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ミステリの祭典

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toukoさんの登録情報
平均点:6.16点 書評数:241件

プロフィール| 書評

No.181 7点 ジョーカー・ゲーム
柳広司
(2011/04/02 23:24登録)
戦前が舞台のスパイものではありますが、伝統的なスパイ小説とはかなり趣きの違う、モダンで洒落た、知的遊戯的な短編連作集です。
どれも一定水準以上の作品で、安心して楽しめます。


No.180 6点 氷の家
ミネット・ウォルターズ
(2011/04/02 18:03登録)
これ、傑作扱いされていることも多い作品(キャラ萌え系じゃなく英国流社会派の作品として)なんですが、今となっては古いタイプの肩肘はったフェミニズムに基づいた説教臭が、私は鼻につくかなあ。。

マクベスの如き3人の魔女の世間でのイメージと実態とのギャップに、批評性があるんでしょうけど、ミステリとしては思わせぶりなわりに肩透かし、小粒な作品になってしまっている気がします。


No.179 6点 魔術師の弟子たち
井上夢人
(2011/04/02 16:55登録)
大友克弘のAKIRAを思い出す、SFアクションもの。
科学色もミステリ色もほとんどないんですが、スピーディでサスペンスフルな展開でぐいぐい読ませる筆力はさすがです。


No.178 5点 びっくり館の殺人
綾辻行人
(2011/04/02 16:45登録)
館ものですが、ジュブナイル。
突出したところはありませんが、館シリーズの特徴は出ているし、破綻したところもなく、そこそこよかった印象。


No.177 7点 粘膜蜥蜴
飴村行
(2011/04/02 16:37登録)
図書館で借りたので、粘膜人間→粘膜兄弟→本作の順番で読んでしまいました。
一番人気の本作は、発行から1年半たった今でも予約待ちが続いています。

一作目ほどの破天荒なイマジネーションの奔流は感じなかったのですが、こんなエログロな内容なのに、ミステリではお馴染みの、あるトリックのおかげで、あっと驚く感動エンディング(?)になってしまう……その落差がすごくて感心しつつ笑えます。


No.176 6点 溺れる人魚
島田荘司
(2011/04/02 16:16登録)
本格ミステリ要素は薄いんですが、いつもの島田流トンでも陰謀論・トンでも疑似科学系の娯楽作品だと思えば十分楽しめます。
それにしても、書きようによっては、ミステリファンだけじゃなくもっと広範な読者にウケそうなのに(D・コードだってベストセラーになるんだから)、なぜいつもこんなに胡散臭げなインチキ色が強いんだろうか……そんな山師臭さが好きではありますが、不思議。


No.175 6点 リベルタスの寓話
島田荘司
(2011/04/02 16:08登録)
なんでもかんでもミステリのネタに出来て、びっくり展開に持っていける作者はやっぱりすごいです。

オンラインゲームはちょっとだけですがやったことがあるので、RMTについてはなるほどと思いましたが、知らない人には説明不足だと思うし、大袈裟に書きすぎのような……。


No.174 5点 ゴールデンスランバー
伊坂幸太郎
(2011/04/02 15:56登録)
主人公のキャラに覇気と魅力が感じられず、展開も広がりがなく、ご都合主義が鼻につくし、特に意外性もなく、序盤の期待よりは盛り上がりませんでした。

巨悪や謀略部分ももうちょっと丁寧に作りこんだら、もっと緊迫感が出たと思うんですが、これじゃ特にJFKの設定を借りてくる意味がないのでは……でも、逆にほのぼのとした鬼ごっこのような風情が漂うローカルサスペンスなところが魅力なのかもしれません。


No.173 6点 Another
綾辻行人
(2011/04/02 15:46登録)
アニメ化・実写映画化もするそうですが、綾辻を知らない層にもウケそうなラノベテイストの本格ミステリ。
ラノベとミステリ、双方のお約束をうまく使って、そこそこ出来もよく、売れそうな作品になっているのはさすが。

ヒロインがまんま綾波レイなのは、個人的にはしらけたけど、ファンなら嬉しいのかな?


No.172 3点 鬼の探偵小説
田中啓文
(2011/04/02 15:39登録)
設定の奇抜さのわりに、伝奇的要素もミステリ要素も薄く、平凡な短編集でした。


No.171 10点 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人
倉阪鬼一郎
(2011/04/01 23:26登録)
世界バカミスアワード大賞受賞のバカミスの金字塔。
この本でしか体験できない、オンリーワンのバカさがあるのが素晴らしい。

人を選ぶ作品とよく言われていますが、労力も含めて非常にわかりやすくインパクトのあるバカさの洪水、乱れ打ちなので、むしろ、どんな人にでも勧められると思うのですよ……だって読書が特に好きじゃない男子中学生とかにさえ、このネタであれば、ウケそうじゃないですかー。

