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ミステリの祭典

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黒いトランク
鬼貫警部シリーズ

作家 鮎川哲也
出版日1956年01月
平均点7.55点
書評数40人

No.20 5点 蟷螂の斧
(2011/10/21 10:32登録)
当時のアリバイ崩しとしては、傑作でしょう。ただトランクについては複雑で、私のような流し読みでは理解できませんでした。ミステリーとは関係ないところで、好きな作家「石川達三」氏の”日蔭の村”が出てきたりして、懐かしい気分になりました。またラストの「ふるさとは遠きにありて想うもの」のくだりも気に入りました。

No.19 5点 isurrender
(2011/07/16 18:11登録)
確かにトリックは凄いのかもしれない
ただ、好みに合わなかった

No.18 6点 haruka
(2011/06/18 16:34登録)
これだけ複雑なトリックを破綻なく構築していることが凄い。鬼貫警部の地道なアリバイ捜査も読んでいて面白かった。ただ、小説ではなく、トリックの説明文を読まされているような気がしたのも事実。欲張りすぎだろうか。

No.17 7点 あびびび
(2011/03/21 01:20登録)
北九州あたりを舞台にした松本清張の本もあったなあ…と考えながら読んだ。昭和の時代が色濃く出て、どちらかといえば地味なアリバイトリックに手に汗を握る。

自分の中では相当におもしろいミステリという評価だったが、火曜サスペンスで鬼貫刑事役の大地康雄が終始頭に浮かんだ。あれはなかなかの名演だったのではないかと、彼の存在感に改めて敬礼…。

No.16 8点 seiryuu
(2011/01/25 16:58登録)
光文社文庫版を読みました。
トリックが緻密で面白かった。
渋い雰囲気も好き。
心情描写もぐっときました。
表やまとめが度々出てくるので、思っていたよりはわかりやすかったです。
人の動きはなんとなくわかったけど、トランクの方は最後までわかりませんでした。
すっかり騙されてました。
イニシャルとアイスキャンデー好きの医学生のアルバイト日記に笑いました。

No.15 8点 kanamori
(2010/07/28 21:19登録)
鮎川哲也名義では最初の長編ミステリ。
時刻表ミステリ(アリバイ崩し)ものとしては、屈指の傑作だと思います。派手さはないものの、鬼貫の前に次々と立ちふさがる巧緻な真犯人の犯罪計画の壁を突き崩して行く様は、パズラーの醍醐味を満喫できました。
容疑者や被害者など関係者を鬼貫の旧知の人物に設定しておきながら、人間ドラマにしないのは、いかにも鮎川らしい。

No.14 5点 nukkam
(2009/11/19 16:24登録)
(ネタバレなしです) 鬼貫警部シリーズ第1作の「ペトロフ事件」(1950年)やいくつかの短編が書かれたもののまだ知名度は上がらなかった鮎川にとって1956年発表のシリーズ第2作となる本書が出世作にして代表作とされています。「りら荘事件」と共に代表作として名高い作品ですが作風は全く違います。本格派推理小説ではあっても地道なアリバイ捜査の結果、犯人は自然に早々と見当がついてしまいます。その代わりにトリックは緻密で複雑、読者の評価もこのトリックで好き嫌いが分かれるようです。私は光文社文庫版の芦辺拓によるトリック解説を読んでも半分ぐらいしか理解できませんでした。探偵役(鬼貫警部)と被害者や容疑者が顔なじみというのが珍しいですが心理描写にそれほど力を入れていないのでこの設定は十分活かされたとはいえないと思います。

No.13 8点 いけお
(2009/10/28 01:52登録)
アリバイトリックものに対する見方を変えてしまうほど論理的。

No.12 10点 りゅう
(2009/10/06 15:59登録)
 非常に複雑な構成を持った犯罪であり、私は正解にたどり着くことが出来なかったけれども、大いに楽しめました。読んでいて、XトランクとZトランクがよくゴッチャになりました。謎解きに必要な材料はすべて提供されており、論理的に破綻がありません。文章も非常に読みやすかったです。

