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ミステリの祭典

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インシテミル

作家 米澤穂信
出版日2007年08月
平均点6.18点
書評数49人

No.49 7点 zuso
(2024/09/15 22:17登録)
ある施設の中に閉じ込められた人々が推理によって脱出する物語。
論理的な説得や物証を突き付けても理解しない人が重要な鍵を握っており、ミステリにおける「論理」や「証拠」の無力さそのものというテーマにまで踏み込んだところに、この作品の良さがある。

No.48 6点 みりん
(2023/01/29 11:48登録)
デスゲーム&ミステリ作品

No.47 9点 じきる
(2020/08/23 21:56登録)
設定といいストーリー展開といい、私のストライクゾーンど真ん中で非常にワクワク出来た。
個人的にこういう趣向の作品は大歓迎。

No.46 7点 好兵衛
(2019/10/27 15:35登録)
映画の方から先に観てしまい…
後悔しました、先に原作読んでおくんだった。
バトルロワイヤル的展開で、推理要素があんまりないのが「映画」
バトルロワイヤル的要素を見せつつ、骨組みがしっかりした本格推理小説なのが「原作」です。好みに合わせて楽しんでください。

クローズドサークルであり、サスペンス要素満載で文体も読みやすく。
それでいて、しっかりとした本格も楽しめる作品。
特に犯人がおこなったメイントリックと、誰でも犯人や探偵になれるといった状況が面白かったです。
推理小説をあんまり読まない人にもおすすめできるんじゃないでしょうか。

ネタバレあります↓↓↓
最初の自殺は、ガードが銃を使うという模写を入れてほしかった。
安藤というキャラクターが、色々凄い。ちょっとブレすぎでは。
犯人の自由自在の駒になりさがりすぎじゃないかな?面白かったけど。

No.45 6点 パメル
(2019/08/20 01:27登録)
常識外れの高額時給につられて、正体不明の施設の地下に一週間隔離され観察されるというアルバイトに応募した12人が、次々と死んでいく中を何とか生き延びようとするストーリーで、「バトルロワイアル」に似た設定を本格で行えばこうなるのかなと思う作品。
ボーナスとペナルティーで参加者を煽るルールに、古典名作にちなんだ武器が挑発的な解説と共に配給され、一人づつ死んでいく展開で、参加者それぞれが疑心暗鬼になっていく心理状態が丁寧に描かれ惹きつけられる。
一つ一つの凶器や殺しのシチュエーションにミステリー的な趣向が凝らされている点は好印象。
もともと「機構」の観察下で進行する実験というメタフィクション的な構造がある。証拠を偽造するメタ犯人に、探偵役を煽動する犯人という「操り」構造があって真相は最後の最後まで見えてこない。
「クローズド・サークル」「操りテーマ」「叙述トリック」「語呂合わせ」を露悪的に極端化したような作品。

No.44 7点 斎藤警部
(2019/04/12 00:34登録)
平成を偲ぶ一冊。 普段は好きでないロジックのためのロジックめいたものも、こんだけ適所でカチャリカチャリとキメてくれると気分爽快この上ない。それだけじゃない物語全体を揺るがしそうな大きな深い謎もしっかり存在感キープし適時増殖。なかなかのユーモアがサスペンスと両立してくれたら、と前半は思いもしたが、むしろサスペンス味は消しといた方が本格に振り切った味わいに専念出来て良いのかも。めちゃ小粒な叙述トリックとか、中途半端な真相追及ロジックだとか、意外性やインパクトに縁の無い殺人トリックやらがチャカチャカ登場したけど、お話自体の大きさに包まれて満足でした。終結はちょっと、乱歩さんがわけわかんなくなってテキトーにチャーハン炒めてチャンチャンみたいだったけどさ、それすら味わったよ。

わたしは須和名さん好きです。最終コーナーの”計算”解決には萌えたなあ、麻雀みたいだった。滞っていたのは”お生◯”じゃなかったのか。。ベタベタのようで結構味わい深い黒幕側の構造を垣間見せて終わるのがいいね。結局いちばん共感した某登場人物の馴染みの古本屋って、もしや西荻窪の..

