闇の淵 ダルジール警視 |
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作家 | レジナルド・ヒル |
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出版日 | 1991年03月 |
平均点 | 5.33点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 5点 | ことは | |
(2020/03/14 16:41登録) エリーに焦点があたった作。 エリーはいまひとつ好きになれないんだよなぁ。常に喧嘩腰という感じで、他キャラクターは深みがある感じがするのに、エリーだけは表層的なフェミニストという感じ。ヒステリックな感じも好きになれない。(作者は愛着がありそうだけど) 全体的には、ダルジール、パスコーはいつもの味でいいのだが、シリーズでは「薔薇は死を夢見る」以降では一番下。 (でも「薔薇は死を夢見る」以前よりは面白い) |
No.2 | 5点 | nukkam | |
(2016/09/26 01:29登録) (ネタバレなしです) 1988年発表のダルジールシリーズ第10作の本書ではヨークシャーの炭鉱町で当時7才だったトレイシーの失踪事件が起きます。失踪直前まで一緒だった炭坑夫のビリー・ファーが疑われ、一方で連続幼女暴行殺人犯のピックフォードが自殺したことによって彼女もピックフォードの犠牲者だったのだろうということで捜査が打ち切られます。連続殺人犯が脇役的に扱われているところはP・D・ジェイムズの「策謀と欲望」(1989年)をちょっと連想させます。その三ヵ月後、ビリーが坑道で死んでいるのが発見され、事故死として処理されます。そこから更に時が流れてからがようやく本筋になります。物語はビリーの息子コリンを中心に進むのですが彼の人物像がなかなかつかみにくいです。激情家で暴力的かと思えば驚くほど自制心が強いような場面もあるし皮肉屋の時もあれば妙に素直な時もあります。この「わかりにくさ」が物語をつまらなくしているかというとむしろその反対で、コリンの一挙一動から読者は目を離せません。そして炭坑の中で迎えるクライマックスが大変劇的です。但し犯人の自白でほとんどの謎が解明されるため探偵の推理による謎解きを期待すると失望します。 |
No.1 | 6点 | 江守森江 | |
(2010/12/05 02:29登録) アメリカに偏らず欧州からも面白い作品をチョイスし、最近の充実したラインナップは賞賛に値するAXNミステリーで、今月からダルジール警視シリーズのドラマ新作が放送開始(英国では現在シーズン12でドラマ継続中らしいが、日本語字幕版はシーズン3〜5が今回新作放送される、現状では「バーナビー警部」や「フロスト警部」みたくドラマの一人歩きは無く原作が存在する) 原作発表とドラマ化の順番が微妙に違う事とドラマ放送の大きなタイムラグは我慢するしかないが、ダルジール警視役のウォーレン・クラークを観れるだけで嬉しい体質になってしまった。 毎度のごとくおさらいになるが、本作はポケミスながら図書館の保存状態が良く物理的読み難さはかなり解消された。 過去の事件の解決とミエミエな気付きがダルジール達ではなくゲスト主役なのが笑える。 ダルジール達の掛け合いは少なく、ゲスト主役の内面の鬱屈や人間関係の描写がメインになる原作より、イメージを一新して格好良くて頼れるダルジール警視が観れるドラマの方がより楽しい。 原作は水準レベルだがドラマの楽しさ分で1点加点する。 ※余談 署内での扱いも含めて似たり寄ったりなダルジール警視・バーナビー警部・フロスト警部だが、英国での警視と警部の違いはどの程度なのだろう? 日本で警視だと小規模な警察署の署長レベルで、現場捜査なんかしないのが実状だし、その面ではダルジールが警視なのが不思議だ。 |