home

ミステリの祭典

login
紫の傷

作家 連城三紀彦
出版日1994年11月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 6点 江守森江
(2010/04/15 18:00登録)
花葬シリーズのような流麗で純文学風な文章ではない分かえって読みやすい。
どの作品も実に技巧的で、目先をそらしながら二転三転する。
しかし「水戸黄門の印籠」或いは「金太郎飴」とでも言うべき反転ミステリーの連打では‘鈍くても’察せるジレンマが生じる。
高木彬光「罪なき罪人」の手口をアレンジした「唯一の証人」
赤川次郎「幽霊列車」をパロった捻りの弱い「ゴースト・トレイン」
一見真相らしい先に捻りのある「落書きの家」
真相が、裏の裏は表ではなく表の横にスライドする「眼の中の現場」
反転しながらサスペンスを盛り上げ○○オチで脱力する「紫の傷」
見せ方の上手さに感嘆しながらも、反転(騙し)の手口に既読感が拭えない作品ばかりでもあった。

No.1 9点 こう
(2010/03/29 00:46登録)
 「顔のない肖像画」 のkanamoriさんの書評に出ていたので興味を持ち読んでみました。
 正直この本のタイトルすら知らなかったのですが正に連城節炸裂の短編集で大満足でした。
 赤川作品の幽霊列車のパロディ(?)のゴーストトレインはこんな作品も書くんだなあ、という思いはありますが個人的にはそれほど面白くありませんでしたが表題作と「落書きの家」は特に楽しめました。
 「眼の中の現場」については「夜よ鼠たちのために」や「暗色コメディ」 の様に医療(医師や患者など)を扱っていますが守秘義務に抵触するようなことが一般人に漏れたり真相の一部が実際の医師、医療現場にそぐわないと思われる所が不満ですがこれも真相の反転は見事です。
 初期の長編や「夜よ鼠たちのために」の系統が好きな方にはお薦めできる良短編集でした。

2レコード表示中です 書評