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ミステリの祭典

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三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人

作家 倉阪鬼一郎
出版日2009年09月
平均点6.16点
書評数19人

No.19 7点 人並由真
(2022/05/21 06:18登録)
(ネタバレなし)
 ウワサのトンデモ新本格ということで興味が湧き、今回、初めて読んでみました。そういえば自分はまだ、この方が自薦するバカミスを一冊も読んだことはなかった。

 自分の場合ネタバレは全くなく、幸運なままに読了しました。
 が、かなりの労力をかけたであろうに、その効果が十全に出たとは言い難いソンな作品という印象。
 これまでの本サイトのレビューでは、Kingscorssさんの「折角の~です。」の部分にもっとも同感。

 それでも普通に(?)楽しく読めたのは事実。
 ミステリという娯楽文学の奥行きの広がりを、またひとつ感じさせてくれる一冊ではあります(笑)。

No.18 5点 Kingscorss
(2020/10/28 21:49登録)
初めて氏のバカミスを読んだ人以外には今回も面白味にかけると思う。他の方が既に評しているように、氏のどのバカミスもすべて同じ系統で、トリックの種類や言葉遊びの方法が違うだけでほぼ全部同じ思える。バカミス大好きな自分でも擁護不可なほどのマンネリ感…

トリックのネタはわりと面白いとは思うのだが、完全に無理があるのと、トリックの種明かしが終わってからの待ってました!とばかりの言葉遊びとエピローグのつまらなさは完全に蛇足だと思う。個人的にメタ発言が嫌いなのもあるが、言葉遊びは労力と面白さが完全に釣り合ってない。ドヤ顔で独りよがりの言葉遊びの解答を粛々と読ませれても少しも感動も驚きもない。

氏の他のバカミス全部に言えることだが、言葉あそびの制約のせいで色々と内容をつまらなくせざる得ないのは本当にすごくもったいない。折角の良いバカミスのアイディアがあるのに台無しにしているので、そろそろバカミスネタ一本で勝負してもらいです。

氏のバカミスの中で一番おもしろいと評判だが、個人的には『新世界崩壊』がアイディアといいバカさといい一番だと思う。

No.17 7点 八二一
(2019/12/10 18:37登録)
あまりにも馬鹿馬鹿しいネタを濃密な文体で描き切っている。どのトリック、仕掛けも作者らしい力作。なのだがやはり、いつも通り人を選ぶ作品。非常に効率の悪いかたちで、これほどの労力をかけた作者に敬意を表すほかありません。

No.16 8点 まさむね
(2019/11/11 21:55登録)
 2010年「世界バカミス☆アワード」を受賞した、バカミス界の名作。ネタの一つ(二つ?)は、国内に超有名作な前例があるため、独創性という意味では一段落ちますが、ここまでやったらバカ過ぎて、尊敬の念を抱かざるを得ません。様々な評価もよく分かるのですが、個人的には、終盤の脱力感と作者に対するある種の畏敬、これらが混在した感覚は嫌いではありません。否、こういう作品って、実は大好きなんです。ごめんなさい(誰に謝っているのだろうか)。素晴らしいバカミスと評価いたします。

No.15 3点 いいちこ
(2017/08/24 19:10登録)
ミステリとしては持ち前の奇想で読者の期待に一定程度応えているが、やや無理も感じる点で画竜点睛を欠いている印象。
テキスト自体への仕掛けは、その前提としてメタフィクショナルな構成を採用するなど、よく考えられているのだが、着想自体が過去の有名作品の二番煎じであり、それが存在することによって作品が面白くなっている訳でもない。
しかし何よりも問題なのは、バカミスとしての趣向が著者の他のバカミス作品と全く同一である点。
著者のバカミスを初めて読んだ読者以外にとっては、サプライズが極めて乏しいし、そのアイデアを高く評価することもできない。
したがって、世評では「新世界崩壊」より本作の方が相当に上らしいが、私にとっては最初に読んだ「新世界崩壊」の評価に遠く及ばない

