好兵衛さんの登録情報 | |
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平均点:6.20点 | 書評数:99件 |
No.99 | 6点 | 碆霊の如き祀るもの 三津田信三 |
(2019/10/27 15:55登録) 私にとっては特別な言耶さんシリーズ、毎回新作を楽しみにしています。 今回は密室4連発!最初に怪談もついており色々とボリューミーです。(評価が分かれるところかと) 1~4につれてどんどん面白さが減っていく感じ。 一番最初の密室が状況も斬新でなかなか面白かったです。 どうやったかが一番ですが、犯人当てとしても機能しているかな? 2番目は、状況がフワッとしていて緩いと言いますか。 誰がやってもできそうですし、どうやったかが重要で面白いんですが。 そのどうやったかを考えるまでの土台が緩いというか、推理するには もう少しヒントなり、選択肢を絞れる状態まで持って行ってほしかったです。 3、4は目新しい感じはなかったです。 事件以外にも、怪談にまつわる謎や碆霊様にまつわる謎なんかもありますが。これは毎度のことで、こうじゃないかなと想像するのが楽しい程度でしっかり推理するのは事件だけかな?と思いながら楽しんでいます。それに対する言耶さんの推理ももう少し沢山見たかったです。 いつも、落ちみたいにある怪奇ですが…今回は少し投げやりでは? それでも、この雰囲気と三津田氏の読みやすさに毎度楽しませてもらっています。 |
No.98 | 7点 | インシテミル 米澤穂信 |
(2019/10/27 15:35登録) 映画の方から先に観てしまい… 後悔しました、先に原作読んでおくんだった。 バトルロワイヤル的展開で、推理要素があんまりないのが「映画」 バトルロワイヤル的要素を見せつつ、骨組みがしっかりした本格推理小説なのが「原作」です。好みに合わせて楽しんでください。 クローズドサークルであり、サスペンス要素満載で文体も読みやすく。 それでいて、しっかりとした本格も楽しめる作品。 特に犯人がおこなったメイントリックと、誰でも犯人や探偵になれるといった状況が面白かったです。 推理小説をあんまり読まない人にもおすすめできるんじゃないでしょうか。 ネタバレあります↓↓↓ 最初の自殺は、ガードが銃を使うという模写を入れてほしかった。 安藤というキャラクターが、色々凄い。ちょっとブレすぎでは。 犯人の自由自在の駒になりさがりすぎじゃないかな?面白かったけど。 |
No.97 | 6点 | 首無館の殺人 月原渉 |
(2019/10/24 21:54登録) 昔ながら?のこてこてな雰囲気がたまりません。 主人公が記憶を失っており、どこか幻想小説的でもあります。 ただ、雰囲気がいいだけあってもうすこしおどろおどろしさというか、味付け。館や一族の因果などボリュームをプラスしてもよかったんじゃないかな?と思います。この時代物によくある粘り付く感じというか。 思ったより、殺人がサクサクと進み。残酷な殺し方なのに、さっぱりとした人々の反応のコントラストが少し違和感を感じました。話しのテンポがサクサクなのかな?探偵もサッパリというか機械的。あくまで、好みの話です。 何がやりたかったか、と言う部分が目を引き斬新で面白かったです。 小作りではない、意欲作。ひとつの作品を通してこれをやってやろうという一貫性が好きです。首無しでここまで勝負!みたいな。 新しい作品みたいなので、この古い時代の雰囲気の続編を楽しみにしてます。 |
No.96 | 7点 | 鳴風荘事件 綾辻行人 |
(2019/10/24 21:06登録) 個人的には、前作より好みです。かなり楽しめました。 このシリーズは解決までのヒント提供がとても丁寧で 推理するまでの土台のそろえ方、どこを推理すればいいかが 分かりやすいです。考えどころが。 探偵がかなり丁寧に提供してくれています。 一番大きな謎(事件)のトリックというか考え方が好きで。 方向性が、本格なんだけど少し斜めを行っていて 綾辻さんらしくちょっとひねくれているなぁ と思いました。 ↑ほめ言葉です。 このシリーズ読みやすいし、本格色強いので続編書いてくれないかな・・・ |
No.95 | 6点 | 殺人方程式 綾辻行人 |
