江守森江さんの登録情報 | |
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平均点:5.00点 | 書評数:1256件 |
No.1116 | 6点 | 骨と沈黙 レジナルド・ヒル |
(2010/12/17 01:23登録) AXNミステリー「ダルジール警視」今週の放送エピソードは本作。 ドラマ版でもダルジール達の掛け合いだけが楽しみにならず(ここまでのエピソードの大半はコレ)久々に骨太なミステリー・ドラマを満喫出来た(ドラマでは、エピソードを追う毎にダルジールが格好よく感じられるのは御愛嬌) シリーズの面白さが昇華した感がある本作が賞を受賞し(賞自体に興味がないので無知)各種翻訳ミステリー・ランキングでもランクインし代表作として扱われるのに一応の納得がある(ここまでのシリーズ作品がミステリーとしては低調なので本作が目立っただけとも考えられる) それでもポケミスで450ページ越えの厚さで(物理的に読みやすい文庫版が図書館に無かったのはイタい)ジックリと作品を楽しむ方なら嬉しい悲鳴だろうが、ドラマ視聴に追われおさらい読書に終始する身には時間的なシンドサが先に来てしまった(その為に1点減点した) ※補記 レジナルド・ヒル作品の真髄はネチッコイ人物の描き分けにあるらしいが、私はおさらい読書なので軽視しています。 その辺の評価は何時の日か書かれるであろう信頼にたる後続の書評を待って下さいm(_ _)m |
No.1115 | 7点 | シベリア超特急連続殺人事件 水野晴郎 |
(2010/12/16 03:25登録) 作者が「金曜ロードショー」の解説者だった関係なのか?日テレの深夜映画番組で一時期シリーズ作品が何度か放送された。 その時に観て、名作映画のパロディB級作品に見せかけた本格ミステリだったのに驚いた(ドンデン返しをシリーズの売りにしている←ネタバレにはあたらない、何故なら作品の冒頭で注記している) ノベライズでもミステリらしい驚きは損なっていないし、薄くて(登場人物表記がスムーズに頭に入ってこない致命的欠点もあるが)サラッと読めるので悪くないが、B級な作りのパロディ部分をあら探し的に楽しむなら映画の方がいい。 映画は何作かシリーズ化されていて、それぞれ奇天烈で面白いのでレンタルDVD(されてるのか?不明)の方が楽しみは大きい。 作者が存命の頃はBSのケータイ刑事にまで山下大将(小説では中将)役で悪ノリ出演していたのも懐かしい。 ノベライズ自体は図書館にでもあれば読んでも損はない程度(←私はコレ) ※但し書き 書評サイトでマニアックなB級映画の面白さを記す為にノベライズを利用しましたm(_ _)m よって採点は映画シリーズ込み。 |
No.1114 | 2点 | 冬のソナタ キムウニ |
(2010/12/16 02:15登録) 韓流ブームの先駆け的ドラマ作品のノベライズ版。 ブーム発生時には見逃したが初代のパチンコ機設置と同時期にDVD保存し(パチンコを楽しみ尽くす為:新世紀エヴァンゲリオンも同様)幾度となく見返し、ノベライズまで読んでしまった。 最近、嫁と一緒に全話一気に再鑑賞したのだが、基本的には恋愛ドラマでも、チュンサンとミニョンは何故一人二役なのか?や父親は誰か?(フーダニット)など色々な形でミステリー要素が盛り込まれていた事に今更ながら気付いた。 ミステリーその物が発展していない韓国では一般ドラマにミステリー要素が結構盛り込まれていて、最近地上波で大量に放送されている後続作品でも別角度からも楽しめている。 ミステリーの範疇に含めるのは気が引けるのでポリシー通り2点だが、作品自体は一世を風靡しただけの面白さなのは間違いない! ※但し書き 書評サイトなので敢えてノベライズ版を取り上げたがドラマ視聴の方がレンタルを含め手軽だろう。 |
No.1113 | 3点 | 神学校の死 P・D・ジェイムズ |
