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ミステリの祭典

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11枚のとらんぷ

作家 泡坂妻夫
出版日1976年10月
平均点7.27点
書評数41人

No.41 5点 take5
(2023/07/29 11:13登録)
奇術という記述、
時代が感じられますねえ。
作中作品の伏線回収×11は、
よく練られているとは思いますが
感動はできず、
犯人のWhyはそこまでこだわる!?
という感想で、
私は結局リアルな人間ドラマが先で
ミステリーを捉えていると
再確認した次第です。

No.40 6点 みりん
(2023/07/25 17:04登録)
ロジックよりトリック派の私は断然「乱れからくり」の方が好みでした。

作中作でおお!って思ったマジックは「予言する電報」と「パイン氏の奇術」ですかね

No.39 7点 じきる
(2021/09/04 22:12登録)
マジックど素人故ストーリーに乗り切れなかったのと、視覚的にややイメージし辛い部分がありましたが、作中作を活用した構成美とさりげない伏線の配置は流石です。

No.38 8点 クリスティ再読
(2021/04/07 18:59登録)
角川文庫の解説は松田道弘氏、というのが愛だ。20年ぶりくらいの再読だが、作中作のマジックのネタは頭に残っていたのだろうか、結構ピンと来たなあ(すまぬ)。だから今回はかなり客観的に読めたようにも思う。
そうすると、前半のマジックサークルのてんやわんやの発表会、後半の世界国際奇術家会議のマニア味溢れる面白さでなかなか満足してしまった。著者のマジックへの愛がこれでもか、というくらいに溢れているあたりに評者は感動していた...
だからというか、意外に不評な犯行状況の真相だが、これは著者のミステリへの愛をマジックへの愛が上回った結果のように思うのだ。評者は悪い印象はないよ。

どうなんだろう。昔って「ミステリとマジックは、ファン層が重なっていて..」とよく言われていたのだが、言うほどには「カブって」いない印象があったのは事実だ。評者でもミステリマニアは昔からだが、マジックは最近に別方面で必要に迫られて、参考のためにいろいろ知識を仕入れた、という程度の話だ。今はマジックの動画もネットで色々見ることができて、ショーとして楽しんでもいるわけだが...いや、皆さんのお書きになられたご書評を見るかぎり、泡坂氏や松田道弘氏みたいなミステリ&マジックという方は、やはり少数のようにも思われる(空さんはご造詣が凄そうだが..)
マジックの要諦は「不意打ち」にあるからね、「もういちど演じて!」と観客に要求されても、絶対に応じちゃいけない。読み終わった後で再度分析して書評を書くなんていう行為自体が、マジックから見ると愚の骨頂かもしれないよ。

No.37 8点 好兵衛
(2018/10/31 11:32登録)
『ネタバレ含みます』
個人的には、非常に面白かったです。
長編の中に短編が組み込まれているのが斬新で。
それが、ただの短編謎解きや衒学だけでなく
全体的には犯人に至るヒントが散りばめられているところが
スタイリッシュでしびれました。

個人的には、短編集としても十分楽しめ、泡坂さんは
読者を楽しませようという気概にあふれているな、と感じました。

叙述は、毎度分からないのですが。
それ以外のロジカルな部分のヒントも好みでした。
偶然性が、関わってくる所。登場人物の供述がギリギリ。
あと、犯人がとっさにやったマジックが、さくらだと思っていたのですが
さくらじゃなかった部分、ピカピカバック持ってなかったらどうしたのだろう?とか…
それを、加味しても。大事にしたい一作。

No.36 7点 tider-tiger
(2017/12/23 10:24登録)
奇術に魅入られた人々を軸にして凝った構成で愉しませてくれた作品でした。
評価が分かれるのは理解できます。本筋の殺人事件は無理が目立ちます。特に殺す必要があったのかは大いに疑問です。また、他にあのことを知っている人間がいるのか確かめたかったと犯人が考えたのはこの場合は当然のことですが、そのための小細工はいいちこさん御指摘のとおり大いに疑問有ります。
また手品に関しての不要な部分が多すぎるのは事実でしょう。自分は楽しく読んだのですが。騙す快感、騙される快感、仕掛けを見破るための思考過程(自分はいつも消去法をメインとしております)など奇術とミステリは親和性が高く、作中作に関しては短編ミステリとして、奇術の仕掛けを見破る愉しみもありました。
人物の書き分けは二組の日本人夫婦(特に夫)に関してやや混乱がありました。人物描写はある程度捨ててしまって問題のない作品だと考えておりますが、各人の奇術への傾倒ぶり、その姿勢の違いはもう少し丁寧に書いて欲しかったかも。麻雀にはその打ち手の人生観のようなものが如実に表れると思うのですが、本作では奇術を通じての人物描写をもう少し試みて欲しかったように思います。フィロ・ヴァンスのような心理的推理がけっこう好きなものでして。
幻の奇術師が絡んでの事件全体の構図はけっこう好みです。
奇術の世界大会?の場面が愉しそうでとても良かった。
白状してしまうと、「ビビデバビデブウ」は愛い奴とまでは申せませんが、なんとも憎めない奴ではあります。子供の頃に従妹がよく替え歌を歌っていました。

