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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.57点 書評数:349件

プロフィール| 書評

No.349 6点 黒石 新宿鮫Ⅻ
大沢在昌
(2025/05/17 11:38登録)
現在発行されている作品のラストまで
ようやくたどり着きました。第12弾

鮫島の相棒と上司の立ち位置が定まり
これからも続きそうではありますが、
やはり第1弾からの流れを振り返ると
ピークは去ったと言わざるを得ない…
犯人側のありきたりなカットバック…
ささるのは城東地区の描写、私見です。

次回作でありそうを、想像してみます。
ここでもう一段階上げるなら、例えば
阿坂の過去と絡めた事件、最後の手段
鮫島の抱く秘密を隠しきれなくなって
内部対立を起こすとか、藪がどうにか
なってしまうか、その辺でしょうかね。

もう一山盛り上げてほしいのですが……


No.348 7点 暗約領域 新宿鮫XI
大沢在昌
(2025/05/11 12:23登録)
10弾⇒5弾⇒本作第11弾の順で読みました。
桃井亡き後の作品、実に8年ぶりだそうですが、
描写がようやく令和に近づきました。民泊問題や
北朝鮮との拉致を巡る政治交渉が事件の元です。

シリーズで初めて、700ページの中盤で長いなと
感じるところがありました。会話の遣り取りから
物語は進みますがそこがくどい所がありました。

また、これまでの作品同様に、終わり方によって
次回以降を予見するなら、仙田に変わる相手誕生
(はっきりした)感じです。さあ第12弾です。


No.347 7点 炎蛹 新宿鮫V
大沢在昌
(2025/05/10 16:42登録)
シリーズ第5弾、遅くなりましたが手元に。
カンチャンを引いて、さっそく読みました。

カットバックで3つの事件のうちの1つを
犯人の人称でえがく為、章の進みが速い事。

外国人抗争、時限放火、娼婦殺人が重なり、
最後にうまく繋がるのがいつもながら流石。

それにしても作者は新宿について、社会学者
といえるほどの理解があると思うのですが、
実地の取材が深いのでしょうか?もしかして
ノンフィクションを書いてもよいのではと。


No.346 9点 絆回廊 新宿鮫Ⅹ
大沢在昌
(2025/05/06 18:22登録)
ずっと続くと、どこかで願っていたことが、
失われてから、やはり幻だったと思い知る。

皆様、飛び石GWは今日を持って終わります。
鮫島と周囲の関係だって同様に変わります。

変わることを受け止め、それでもやはり進む
歯を食いしばりながら進む。そう感じさせて
くれる、シリーズ第10弾です。第1弾から
実に20年経つそうで、その間に時代背景も
変わり、鮫島の周囲も変わる。しかし唯一、
変わらないものがあるなら、それは主人公の
生き様でしょう。そういう意味では、相手役
梶原の生き様もまた変わらない、変われない
その象徴として効いています。更に作者が、
今回ネットのほぼ日に毎週原稿をあげた事も
変わらないものと変わるものの象徴として、
チャレンジされているのかなと感じました。
固定ファンのみに刺さる作品でなくて、広く
世の中に伝わってほしいのだと感じました。

第1弾からここまで来たのだという感慨が。
全く違う畑から持ってくると思い浮かぶのが
スラムダンクの最初、ヒロインとの絡みから
やがて流川との関係性に物語が移行していく
同時に絵も洗練されていく様なんですよね。


No.345 8点 狼花 新宿鮫IX
大沢在昌
(2025/05/06 10:41登録)
新宿鮫シリーズの本編第9弾、名作。
これまでの白眉ですね。登場人物同士
会話を通してパワーバランスが揺れる
その様に作者の筆力をこれまでで一番
感じました。例えば香田と鮫島よりも
毛利と深見、そして香田と毛利(石崎)
お互い相手を制しようとしながらも、
会話を通して状況を捉え直していく様
が、臨場感を生み出しています。

ここまで5弾をのぞいた中で一番という
私見ですが、斎藤警部さんの直近書評で
5弾も!と図書館の予約をし直しました。


No.344 7点 灰夜 新宿鮫VII
大沢在昌
(2025/05/04 17:44登録)
シリーズ第7弾、灰夜の意味が分からず。
鮫島1人九州に赴き、遭遇する麻薬また
新ココム関連の問題に、最後は大爆破!

