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ミステリの祭典

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殺人方程式
明日香井叫&響シリーズ

作家 綾辻行人
出版日1989年05月
平均点5.68点
書評数57人

No.57 6点 好兵衛
(2019/10/24 20:40登録)
楽しめました。
大分こてこてと言うか、本格といったイメージ。
(館シリーズとは、またイメージが違って斬新!)

続編もそうなんですが、解決までのヒント提供が
自分的に、とってもフェア。
ギリギリのところまで提供してくれていて、丁寧
解決までにふわっとしているところがない、
とんでもミステリみたいな、想像できないようなものではありません。

贅沢を言えば、本格度が高いので挑戦状
あとは、図や挿絵を入れてくれるととてもありがたかったです。
絵を描きながら考えたのですが…ちょっと条件を把握しづらかったです。

No.56 6点 ミステリ初心者
(2019/09/22 18:19登録)
ネタバレをしています。

 ずっと前に読了していて、当然書評を書いたつもりでいたのですが、いま見たところ書いていなかったようです(笑)。
 当時、綾辻さん=館シリーズ=○○トリックというイメージがあり、この作品を読んで驚いた記憶があります。また、主人公達のキャラクターが明るく、非常に読み易いのも良かったです。
 大掛かりなトリックですが、フェアに書かれていると思います。んなあほな的バカミス感は無いと思います。ただ私の好みは、このシリーズの次の作品ほうが好みではあります(笑)。

No.55 7点 HORNET
(2017/09/24 14:10登録)
 死体の切断理由、移動させられた理由など、猟奇的犯行と不可解な状況の「ホワイ」が納得のいく形、しかも丁寧な伏線の上で説明されていて、久しぶりにド直球の本格ミステリを楽しんだ。特に、死体移動の理由が秀逸な仕掛けに感じた。
 トリックは、スケールは大がかりで手口は細かい。詳細な仕掛け等は分かりようもない感じがしたが、大体「どこからどこへ」ということが看破できればまぁ満足、かな。何気ない描写にきちんと伏線がちりばめられていて、さすがだなと思った。
 犯人は分かったが、残っている最後の謎の真相にはちょっと面食らった。突発的で、脈絡のない偶然の犯行(?)という感じがして、あまりすっきりしなかった。探偵役が双子で、入れ替わって推理をすることも、特に必要な設定とは感じない。
 というように、やや不要な装飾がある感はするが、「謎解き」の魅力は十分。これぞ新本格、という作品だった。

No.54 7点 パメル
(2017/08/17 13:15登録)
犯人は何のために死体の首と腕を切断したのかという謎の理由に必然性があり説得力もある
また大掛かりな物理的トリックも実現性に関し身体の部位の重さまで慎重に調べられ図で示しながら論理的に解説されている点が好印象
またなぜ死体を移動させなくてはならなかったのかのホワイダニットや意外性のある犯人の正体のフーダニットも十分に楽しめる
何といっても一番驚いたのはこのサイトでの平均点の低さです

No.53 7点 名探偵ジャパン
(2017/07/28 22:51登録)
ド直球な物理トリックを駆使した本格ミステリ。であるところが、逆に作者らしくないという、綾辻の特異性を再認識させられる一作です。
では、この「殺人方程式」誰っぽい作品なのでしょう?
もしこれが島荘作であれば、「島荘、こんなものかよ」と言われ、有栖川作であれば、「ちょっと雰囲気違うね」と言われ、法月作であれば、「法月先生、また悩んでるの?」と心配されてしまいそうな気がします。
最近の作家ではどうでしょう。こういった作風を得意とするとなると、例えば小島正樹作だとしたら、「それにしては丁寧すぎる」となってしまうのではないでしょうか。
結局、この「殺人方程式」を書ける作家は綾辻行人以外にはいないのです。
(書評なのか? これ)

