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ミステリの祭典

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君が手にするはずだった黄金について

作家 小川哲
出版日2023年10月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 文生
(2024/02/10 16:51登録)
序盤は完全に私小説のノリでしばらくするとインチキ占い師の嘘を暴くという話になったのでここからミステリ展開が始まるのかと思ったら全くそんなことはなかった。
間違っても狭義のミステリではなく、どちらかといえば文学色が強い連作短編なのですが、これはこれで面白い。
承認欲求に踊らされる人々のエピソードをユーモアを交えて描かれており、人間の業について考えさせられると同時に、エッセイのような軽い語り口には独特の心地良さを感じました。

No.1 7点 虫暮部
(2024/02/09 13:22登録)
 評価や人気を手にした作家が、より本質的な表現に迫ろうとして、敢えてキャッチーさを排した書き方をしたパターン。そういうタイミングって編集者より相対的に立場が強くなって好きなように書けるけど、コケることも多いんだよな。
 と読み始めは思っていたが、三章目から俄然面白くなった。話題のコアが明確に示されたのはやはり強い。
 比べて冒頭二章は、形而上学的な思索でフワッとした雰囲気モノに終始し、それが言語を超えたような奇跡にはつながらなかったのである(出た、形而上学)。

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