No.43 6点 バード
(2019/02/23 03:26登録)
氷菓との空気の違いに驚いた。一方で主人公、ヒロインのキャラ付けはなんとなく折木と千反田を思わせるキャラね。

続きが気になる書きっぷりで、一気に最後まで読んでしまった。話として面白かったということは間違いない。
ただし、悪い箇所も無いが、なんというか特別ほめる点もないというか・・・、加点ポイントが無い作品な気がする。このように思う理由を明確に説明できないからいちゃもんみたいになるけどなんかおしいのよね。
作品の華といえるトリックが無い?ただ成り行きで何人も死んだという感じか。ただ、凶器の説明のメモはミステリ好きほど「ああ、あれね」と楽しめるのではないかしら。私は未読の作品も多かったので、いくつか読み飛ばしたが。

No.42 6点 ミステリ初心者
(2018/10/31 16:26登録)
ネタバレをしています。

 この本を読む前に、テレビで映画をみてしまいました。しかも、ラストシーンだけを中途半端に見てしまった。かなり残念なことをしました。なので、中途半端にネタが割れた状態で読みました。

 設定がよく、引き込まれました。だれがどの凶器を持っているのか?を考えるのがたのしい。クローズドサークルはやはり楽しい。
 自殺の使い方がうまい。うまくミスリードされました。
 関水の自分の凶器の偽装が天才的。日数がたたないうちにあれだけのことが出来るとは。結城がメモランダムを見つけたとき、"タイプライターで打ったような"という記載があり、それを見逃してしまって悔しい。主人側が、凶器の偽装をさせるためにあえてワープロを用意させているのだと思うと、漫画のライアーゲームを思い出します。思えば、毒殺と薬殺は被っていて怪しいかったです。
 より多くの利益を出したいときは自分で殺し自分で暴くのが効率が良い、というのは盲点でした。ルールの裏をついていて、これまたライアーゲーム的です。

以下、好みでは無かった部分。
 実験的にも、小説的にも、最初の自殺はどうか? 関水のように、殺人してでも金が必要な参加者を募ったほうがよかったのでは。それとも、あまり殺人する必要が無い人のクローズドサークルでの行動を実験しているのか? さらに、自殺者が主人側の意図しない自殺の仕方をしてしまっている。これを推理するのは難しい。
 なぜはじめに全員の凶器を金庫に入れようとしないのか?(これは、護身用に取っておくということも考えられるが)
 急にIQが下がってしまう安東w

 続きがあったら買いますが、結城は次回の実験に絶対に出ないでしょうね・・・
 ごめんなさい岩井。僧正読んでいません・・・海外古典作品は翻訳が古くて読みづらくて(自分の読解力不足)。

No.41 7点 sophia
(2018/06/02 03:00登録)
だいぶ前に映画を先に観ていたんですが、内容をほぼ忘れたのもあって今回読んでみました。久々に評価の難しい作品ですねえ。作者がミステリー大好き、クローズドサークルもの大好きなのはひしひしと伝わってきますし、意欲作ではあります。私自身もクローズドサークルものは大好きで、特に「時計館の殺人」の舞台設定に似ている本作は大変楽しく読ませてもらったのは確かです。ただ、武器にメモランダムにカードキーにとアイテムが多すぎて混乱しますし、賢いキャラだった人物が終盤に突然どうしようもないアホな推理を披露するところや、探偵が間違った人物を犯人と指摘した場合に探偵は報酬減額されるのに助手はされないルール等にご都合主義を感じました。可もあり不可もありで7点というところでしょうか。

No.40 6点 青い車
(2016/05/20 23:00登録)
 クローズド・サークルが嫌いなわけではないのですが、「殺し合いをさせるため」に用意されたあまりに人工的な設定には抵抗があります。そのためかスリリングなはずの展開にあからさまなわざとらしさを感じてしまい、あまり恐怖にのめり込むことができませんでした。この作者の文章や登場人物の掛け合いには個人的に好感を持っていたので、惜しい作品です。初の米澤穂信作品としてはあまりお薦めできません。まずは『さよなら妖精』か『折れた竜骨』あたりを読むべきと思います。
 とはいえ、『僧正殺人事件』『Yの悲劇』『犬神家の一族』『緑のカプセルの謎』など、数々の名作のタイトルを知り興味を持つきっかけになったという意味ではとても思い出深い作品でもあります。

No.39 8点 ミステリーオタク
(2015/12/19 10:46登録)
下の方の「子供や阿呆に人気の」に笑ってしまったぜ
俺は阿呆だから途中ドキドキもしたし大いに楽しめたぜ(苦笑)

No.38 6点 風桜青紫
(2015/12/19 09:34登録)
嫌いじゃない。子どもや阿呆に人気のデスゲームものだが、そのガジェットを利用して謎解きの骨格を組み立てるって発想が良かった。デスゲームものとしては王道……っていうかベタで、そこまで楽しめるわけでもないけど、道具仕立ての上手さにはなかなか感心させられる。結末の盛り上がりも良し。しかしヒロインらしき女には終始腹立った。こいつにはトイレにいるところを、おはしで襲われるみたいな展開が必要だった。

