loose The Dogs
モーリーン・ジェニングス
(2011/03/02 23:45登録)
本邦未翻訳作家ながら作者の居住するカナダでは人気なのか映画にドラマも制作されている「マードック・ミステリー」シリーズの一作で2004年のアンソニー賞最優秀歴史ミステリ賞の候補作にもなっている。
何ら歴史的な謎は無く、単に時代設定がコナン・ドイルの実在した時代(1890年頃)なだけ。
舞台は英国植民地時代のカナダ・トロント。
本作も原書を読んではいないので、誰かが読んで書評するか翻訳されるの待ちだが、ドラマ版シーズン1の第6話(テレビ視聴済)の原題と同タイトルだし、原書(英語)の粗筋紹介を読んだ限りは同一内容だった。
本作の内容はミステリーとしてはさほどではないが、主人公のマードックとその父親の確執が描かれ先々への興味を繋ぐ作品ではある。
ドラマ・レビューを見ると結構好評なのだが、メジャーな放送局では扱われず注目度が低いのかタイアップ翻訳も期待出来ない残念な状況ではある。

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