No.14 8点 名探偵ジャパン
(2017/06/27 19:21登録)
「バカミス」もここまでくると一周回って感嘆するしかないでしょう。
技巧に走りすぎていてミステリとしては評価外。というご意見も納得できますが、作者の苦労を思うと、私はそうあっさりと切り捨てるにはあまりに忍びないのです。
見返しに書かれた「自分はいったい何と戦っているのか」という作者の言葉。裏見返しの著者近影が、マラソン大会で疾走する姿であることもリンクして、「悶絶しながら書いた作品」であることが伝わってきます。
確かに「ネタ」に走りすぎた作品であることは疑いがないでしょうが、本作のような技巧を完成させることは、ある意味、ミステリとしてまっとうなトリックを生み出す以上に難産なのではないでしょうか。

何と言っても凄いのは、本作「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」講談社ノベルスから出たこの実本以外どうにも発展させようがない、ということです。
実写、漫画を含めたビジュアル化が無理であることは当然、外国語に翻訳して海外市場に持ち出すことも不可。さらには文庫化さえも不可能なのです。とてつもなく効率が悪いというか、ある意味贅沢な一冊と言えるのではないでしょうか。

No.13 4点 蟷螂の斧
(2017/06/19 21:10登録)
「四神金赤館銀青館不可能殺人」を読んでいたため、かなり身構えての読書となりました。大胆な伏線が多く、早い段階でトリックは判明(笑)。トリック以外の仕掛けの努力は買いますが、小説自体の評価とは別なので、この評価です。

No.12 9点 響の字改
(2017/05/28 15:07登録)
本格/新本格に始まり社会派に旅情に歴史物にメタにSF。
ミステリと言う「過去を振り返った瞬間に終わってしまうんで前に進むしかない」不毛の荒野を彷徨うようなジャンルで読書を続けているとたまに足を止めて一服したくなる。
そんな時にバカミスの読後感が心地良い。

頭からケツまでネタで構築されたプロット。
トリックがわかった瞬間に台無しになる舞台装置(と会話劇)
オチがこれだから許される投げ遣りな文体

まさにバカミスの金字塔。これを一読する事で
「よし、次の本は少々分厚くても文体が重くても真面目に読もう」となってしまう

素晴らしい。オススメです(´・ω・`) ← 本当ですよ

No.11 6点 風桜青紫
(2015/12/19 21:58登録)
そもそも小説としての面白さを求めるなら、本格ミステリなんてものは最初から読まないのが精神衛生上よろしいんだ。作者が下手に「人間を書く」などとくだらんことを意識した結果、ミステリとしても文学としてもどうしようもない作品が生まれてくる。そんな中、遊び心に全力をかけようっていう倉阪鬼一郎の創作姿勢は見事だ。マグロだ。黒人だ。最高だ。この作品、倉阪鬼一郎のバカミスでも随一の執拗さとインパクト。読者に語りかけるような神の視点といい、冒頭の大袈裟さをうまく反転させた脱力感といい、オタク話の飯のタネには最適の一冊。

No.10 8点 ナノ
(2013/06/29 02:05登録)
書籍と言う媒体だからこその仕掛けとそれを成立させるための作者の努力に脱帽です。
ストーリーは確かに単調です。しかし、自由に言葉を選べる作品のストーリーとこの作品のストーリーは比較できません。
よって自分は高評価です。後半、本当に楽しめました。

No.9 6点 メルカトル
(2011/04/19 21:42登録)
これは正直評価が難しい。
賛否両論を呼びそうな作品だが、本格志向の読者にとっては全く読むに値しない可能性が高い。
バカミスなのは最初から承知で読んだが、何しろ全体的に単調なのは閉口する。
決して人に薦められないので、5点にしようと思ったが、作者の地道な努力に敬意を表して6点。

No.8 10点 touko
(2011/04/01 23:26登録)
世界バカミスアワード大賞受賞のバカミスの金字塔。
この本でしか体験できない、オンリーワンのバカさがあるのが素晴らしい。