(2019/10/24 20:40登録) 楽しめました。 大分こてこてと言うか、本格といったイメージ。 (館シリーズとは、またイメージが違って斬新!) 続編もそうなんですが、解決までのヒント提供が 自分的に、とってもフェア。 ギリギリのところまで提供してくれていて、丁寧 解決までにふわっとしているところがない、 とんでもミステリみたいな、想像できないようなものではありません。 贅沢を言えば、本格度が高いので挑戦状 あとは、図や挿絵を入れてくれるととてもありがたかったです。 絵を描きながら考えたのですが…ちょっと条件を把握しづらかったです。 |
No.94 | 6点 | ミステリー・アリーナ 深水黎一郎 |
(2018/11/14 23:57登録) 『ネタバレを含みます』 平行推理物と、多重解決ものは苦手なのですが (自分が推理する予知がなく、置いてけぼり感がある。) この作品は設定が面白く、 十分にその形式を楽しめるように作りこんであると思います。 苦手な人でも、読めるのではないかと。 こんな素敵な番組があったら、大晦日が毎年楽しくなるのになぁとか 夢想しながら読んでいました。樺山が面白い。 ところどころ、作者さんの代弁や衒学の深さなんかが分かったり 新しい作品なのでしょうか?最近のネタなども含まれていて、面白かったです。 やたら踊ったり、練習したりするバレリーナのタマさんには笑った。 ド本格を読んだ後に、肩の力を抜いて間に挟みたい一品。 *ただ、他書のネタバレはないのですが。 いろんな、ミステリの読み方というかトリックのネタバレが多いので ミステリ読み始めの方は、最初の方は手に取らないほうがよいです。 |
No.93 | 6点 | 六枚のとんかつ 蘇部健一 |
(2018/11/14 23:33登録) *私が読んだのは文庫版です。 最初の一話を見たときは、読み続けるのをやめようかと迷いましたが 二話目から、結構本格物であり、笑わせてくれる珍しいミステリでした。 頭の体操みたいで。 特に、表題作は前書き注意文いれなくてもいいんじゃないかな? よく出来ていると思います。 キャラクターや世界観がアホで好きでした。おえっ! 文庫版じゃないひどい方も見てみたい・・・ |
No.92 | 7点 | 屍人荘の殺人 今村昌弘 |
(2018/11/08 15:14登録) 『ネタバレ含みます』 読んでみると、こてこてなクローズドサークル物に パニックスリラー要素も含み、 読み物としてテンポもよく、だれない作品になっていると思います。 ミステリとしても本格度が高く、 文体はとても読みやすいうえ、説明も優しくて至れり尽くせり ミステリを読み込んだ人、読んで居ない人どちらにもお勧めできる作品。 最初の殺人では、不可解な状況からの大胆なトリック。 二番目の殺人では、端正なフーダニットが楽しめるかと。 初作で、意欲作なので色々と盛り込んであるところが嬉しいし、贅沢。 反面、ミスリードが多くそれに対する説明に対しての納得感が薄い。 (これは、個人的な感性や、好みも左右するんじゃないかな?と思います。) *最初の殺人が、事故。一連の殺人の中で、犯人が二人居る。 (最初は被害者が犯行に加担してる。) *顔が判別がつかないくらいに食いちぎられていたの回答が 至近距離で、キスしようとしたから。 (他の人たちも、至近距離で、顔を食い破られたりしているのですが、 顔だけ集中的にあとかたもないのは、進藤だけ。 進藤の顔を一定時間固定するか、 進藤が食い破られつつも抱きついて星川を固定ぐらいしないと こうならないのではないかな? ゾンビに噛み付く部分の指定はできないわけだし。 もしかして、一定時間抱きついていた? 凄いな・・・進藤。) *主観があえて、ヒントを隠している。関係ない犯行を隠蔽している。 (基本は好きではないのですが、本筋に関係ないので〇。 あまりいらないんじゃないかな?程度。好みで分かれるかと。) *最初の殺人では、密室にする「理由」がないと、 ホワイにこだわっているんだけれど。 二番目の殺人のホワイには、あまりこだわっていない。 わざわざエレベーターを使ったり、長時間の犯行を行う意味が 推理し得ない。ひるこ式で殺す方が簡単である。 (これも、殺人の質の違いを示す、ヒントだとは思うのですが。) *立波殺害の犯行時、犯人はかなり時間をかけて犯行を行っている。 銅像を移動したり、死体をひきづったり、銅像を拭いたり。 