冒頭から拉致られ、カットバックにより
物語は進行。読みやすさは凄まじい限り。

登場人物其々の思惑が複雑絡み合うため
一気にスッキリささるにはやはり大爆破!


No.343 7点 氷舞 新宿鮫VI
大沢在昌
(2025/05/04 11:01登録)
シリーズ第6弾。第5弾が見つからず
先に第6弾を読むことになりました。

公安や政治家CIA絡みの事件が起きて
晶ではないハーフの女性を絡ませる筋

いかにも男性の男性による男性の為の
エンタメ、ハードボイルドでした。

でも面白いんですけどね。終わり方が
次回鮫島と晶がどうなる!?という、
引っ張り方で、でも読むんですけどね。


No.342 7点 無間人形 新宿鮫IV
大沢在昌
(2025/05/03 16:19登録)
シリーズ第四弾。後に知りましたが、
直木賞受賞作品。確かに読ませます。

90年代の覚醒剤の蔓延を描く中で、
地方財界のインシュラリズムが顕著。

映像的にもこれほど分かりやすく且つ
展開もベタなのに読ませる筆力は相当
まだまだシリーズがGWで進みます。


No.341 9点 向日葵を手折る
彩坂美月
(2025/04/27 17:26登録)
ミステリーを描くか、また
ミステリーで人間を描くか。
彩坂美月さんは、後者です。

主人公みのりの小6から主に
中学生時代の様子で紡がれる
人間模様。潜む大小の謎が、
成長と共にぎこちなく顕に。

読者として追体験しながら、
向日葵をモチーフとした祭り
そして事件から物語の全体が
明らかになった時、切なさに
私にはどうしても落涙でした。

司書さんによるYAコーナーの
お勧めに感謝します。出会い
それは偶然の喜びです。GWの
当初に豊かな時間嬉しいです。


No.340 6点 病弱探偵 謎は彼女の特効薬
岡崎琢磨
(2025/04/20 16:36登録)
高校生を主人公とする短編集
安楽椅子探偵、貫地谷マイの
謎解き青春ミステリーです。
貫地谷マイ=患者+病です。
相方は山名井ゲンキなので、
病まないですが最後だけ元気
ではありません。高校は増加
と減ると、ペットの犬は病苦
言葉遊びに関してABC殺人
をなぞる謎も登場して、半分
おふざけで進むのでサクッと
2時間かからず読めました。


No.339 7点 風化水脈 新宿鮫VIII
大沢在昌
(2025/04/20 10:10登録)
シリーズを3つ読んでから、
一番評価の高い本作を先に。
ハードカバー440ページ、
リーダビリティが高いです。
人物像がしっかりしていて、
Ⅲなどに比べて描写に於いて
男性側も女性側も説得力あり
心地よく読めました。各々が
背負う過去が交差する設定も
素晴らしいです。前後しますが
シリーズ他作品も読んで行きます。


No.338 8点 Spring
恩田陸
(2025/04/13 14:39登録)
448ページ一気読み、圧倒的熱量
精神と肉体の関係はミステリー。
バレエを通してその融合について
捉えた世界観もまたミステリー。
これほど繊細に描き切る恩田陸の
丹念な取材に、心から敬服します
作中で主人公の春が語る世界を、
私たちが追体験する時に、私たち
もまた重力から解き放たれて跳ぶ
そんな感覚を得られます。名作!
ヒキタクニオによるバレエ作品の
『My name is TAKETOO』以来
印象的な作品に、出会いました。