(2010/12/15 22:30登録) AXNミステリーで本作のドラマ版が二週に渡り放送された(正味200分の大作) 宗教色を纏った作品はミステリーの中でも一番苦手な分野でドラマ版すら面白く感じなかった。 それでも敢えておさらいに挑戦?しに図書館へ出向いたが、ポケミスで500ページ弱のボリュームに完全にノックアウトされた。 英国には、神職にあっても節操ない連中がウジャウジャ居る事しか頭に残らない(まだ生臭坊主の方が愛嬌があるかな?) 苦痛に耐える読書に歓びを感じるマゾ体質な方にはうってつけな作品とだけ記そう! |
No.1112 | 5点 | アリバイの唄 笹沢左保 |
(2010/12/15 21:14登録) 先週の土曜ワイド劇場は、もはや名物シリーズな「タクシードライバーの推理日誌」だった。 作者が没して早ウン年で、山村美紗サスペンスと並ぶドラマが一人歩きした代表的シリーズになっている(安定して視聴率が良いのだから作者も草葉の陰で喜んでいるだろう) 図書館の書庫にあったのでおさらいを兼ねて読んでみたが、本作は初期にドラマ化されたのを観たような気がした(作品を混同している可能性もあり) 一人歩きした最近のドラマではシリーズの特色であるアリバイ崩しすらないタクシー運転手の人情記になっているが、冒頭での乗客との掛け合いなど定番な笑いに慣れた身にはドラマの方が楽しい。 ※書評よりコレが書きたかった! タイガーマスクの必殺技は「タイガー・ドライバー」 渡瀬恒彦の必殺技は「タクシー“ヅラ”イバー」オデコのテカリに目が殺られる。 |
No.1111 | 6点 | ポーカーはやめられない アンソロジー(海外編集者) |
(2010/12/15 03:30登録) 「エースの4カード」1111番目の書評は、この書き下ろしアンソロジーと決めていた。 ジェフリー・ディーヴァーをも執筆メンバーに加えて売る作戦もポーカー自体がアメリカほど日本の家庭では遊ばれない現実を打破出来ず、全く注目されずに終わった。 日本では、ミステリ趣向があるギャンブル作品は、漫画だが「カイジ」(特に地雷ゲーム「17歩」のエピソード)「アカギ」(間延びするが鷲津麻雀)の福本伸行作品に小説でも結城信孝編集ギャンブル・アンソロジーの諸編が最高峰として存在すると思っている。 ミステリ的ツイストと雰囲気は全体的に悪くないが、先にそれらの作品群に接している私にはギャンブルの論理部分で諸作ヌルイとしか思えなかった。 ギャンブル依存症を一般的治療法ではない《勝ち続ける事で仕事に変換する克服法》で抜け出した私の実体験に比べてもヌルイ! ※ボヤキ的余談 プロ・ギャンブラーは全員ギャンブル依存症だと思うが、仕事にして生活を維持出来ているので世間から患者扱いされない。 チェス・将棋・囲碁の名人は社会的地位が高いが麻雀・パチンコ・馬券の名人は社会的に蔑まされている・・・・・・やってる事に大差ないと思うのだが!! |
No.1110 | 4点 | メグレとベンチの男 ジョルジュ・シムノン |
(2010/12/15 02:33登録) メグレで真っ先に思い浮かぶのが本家ではなく「名探偵コナン」の目暮警部なのだから「この書評の信頼度は低い」とお断りしておく。 数年前にスカパー!のあるch(記憶が定かではない)でメグレ警視シリーズのドラマ版が放送されていたが未契約でほぼ全話見逃した。 そんな中で唯一無料開放デーの御利益にあやかり観たエピソードの原作が本作で、図書館でおさらいもしたが記憶が埋もれていた。 空さんの書評を読み粗筋に覚えがあり、突如として当時の記憶が蘇った。 おさらいで、原作の雰囲気を損なわず良くできたドラマだったなと思った反面、期待していた謎解きタイプの作品ではなく、重苦しい雰囲気の人間関係にドラマ共々面白さを感じなかった。 ※世界の警察官の階級に関する下らない疑問 「ダルジール警視」の書評でも触れたが、英・仏の警察では実際に警視クラスがずけずけと現場捜査に携わるのだろうか? それとも日本の警視ほど偉くない階級なのだろうか? 又は翻訳の問題なのか?(インスペクターが警部とも警部補とも翻訳されていたりする←ドラマ字幕で確認) ※追記(12月20日) 週刊現代のSEX特集記事の中吊り広告で「作者が3000人斬り」とあった。 独身時代(結婚後は嫁オンリー)に300人斬りな私の10倍で、平日の夜に毎日別人と消化しても10年の大偉業!凄い。 |
