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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.61点 書評数:438件

プロフィール| 書評

No.438 8点 ある男
平野啓一郎
(2026/02/13 19:41登録)
登場人物の境遇が重いです。が、
それを追う主人公の悩みがまた、
繊細に刺さる。重さよりも寧ろ。

日頃は無意識に見ないでいる事、
日常に潜む事を、ある者は故意
ある者は環境にえぐり出されて
突きつけられてしまう。ただの
入れ替わり事件ではなく、私達
の今をも揺さぶる深い作品です。


No.437 4点 アミュレット・ワンダーランド
方丈貴恵
(2026/02/08 14:56登録)
前作アミュレットホテルを
読んだはずなのに書評せず
本作高評価なのにはまれず
作家さんの評価もサイト内
第10位で高いのに何故か
刺さらず理由わかりません。
他の方のお勧め書評を信じ
どうぞお読みくださいませ。


No.436 7点 紫の傷
連城三紀彦
(2026/02/01 13:49登録)
十年ぶりに再読しました。
掲載順に、「唯一の証人」
「ゴースト・トレイン」
「落書きの家」
「眼の中の現場」
「紫の傷」5編収録です。
叙述の反転は連城らしさを
感じますが。短編集なので
技巧は、なるほど程度かと。
時代社会の様子が変われど、
人間の性は変わらないなと
感じさせる、作品集でした。


No.435 6点 架空犯
東野圭吾
(2026/01/26 22:10登録)
五代巡査部長と山尾警部補のバディが
形を変えて最後の真相まで走り切る。
457ページ中291ページになって
題名の架空の犯人が登場。確かに架空
その歴史的背景はいささか強引だった。
五代作品は『白鳥とコウモリ』の方が
私には合っていたかなと思いました。
しかし東野圭吾作品のリーダビリティ
そこはさすが。※印刷文字が大きい!?


No.434 8点 君が手にするはずだった黄金について
小川哲
(2026/01/18 18:30登録)
小説家小川哲は、極めて真面目な人で、
その小説の流儀や作成課程もそこに滲む
私小説のような本作。他人を観察する目
そして自身を観察する目が真っ直ぐ故に
紡がれる6つの短編がどれも刺さります。

高評価でも数多ある小説の中には、文体の
好みはあるでしょうが、作家さんメタ認知
できていない?と痛さを感じるというか、
書いていて盛り上がっちゃったのかとか、
俯瞰で捉えてしまい、没入できない読書、
そういうものもありますが、小川哲さんは
極力自家中毒を排除しようとする誠実さを
感じます。←私の書評自体が痛いという、
矛盾そこは読み手は素人なので許して頂き
やはりプロの方の小説には、こちらの世界
そのものを揺さぶって頂けるようなものを
例え熱を感じてもそこに作為でなく熱だけ
伝わるものを求めます。その熱は単に勢い
ではなく、広い知見と生みの努力と葛藤の
結晶なのだと、改めて感じる次第です。


No.433 6点 ラストラン ランナー4
あさのあつこ
(2026/01/17 19:05登録)
ランナーシリーズ4作最終章
ついに2人のレースが始まる。
終わり方が意外ですが、2人の
走ることに対する答えとして
あれだったのだなと思います。

作品の深みとしては、シリーズ
1、2作目の方がありましたが、
無事に読み終わり。ホッとした
そんな自分がいます。1時間で
読め、リーダビリティ高いです。


No.432 6点 レーン ランナー3
あさのあつこ
(2026/01/17 17:41登録)
正直ミステリではないですが
2を登録したので本作3と4も
読みましょう。高校生2人の
交差するランナーの有り様が
お互い触発されて、どうなる?
1、2作よりも希望のある内容。
次作で完結です。決戦迫る!?


No.431 7点 長恨歌 不夜城完結編
馳星周
(2026/01/12 22:32登録)
400頁以上を一気読みでした。
5時間位でしょうか。完結まで
頁をめくる手を止めたくなくて。

3冊で完結、よい頃と思います。
これ以上酷いことは読者も辛い。
最後救いのない終わり方が真の
社会の縮図なのかもしれないと、
小説に理想、寛容、救いを求め
そんな名作も世に数多いですが
逆に、この様な主人公を含めて
人生の業を背負い生きる逞しさ
そんな世界も読み物ならアリです。


No.430 6点 鎮魂歌 不夜城Ⅱ
馳星周
(2026/01/12 14:59登録)
前作よりも暴力沙汰が
更に増え、女性を虐げ
発砲で色々と飛び散り
最後も救い無しで終了。
次回が最終話という事、
楊偉民と健一の決戦!?


No.429 7点 心ひき裂かれて
リチャード・ニーリィ
(2026/01/11 14:26登録)
45年前の作品を図書館の閉架から出して
名作を読ませて頂きました。一人称記述の
心理描写がとてもうまいので古さは感じず
恋愛場面も緊迫場面も大変読みやすいです。
サプライズエンディングに向かう最終盤は
記述を少し重ね過ぎたきらいがありますが、
一昔前のアメリカ社会の病理という感じが
それこそバイアスですが感じられました。
レイピストを隠れ蓑にしたサイコパス?