No.35 5点 ねここねこ男爵
(2017/11/25 14:13登録)
昔イギリスの田舎の人がロンドンで初めてシェイクスピアを観た時「諺ばかり出てくる」と言ったそうな。これは逆で、シェイクスピアの芝居のセリフが諺になったのだ。

本作を読んで上記のエピソードを思い出した。この時代にこれ程の、というのはあるが…
他の方の評価の通り、非常に魅力的な犯行現場の謎からの残念な真相。また作中作が高評価だが、スレた人は仕掛けを容易に見破るだろうし、(重要な構成要素なのだが)手品の話題は本筋と無関係なものがとても多く、「ミステリなのに手品の事もたくさん知れて楽しい!」か「いや手品薀蓄とかいらないから。ムダに長くてウゼぇ」で分かれそう。

それから、時代のせいか読みにくい部分が多い。例えば事情聴取を舞台の控室でやるのだが、上演中の舞台のセリフが何故か会話に唐突に紛れ込む。「ビビデバビデ、ブウ!」とか。一瞬会話なのか何なのかの判別を迫られ異常にストレス。わざわざ書いてる以上、『舞台の音声が控室にも聞こえる』のがトリックの伏線なのかと思ったらなんにも関係なかった。ならばせめて二重カッコにするとかあるでしょう。これがユーモアのつもりらしいのだが、思い切りスベっている。なんのこっちゃと言う人は読んでください。

構成の妙味、手掛かりの置き方、構造の転換など素晴らしい点も多いが、トータルだとこのくらいで。正直、評判に引きずられた過大評価の感あり。

No.34 8点 まさむね
(2016/07/24 19:02登録)
 第一部は、マジック愛好グループの発表会が舞台。ここで事件が発生。第二部は、マジックに関する11の掌編で構成される作中作。第三部は、世界国際奇術家会議が舞台で、犯人を含め、種々の謎が解明されていきます。
 まずは、構成がお見事。第二部の作中作だけでもなかなか楽しめるのですが、当然、ストーリー全体に重要な意味を持たせています。捻りも効いていて、ラスト直前まで目が離せません。泡坂マジックを堪能させていただきました。
 犯人が行なった現場への細工については、合理的に考えればリスクが大きすぎてやらないのではないか…といった疑問もないではないのですが、それは野暮な感想なのかもしれません。
 個人的には、乱れからくりよりも好印象。

No.33 8点 青い車
(2016/02/21 17:53登録)
真ん中に挿入されている掌篇それぞれのカード・マジックのタネがどれも秀逸です(特に相手がはめられたと気付かない心理トリックは出色)。そして、そのすべてがしっかり事件の鍵を握る伏線となっている無駄のなさもいいです。とぼけたようなユーモアから緩いタッチの作品かと思いきや、意外にも緊密な部分もあり、気が抜けません。作者の柔軟な発想によるトリックの創造力が味わえる傑作です。

No.32 5点 いいちこ
(2016/01/25 15:08登録)
1個の作品として独立可能な11編のショート・ショートを作中作として組み込んだ長編本格ミステリ。
作中作には、やや強引な箇所もあるものの、容疑者を限定する材料がさりげなく散りばめられている点が巧妙。
一方、犯人が「11枚のとらんぷ」を利用した動機は、それによって容疑者が限定されるという致命的なデメリットを考えれば、やや不可解と言わざるを得ない。
また、ミステリ・パズルのような乾燥したストーリーテリングは、キーとなる登場人物が多く、かつ視覚的なイメージが重要である本作のプロットとの親和性は至って低い。
以上、プロットの組み立てに巧妙さ・斬新さが感じられるものの、作品の完成度としては今一つの印象

No.31 5点 パメル
(2016/01/18 18:55登録)
文章で書かれた奇術と呼ぶべき作中作はもとより
マジックショーの描写や奇術の歴史についてかなりの分量が割かれ
殺人事件の捜査はなかなか進まず退屈な時間が流れる
また作中作と殺人事件との関連性が局所的だという不満が残る
評価の高い作品にこのような点数をつけるのは心苦しいが
「世の中にはこのような感じ方をする読者もいるのだな」と
思っていただければ幸いです

No.30 8点 ロマン
(2015/10/21 09:52登録)
奇術師たる作者の本領発揮となる作品。 華やかなショーと裏腹にトラブルにまみれた舞台裏。そして起こる殺人事件は本書と同名の同人小説が小説内小説を通して殺人事件が明らかになっていく。 さながらマジックのように目を奪われていると最後の解決にはすべてが繋がりはっとする。 内容的には短編集半分なのだが全体を通すと非常に軽快なミステリーとなっており楽しんで読み進めることがて来た。

