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ミステリの祭典

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ゴールデンスランバー

作家 伊坂幸太郎
出版日2007年11月
平均点7.36点
書評数44人

No.44 8点 zuso
(2023/08/03 22:14登録)
ケネディ大統領暗殺事件と酷似した首相暗殺事件が仙台市内で起きる。
無実にもかかわらず事件の犯人として追われる青柳雅春という青年が主人公だが、彼の視点から語られる話と交互に、かつて青柳の恋人だった樋口晴子の話が重要な副旋律として奏でられる。
青柳の友人や元同僚との過去のエピソードも交えつつ緻密に構成された物語は、最後に意外な結末を迎え感動する。

No.43 7点 okutetsu
(2023/04/16 20:50登録)
また、車の置き手紙のシーンは正直ウルっと来た。
伏線はほんとに見事でここであれを使うのか~って何度も思わされたけど、やっぱり最後の最後にあっと驚くような展開とか主人公に救いがあればもうちょっと評価が高くなったような気がする。
冤罪の主人公が不憫で、なんの解決もしてないことに釈然としない思いはあるものの最後のハンコのくだりには救われた気持ちになった。

No.42 8点 雪の日
(2022/04/24 23:08登録)
長いかなぁと思って読み始めましたが、すぐに読み切れるほど引き込まれました。

私はこの手の話は謎を残したままにすると思って読んでいたので、何とも思いませんでしたが、本格ミステリ好きの方には最後はすこし不満かもしれません。
ですが、読む価値は絶対にあると思います。

No.41 8点 ぷちレコード
(2021/03/27 13:38登録)
無実の罪を着せられた主人公の手助けをしてくれるさまざまな人が、自分の人生を生きていて、何かが欠けていたり、狂っていたり、息苦しさを感じたりするけれど、真っ直ぐに生きている。だから主人公に手を貸していく。その姿が魅力的。
特に気に入ったのは、直接的に主人公を助けたわけではないが、主人公の父親の言葉は素敵だと感じた。世間から批判の目を向けられても、一蹴して彼らの意見など見向きもせずに主人公を信じるそのさまは、心に込み上げてくるものがあった。登場人物の姿、生き様が魅力的な一冊。

No.40 7点 パメル
(2021/01/25 09:35登録)
歴史上、最も不可解な謎を残した暗殺事件といえば、ケネディ大統領暗殺事件でしょう。報道の大きさとは裏腹に、犯人は射殺され事件は迷宮入り。当時の詳細な調査記録は、今もすべてが公開されてはいない。事件の関連書を読むたびに、なにか大掛かりな権力が介在していそうな気がしてすっきりしない。
もし、同じような事件が日本で発生していたら...。そのような発想から書かれたと思われる本書は、暗殺事件の本質に迫る驚くべきサスペンス小説。
仙台で凱旋パレードを行った首相が暗殺され、元宅配ドライバーの青柳が犯人と特定される。青柳を追い詰めていく警察や監視装置は、管理社会を扱った未来小説の登場人物のように、国家権力特有の不透明な官僚主義とその不気味な感触とを、じわじわと浮かび上がらせる。
皮肉にも、そうした権力ゲームに巻き込まれた市井の人々がお互いに見知らぬ同士でありながら、逃亡を助ける強力なネットワークに参加していくことになる顛末は、伏線も多重に張り巡らされ、異様な迫力を醸し出す。ドライで非情な設定に、ウエットで情感あふれた感性が小気味よく切り込んでおり、爽やかな読後感を残す。

No.39 9点 sophia
(2017/07/23 23:37登録)
全部読み終わった後で「ああ、そういう話か」と分かるタイプの作品ですね。
本来の犯人候補であった人物のことなど、謎をもう少し解き明かしていく作品かと思っていたので拍子抜けした部分はありましたが、それを帳消しにしてもいいかと思えるくらいラストシーンが感動的でした。

No.38 8点 バード
(2014/03/29 11:59登録)
長い話だが一気に読めた。結末に近づくにつれなんとなくこの場面見たことあるな~と感じたので、おそらくもうほとんど記憶にないが昔映画を見たことがあったのだろう。

途中からは主人公の青柳に完全に感情移入してしまいなんとか逃げ延びてくれという思いだった。巻末の作者の言葉によるとあえて風呂敷をたたまなかった作品らしいがそれでも小説としての面白さが損なわれていないのが凄い。(普通はきれいにたたんでないと消化不良なのだから)これぞまさに小説はエンターテイメントといえる作品。

No.37 6点 mohicant
(2013/08/05 09:37登録)
 軽い文体でおもしろおかしく読める内容であっただけに、暗い結末が非常に残念だった。最後に一発逆転があれば、すごく好きな作品になっていたはず。

No.36 9点 ナノ
(2013/06/13 16:14登録)
読み終わった瞬間溜息が出ました。
溜息をしたら幸せが逃げていくといいます。
今回自分から出た溜息は、この本を読んで積もり積もった読書の幸せが体内で飽和した結果、出ざるを得なくなったものじゃないかと思います。

孤独な逃亡者に次々と降り注ぐ家族愛と友情が心に染み渡ります。
ミステリではないでしょう。しかし、素晴らしい作品です。

No.35 9点 itokin
(2013/03/23 13:06登録)
伊坂氏の才能を再確認させられた作品。独特のユーモア、意表を突く物語の展開、登場人物のキャラの立て方、今まで読んだ氏の作品の中で最高だなという思いで読ませていただいた。

