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ミステリの祭典

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QED 百人一首の呪
QEDシリーズ

作家 高田崇史
出版日1998年12月
平均点4.62点
書評数26人

No.26 7点 makomako
(2022/08/27 06:58登録)
高田氏の出世作にてQEDシリーズの第1作。
読んだのは20年以上前で今回再読です。
QEDシリーズはすべて読んでいますが、記念すべき第1作を読むとまだあまり付き合いが深くないナナちゃんとタタル、小松崎の3人が初々しく登場するのが楽しい。
初めて読んだときにも百人一首がこんなたくらみを含んでいる可能性があるなんてとびっくりしたものだが、これと殺人事件を結びつけるにはやはり大分無理はありますね。百人一首に関しては種本があるとの事ですが、本書の中にも触れており、参考文献にも上げてあるので私は問題ないと思います。
こういった薀蓄を読むのが楽しい人といやな人に分かれるのは当然でしょう。
私は大好きな方です。

No.25 4点 斎藤警部
(2020/04/23 11:30登録)
智恵と知識とバカの妙なる融合暴走!! 革命チックなようで微妙なアリバイ顚末。 犯人像も微妙。 中身も形もバランスおかしい。 文庫の解説陣、ちょっと無理してないか? でも愉しく読めました。 但しそれは久方ぶりに百人一首の歌世界に一気にドバァーと浸らせてくれた恩恵に多くを負う。(百人一首の謎解き自体は、まあまあ)

No.24 2点 いいちこ
(2017/09/05 09:28登録)
織田正吉の「絢爛たる暗号-百人一首の謎を解く」を既読の立場としては、この画期的な考察をベースに、さらなる新説の展開に期待していたのだが、著者のオリジナリティは百人一首が曼荼羅状に配置されているということだけで、それを成立させるにあたっては強引さも目立ち、何より面白みが感じられない。
これでは客観的に見ても「コピー」との誹りを免れないだろう。
一方、作風として著者が京極夏彦をめざしていることは明らかであるが、京極作品の凄味は一見して無関係と思われる事件や知見が収斂して、事件の核心を示唆する点にあるところ、本作は百人一首にかかる考察と殺人事件の解明が全くリンクしていない。
また、五芒星はじめ、叙述が親切すぎて、あるいは謎の底が浅すぎて、読者にすぐに看破される箇所も散見。
ミステリとしては、幻覚のような飛び道具を使用し、かつ真犯人が意図せざるサヴァンの存在をもって、偶然に不可能犯罪となったものであり、全く評価に値しない。
本作を読んで百人一首の謎に興味を持ったみなさまには、織田正吉の作品をご一読されることをお勧めする

No.23 4点 ボナンザ
(2017/06/03 10:07登録)
小説としてもミステリとしても今ひとつ。単なる作者の蘊蓄披露になっている。

No.22 4点 風桜青紫
(2016/01/25 06:21登録)
百人一首の謎解きについてはそこそこ読めるけども、なにも小説仕立てにする必要性を感じない。殺人事件に関してもトリックの発想自体は悪くないと思うが、事件そのものが百人一首の影に隠れているので、どうにもインパクトが薄い。演出もいまいち。パーツは悪くないけども、なんだか作者が小説を書くことに慣れてないように思えた。

No.21 5点 バード
(2013/05/11 07:29登録)
巻末の解説では現代の殺人がおまけていどになってないと書かれていたが正直おまけレベルだったと思う。真相についても特別な意外性はなかったし。
解決に至るまでの歴史的な話が少し長すぎて普通に読んでると中だるみせざるをえない。
内容的には3~4点くらいだったが今までまったく興味のなかった百人一首を少し覚えてみる気にさせてくれたので+αでこの点数。

No.20 8点 ナノ
(2012/12/13 03:48登録)
百人一首好きの自分にとって、ここまでピッタリな作品はありませんでした。
作者がやりたいようにやっている、この感じがとても好感を持てます。細部にまで手を抜かず、百人一首全首を載せたり歴史背景をしっかり解説したりという気配り。歴史好きの血が騒ぎました。
トリックの方も百人一首の語りに劣りますがある程度の筋は通っていましたし、個人的に印象深い作品です。

No.19 5点 TON2
(2012/11/07 18:12登録)
第9回メフィスト賞受賞作。
博覧強記の薬剤師・桑原崇(通称タタル)が、百人一首にこめられた謎を解きます。
主人公が京極堂のように膨大な薀蓄を語る作品ですが、短歌の解説があまりにマニアックすぎてついていけませんでした。

No.18 5点 STAR
(2011/06/20 16:06登録)
推理+歴史ものが好きです。
以前から気になっていたQEDを初めて読みました。期待しすぎたかも?
百人一首の話しはおもしろいけれど、全部の歌が出てくるので、けっこう長い。少々とばして読んでしまいました。それが殺人事件と結びつかない。無理やり結びつけたという感じが・・・。