No.37 6点 ボナンザ
(2014/07/18 20:14登録)
最初は結城の性格がDQNくさくて不安だったが、途中から気にならなくなった。登場人物に馬鹿が多いのが目新しところ。
最後のオチも予想はついたが。
えるたそも将来はあんな風になっちゃうのかな(笑)。

No.36 6点 E-BANKER
(2012/12/26 21:23登録)
2007年発表。映画化もされた作者の出世作。
ミステリー作家なら「クローズド・サークルもの」を書きたいという作者の思いが結実した(?)作品。

~「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給11万2千円がもらえるという破格のアルバイトに応募した12名の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それは、より多くの報酬をめぐって参加者同士が殺し合う「犯人当てゲーム」というべき趣向だった・・・。クローズドサークルを新感覚で扱ったミステリー登場!~

(ミステリーファンにとって)この趣向は実に魅力的。
クローズドサークルをここまで人為的に設定した特殊空間というのも目新しいし、そういう意味では徹底的に非リアリティに拘ったということかもしれない。
殺人事件だけでなく、主催者の真意やゲストの背景の謎、そしてサークル内のルール設定なども遊び心満載で、こういう作品のプロットを考えるのは楽しいだろうなぁという気にさせられた。
「そして誰もいなくなった」に始まり、古今東西の名作に登場する著名な「凶器」が一堂に会するというのも、ファンの心をくすぐられた。
ある意味一番の謎だった「須和名祥子」についても、ラストにサプライズが仕掛けられていて「ニヤリ」とさせられる。

とここまで肯定的なコメントを連ねてきたが、不満点があるのも事実。
まずは、雰囲気かな。
CCというと、登場人物がひとり、またひとりと訳も分からず殺されていくという緊張感や恐怖感が雰囲気を盛り上げる筈なのだが、本作はその辺りがかなり淡白(わざとかもしれないが)。
あとは、「詰め込み過ぎ」ということに尽きる。
いろいろな「?」がばら撒かれたため、1つ1つが薄味で、終盤かなり駆け足気味で解決される結果となっている。
登場人物と凶器の関係なんて面白い「謎」なのに・・・もう少し何とかならなかったかなぁ・・・

でも、トータルで評価すれば、作者のプロットの勝利だと思う。
こういう特殊設定を利用すれば、本格ミステリーもまだまだ開拓する余地があるのかなという気にさせられた。

No.35 6点 mohicant
(2012/10/15 23:01登録)
 海外の古典作品が話題に出てくるので、それらを知っていればもっと楽しめたと思う。

No.34 8点 itokin
(2012/03/05 15:49登録)
米澤さんは初めて。わかりやすく丁寧な文章でこの人の才能をうかがわせる。本格クローズドサークルに挑戦ととして書かれたみたいだが新感覚の発想が見られ全体にうまくまとまっており一級品評価をしたい。

No.33 4点 スパイラルライフ
(2012/02/19 22:07登録)
クローズドサークルものと期待したが、読みやすさが逆に一人、また一人と殺害されていく様が薄味。場の設定がアルバイト、とあるビジネスなど現実味が無いため、ストーリー性や必然
性が大事な方は楽しめないかも。私は前者のあっさり感が気になり採点は低め。
トリックは可もなく不可もなく。
記憶に残らない一冊。

映画で綾瀬はるかのキャスティングはいいなと思う反面、北大路はミスキャストだろ!そんな迫力などかけらもないオッサンじゃないか!と突っ込んでしまった。

No.32 7点 ようじろう
(2012/02/16 21:15登録)
ミステリが好きだと、こういうものはやはりいい。

しかし結末には疑問符が。

No.31 4点 いいちこ
(2012/02/15 17:52登録)
本格ミステリのコード進行を意図的に乱すような稚気あふれる試みは好感。
骨格とロジックは本格だしストーリーテリングも悪くない。
ただプロットが十分に練られていないため、後半から激しく失速しラストは尻すぼみ。
個性的な舞台設定を全く活かし切れていない。
加えて主催者・犯人の動機をはじめ圧倒的に説明不足。
結局何が書きたかったのか消化不良の感が否めない

No.30 8点 蟷螂の斧
(2011/08/19 10:35登録)
ハラハラドキドキ感があり一気に読むことができました。ラストの主催者側から主人公へのお誘いが気に入っています。

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