No.428 7点 Pの密室
島田荘司
(2026/01/06 14:46登録)
「鈴蘭事件」・「Pの密室」中編二編
幼い頃の御手洗が解決した事件2つ
鈴蘭事件が幼稚園、Pが小学低学年
あまりにも子ども離れしたIQと、
人間の裏を知ってしまった悲しさを
持ち合わせる探偵が辛く切ないです。
体が子ども頭脳は高校生のコナン君
とはおよそかけ離れたのりの重さが。

薬学や数学への伏線が盛り込まれて、
さすが島荘と思いました。更に序盤、
キヨシ君の父が総力戦研究所にいた
くだりとか、社会派島荘の片鱗です。


No.427 8点 羊の告解
いとうみく
(2026/01/05 20:12登録)
ある日突然に加害者家族となった、
中学生の混乱、慟哭、再生の物語。

父がなぜ家族に会おうとしないのか
最終盤に明らかになる事で主人公が
再生の道を歩み出す感涙必至の山場。

作者いとうみくさんの児童文学には
いくつも触れたことがあるのですが
これ程に厳しく優しい作品は初です。


No.426 7点 星のように離れて雨のように散った
島本理生
(2026/01/05 16:42登録)
結局、自分の認知が成されていく課程
捉え直しがミステリーの基本原理だと。

主人公春の、父親のこと、叔母のこと
そして春自身のことが、解決していく
その中、対役の亜紀くんのこともまた
同時に見えてくる構図が、素晴らしい。
約220頁でこんなに気づき変容する
物語の力、作者の力ですね。凄い!!


No.425 7点 不夜城
馳星周
(2026/01/04 18:32登録)
おせち料理に食傷気味な頃には
七草粥を食べる古き日本の様。
正統派やY.Aの清々しさの後に
悪漢小説やアンチヒーロー等を
欲する読書ということでしょう。

物語後半で主人公と対役が、其々
自分以外(自分すらも)信じない
その心が交差して一瞬であっても
信じたいと思うその心情のゆれが
感じられました。しかしそれを、
結局安全な処で感じる読者という
だけのこと。品のない覗き見趣味
だなと自身が思うそこには、脇役
元警察官の前科者が、夜の公園で
覗き見するくだりと被りますね。

三部作だから怖いもの見たさで、
次も読むのかなと思っています。


No.424 7点 スパイクス ランナー
あさのあつこ
(2026/01/02 17:04登録)
碧李と貢、二人の高校生ランナーの物語。
碧李が走るのをやめて、戻ってきた理由。
貢が名門校をやめ、別の高校で走る理由。

本書では明かされませんが、きっと他書で
明かされるはずです。私にはまだミステリ。
あさのあつこさんが描くスポーツの世界が
何時も鮮やかなので本書も感情移入して、
5000メートルを走り切るかのように、
一気に読みました。200頁の中編作品です。


No.423 8点 名探偵たちがさよならを告げても
藤つかさ
(2026/01/01 11:44登録)
新年明けましておめでとうございます。
大晦日から年をまたいで読了しました。
ミステリの可能性を再認識させて頂き、
思う処の大きいY.A分類の作品でした。

「名探偵とは物語の役割であり、読者
であり、作者だ。普通の小説より多く
の人の血が通ってる、それがミステリー
なんだよ。」
「名探偵たちは、いつだって一つの結末
を見届けるだけだ。見届けて、見捨てて、
また次の事件を探し求める。そこに結末
はない。黙って文字を追う彼らの平べっ
たい視線が、冷たい机に刺さったような
気がした。」

ここで指す名探偵を自分と捉えたら、
こんなにも刺さる言葉は他にないです。

「それは、年を重ねるという事をどう
認識するかの問題なのだ。九曜は多分
年を経ることを蓄積だと考えている。
知識、経験、技術、全てが年を重ねる
と熟練されていく。
しかし、実はそうではないのだという
ことに、玲人はこの数日で気が付いて
いた。年を重ねることは摩耗なのだ。
いろいろなものが削られて、削がれて
消滅していく。」

単に刺さる言葉としてだけでなく、
作品世界の反転に寄与する言葉が、
これがY.Aコーナーにあるのです。
この現実を受け止めて今年を過ごす
所存でございます。出会いに感謝。


No.422 7点 八日目の蝉
角田光代
(2025/12/30 08:39登録)
各々に課せらた、どう仕様もない
人生の荒波を如何に受け止めるか。
再生がテーマの世代を越えた物語。

一章が親視点、二章が子ども視点。
それぞれの視点が最後に交じる様に
読者はどちらかに共感して、そして
読者もまた再生の希望を追体験する
そういう解釈を持ちました。題名の
『八日目の蝉』は、一人きりで誰も
見られない世界を見るという象徴。
一見不安、しかし受け止める覚悟を
得た時に意味合いが変わるそういう
反転の題名でした。深い味わいです。


No.421 6点 葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
(2025/12/28 11:35登録)
十数年ぶりに再読。叙述トリックと分かって読むと
どのような感想をもつか試してみました。もちろん
初読のインパクトはありませんが、世間や私の中に
〇〇に対するバイアスがあると顕在化します。終盤
「桜も紅葉することを誰も知らないし見やしない。」
此処に登場人物の反骨精神を微笑ましく感じました。


No.420 6点 キングを探せ
法月綸太郎
(2025/12/22 20:11登録)
何方かと同じ感想になってしまいますが、
中盤までの交換殺人の仕組みは面白いのに
最後の混ぜ返しをぶち込んだところが残念
深みにならず複雑さのみ残すという感じ。
そもそも、探偵が解決するために残された
トランプが、よく考えると違和感強めで、
そんな事を言ったら設定から破綻ですが、
ユーモア軽妙、ページ少なく好ましい分、
結論、最後の混ぜ返しが肌に合わなかった。


No.419 7点 うまいダッツ
坂木司
(2025/12/21 10:24登録)
高校生おかし部の面々が織りなす、
お菓子がキーアイテムのミステリー

インスタのお菓子当てライブに纏る
3話目が特にそうですが、何気ない
顛末の中にさり気なくおっさん思考
に対するアンチテーゼ入れていて、
身につまされる話に作者のユーモア
また慧眼を感じます。結論として、
Y.Aを侮るなかれということです。

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