立波が、ゾンビになるまで二度殺すために 朝方まで長時間待ってたりしている。 ただその時、睡眠薬を、葉村、重元、七宮は飲んでいなく。 犯行が途中で目撃されてしまう可能性が高くかなりリスキーな 殺し方ではないかな?と、穴を感じる。 (実際、葉村は出目の部屋まで移動したりしている。) 自分の読みもらしや、好みもあるかもしれないのですが、 ここらへんが、ちょっと腑に落ちなかった点です。 これらがあっても、本筋の犯人あて、どうやったかはしっかりできますし。 ひるこさんの推理にも、無駄はなく、スマートです。 個人的には、第二の殺人の犯人当てが一番評価が高く。楽しめた点でした。 フェア度が、とても高く、難易度がとても丁度いい。 これだけ、細かく読めたのはこの作品の本格度が高く読みやすく 推理する余地やヒントが多岐にわたって盛り込まれていたから。 2018年に、こてこてな本格ミステリが こうやって、本屋の前列にピックアップされていることを本当に嬉しく思います。 ひるこさんvs明智さんで。ガチガチのミステリオタク推理を ひるこさんに、論破されまくる明智さんとか、見てみたかったなぁ。 続編に期待してます。 |
No.91 | 7点 | 生ける屍の死 山口雅也 |
(2018/10/31 13:42登録) 『ネタバレあります』 7・5点くらい。 世界観が面白く、キャラクターも個性にあふれていて ストーリーも読みやすかったです。 舞台設定が、SFでも、ファンタジーでも しっかりとそのルールが提示してあり、 謎解きが出来るようになっているならばOKです。 この作品は、そういった問題の提示と、答え合わせがしっかり できる作品だと思います。 死者が蘇るという、設定が面白く。 グリンの死から、ある程度死者が割り出せ…そこから…と 芋づる式に推理を展開するのがとても爽快でした。 推理小説を読んでいるという実感。 ただ、謎解き前までは「何が謎」なのか全くわからず 読み続けていたのですが、 挑戦状的なものがあると、とてもいいと思います。 謎解き前に、じっくり、推理する価値はあります。 (私の場合は、先に読んでもくれた人にどこから、謎解きページか 聞いて、いったんおいて謎解きしました。) 動機面は、どうしても個人の好みが反映されてしまうものだと思いますが。 個人的には、とても面白かったですが、分かりやすかったです。 好みと相性の問題です。 犯人である、モニカが呆けが入った状態にもかかわらず。 福音書にちなんだ、脅迫状をわざわざタイプしたり。 ずっと屍状態を隠せていた事は、少しひっかかりました。 (立ち上がったりしそう) |
No.90 | 5点 | 不連続殺人事件 坂口安吾 |
(2018/10/31 12:43登録) 『ネタバレあります』 ミステリを読む最初の頃に読んでおいた方がよかったと思った古典。 文体は、個人的には読みやすく。 乱痴気騒ぎ的な登場人物や、現代離れした状況の雰囲気は大好物です。 人数もそんなに気になりませんでした。 ただ、一番大事な謎の部分が。 分かりきっているというか、驚きがあまりなかった。平凡な感じ。 もっと、謎があるのかと、これじゃないだろうと思って。 ずっと、解決編前に、考えていたんですが。ずばり、それで… 推理小説としては、すこし肩すかしでした。 共犯という時点で、やれることが、かなり広まり。 事件を追っていると、大体この二人にしか一連の殺人ができないことが 分かります。独創性も感じませんでした。 ただし、読んだ後なんとなくですが、忘れられなくなる作品。 書き手がいいのでしょうか…時代もいいのかもしれない。 |
No.89 | 7点 | 法月綸太郎の冒険 法月綸太郎 |