No.1109 | 4点 | 前線 パトリシア・コーンウェル |
(2010/12/12 22:47登録) AXNミステリー鳴り物入り放送「捜査官ガラーノ」シリーズの第二弾。 一冊の本ながら中編程度の厚さでドラマ視聴後のおさらいが楽で嬉しい(今回は読み難さも軽減されゴーストライター説は囁かれていない) 逆に言えば、作者が初めて映像化を許可し制作総指揮までしたシリーズにしては内容が薄く、視聴者を小馬鹿にしている。 前作の書評にも書いたが「コールドケース」等の1エピソード程度な原作内容(逆工程なノベライズ作品では短編にしかならない)の映像化では、一話完結型連続ドラマに(エピソード量、キャラへの馴染み方などで)到底太刀打ち出来ない。 更なる意見として、一緒に視聴した(役者の格や出演履歴から犯人を指摘する事がミステリー・ドラマ最大の楽しみである)嫁が言うには「定番な日本の二時間ドラマの方が遙かに面白い」のだそうだ。 ※生活臭漂う余談 知り合った当時から今日に至るまで、どんなに勧めても《面倒くさいから(ミステリーに限らず)小説は読まない》とのポリシーを頑なに守り、趣味の時間の大半をドラマ視聴に明け暮れ(お袋もドラマ好きで嫁姑の関係は非常に良好)私をも自分の世界に引きずり込んだ嫁に魅了されたのも自分では納得している。 息子が《図書館大好き活字っ子》なのが不思議だが、読解力不足が指摘される日本の子供の現状を考えるなら一安心でもある。 |
No.1108 | 4点 | SPEC I 西荻弓絵 |
(2010/12/12 13:53登録) 好評?放送中なドラマのノベライズで、メディアミックス戦略から3ヶ月連続出版されるらしい。 やっと録画視聴がドラマ放送に追い付いたら、もう最終回を迎える。 超能力を持つ連中を中心にした設定のミステリーなので「ケイゾク」の系譜に連なる作品としての期待は裏切られた。 それでも、この巻での事件までは些細な気付きのミステリとしてなんとか楽しめる(ドラマを観た感じでは、この先は超能力対決作品になってしまう) ドラマ共々(ミステリーとしては安易なデキで)かなり低水準な作品で3点レベルだと思う。 見逃していた本家「ケイゾク」が番宣を兼ねて一挙再放送された事が私的な「この作品最大の制作(存在)意義」で「ケイゾク」を観て堪能出来た嬉しさで1点加点する。 |
No.1107 | 6点 | 子供の悪戯 レジナルド・ヒル |
(2010/12/12 05:50登録) AXNミステリー「ダルジール警視」新エピソード、今週の放送はコレ。 図書館の蔵書は古いポケミスで物理的読み難さにドラマ視聴後のおさらいでも苦戦した(まだ分厚くないだけ救いはある) 殺人事件の取っ掛かりが遺産相続に失踪者が絡む定番ミステリで平凡なレベルなので毎度お馴染みなダルジール達の掛け合いを楽しむ作品。 ドラマ版は原作発表と制作順が違い、ダルジール達の設定の時系列も同様なズレがあるが、どちらも順番通りに消化していれば気になる程ではない。 ミステリとして平凡な作品だが、今までに増してダルジール警視役のウォーレン・クラークがチャーミング(表現が適切か?)だったので、おさらい時の脳内ドラマ変換が非常に楽しかった分を加点している。 |
No.1106 | 8点 | 名探偵モンク モンク、消防署に行く リー・ゴールドバーグ |
(2010/12/10 22:49登録) AXNミステリーでシーズン1〜5を連続再放送中(NHKーBSでは最終シーズンも放送済)で大好評な「名探偵モンク」のオリジナルストーリー・ノベライズ。 英語版ノベライズは5作あるが翻訳されたのは本作ともう一作のみらしい(詳細不明) 観ているドラマ再放送もアシスタントがシャローナからナタリー(本作の語り手)になりノベライズの設定に追い付いた。 ドラマ脚本家の一人が原作者なので「名探偵モンク」に求めている笑えるミステリはノベライズでも損なわれず、読みながら脳内でドラマ(声は角野卓造に)変換されるくらいに面白い。 