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ミステリの祭典

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ダブル・ジョーカー
D機関シリーズ

作家 柳広司
出版日2009年08月
平均点5.88点
書評数16人

No.16 6点 ぷちレコード
(2022/09/11 22:15登録)
本書は、「ジョーカーゲーム」の続編に当たる。確たる独立性を持つエピソードに仕上がっているので、本書から読んでも楽しめることは出来るが、「ジョーカーゲーム」では全体を貫く時代背景、ストーリー運びの中心を担う機密組織の実態が網羅的に描かれているので、刊行順に読むのが望ましい。
全五話、いずれも何らかの形でD機関と関わり、自身の能力に過信を抱く者が主人公。その己を絶対視する者が、その思い込みの隙を衝かれるエピソードばかり収められている。傲慢な精神が危機に直面する短編集。

No.15 6点 まさむね
(2019/08/31 23:01登録)
 読者としてはどうしても、どこでD機関が絡むのかという視点で読んでしまうという面はあるのですが、それでも読み進めさせるリーダビリティーの高さは流石だと思います。

No.14 6点 take5
(2018/07/15 07:51登録)
ジョーカーゲームの方をお勧めします。
近代の歴史をおさらいするのには、
こちらもよいのですが、
基本D機関が一枚上を行く話なので、
反対側から書くと当事者の
思い込みや失敗が当初から目立つのです。
でもリーダビリティはすこぶる高いです。

No.13 6点 青い車
(2017/01/22 18:54登録)
 前作に引き続き、推理ものとしても一定のレベルを維持したスパイ・ミステリーが揃っています。個人的なお気に入りは『柩』と『ブラックバード』で、特に前者は小説としての味わいが濃い秀作だと感じます。

No.12 6点 makomako
(2013/08/01 07:47登録)
 シリーズ第2作目だが、わたしは3作目を初めに読んだので3回目のD機関とのお付き合いとなりました。
 さすがに3作目となるとちょっと飽きてきた。
 かなり現実感があるお話なのでちょっと違和感の生じてきたのです。
 超人的なスパイたちなのだが、スパイ活動にあらゆる部門に特別に秀でている必要はないでしょう。格闘技などはずっと訓練していないとすぐにだめになるし、訓練していれば人目を引く体つきとなるので、このお話に出てくるようなスパイには向かないでしょう。
 それに自尊心だけでこんな割の合わない仕事に忠誠心を持って働かせるのは無理そうな気もしますね。
 でもお話としてはまあ良くできているし、読んで悪い印象を持つようなことはない。ただ余り爽快感もないので印象がやや悪い。
 この話の中ではダブルジョーカーが一番面白かった。これが初めにあるのでそれ以後の作品がちょっと落ちる感じとなってしまったことは否めません。話の順番を変えたほうがよさそうです。

No.11 4点 いけお
(2012/11/05 12:39登録)
普通の佳作短編集だと思うが、前作と同様期待させすぎてしまう点が弱点。

No.10 6点 E-BANKER
(2012/07/14 22:37登録)
結城中佐率いるスパイ組織“D機関”の暗躍を描く「ジョーカーゲーム」シリーズの第二弾。
太平洋戦争前のきな臭い雰囲気が何と言えない作品世界を生み出してます。

①「ダブル・ジョーカー」=もう一つの秘密組織”風機関”と創始者の風戸陸軍中佐。あるミッションをD機関と風機関が競うことになったが、結果は結城中佐のすごみを知ることに・・・
②「蠅の王」=軍医という仮面を被って活動する男・脇坂。お笑い芸人たちの慰問団が野戦病院を訪れることになったが、脇坂の正体がバレてしまう。そして、脇坂の秘密を暴いたのはある意外な人物だった・・・。前フリがうまい。
③「仏印作戦」=舞台は旧フランス領ベトナムのハノイ。異国情緒溢れるこの街で陸軍の秘密通信の任務を司る男に危険が迫る、そしてそれを防ごうとする男とD機関の影・・・。これも最後に逆転の発想が見事に決まる。
④「柩」=こちらの舞台はドイツ。若き日の結城中佐を知るドイツ人軍人が再び日本人スパイを相手にするとき、やはり結城中佐の影がちらつく・・・。結城中佐のエピソードが興味深い。
⑤「ブラックバード」=まさに真珠湾攻撃の直前、アメリカ・LAに潜入したD機関の一員。平和なバードウォッチャーを装い現地で結婚までしたが・・・。これはスケールの大きい作品。
⑥「眠る男」=文庫版のみ収録。「おまけ」のような作品。