(2018/10/31 12:01登録) 『ネタバレ含みます』 だらだらと長くて、これ短編に出来るんじゃないか?という本が 結構ある中、 法月氏の本作は、小気味よくて、贅沢感あふれる作品でした。 前半と、後半のテイストが全然違うので。 前半系と、後半系の二冊に分けた方がよかったのでは? 死刑囚…一番好きです。法月氏の推理がものすごく細かく、 初期エラリーを読んでるような感覚でした 私には、解けなかったのですが。一番の動機が面白い。 黒衣… コレと同じ話(犯罪者の行動心理テスト?)を 前に聞いていたので。一番の謎が分かってしまっていました。 カニバリズム…雰囲気が、綾辻氏のフリークスみたいで好きです。 ワイダニットも、ちょっとした叙述も楽しめる 雰囲気のある短編。 図書館シリーズ…雰囲気がガラっと変わり。楽しくライトな作風。 個人的には、法月氏のキャラ変わりすぎてて。 人格崩壊したのかと(笑)こちらも読みやすくて好きです。 本が破り取られていた事件と。密室ものが個人的には好み。 20円のアンソロジーが欲しいです。 図書館シリーズで一冊。シリアスで一冊欲しかった。 ワイダニット個人的にはあまり、読まないのですが。 短編だったらすごく面白いなと、気付かせてくれた作品です。 |
No.88 | 8点 | 11枚のとらんぷ 泡坂妻夫 |
(2018/10/31 11:32登録) 『ネタバレ含みます』 個人的には、非常に面白かったです。 長編の中に短編が組み込まれているのが斬新で。 それが、ただの短編謎解きや衒学だけでなく 全体的には犯人に至るヒントが散りばめられているところが スタイリッシュでしびれました。 個人的には、短編集としても十分楽しめ、泡坂さんは 読者を楽しませようという気概にあふれているな、と感じました。 叙述は、毎度分からないのですが。 それ以外のロジカルな部分のヒントも好みでした。 偶然性が、関わってくる所。登場人物の供述がギリギリ。 あと、犯人がとっさにやったマジックが、さくらだと思っていたのですが さくらじゃなかった部分、ピカピカバック持ってなかったらどうしたのだろう?とか… それを、加味しても。大事にしたい一作。 |
No.87 | 7点 | しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 泡坂妻夫 |
(2018/10/27 18:59登録) 点数をつけるのに、非常に悩む… ストーリーも、一冊の本としても とても面白かったです。表紙も好き。分厚くないのもいい。 とても、上手くまとまっていますね。 個人的には、世界観(うさんくさい宗教もの)が好きなので お話も、トリックも楽しめました。 ↓ここから、ネタバレです____________________________ 本の仕掛けは、読んだあと、兄弟に指摘されるまで まっっっったく、気付きませんでした。凄い。 作者がもと、マジシャンだというのが、頷ける。 人と違った、斜め上の、見たことない小説だと思います。 だれか、食べた人いますか? |
No.86 | 7点 | 神様ゲーム 麻耶雄嵩 |
(2018/10/27 18:08登録) 麻耶さんが…ジュブナイル? 最初驚いたのですが、文体はとても読みやすいしページ数も少なめ。 子供向けではない所も多々あるのですが。 個人的には、 子供だからと言って、手を抜いているジュブナイル作品より 全然好きです。(少し子供を侮っている作品が多いですよね) ガチガチのミステリで来た、麻耶さんが好きになりました。 大人も、子供も楽しめる本格ミステリになってると思います。 自分は子供の頃読んでも、すごく楽しめたと思う。 ↓ここから、ネタバレです________________________________ ただ、最後の展開や、二通りの結末があったりするのは。 ちと難しいです。(主人公の推理だけでも、十分面白い読み物です) 麻耶さんだから、絶対最後になんかあるなとは思っていたのですが。 個人的には、主人公の推理のほうが納得がいくし。 あの、最後いるかな? Aでも、Bでも、可能な結論というのは、好みません。 お母さんエンドの方が、穴があると思うし… 作者の個性といってしまえば、個性なんですが。 そこらへんが、少し得点を引かせてもらってます。 主人公推理エンドなら、8点! ただ、二通りの解決があったから、 鈴木君のキャラクターに、なんとも後をひかれた作品。 |
No.85 | 7点 | ロートレック荘事件 筒井康隆 |