さくっと短時間で読めるし、一生に一度は、こんな無駄な読書体験があってもいいと思います!(。・m・)クスクス


No.170 6点 死神の精度
伊坂幸太郎
(2011/04/01 23:15登録)
死神が主人公の連作。
最初の3作くらいは、平板でお約束って感じのあまり面白くない作品ばかりで、読むのやめようかと思ったくらいですが、中盤以降は面白くなります。
通して読むと、意外と感動しました。


No.169 7点 聖女の救済
東野圭吾
(2011/04/01 23:11登録)
ミステリとしての出来はともかく、無辜の犠牲者が出る、男性の究極の片恋ものの容疑者Xより、すんなり読めて、後味もよかったです。


No.168 6点 Dの複合
松本清張
(2011/04/01 23:05登録)
最近、ドラマ化・映画化が多い清張作品ですが、これも90年代にドラマ化されているのですね。
デビュー当時の作者をモデルにしたらしい売れない中年作家が、儲けている不動産屋が道楽で出している旅雑誌の紀行文を書くために取材旅行をするという内容なので、もっと名所ばかりを回るトラベルミステリー風の内容かと思ったら、そうでもなかった……こんなマニアックな内容の本が発表当時ベストセラーになったとはすごいな。

60年代初期の作品なのに、重要な脇役にサヴァン症候群の人物を配したりと、最近の島田荘司の作品を思い起こさせる先見性にはびっくり。
古代史の謎は本筋にはたいして絡んでこないし、強引というか適当な部分もありますが、作者が楽しんで書いているのが伝わってくるし、生意気な若手編集者と戯画化された作者のやり取りもテンポよく、今読んでも、そこそこ楽しめる作品なんじゃないでしょうか。
またドラマ化したらどんなキャストになるのか考えても楽しいです。


No.167 7点 蛇の形
ミネット・ウォルターズ
(2011/04/01 22:49登録)
最初の引用からしてミスリードかあ……。
大風呂敷は広げられている時が一番楽しいのね。ちゃんとたたんではいるけれど、ふくらみすぎた期待よりはちょっとしょぼいかも。

ですが、主人公の偏執狂じみた正義漢ぶりに違和感があっただけに、最後の1頁でふにおちる感動は出色です。


No.166 4点 天帝のつかわせる御矢
古野まほろ
(2011/04/01 22:39登録)
キモイって前作でわかっているのに、面白いと評判の推理合戦への期待に負けて、またも挑戦してしまいました。

あー前よか文体はマシだけど、やっぱりキモイよ~(鳥肌)。
イケメンなのに終始、鼻くそほじっては舐めている人を見ているくらいキモイ!?

自己憐憫と自己愛に満ちた主人公は、ありがちな人物像なのに、作者と距離が感じられないと、ここまでキモくなるものなのですね……そのへんのメンヘル女子のアタシの内面垂れ流し・現実逃避の異世界構築系ブログとかよりはるかに破壊力あって、またもぐったり。

ミステリ(イケメン)部分は面白かったですが、トータルするとキモかった分、損した気分になる、毎度、変な作品。


No.165 3点 天帝のはしたなき果実
古野まほろ
(2011/04/01 22:33登録)
ミステリをはじめとする、いわゆるオタク男性の好きそうな薀蓄が、メインカルチャーからサブカルチャー、オカルト、アニメ・漫画にいたるまで、節度なくてんこ盛りすぎ。

ミステリ要素がメインてわけじゃたぶんないんでしょうね……作者が好きなものがすべて等価に整理されず、ずらずらと並べられているので、何が伏線になるのか判断不能で、キモいしくどいのに、読み飛ばすことも出来なくてぐったり。

普通の人よりずっと面白い部分もあれば、泣きそうになるほど生理的にキモイ部分もあり、総合するとやっぱりあんたキモイわ! って感じの作品でした。
精神的にレイプされた気分……これを読み通した自分を誉めてやりたい!?


No.164 6点 水魑の如き沈むもの
三津田信三
(2011/04/01 22:21登録)
ホラー分少なめ(特に文体)。
おどろおどろしくしすぎると売れないかららしいけど、切羽詰った状況でも軽くて暢気な人々の描写にイライラ。その中間くらいには出来ないのかしらん……。


No.163 6点 落下する緑
田中啓文
(2011/04/01 22:10登録)
この作者にしてはお上品かつ端整にまとまった優等生的作品ばかりで、個人的にはちょっと拍子抜け。


No.162 7点 クリスマスに少女は還る
キャロル・オコンネル
(2011/04/01 22:00登録)
変質者に誘拐された10歳の少女たちを巡るサイコサスペンス。

最後の最後で判明するトリックが、感動を呼ぶという仕掛けは、本当に素晴らしいのですが、いかんせん長すぎ、登場人物多すぎ、そして何より犯人がどうでもよすぎ。

こんなどうでもいいことに描写を費やすのなら、もっとここを詳しく描け、みたいな部分も多々。
そのへんが整理されていたら、文句なしの大傑作になっていた気もしますが、冗長・散漫なところもある内容でも、なんだかんだ言って読ませて、感動させるんだから、地力のある作家だとは思います。

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