以上6編。
まぁ、ワンパターンといえばワンパターンなのだが、この作品世界は秀逸だと思う。
(結構映像向きなのかもしれない)
サスペンス性やラストでの逆転、ドンデン返しなどミステリーとしての面白さは十分に詰め込んでいる。
ただ、前作よりは1枚落ちるかなという印象は拭えないかな。(理由はよく分からないが・・・)
でも、十分に楽しめる作品だし、クオリティは高い。
(個人的ベストは②。あとは③⑤かな)

No.9 3点 ムラ
(2011/05/31 20:57登録)
スタイリッシュじゃないけど地味でカッコイイスパイの続き。
展開が素早く面白いんだけどやっぱりオチが好きになれない。話がまとまりすぎていてある程度筋がわかってしまうのもちと残念。
前作と読んで見て、当時どんだけ日本がおかしかったかがわかる本である。

No.8 6点 haruka
(2011/05/29 11:24登録)
結城中佐の過去など、前作の世界観を深めるエピソードがあり楽しめた。

No.7 6点 3880403
(2011/04/13 18:08登録)
D機関の敵が弱すぎてドキドキしないので残念。
今後、続編が出るのなら長編で敵やライバルが互角なものが読みたい。

No.6 8点 HORNET
(2011/01/16 08:30登録)
 自分の中で評価の高かった「ジョーカー・ゲーム」の続編として,期待を裏切らない面白さでした。
 今回結城中佐はほとんど表には出てきませんが,作品の要所で影をちらつかせています。そういうところが,前作の焼き増しではなく,続編として深みをもたせています。
 裏の裏をかいてくるD機関の緻密な作戦に舌を巻きます。

No.5 7点 江守森江
(2010/06/03 10:51登録)
「ジョーカー・ゲーム」の続編になる連作短編集。
戦時下の論理を基に読者をも騙すスパイ活動、それに伴う些細な気付きや操り、その先にある鮮やかな反転は、シリーズを通じて本格ミステリとして素晴らしい。
前作以上に「仏印作戦」などは上記に長けてきたし、前作が抱えていた結城中佐を上回る存在に関する幾つかの疑問点を(結城中佐の)過去を「柩」で説得力を持たせる話で描き出し払拭した事は評価出来る(ここまで満点)
しかし、ある種の天才に英才教育を施し育成した超人的スパイの話は鼻についてきだしたし、それが敗戦国(実在の戦争故に結果は周知の事実)のスパイである辺りにもモヤモヤ感が生じてしまった(1点減点)
※個人的には前作「ジョーカー・ゲーム」に「柩」・「仏印作戦」を収録した厚めの一冊なら文句なしの満点だった。

No.4 6点 白い風
(2010/04/07 22:38登録)
前回「ジョーカー・ゲーム」の第二弾だったけど…。
前作とはかなりレベル差があったな~。
肝心のD機関はメインで無く、逆に反対側(敵側)から見た作品に仕上がっています。
ただ、続編(第3作)が出ても読まないかも…。

No.3 6点
(2010/03/21 06:47登録)
前作に比べパワーダウンしたような気がします。
結城中佐の若い頃の活躍をもっと知りたいですね。

No.2 5点 おしょわ
(2010/01/24 22:39登録)
まぁ面白かったけど、やっぱりジョーカーゲームでやめておいた方が良かったような気がします。
次出たら読むかどうか分かりません。

No.1 7点 Take
(2010/01/18 01:27登録)
ジョーカー・ゲームの続編。

こちらも、ヒリヒリする緊迫感に満足。
ただ、ちょっと飽きてきた。

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