No.52 6点 虫暮部
(2017/03/18 11:08登録)
 共犯者に随分ハードルの高い行為を課している気がする。主犯と共通の目的意識を持つ者ならともかく、脅迫して動かしているだけの相手に首無し死体を扱わせるのは、私だったら不安。自分が同じことをした場合、びびって腰を抜かさない自信は無いな~。他にも、関係者が想定外の動きをしたら破綻しそうな箇所がチラホラあって、結構綱渡りな殺人計画である。

No.51 6点 nukkam
(2016/02/17 20:08登録)
(ネタバレなしです) 「緋色の囁き」(1988年)や「人形館の殺人」(1989年)といったホラー色の濃い作品を相次いで発表して本格派推理小説から作風変更か、と思わせましたが1989年発表の明日香井兄弟シリーズ第1作の本書は切断された死体が登場するもののそれほど過激な描写はなく、謎解きに集中した本格派推理小説でした。光文社文庫版では由良三郎が巻末解説を書いているのが興味深いです。作家デビューが1984年で、綾辻のデビュー1987年とそれほど大差ないのですが年齢では40歳近い差のある由良がどう評価したかというと、「これこそ新本格派の真骨頂」と大絶賛です。フェアプレーを意識した謎解き、こだわりのトリック、(方程式は私はよくわからなかったけど)丁寧な推理説明と本格派推理小説としてよく考えられた作品です。名探偵役の明日香井響のキャラクターがいまひとつ共感できなかったとか、終わり方にすっきり感がないとか、いくつかの点ではちょっと引っ掛かりますが謎解きの面白さを十分に堪能できる作品でした。

No.50 7点 青い車
(2016/02/16 22:10登録)
Amazonのカスタマー・レビューを覗くと、トリックが陳腐と上から目線で批判している人がいましたが、それは完全に的外れでしょう。確かにトリックは特に真新しいものではありません。しかし、本作の命がハウではなくホワイであることは少しでもちゃんと読めば明らかです。そして死体の運搬理由は少なくとも僕は体験したことのないもので驚かされました。良作だと思います。ただ、図解に無理に方程式を入れる必要はなかった気も。物理的に説得力を持たせるという狙いでしょうか?

No.49 6点 風桜青紫
(2015/12/29 03:26登録)
一般向けの刑事小説を書けと言われてこんなもんを生み出してしまうのはさすがアーヤと言うべきか。飛鳥井兄弟とかみーちゃんとかキャラも頑張ってる感があるんだが、やっぱり注目は「死体の切断理由」についての推理。切断理由だけをとって見ればありふれたものであっても、それがメイントリックと絡み、そこから犯人が解き明かされる。この構造がなかなかよく出来ていて、正直アーヤの作品じゃ一番本格っぽい楽しみかたができるんじゃないかと思います。こういうもっと読みたいけど、館シリーズの江南くんが「機械トリックなんかつまらん」と言ってくれてるから、アーヤ自身はあんまり好みではないのかも。残念。

No.48 7点 ロマン
(2015/10/21 07:06登録)
首なし死体、視線の密室、意外な犯人…と盛り沢山のミステリ。死体が苦手ですぐに具合が悪くなってしまう刑事、トンデモ推理を披露しまくる奥さん、弟のふりをして現場に出入りしまくる自由過ぎる双子の兄…とユーモアもたっぷりでテンポも良く、気軽に楽しめた。トリックはそんな馬鹿な…というような大掛かりなものだが、犯人のある事情と照らし合わせると、なるほど合理的と思える部分もあり、ただ無理矢理大物トリックをぶち込んだだけではないのは見事。『方程式』がまさに教科書に書かれているような『方程式』だったのにはビックリ。

No.47 7点 斎藤警部
(2015/06/17 23:51登録)
最後まで愉しく読んだ事と、頭部切断の切実な事情だけ憶えています。 あと、ちょっと島荘さんぽいトリックを使ってたような。。

No.46 6点 CHABI
(2015/06/04 22:35登録)
最後にもう一波乱あるのかなとも思いましたが・・・
面白かったです。

No.45 6点 ボナンザ
(2014/04/07 01:33登録)
ある意味、館シリーズよりも書くのが難しいのではないかと思わされました。
設定は一見社会派ですが、根幹のトリックは島田荘司ばりの大トリックで安心しました。