ノベライズを読んで一層ドラマ視聴が楽しくなる相乗効果とミステリ・ドラマに関して書かれた嬉しい解説の分を加味して満点(8点)←ドラマ視聴していない&海外ミステリ・ドラマに興味ない方だと5・6点が関の山だろう。 ※余談或いは私的な希望 解説でも触れられている「名探偵モンク」より面白いと思う「奇術探偵ジョナサン・クリーク」のノベライズを誰か日本のミステリ作家が書いてくれないものだろうか!(売上が期待出来ないのがイタい) ※採点に関するもう一つの余談 国内作品に重点を置いている事を端的に示す目的で、嗜好の一番手な作品でもあり書評・採点すれば満点(8点)なエラリー・クイーンの何作かをスルーしてまで翻訳作品の最高点を7点に抑えていたのだが、作品レベルとは関係ないドラマ萌で翻訳作品初の満点(8点)を献上してしまったm(_ _)m |
No.1105 | 4点 | 空白の一章 キャロライン・グレアム |
(2010/12/07 23:57登録) AXNミステリーで連日好評再放送中な「バーナビー警部」のシリーズ原作な一冊。 ドラマ・エピソードとタイトルが違い、手にするまで初期にドラマ化(かなり以前にNHK・BSでも放送&DVDも発売)され観ていた作品とは知らなかった。 かなり以前に翻訳されたシリーズ2冊は文庫で安いが、単行本でこの値段だと普通の読者は購入を躊躇するので図書館に入って助かった。 先にAXNミステリーでドラマ版を観ている事に気付き、おさらい読書になった。 翻訳された3冊共に(特に本作は厚みがあり読書が先だとシンドそう&DVDも有るし)ドラマ鑑賞後のおさらいの方が楽しめるだろう。 意外な程に鬼畜だらけな英国の田舎人が見所なシリーズだけにドラマ版が一人歩きしながら継続(現在、日本語版51エピソードが放送済で来年2月には日本語版新エピソードの放送が決定)している現状も正解な気がする。 なんで今年になって翻訳出版されたのだろう!(まさかAXNミステリーとメディアミックスなのか?←効果が薄すぎる) この作品なんか原書出版と翻訳時期のタイムラグが壁になる典型例だとも思えた。 |
No.1104 | 6点 | 謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 |
(2010/12/07 22:50登録) 一般受けするタイトルと設定で、作者初のベストセラー街道をバクシン中な連作短編集。 同時期発売で似た感じの「貴族探偵」と間違えて購入したとか?しないとか?の噂もあるが此方の方が売れている。 間隔を開けながら目立たずにポツポツと発表されていたシリーズなのも「貴族探偵」同様なので紛らわしい。 遠い記憶ながら先に読んでいた2編も含め本格ミステリとしては佳作だが、私が作者に求める読者を限定した笑いがセーブ気味なのは残念だし、売れ専でありきたりな設定も物足りない。 最初にシリーズ作品を読んだ頃にはベストセラーになるとは到底想像出来ず、別の意味で驚きは大きい。 ※新作に関する余談 本格ミステリ作家クラブ・サイトの作者のコメント欄によると、本作人気に便乗で「霧ヶ峰涼シリーズ短編集」の発売が決定したのが(マニアック過ぎ雑誌が入手困難で未読だった短編が読め)非常に嬉しい。 |
No.1103 | 3点 | 週刊文春 2010年12月9日号 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 |
(2010/12/07 16:42登録) 純然たる週刊誌で、ミステリーの年間ランキングに関してのみが、このサイトの登録対象範囲だから、これぞ「雑誌なので一律の3点」に相応しい。 元々海外翻訳作品のランキングには興味がないのでスルーだが、海外ドラマも同様で日本語版制作(翻訳)されるまでのタイムラグの存在が国内作品に比べ厄介なワンクッションだとドラマ視聴中に感じた。 9月からドラマ視聴に追われ今年後期以降の新刊を殆ど未読な状態なのでランキングを見ても楽しくないだろうと思い、例年している「早ミス」「このミス」「本ミス」「俺ミス」各ムックの書店での立ち読みは断念し、図書館の館内で楽に手に取れる来年3月以降に眺める事に方針転換した。 