No.17 5点 touko
(2011/04/03 22:17登録)
百人一首の歴史的な謎解き(これ自体は面白かったです)と、現在進行形の殺人事件が分離しすぎ。
フーダニットに直結させるのは難しかったとしても、せめて殺人事件の関係者が、百人一首の謎解きも完成させていて、その思考回路を探偵役が追体験する形にすればまだマシだったと思うんですが、なぜこんな構成にしたんでしょう?
単純な殺人事件なのに、百人一首抜きでも、苦しい解決なので、(百人一首に手一杯で)その他のことは余裕がなかったのかな。。

No.16 4点 ウィン
(2010/09/25 12:19登録)
少し期待外れ。
百人一首の謎がどうのこうのって部分は良かったと思う。
読んでて、なるほど…と思わされた部分が多々あった。
しかし、これはミステリーであるわけだから、それを上手くミステリーと絡めなければいけないと思う。
その点で少しミステリーとしては弱かったかな、と思う。
お互いが上手く混ざり合っていなかった印象。
そのため、ミステリーとしてはイマイチだった。
しかし百人一首の話としては上出来だ。

No.15 5点 nukkam
(2009/05/18 11:08登録)
(ネタバレなしです) 高田崇史(たかだたかふみ)(1958年生まれ)の1998年発表の桑原崇シリーズ第1作の本格派推理小説です。百人一首と謎解きを組み合わせたミステリーは山村美紗の「百人一首殺人事件」(1978年)や内田康夫の「歌枕殺人事件」(1990年)などいくつかあるようですが100首全部が引用されている作品は本書ぐらいではないでしょうか。文学史に疎い私には謎解きの面白さよりも読みづらさの方が上回ってしまいましたが、作者のこだわりは十分に伝わってきます。

No.14 1点 abc1
(2008/11/30 21:45登録)
みなさんの採点を見ると、評価している人は百人一首の謎解きの部分を評価されているみたいですね。でもこれは織田正吉が「絢爛たる暗号」の中で述べた説のパクリです。作者のオリジナリティはほとんどありません(いくつかの歌の配列をいじったくらい)。作者はまず織田氏の説を説明し、それから自説がそれとどう違うのかを述べるべきなのに、まるで自分で全部考えたような書き方をしている点が、最低限のモラルに欠けていると思いました。

No.13 2点 yoshi
(2008/03/22 00:28登録)
百人一首の解釈としては、既存の説の一部修正にすぎないし、説明が下手なので、読んでも大して百人一首に詳しくなれない。だが何と言ってもミステリ部分がお粗末すぎる。薀蓄とミステリが水と油のようで、一体感がなかった。

No.12 3点 gink
(2008/03/16 10:02登録)
『宗像教授伝奇考』的なものを期待して読んだが、あまり関係の無い殺人事件が冗長さを感じさせて読みにくかった。ミステリ小説の体裁にすることで逆に損してないか?無理やり講談社ノベルスから出さずとも、よく学研で見るような体裁に仕上げて直球勝負すれば、高田説がもっと面白く読める気がしなくもない。直球勝負がイヤなら鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』のようにごくごく薄味の人間劇を織り交ぜるとか。もっと上手い見せ方がある気がする。

No.11 2点 ぷねうま
(2007/09/29 07:12登録)
もうド直球で苦手な作品。普段どんなにつまらないと思ってもじっくり読むタイプなのだが、読み飛ばしまくってしまった。
ミステリ部分と百人一首部分の分離具合が水と油のようで、こんな中途半端なことするなら別々に出版すればいいのに、と思った。

No.10 6点 Dain
(2005/07/16 01:18登録)
殺人事件のほうは、びっくりするくらいただの事件でした。百人一首の薀蓄を楽しめるかどうかが勝負ですね。つっても、百人一首のことをほとんど知らない俺は、ただただ「ふ〜ん」という感じでしたけど。

No.9 6点 ギザじゅう
(2005/05/16 20:44登録)
百人一首の解決はお見事。ただし、作者には何の悪いところはないとは思うが、読む前に巻末の表を見てしまった。犯人の知っている推理小説を読む感覚。
ただし現実の事件はイマイチ。アリバイの証言者の一種の病気と言われてもなぁ。アイデアの着想が凄い、というところまでは行っていない。まぁ理系出らしいのか?
また歴史の謎と現実の事件のバランスにも不満が残る。五芳星とかバレバレだし。この程度だったら、歴史だけでもいいと思えてしまう。
どうも辛口のコメントになってしまったが、実際のところは楽しめた。

No.8 6点 ごんべ
(2003/07/18 15:05登録)
こう言うテーマでは読みやすさ(文章全体でなく、謎解きに関しても)が大切だと思います。
決して学術書ではないのだから…
ちょっと、解り難かったかな…
井沢元彦氏の方がそう言う点ではうまいと思います。
でも、キャラクターが微妙に記憶に残るので、続編(と言うか他の謎)を読みたくなりましたね。

No.7 5点 やじばら
(2003/07/14 06:50登録)
百人一首に関するうんちく(?)は好きなんだけど、登場人物のあだ名と事件に関する部分は微妙な出来。でも、採点以上に好きですけどね。

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