No.44 7点 メルカトル
(2013/11/14 22:22登録)
再読です。
犯人も死体切断の理由も分かった上で読み直したので、どうかなとやや不安だったが、やはり上質の本格推理小説であった。
氏にしては珍しく物理的トリックを駆使して、死体を○○させているのはお見事。図解も入って分かりやすく、まるで本格物の教科書のような印象すら受ける。
反面、「館シリーズ」のような独特の雰囲気が全くなく、文章も淡々としすぎていて、ワクワクするとかドキドキするといったミステリ特有の愉しさが欠けているのは大きなマイナス点だろう。おそらくそれが災いして、平均点の低さにつながっているのではないかと思う。
とにかく綾辻らしさがないので、氏らしいミステリを期待した読者には裏切られた感があったのではないかと感じる。だが、例えば他の作家がこれを書いたとしたらどうだろう。もっと評価が高くなっていたのではないかと私は思うのだが。

No.43 6点 バード
(2013/09/07 08:26登録)
アンフェア気味な館シリーズとは毛色が違いよくできたミステリでしっかりトリックと犯人を当てられる構成なのは見事。ちょうど高校生の時に読んで似たような物理の問題を解きまくっていたのを思い出し苦笑い。
ただ個人的な好みで館シリーズのような雰囲気のほうが好きなので評価はまずまず。

No.42 7点 makomako
(2012/03/21 18:11登録)
 久しぶりに再読。やっぱり本格物としてとてもよく出来た作品と再確認しました。物理トリックは何となく覚ええていたのだが、犯人は意外だったのにコロっと忘れていたので、またしても楽しく読みました。
 こういった作品では好き嫌いが出やすいとは思いますが、私はゲーム感覚で殺人をあつかうような登場人物が出てくるものよりははるかに好きです。
 実によく考えてあり、キズも少なく、トリックも無理がなく、犯人も意外で、どなたかが書いておられたように教科書的な本格推理小説だと思います。
 館シリーズより受けなかったせいか2作しか書かれていませんが、綾辻先生もうちょっと書いてくれないかなあ。

No.41 6点 スパイラルライフ
(2012/02/06 09:21登録)
明日香井兄弟の第一弾。
パズラー作品としては第二弾のほうが個人的には好きです。

初読当時は島田作品はほとんど手を付けてなかったので、大技というか人力パーマ○的なトリックには思わず吹いてしまった。

冴えない弟を変わっているがキレ者の兄がサポートする、逆浅田っぽい兄弟とその妻には、館シリーズにはない人間っぽさも感じられ、
構成もすっきりしているため、とても読みやすい作品です。

No.40 5点 蟷螂の斧
(2012/01/05 08:53登録)
解説にあるとおり、同年発表の「誰彼」(法月綸太郎氏)との比較が面白いと思います。題材が「新興宗教」「教祖の殺害」「首なし死体」「エレベータ」「双子」など共通事項が多いことです。本作の物理トリックは、それほどの驚きはありませんでしたし、犯人の意外性も同様でした。

No.39 6点 isurrender
(2011/08/08 23:23登録)
綾辻氏にしては珍しい物理トリック
作品内の探偵が言うように、トリック自体は過去の作品にもよくあるもの
でも、新本格らしい一工夫があって、悪くはないかなという印象
ラストをもう何かしら捻りを出してほしかったかな

No.38 7点 まさむね
(2011/01/10 19:58登録)
まさに,教科書的な本格モノ。
トリック&死体切断理由はかなり前の段階で察しがついたが,恥ずかしながら,犯人には驚かされた。
といっても,単に「驚き」のみを追求した作品ではなく,理論的な犯人当てが可能。純粋に楽しめました。
エピローグ読んだ後に,今一度プロローグ読み返したくなる辺りも大好物。
すごく目立つ作品ではないものの,良作だと思います。

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