No.29 7点 あびびび
(2015/07/03 18:24登録)
全編マジックショーを見ているようで楽しめたが、〇〇症による犯人断定はうーんと唸ってしまった。しかし、その後、さらに意外な展開が…。

いろいろな奇術の種明かしをしてくれたのはおもしろかったが、袋の中に入った人間が脱出し、観客の後ろから登場して驚かす定番の奇術。それをやり遂げるにはマジッククラブのほぼ全員の協力が必要…には思わず笑ってしまった。不思議を演出するには、手間も暇もかかる。

No.28 8点 斎藤警部
(2015/06/04 17:13登録)
こりゃあ面白い! マジックとミステリー、そこにユーモアを注入、まるでドラマ「TRICK」の様な世界ですね(ユーモアはこっちが良い意味でぐっと緩いけど)。 殺人に使われたトリックは何気に記憶が曖昧ですが、作中作「11枚のとらんぷ」で何気無く触れられる犯人特定の”手掛かり”は印象深く、忘れられません(すぐピンと来ちゃいましたが)。 コージーなのも、こういう腹に一物ありそうなやつは好きだ。 最後の、国際マジックコンベンションでのシーンもなんだか心に残ります。謎が解けても放り出さず、小説をやさしくきちんと締めていますね。

No.27 8点 虫暮部
(2014/10/16 20:28登録)
 色々強引に感じる部分はあるが、ロジカルなパズラーを成立させるための御都合主義としては許容範囲内。
 「砂と磁石」「見えないサイン」の、トリックに関する知識がある奇術家ゆえに引っ掛かるトリック、という構造が面白い。

No.26 7点 名探偵ジャパン
(2014/08/14 21:51登録)
突然、角川文庫の新刊として出ていたので購入した。
第一部の、昭和の匂いがぷんぷんする(今から見るとギャグシーンもスベってる感があるが、笑いのサイクルは異様に早いので、これはやむなし)マジックショーのどたばたぶりに、ちょっと辟易してしまったが。(しかしこれも後に伏線に・・・)
第二部の作中作からは一気に読ませる。しかしこれはミステリとしての出来映えというより、奇術師たる作者のスキルによるものなので、これ一回こっきりしか使えない技ではあるが。
そして全ての伏線を回収して収束させる、見事な解決の第三部へ。ただ、ミステリ初心者さんも触れられている、晴江のあの発言は、私はギリアウトだと思う。

No.25 8点 アイス・コーヒー
(2014/06/21 18:33登録)
マジキ・クラブなるアマチュア奇術クラブを巡って起こる、奇術にまつわる見立て殺人を描いた本作。最初から最後までまさに奇術尽くし。
見どころはやはり作中作「11枚のとらんぷ」だろう。奇術に関するトリックを小説風にまとめた短編集というこれは、各々が面白くてよく出来ていた。確かに実演は難しそうだが、そこが推理小説においての騙しの面白さだろう。
本筋の物語では、この作中作を見事に利用して殺人事件の真相を解き明かしていく。張り巡らされた伏線といい、犯人当てのロジックといい、本格ならではの楽しさが堪能できる。
しかし、重要な役割を占める作中での奇術のトリックなど、視覚的なイメージが思い起こせないと分かりづらい部分があり少し残念だった。(この問題は「しあわせの書」にて克服される。)
著者のマジシャンとしての才能を存分に発揮し、凝りに凝って書かれたという点で、驚くべき作品。そして、ユーモアも忘れない著者には感服。

No.24 9点 ミステリ初心者
(2014/05/02 23:50登録)
ネタバレがあります


 論理によって犯人を当てられる、本格度の強い推理小説でした。 読みやすかったし、作中作も短編として面白かったし、作中作がしっかり犯人当てに組み込まれているし。 いうことなし。 
 ヒント・ミスリードもたくさんあり、読み返しても面白い!

 不満点は、
 殺人とは別に事件が未遂に終わる(被害者が犯人を殺そうとする)。 
 被害者の写真は解釈に難しいと(自分は)思いました。 ただ、これらは結局犯人当てを邪魔するものではないと思います。
 
 晴江?さんの、被害者に対する発言・・・たしか、きゃっきゃきゃっきゃ言ってた とか。 あれはかなり際どいと思いますが。 

No.23 8点 ボナンザ
(2014/04/07 15:52登録)
初期三部作では1番好きな作品。作中作もユニークで、全編マジシャンである作者ならではのアイディアが豪華に盛りつけられている。

No.22 7点 TON2
(2012/12/19 20:45登録)
創元推理文庫
 マジッククラブの会員の一人が書いた奇術のネタを題材にした連作短編小説が中に入っていて、その内容がトリック解明の鍵となる入れ子構造になっています。
 全編奇術だらけです。奇術には必ずトリックがあります。その巧妙さ、奇抜さと、演者の熟練したテクニックが不思議を演出します。
 演者と相対して見せてくれるテーブルマジックを見てみたくなりました。

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