No.11 9点 E-BANKER
(2009/08/01 23:26登録)
鬼貫警部シリーズ。
大作家鮎川哲也の出世作であり、戦後日本のミステリー史に燦然と輝く作品なのは間違いない名作。
国鉄汐留駅でトランク詰めの男の腐乱死体が発見され、荷物の送り主が溺死体となって見つかり、事件はあっけなく解決したかに思えた。だか、かつて思いを寄せた女性からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの衣装の男が出現。アリバイの鉄の壁が立ち塞がる・・・
本作が、F.Wクロフツの名作「樽」にインスパイアされて生み出されたのは有名ですが、アリバイ作りの緻密さでは、本家を数倍上回っています。
確かに、今となっては、アリバイトリックの類型的な技法といえるものなのですが、発想自体が斬新! 鉄道・船を有機的に組み合わせた「人間」のアリバイトリックと、複数の「トランク」の動きが複雑に絡み合っており、作者の並々ならぬ能力の高さを感じさせられる、そんな作品です。
これ以降、「鬼貫シリーズといえばアリバイトリック」ということになるのですが、正直、本作を超える作品は生み出されなかったというのが本作のスゴさを象徴しています。
(鬼貫物では、古き良き時代の列車時刻表が登場するのも魅力的。今のJR時刻表の味気ないことと言えば・・・どうしようもないくらい)

No.10 8点 E
(2009/07/02 22:13登録)
依然読んだ「ペトロフ事件」よりは判り易く読めました(苦笑)
凄いですよ!!完成度が高く、トリックが一つ一つ解けていくのが正に「絡まった糸が解れていく如く」スッキリです!
「しっかり」出来ている作品ですね。

No.9 8点 江守森江
(2009/05/24 06:44登録)
確かに時刻表物だが、この作品の本質はトランクの移動を論理的に煮詰める所だろう。
トランクを別な形にアレンジしたと思われる作品も結構あるだけに本格推理の原点といえる作品の一つ。

No.8 10点 測量ボ-イ
(2009/05/03 16:42登録)
見事な論理トリックで、僕が鮎川氏にハマるきっかけに
なった作品です。事件が終戦直後と時代がかっているの
が、若い読者には抵抗あるでしょうが、そこがまた良い
です。
でも一部の方の評価にありますように、読者を選ぶとい
うのは否めないでしょうね。時刻表嫌いの方には確かに
勧められないです。

No.7 6点 itokin
(2009/01/01 15:56登録)
トリックの組み立てには舌を巻くというところか。しかし、読んでいてつかれた、「遺書」の項で救われた思いだった。

No.6 9点 makomako
(2008/08/30 18:37登録)
初めて読んだのが30年以上前。当時学生だったので時間が余っていたため表を作って読んだ覚えがある。クロフツの「樽」をしのぐと書評に書いてあったのでこれも表を作って読んだ。そうでもしないとトリックの意味が完全にわからないほど複雑。でもとてもよくできた傑作だと思う。時間がある人はぜひ表を作って読んでみては。

No.5 6点 白い風
(2008/04/15 00:25登録)
古典名作の一つですね。
戦後直後の鉄道ダイヤを使ったアリバイトリックです。
トリック自体はよく考えればそう難しいものではありませんが、実際読んでいると結構ややこしかったです。
この作品は好きな人とそうでない人の差がはっきりしそうな気がします。
私はちょっとパニックった方ですね(笑)

No.4 6点 vivi
(2007/06/05 02:35登録)
これも、古いな~(^^;
時代背景だから仕方のないことだと思いますけど、
非常にゆ~っくりと捜査が進んでいくのですよ。
今だったら新幹線でビューですけど。携帯電話ですぐですけど。
そんなもどかしい捜査も、鬼貫警部の心情などを思ううちに過ぎていき。
この1文が!という伏線の妙味も味わえました。

No.3 2点 tori
(2004/11/24 15:33登録)
「黒いトランク」感情移入できなかった。

No.2 10点 npn
(2004/04/20 19:32登録)
「黒いトランク」(創元推理文庫・光文社文庫)
トリックだけで勝負できる本格派推理小説の代表作だと思います。

No.1 9点 ギザじゅう
(2004/04/02 11:44登録)
『黒いトランク』(創元推理文庫・光文社文庫)
   鬼貫警部シリーズ
クロフツの『樽』正史の『蝶々殺人事件』に連なるアリバイ物の傑作!
正直言って上の二作のように死体が入れ物に詰められていて、犯人と何個もの入れ物の動きを追うとなると、頭がこんがらがってあまり好きではない。この作品も例外ではなく、トリックを完全に理解できたとは言い難い。
が、よく練られた巧緻なアリバイに、それを追う鬼貫警部、それを見てるだけでも充分面白い。時間を取ってゆっくり読むのがおすすめ。
創元版の英題が『Inspector Onitsura's Own Case』となっているのも、ファンにとって心憎い。

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