(2018/10/27 15:33登録) とても、読みやすく。 無駄なページがあまりないなと思った作品。 本の要所要所に、ロートレックの絵が挟み込まれていて、 作品の登場人物たちが見ている感覚で、 読者も絵画も鑑賞できるところがとても好きです。 推理小説って、建築物や、美術品の衒学か、 結構でてきたりするんですが、 うまく頭で想像しずらかったりするので、 こういう試みをもっと増やしてもいいんじゃないかな?と思いました。 ↓こっからネタバレです。___________________ 好きな作品で、ほぼ同じトリックがあったので驚きました。 こちらの、作品の方が見ると、古い… 少し、ショックです。 ただ、こちらのほうが、隠し方が易しく。 推理小説を何冊か読んでしまうと、少し易しすぎるんじゃないかな?と、思うほど文章の形式。 ヒント提供が。 においます。 もう、最初の数ページから。 逆に言えば、こういう形を一冊も読んでない方だと 相当のインパクトを残すのではないでしょうか? 見取り図は、個人的には大好きです。 ないくらいが、難易度てきにはいいと思いますが。 あったほうが、作品を面白くしていると思います。 |
No.84 | 5点 | 悪霊島 横溝正史 |
(2018/04/24 18:23登録) 4.5点くらい。 ミステリというより、怪奇ホラー小説に 少々の謎を入れ込んだ作品、といった印象。 同シリーズの作品でも、「獄門島」や「犬神家」「本陣」 などと、比べるとトリックや謎自体が小粒。 本格色 薄め。 解決までに、提示される謎の出し方があまり上手くなく。 読み進めると、ヒントやアリバイが後半にずらずら出てきて。 そろったころには、解決編に入っているという感じ。 線引きがうまく、なされておらず。 ドラマを見ている感じに近いと感じました。 気づいたら、謎解きに入っている感じ。 アガサクリスティーや、横溝氏みたいに 大量に作品を生み出す売れっ子作家は、後期はミステリとしては 薄味になってしまうのは、しょうがない事だとは思う。 この作品は、おどろおどろしい雰囲気。 横溝シリーズの醍醐味と言った。 戦後の雰囲気や、独特の怪奇、妖艶さなどを楽しむには もってこいだと思うので。 そういう雰囲気が好きな方は、読んで損は無いと思います。 本格色強めが読みたい方は、上のほうを作品をおすすめます。 |
No.83 | 6点 | 7人の名探偵 アンソロジー(出版社編) |
(2018/04/24 18:02登録) 短編作品って、とても点数をつけるのが難しく感じるのですが。 今回は、さらに、それに加えてアンソロジー。 大体、中古古本で推理小説買う貧乏な私が。 豪華な、推理作家メンツに、 本屋で衝動的に新品で買ってしまいました。 個人的に、面白かったのは。 麻耶先生と、有栖川先生。 さまざまな形の短編があるので。 どれか、自分の好きな形が、一つは見つかるのでは? 表紙もかっこよくて、皆何かしら持ってたりしている。 麻耶氏は、ヘビを飼っている?それとも作品なのか? __________ 以降ネタバレ __________ *「水曜日と金曜日が嫌い」麻耶雄崇 麻耶氏が一番バッターで、大丈夫か。 最初から、キレたとんでもない短編…なのかと思いきや。 結構コテコテで、本格で、館物で…私の好みでした。 犯人当てとしたら、とても難しいと思うのですが。 短編なのに、とても色々詰め込んであり楽しめました。流石。 *「毒饅頭怖い」山口雅也 山口作品を読んだことがなく、今回の短編で初めまして。 とても文章が読みやすく、すんなりと読めました。 落語調?というのが、初めてで語り口が面白く斬新。 肝心のトリックは、弱く。不思議な話といった感じ。 ですが、文章が面白く読みやすかったので 長編もチャレンジしてみたいです。 *「プロジェクト:シャーロック」我孫子武丸 読みやすい我孫子氏、今回もとても読みやすくすんなり読めました。 世にも奇妙な物語とかで、ありそうな、不思議系のお話。 と言った感じ。本格好みな自分には、ハマりませんでした。 前に、アンソロジーで読んだ時に、 我孫子氏の作品が、とっても面白かったので。 そっち系の短編を期待してしまったのかもしれません。 *「船長が死んだ夜」有栖川有栖 短編といえど、しっかり論理的に解決できる作品になっている。 有栖川先生はブレない感じがいいですね。渋い。 ロジック小説が好きな、私は、楽しめました。 解決前に、色々時間をかけて考えたりして。ページ数も丁度よかった *「あべこべの遺書」法月倫太郎 謎を提起して、解決編がある。と言う形ではなくて。 登場人物たちが、対話しながら、ヒントを提供していく。 といった、会話しながら物語が進んでいく。という、形。 水平推理?って言うのでしょうか。が、あまり好みではなく。 