No.34 7点 E-BANKER
(2013/02/16 22:38登録)
2007年発表。映画化もされ、作者の代表作ともいえる作品となった。
ビートルズの名曲「ゴールデン・スランバー」に載せて、作者らしい洒脱な言い回しが冴える大作。
山本周五郎賞受賞作。

~衆人環視のなか、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。「なぜだ?」 、「何が起こっているんだ?」、「俺はやっていない!」。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走劇。行く手に見え隠れする古い記憶の人物たち・・・。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテイメント巨編~

これは「伊坂らしさ」と「伊坂らしからぬ」が混じりあったような作品、
っていう感じか。
読了後に「文庫版解説」を読むと、作者が本作では今までの作品とは「伏線の回収」という点で趣向を変えている云々との記述があり、これが「らしさ」と「らしからぬ」という相反する感想につながったのだろう(多分)。
「らしさ」で言うなら、相変わらず登場人物に配慮が行き届き、一人一人が見事なまでにキャラ立ちしていること。
本作でも森の声が聞こえる森田や、カズ、そして元カノの樋口とそして樋口の子供まで・・・説教めいているのにどこか洒脱で心に響いてくるフレーズの数々・・・
(でも一番秀逸なのは、青柳父の『痴漢は死ね』か!?)

「らしからぬ」なのは、やっぱりラスト。
今までなら綺麗に伏線が回収されて、「アレとアレがここでつながるのかぁ!」という快感を得られていたのだが、本作では多くの?が回収・解決されないまま残されていく。
ラストこそ薄明かりの見えたシーンで終わっていて後味がいいが、この辺はちょっとむず痒い感覚はどうしても残ってしまう。
(特に、警察側の異様さの謎が最後まで明かされないのが、一番歯痒いのだが・・・)

『物語の風呂敷は、畳む過程がいちばんつまらない』とは、作者の言葉なのだが、ある意味、自身の作品のレベルを一段上げるためにも、本作の「試み」は必要だったのだろう。
ただし、単なる市井の一ミステリーファンとしては、今までの「伊坂マジック」をもう少し味わっていたい、というのが偽らざる気持ちなんだけどなぁ・・・
(「ゴールデンスランバー」聴きたくなった・・・)

No.33 7点 simo10
(2012/08/07 21:38登録)
--ネタばれ含みます--

首相殺しの犯人役に祭り上げられた主人公の逃亡劇を描いた話です。設定から期待した通りの、映画を見てるようなスリル感を味わえ、ページ数も気にならずにサクサク読めました。
大学時代の同級生達の他、ヘッドホンの男、キルオ等、伊坂作品特有の冗談みたいなキャラも良く描けていたと思います。
ミステリとは違うが、伊坂氏お得意の細かい伏線(小ネタではあるが)も心地良く利いていました。
前評判通りの出来だったと思います。
ただし、自分がもし伊坂作品の作風(主に小ネタ的伏線)を知らずに、ミステリを期待して一発目にこの作品を読んだとしたらたぶん評価は低かった(5点くらいかな)と思います。こんなの伏線でも何でもねーよとか言ってたと思います。

No.32 4点 スパイラルライフ
(2012/02/26 17:02登録)
映画のほうが面白いのは、伊坂ワールドの伏線大量ばらまきが薄められる(映像と文章の差)からか?
ラストも後味良いとは思えないし。
ミステリ採点サイトで評価高いのも不思議。
長さを感じさせないストーリーテリングは流石ですが、ミステリとして読めた記憶がないため、辛めの採点。

No.31 10点 NAP
(2012/02/13 17:44登録)
結構前に読んだのでラストとか詳しくは覚えてないんですがw、とにかく主人公がかわいそうって思った。笑ドキドキハラハラ、、最後どーなんの?!って思いながら一気に読めちゃった。楽しかったです。

No.30 5点 いいちこ
(2011/12/23 19:34登録)
プロットは面白いが、随所にご都合主義的展開が見られ興を削ぐ。
しかし何より問題なのは、何の非もない主人公が哀れすぎるラスト。
管理社会や冤罪問題への警鐘と理解すべきであろうが、エンタテイメントとしては後味に難

No.29 7点 ナナ
(2011/05/19 10:39登録)
いつもながら伊坂幸太郎さんて、とっても優しい人なんだなあと感じます。作品に人柄がにじみ出ているようで、安心して読み進められます。ラストも面白かったのですが、やっぱりもうちょっとすっきりしたかったかな…。でもこれ以外の終わり方はないのかもしれませんね。

No.28 9点 Q-1
(2011/04/27 21:38登録)
大満足です。
本筋も然ることながら、
所々に散りばめられた真相とは直接関係の無い伏線、小謎も良かったです。
また明らかにされなかった謎もいい塩梅で謎のまま残されていると感じました。
最後の締めもウルっとさせられましたし、基本的に軽いイメージのある伊坂作品ですが、
今回はいつもの軽さが心地良さに感じました。

柔道素人である主人公の大外刈が強すぎるのはどうかと思いましたが、
晴子の大外刈は通用しなかったので許せましたw

No.27 9点 haruka
(2011/04/24 22:45登録)
主人公が平凡であるがゆえに感情移入しやすい。伏線をきっちり回収しているため無駄なエピソードもなく、最後まで一気に読める。ほろりとさせるラストも素晴らしく、読後感も良い。

No.26 5点 3880403
(2011/04/06 19:59登録)
読み易く続きが気になったので一気読みした。
ラストがにえきらない感じ。

No.25 9点 Take
(2011/04/02 18:09登録)
久しぶりのヒット。
予想以上に十分、楽しめた。

親父、かっこいい。

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