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ミステリの祭典

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不夜城
不夜城三部作

作家 馳星周
出版日1996年08月
平均点6.83点
書評数6人

No.6 4点 レッドキング
(2020/04/13 08:12登録)
日台ハーフの若者を主人公に、歌舞伎町を舞台に、上海マフィア台湾マフィア北京マフィアetcがダマし合い凌ぎ合い殺し合うハードボイルドなクライム小説。「ゴッドファーザー」のスケールや「犬の力」の迫力には到底及ばないにしても、手に汗握るほどワクワクドキドキ面白い。
吉川英治賞てのは納得するが、「このミステリーがすごい」一位とかは・・それはちと違うんじゃね。「大誘拐」「新宿鮫」とかもそうだが、「講談」に「落語」賞出す程の違和感が。「テツandトモ」大好きだが、あれ「漫才」って言われてもなあ。
じゃあ、お前もこのサイトで採点するなよってことになるので、あまり心の狭いことは言わず、でも「ミステリ」サイトなんで点数は抑え込んで・・・

No.5 9点 sophia
(2014/07/15 22:30登録)
たった4人しか採点していないことに驚き。
一般人には馴染みのない業界の話ですが、単純にお話として面白かったです。
映画「ゴッドファーザー」みたいな緊迫感がありました。

No.4 6点 TON2
(2012/11/05 22:47登録)
第18回吉川英治文学新人賞受賞作。
舞台は新宿で、裏では台湾、上海、北京などのチャイナマフィアが仕切っている。主人公は台湾と日本のハーフ。日本にもなじめず、中国社会からもはじかれ、自分ひとりが生き残ることにエネルギーを傾けている。生き残るためであれば、仲間も裏切り、愛した女さえ見捨てる。
ハードボイルドの極致だが、主人公をはじめ誰にも感情移入できない。すごく面白いとは思ったが、後味は良くない。

No.3 7点 Tetchy
(2009/03/22 19:50登録)
書評家坂東齢人改め馳星周氏のデビュー作にしてその年の『このミステリーがすごい!』で1位を獲得した話題作である。
しかしその鳴り物入りの本書だが、発表後13年経った今読んでみると、なぜこれが1位?と首を傾げざるを得ない。

刊行当時、読書の共感をおよそ得ることのない劉健一という人物が下す最後の決断はかなり衝撃的だったのだろうけど、私は純粋に彼のピカレスク小説として読んでいたため、さほどの驚きは感じなかった。

それよりも劉健一とその連れ夏美にいろいろ設定を詰め込み過ぎたような気がする。
1つ1つの彼らの過去はかなり重いが、その割には虚無感とか絶望感とかが伝わってこない。ハングリーさばかりが際立って、それがどうも彼らの過去と結び付かない。
突出したエピソードを彼らと取り巻く登場人物にあてがった方が各々のキャラクターに厚みが出て、良かったように思う。

しかし確かに何かは心に残った。次も読もうと思う。

No.2 8点 こもと
(2009/01/10 13:30登録)
 いやはや、なんというか・・・全編に渡って、緊張感が漲っている本でした。
 どのページからもピリピリした印象が感じられて、本から目が離せない状態だったと言えます。 謎解きモノではないけれど、二転三転するそのスリルや、サスペンスを考えると、読む価値は十分にあり。
 歌舞伎町を牛耳ろうと目論む、それぞれのカケヒキの様子も面白く、まさに「殺るか、殺られるか」の厳しい世界は、読んでいて背筋がゾクゾクと(笑)

No.1 7点 あびびび
(2009/01/02 11:18登録)
新宿歌舞伎町を巡る台湾、北京、上海、さらに福建省マフィアの勢力争い。その中で日本と中国系の半々(ハーフ)である
主人公が虚々実々の駆け引きをして生きながらえて行く物語である。
ミステリーというより、裏切り的な心理戦の応酬が日本人にはない残忍さを伴って興味深い。常に崖っぷちという設定が、
リアルでスピード感を醸し出している。
しかし、歌舞伎町はもはや日本ではないね?

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