人を選ぶ作品とよく言われていますが、労力も含めて非常にわかりやすくインパクトのあるバカさの洪水、乱れ打ちなので、むしろ、どんな人にでも勧められると思うのですよ……だって読書が特に好きじゃない男子中学生とかにさえ、このネタであれば、ウケそうじゃないですかー。

さくっと短時間で読めるし、一生に一度は、こんな無駄な読書体験があってもいいと思います!(。・m・)クスクス

No.7 4点 江守森江
(2010/07/31 21:44登録)
※但し書き
書評順に拘りが出てきたが、どうしても1010(せんとう)番目の書評をこの作品で埋めたかったので例外的に二回目の書評を記す(千住〔せんじゅう〕に関する代表的ミステリーは思い浮かばなかった)
私的な採点は前回の満点(8点)だが作品の平均点を考慮して今回は4点にしておく。
無駄に心血を注ぐ作者の本領が一番発揮された作品だと思うが、その稚気を楽しめなければゴミ同然なのかもしれない。
馬券購入に偶に水道橋に出向き神保町から神田まで古本屋散策する私には最後のオチが一番楽しかった!

No.6 6点 ポセイドン
(2010/07/20 23:59登録)
まぁ、ご苦労様と労いの言葉をお掛けしたい。

No.5 8点 seiryuu
(2010/07/17 17:59登録)
面白い。
この作者 いい意味でバカだよ。
ミステリーとしては?だけどバカミスで納得。

No.4 2点
(2010/03/30 12:54登録)
作者のバカミスに対する情熱と努力に心から敬意を表します。
普通のすぐれたミステリなら作者の苦労は意外に理解できないものなのですが、この作品は本当にわかりやすく、そこは評価できるところです。また読みたくなるような作家さんですね。

でも話はぜんぜん面白くありません(「四神」以下かも)。それが唯一の欠点。そこをクリアしてくれたら文句なしですね。

No.3 6点 シーマスター
(2010/02/12 20:19登録)
純バカ度は「四神~」の方が高いと思うが、本作をバカミスの一言で片づけてしまっては作者も浮かばれない。(ご活躍中です)
謹んで技能賞、並びに敢闘賞を授与しよう。(おまえは相撲協会の理事長か)

まぁ、故A先生も褒めてつかわせてくださることでしょう。

No.2 2点 makomako
(2009/12/23 19:17登録)
これはぜんぜん私の好みではない。トリックのみの小説は数学の問題集みたいなものだ。当然ながら登場人物の人間性など無くただの問題の数値のようなもの。トリックと伏線だけの小説とは私にとってはうそつきのいうこと長々と聞いているようなもので願い下げですな。この作者の評価が高い方もおられるがこういった小説はどうしても好みがはっきり分かれるところなんでしょう。

No.1 8点 江守森江
(2009/11/21 03:56登録)
※一部ネタバレの危険あり!
(読了後に、この書評を読んで脱力して下されば幸いです)
全編に渡り“戦闘”的に騙しに向かい疾走している!
バカミス・マラソンの“先頭”をひた走り、作者自ら著作リストにバカミスマークを付す拘りには開いた口が塞がらない。
「作者のことば」からタップリと仕込んだ五段仕掛けな構成には脱帽する。
半分過ぎで明かされる“先頭”の仕掛けは最も脱力感があり、最後の仕掛けの伏線でもある。
二段目の仕掛けは「この書評」にも組み込んでみた(笑)
三・四段目の泡坂的仕掛けだが、今回は徹底されず手抜きが感じられバカミスにマッチしている。
更に三段目から四段目に至る偏執振りは凄い。
そして、最後の五段目で再び脱力をもたらしながら“先頭”に還って幕を閉じる。
仕掛けの解説がやや冗長とは思うが、バカミス界を“先頭”で駆け抜ける作品で満点(8点)を献上する!!

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