ヒントが、全部提供されたと思ったら。物語が解決していて。 法月親子がしている謎解きを、自分が客観的に見てる形でした。 自分も、一緒に、謎解きをしたかった。 *「天才少年の見た夢は」歌野昌午 サスペンスドラマっぽい。SF。 状況設定は、面白く。途中まで、真剣に謎解きしてしまった。 大きなしかけは、別にあって。少し被ってしまっている? これに、少々のロジックとかをいれて、長編を書いたら 面白い小説になりそうだなぁ・・・と思った。ドラマ的で。 皆死んじゃったけど。 *「仮題・ぬえの密室」綾辻行人 古きよきを懐かしむ。綾辻氏のノスタルジィ短編。 推理?小説??? 個人的には、ホラー入っててもいいから、フリークスみたいな なにかしらの、推理短編が読みたかった。 綾辻氏の久しぶりの短編、読みたかった。 ぬえの密室・・・あったとしたら、どっちでもいいから、 作品にして欲しい。短編読みたかった! 一番の驚き要素は、綾辻氏の奥さんだった。 そして、有栖川氏への愛が凄い。ほっこりとした、内容。 |
No.82 | 7点 | 陰摩羅鬼の瑕 京極夏彦 |
(2018/04/24 16:21登録) 京極先生の、百鬼夜行シリーズ。 私は、大好きです。 他には無い、 大事なシリーズとして毎回読ませてもらっています。 推理小説としては、私とは相性が悪く。 ミステリの祭典では、 評価が低くなってしまいがちですが。 今回のトリックと言うか、謎の部分は 私としては、大好きで。面白かったです。 面白いこと考えるなぁって感じで、 このトリックの、センスの良さが好みでした。 ただ、少し優しい気もします。 百鬼夜行シリーズ特有の衒学が少なく感じましたが。 所作から、比べるとライトな雰囲気になってきてる思います。 百鬼夜行シリーズの中では、 本格推理小説色が強いのではないかな? と思います。 以下評価参考 10~7 妖怪、ぺダントリー好き 京極氏のキャラクター 話しの語り口、雰囲気が好き。 京極氏ファン(もうやみつき)。 6~4 おどろおどろしい雰囲気を味わいつつ 謎、殺人もおまけ程度に欲しい人。 3~1 筋の通ったトリック、オチ。論理的な解釈結末 をこの作品にもとめてみる方。 本格を読むつもりで見る方。 |
No.81 | 5点 | シャム双子の秘密 エラリイ・クイーン |
(2014/04/05 19:09登録) 私としては、4.5点くらいです。 国名シリーズを、準に読んでいますが。 物語は一番面白かった。私の好みでした。 現実感から離れた、 怪奇的、冒険的な部分もありますし。 読みやすかったし、とても早く読んでしまった。 小説として、大分読みやすくなった気がします。 (帽子、白粉あたり、私は凄く読みにくかったので) 推理小説としては、ぬるかったです。 挑戦状つけなかったのも、 犯人断定できないからでしょうか? 物語の面白さ、プロットなどもあると思うのですが。 彼の持ち味って、そこではないと思っていて。 やっぱり、謎がないと。 推理小説じゃなくても、いいわけですし。 トランプのくだりは、面白かった。 そこしか、推理する要素が無かったかな。 短編ででも、まとめられたような気がします。 |
No.80 | 7点 | アメリカ銃の秘密 エラリイ・クイーン |
(2014/03/18 23:54登録) 面白かったです。 面白かったのですが、 肝心の犯人を断定するロジックが。 私には、細かすぎて分かりませんでした。 この一点、気づかれるか、気づかれないかは 人それぞれだとは、思いますが。 小説の文を一言一句逃さずに追っていないと。 犯人を特定できません。 つまり、 犯人を絞るのが、かなり一点ロジックだと思います。 エジプトも、この流れでした。 ただ、エジプトより状況が面白いのと。 細かい複線が、見られたので。 こちらの方が個人的には好きです。楽しめました。 ____________ 以下ネタバレです。 ____________ エラリーが最初から分かっていたのには驚きました。 あと、犯人の自殺は逮捕したときに止めて欲しかった。 身体検査とか、しないのでしょうか? (得点には、入れていませんが。) 読みながら、 後三人ぐらいは犯人候補(登場人物)に入れれるのでは ないかな?と思いながら読んでいましたが。 あえて、 あの人数に絞った、作者の挑戦的な態度が好きです。 |