No.337 7点 屍蘭 新宿鮫III
大沢在昌
(2025/04/06 16:26登録)
シリーズ第三弾、鮫島最大のピンチ!
って、続編からピンチは乗り切る必定
さすがエンタメの極地が今回も加速。
とにかく毎回これだけ色々と起きても
最後は鮫島の鉄槌が下るのてスッキリ
美容医療の問題を描く社会的側面には
男性視点バリバリで、読者比は恐らく
9対1で男性優位と思われます⇒私見


No.336 7点 毒猿 新宿鮫II
大沢在昌
(2025/03/30 13:49登録)
500ページ超えの大エンタメ作品。
シリーズ第二弾はアクション重視。
毒猿をめぐる人間模様とヤクザの
バイオレンス全開でした。この量
4時間一気読みのリーダビリティ
深みはまったくないですが、ただ、
第三弾も何かが起きると期待あり。

ラストは腹痛が起きないと負ける。
この作品で、一番確かな事でした。


No.335 7点 新宿鮫
大沢在昌
(2025/03/29 17:15登録)
こちらでの評価がかなり高いので、
ついに第一弾から読み始めました。
1990年くらいの作品という事から
表現がバブルです.。o○.。o○
最後のキーアイテムも〇〇〇〇で、
なるほどねと思いました。キャラを
主人公以下際立たせようと無理して
いますが、エンタメだから可です。
カットバックの結末は予想の範疇で
エドの滑稽さは最初から透けますが
城東地区を居とする者に刺さる表現
縦横に走る川、豊洲辰巳東雲などに
ほほ緩むそれだけで1点プラスです。
これは容疑者X同様極めて私見です。


No.334 7点 僕は、そして僕たちはどう生きるか
梨木香歩
(2025/03/09 15:42登録)
主人公のあだ名がコペル君である必然
ナチスヒトラーユーゲントとインジャ
コッコちゃんのくだりは、読み手が即
当事者として問われる厳しい作品です
人間に、しかしやっぱり群れが必要だ
そう気付いたコペル君の最後のセリフ
気に入ったら、ここが君の席だよ。が
心にずっと残ります。梨木香歩さんに
『西の魔女が死んだ』後再会しました✨


No.333 4点 ぼくは化け物きみは怪物
白井智之
(2025/03/02 08:51登録)
「大きな手の悪魔」が
立場の反転としてよく
その他は合わず飛ばし
他の方々と違いすぎて
すみません。ご容赦を


No.332 7点 インシテミル
米澤穂信
(2025/02/24 21:52登録)
一つ前に『でぃすぺる』を読み、
ノックスの十戒つながりで書評。
だいぶ前に読んでいたのですが、
未だ書評をしていませんでした。

再読して改めて感じるものあり。
ミステリーの基本が全部盛りで、
展開がかなり早くて読みやすい。

クローズドサークルといえば女史
そうインディアンですよね。且つ
ヴァンダイン、ファイロヴァンス
館の形は◯角館でマンドリンやら
何から何まで懐かしく、あの表紙
ハードカバーのが印象的ですよね。
淫した招待主は何方様でしょう?


No.331 5点 でぃすぺる
今村昌弘
(2025/02/24 09:40登録)
小6の男女3人が1年間を通して
関わりを深めていくジュブナイル
しかしノックスの十戒が出てきて
本格色を醸し出したところで迷走
と感じでしまいました。了見狭く
すみません。YAコーナーで発見、
400ページ長編を学生さん達が
果たして読むかと謎が残ります。


No.330 6点 統計でウソをつく法
ダレル・ハフ
(2025/02/11 17:33登録)
賢い消費者でいるために、
統計学の基礎を知る本です
古典的名著。数字の謎には
必ず恣意的な扱いが潜むと
まさにミステリーに対する
謎解きと同じ構図ですね✨

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