home

ミステリの祭典

login
君が手にするはずだった黄金について

作家 小川哲
出版日2023年10月
平均点7.00点
書評数4人

No.4 8点 take5
(2026/01/18 18:30登録)
小説家小川哲は、極めて真面目な人で、
その小説の流儀や作成課程もそこに滲む
私小説のような本作。他人を観察する目
そして自身を観察する目が真っ直ぐ故に
紡がれる6つの短編がどれも刺さります。

高評価でも数多ある小説の中には、文体の
好みはあるでしょうが、作家さんメタ認知
できていない?と痛さを感じるというか、
書いていて盛り上がっちゃったのかとか、
俯瞰で捉えてしまい、没入できない読書、
そういうものもありますが、小川哲さんは
極力自家中毒を排除しようとする誠実さを
感じます。←私の書評自体が痛いという、
矛盾そこは読み手は素人なので許して頂き
やはりプロの方の小説には、こちらの世界
そのものを揺さぶって頂けるようなものを
例え熱を感じてもそこに作為でなく熱だけ
伝わるものを求めます。その熱は単に勢い
ではなく、広い知見と生みの努力と葛藤の
結晶なのだと、改めて感じる次第です。

No.3 6点 まさむね
(2024/11/23 16:18登録)
 本屋大賞ノミネート作品という情報のみで手にしたのですが、ちょっと思っていたのと違ったなぁというのが、率直な感想。エッセイ風小説とでも言ったらいいのかな。少なくともミステリーとは言い難い。
 でもそれはそれとして、楽しく読ませていただきました。考えさせられた部分も多々ございます。文章、語り口、好きですね。

No.2 7点 文生
(2024/02/10 16:51登録)
序盤は完全に私小説のノリでしばらくするとインチキ占い師の嘘を暴くという話になったのでここからミステリ展開が始まるのかと思ったら全くそんなことはなかった。
間違っても狭義のミステリではなく、どちらかといえば文学色が強い連作短編なのですが、これはこれで面白い。
承認欲求に踊らされる人々のエピソードをユーモアを交えて描かれており、人間の業について考えさせられると同時に、エッセイのような軽い語り口には独特の心地良さを感じました。

No.1 7点 虫暮部
(2024/02/09 13:22登録)
 評価や人気を手にした作家が、より本質的な表現に迫ろうとして、敢えてキャッチーさを排した書き方をしたパターン。そういうタイミングって編集者より相対的に立場が強くなって好きなように書けるけど、コケることも多いんだよな。
 と読み始めは思っていたが、三章目から俄然面白くなった。話題のコアが明確に示されたのはやはり強い。
 比べて冒頭二章は、形而上学的な思索でフワッとした雰囲気モノに終始し、それが言語を超えたような奇跡にはつながらなかったのである(出た、形而上学)。

4レコード表示中です 書評