それでも、この雑誌だけ立ち読み時期を逃すと(図書館保存期間も短い)それまでなので毎週コンビニで立ち読みしている少年サンデー(名探偵コナンだけ)とヤンマガ(カイジと砂の栄冠)のついでに眺めたが、上記理由からさほど楽しめなかった。 ランキング発表は、雑誌の一特集程度が妥当だと思うが(私は雑誌全般を殆ど購入しないので)立ち読み可能期間が短い週刊誌だとツラい。 週刊誌側には販売促進に繋がっているので無理な注文かもしれないが、図書館に最低一年保管される系列の月刊小説誌「オール讀物」に同内容を掲載してほしい(ランキングだけ知るならネット検索や2chの書き込みで十分) ※ゴメンナサイm(_ _)m 大半の対象(期間)作品を未読でランキングの批評(侃々諤々)をする気が起きず愚痴に終始してしまいました。 |
No.1102 | 6点 | シャーロック・ホームズの科学捜査を読む 事典・ガイド |
(2010/12/06 19:11登録) 先月AXNミステリーではホームズの大特集で、既視聴作品が殆どながら短編一括放送&長編にオリジナル脚本まで大量に放送され、つい先日まで録画視聴に追い立てられた。 そんなシャーロック・ホームズ満腹状態ながら図書館で目に留まり手に取った。 ドイルがシャーロック・ホームズで描いた科学知識&捜査は現在では島荘が主張する「21世紀本格」に通じる。 その意味では「19世紀本格」の解説書でもある。 小説の場面を引用しながらの科学捜査解説は非常に興味深い。 一方で、傑作ミステリとして成立させるには「最先端の科学捜査」の扱いは非常に厄介で、それ故に叙述トリック、人物描写主体、前時代設定やC・C設定など科学捜査の介入を限定する逃げ道のミステリが発展したと思い至る。 余計なお世話だが、翻訳が下手クソで科学知識の解説がサラッとは理解出来ないのが本書最大の欠点と指摘しておく(もっとも科学の勉強ではないので雰囲気だけ楽しめばよいのかもしれない) |
No.1101 | 4点 | 白骨の語り部 鯨統一郎 |
(2010/12/05 03:06登録) 作者を代表的なんちゃってミステリー作家だと思っているのでミステリーとしてのデキに期待はない。 昨日「土曜ワイド劇場」でドラマ放送されたのを視聴後に図書館で借りておいた原作のおさらいをした。 どちらも「なんちゃって」を越えられないが、後は接し方次第だと逃げてしまおう。 ※あくまで余談 普段見分けのつかないレベルでソックリな一卵性双子姉妹の一方と交際し、大人の関係になってから半年後、エッチ中の反応から入れ替わりを察して姉妹(←誤変換)気まずくなり別れたトラウマで、双子判別に対しては厳しく接してしまう。 姉妹丼体験はこの時だけだが、距離のある接し方では判別不能だが、一定以上近い関係なら判別ポイントは見つけやすいと実感した(←当然、当人達に判別ポイントは教えない) しかし証拠として裁判で有効なレベルの判別は難儀だとも思う。 ※追記 作者の作品なので〈双子でなければ三つ子以上なの〉と考えるかもしれないが、DNA判別不能な一卵性の多胎は何度も分裂せねばならず極めて出生比率が低いので、幾らなんちゃってな作者でもリアリティを考えると書き難いだろう。 |
No.1100 | 6点 | 闇の淵 レジナルド・ヒル |
(2010/12/05 02:29登録) アメリカに偏らず欧州からも面白い作品をチョイスし、最近の充実したラインナップは賞賛に値するAXNミステリーで、今月からダルジール警視シリーズのドラマ新作が放送開始(英国では現在シーズン12でドラマ継続中らしいが、日本語字幕版はシーズン3〜5が今回新作放送される、現状では「バーナビー警部」や「フロスト警部」みたくドラマの一人歩きは無く原作が存在する) 原作発表とドラマ化の順番が微妙に違う事とドラマ放送の大きなタイムラグは我慢するしかないが、ダルジール警視役のウォーレン・クラークを観れるだけで嬉しい体質になってしまった。 毎度のごとくおさらいになるが、本作はポケミスながら図書館の保存状態が良く物理的読み難さはかなり解消された。 