天帝のはしたなき果実 天帝シリーズ |
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作家 | 古野まほろ |
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出版日 | 2007年01月 |
平均点 | 3.67点 |
書評数 | 6人 |
No.6 | 1点 | いいちこ | |
(2015/04/21 20:11登録) ルビ塗れで口語体と文語体が混在した、異様な文体は慣れれば読めないことはない。 衒学趣味は聖書・源氏物語・十字軍にはじまり、果てはアニメ・コミックまで、思い付きを全部投入した闇鍋状態で、しかもプロットとは何の関係もない。 登場人物がほぼ全員高校生という舞台設定と、描かれる世界の間には親和性もヘッタクレもない。 中盤の推理合戦はロジックの追求こそ不十分であるものの、本格の片鱗を感じさせたが、結局はすべてを放り出して大風呂敷を拡げるだけ拡げて読者を置き去りに。 通常、ミステリは冒頭に拡散させた謎を真相に向かって収束させていくものだが、拡散させる一方で全く収束させないままラストを迎える。 結局は、そもそも読者に理解してもらおうなどと顧慮さえしていない、高度に自覚的というか確信犯的なマスターベーションと見るべきだろう。 ストーリーテリングは独特のリズム感もあり決して下手ではないし、プロセスには見るべきものもあるのだが、そうした点を部分的に評価することなく、ミステリとしてのあり様を真正面から捉えてこの評価 |
No.5 | 3点 | touko | |
(2011/04/01 22:33登録) ミステリをはじめとする、いわゆるオタク男性の好きそうな薀蓄が、メインカルチャーからサブカルチャー、オカルト、アニメ・漫画にいたるまで、節度なくてんこ盛りすぎ。 ミステリ要素がメインてわけじゃたぶんないんでしょうね……作者が好きなものがすべて等価に整理されず、ずらずらと並べられているので、何が伏線になるのか判断不能で、キモいしくどいのに、読み飛ばすことも出来なくてぐったり。 普通の人よりずっと面白い部分もあれば、泣きそうになるほど生理的にキモイ部分もあり、総合するとやっぱりあんたキモイわ! って感じの作品でした。 精神的にレイプされた気分……これを読み通した自分を誉めてやりたい!? |
No.4 | 6点 | vivi | |
(2009/10/14 02:56登録) 推理合戦からの展開、結末。 論理からなし崩れていく、カタストロフ。 そこまでひっくるめてのエンターテインメントでした。 この推理合戦を読んで、 推理を披瀝する探偵の立ち位置の危うさというものを実感しました。 「え、ちがう? ごめんね~」では済まないもの。 だから探偵は、孤独なのだろう・・・そう思いました。 |
No.3 | 2点 | T.shimizu | |
(2009/10/03 03:54登録) 無理…負けましたorz 舞台とかシチュエーションは良いけど 文章がくどくて内容が頭に入って来ないす。 |
No.2 | 1点 | 江守森江 | |
(2009/09/21 18:28登録) ルビの嵐と装飾過剰で読みにくい文体に本気で取り組めば気が狂うかもしれない。 約半分まではキャラ紹介で読み飛ばし可能。 本格スピリット溢れる中盤は嗜好のど真ん中だが、結末の展開は賛否両論(そこまで到達し得ない脱落者多数) まさにレンガ(本の造り)の如き厚い壁で"本格ミステリの桃源郷"への道を閉ざす。 それを耐え抜き読み切らなければ"桃源郷"への道は拓けない! ※思い入れのみで採点すれば、読み切った自分へのご褒美と作者の本格スピリットに9点としたかったが、冷静に客観的評価をした。 それでも、作者(次作以降の作品)への思い入れは強く、2〜7点の一般的作品と差別化を図り、本来なら採点しない逆満点(1点)を献上する。 |
No.1 | 9点 | 猫こねこね | |
(2008/07/17 15:28登録) ライトノベル好きに好まれそうなので、表紙で損をしているかも? 一見地味な高校の吹奏楽部を舞台にしているのに、フランス語・ロシア語のルビを多用しているせいか、豪華絢爛。 作者の脳内を疑うような、独特な文体です。 もう推理小説は読みつくしたぜ!という方に衝撃をあたえるためにも、おすすめできます。 |