過去の事件の解決とミエミエな気付きがダルジール達ではなくゲスト主役なのが笑える。 ダルジール達の掛け合いは少なく、ゲスト主役の内面の鬱屈や人間関係の描写がメインになる原作より、イメージを一新して格好良くて頼れるダルジール警視が観れるドラマの方がより楽しい。 原作は水準レベルだがドラマの楽しさ分で1点加点する。 ※余談 署内での扱いも含めて似たり寄ったりなダルジール警視・バーナビー警部・フロスト警部だが、英国での警視と警部の違いはどの程度なのだろう? 日本で警視だと小規模な警察署の署長レベルで、現場捜査なんかしないのが実状だし、その面ではダルジールが警視なのが不思議だ。 |
No.1099 | 3点 | 捜査官ガラーノ パトリシア・コーンウェル |
(2010/12/05 01:56登録) 作者が監修もしたドラマ化作品がAXNミステリーで昨日放送され録画視聴後に図書館で借りておいた原作をおさらいした(一冊だが長さ的には中編) 作者初の映像化作品(シリーズ)だと鳴り物入り放送だった事と未だに古本屋の翻訳文庫特売コーナーを席巻している作者なので期待は大きかった。 しかし、ネタ切れで前シリーズが継続出来ず新シリーズに映像化まで許可して復活を期したが失敗、終わった作家との世評が広まったらしい。 おさらいでも薄い文庫なのに読み進まない読み難さに苦戦した(世評では今までにない読み難さでゴーストライター説もある) 更に、ドラマ共々内容が薄っぺらで海外ドラマ「コールドケース」(←ミステリーより選曲で魂を揺さぶる‘泣き’を主眼にしている?)と「CSI」の凡エピソード(科学捜査と証拠に捻りが無い回)を混ぜ合わせたレベルだった。 このレベルの原作を映像化しても充実した最近の海外ミステリー・ドラマには太刀打ち出来ないと断言する。 |
No.1098 | 5点 | 数独パズル殺人事件 シェリー・フレイドント |
(2010/12/02 11:24登録) 日本が誇る人気パズル「数独」を題材にした世界初ミステリーらしい。 これで事件と「数独」を上手く絡めていれば傑作だが、残念ながらミステリーとしてはお粗末で3〜4点レベル(厚手の文庫だが読み難くないのが救い) 読売新聞・別刷り日曜版に毎週掲載されるパズル(数独とクロスワード)を息子と競争で解いている程度に「数独」好き(クロスワードは私の独壇場で親の威厳を保てるが、数独では息子に肉薄される)なので、この本が古本屋の50円文庫棚で目に留まり即購入した。 ミステリーとして定価購入したら大失敗だろうが、作中にオマケで付された「数独」6問を楽しむだけで50円の元は取れ、お得な気分だった。 採点は楽しいパズルな「数独」の普及促進ツールとしての加点を含めた。 ※余談 息子に負けると、思考の柔軟性を褒めたい親バカ気分と、息子に負けた強烈な敗北感が同時に押し寄せてくる。 |
No.1097 | 4点 | セカンドバージン 大石静 |
(2010/11/30 23:12登録) NHK初の“エロドラマ”を放送中と話題沸騰な作品。 作者が脚本家で、放送と同時期に自ら原作小説も出版し、完全同時進行なメディアミックスの最先端パターンを確立している。 作者らしい女性心理を描くメロ(エロ)ドラマ系作品を基本にしながら、今回は不倫男側の経済ミステリー的な話も組み込みメディアミックスだけでなくジャンルミックスも仕掛けている。 薄い文庫本であり、半分はおさらいになるので、書店での立ち読み(数十分×2回)で済ませたが、話題沸騰中な作品で特別な平積文庫コーナーでも山積みだった。 正直ドラマの方がお手軽かつエロいが、そのドラマでも鈴木京香のエロシーンより深田恭子のエロシーンを多く観たかったとNHKに注文したい。 女性陣から総スカンを承知でオヤジな私見を書くが「干からびた中年女のセカンドバージンなど重荷なだけでゴミ箱にポイ捨てしたい!」 この意見を封じるべく主演女優に熟々な鈴木京香を起用したNHKのセンスは賞賛に値する。 ※私生活な余談 因みに嫁は「潤いあるイイ女」だし、私を魅了し続けているのでセカンドバージン状態は存在しない(サイトでノロケてみました) |