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ミステリの祭典

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告白

作家 湊かなえ
出版日2008年08月
平均点6.96点
書評数48人

No.48 6点 みりん
(2024/03/24 04:46登録)
売れっ子作家特有の抜群リーダビリティで約2時間で読み終わります。謎解き要素はほとんどありませんが面白かったです。




【以下結末を仄めかすような内容があるので未読の方は注意】




登場人物は嫌な奴しか出てこないけど、結末はイヤミスどころかスカミス(スカッとミステリ)ですね。
というか、本当に読了後に嫌な気持ちになるミステリだとしたらこんなヒットしないと思う。

追記:これを読んでスカッとするの、道徳的に人としてあまり良くないな… でも心情的には晴れやかになってしまったのだから仕方ない…

No.47 8点 zuso
(2022/01/29 22:27登録)
二転三転する真相、新たに起こる事件など各章、異なる類の衝撃が待っている。感情を抑えたドライな口調で緊迫感を煽る一方、あまりの毒々しさが時にどこかユーモラスにも感じられ、その緩急のバランスが読み手を飽きさせない。最大の衝撃は結末だが、嫌な気持ちになるか、清々しく思うかは意見が分かれるでしょう。

No.46 8点 ぷちレコード
(2021/09/26 22:07登録)
担任の女教師が教え子の生徒たちに語り掛ける短編の不快な後味も強烈だが、さらに同じ事件をめぐって視点を変えながら、連作長編に仕立てる技量もなかなかのもの。
毒に満ちた、巻を措く能わずの気色悪さに、類稀なる才能をみた。

No.45 7点 じきる
(2021/08/31 10:52登録)
鬱々として誰も救われないお話なのに、先が気になる語り口・展開で非常に読みやすかったです。結末もやり切った感があってよかった。

No.44 7点 パメル
(2020/12/22 18:49登録)
ある中学校の三学期の終業式のホームルーム。女性教師が本日限りで先生を辞めるのだと、生徒たちに告げる。また、放課後に学校のプールで発見された自分の娘の死は事故ではなく、クラスの生徒二人による殺人だったという告発をする。さらに二人の処罰を法の手に委ねる代わりに、犯した罪の重さをかみしめながら生きざるを得ない「復讐」をすでに行使した、という爆弾発言へと続いていく。
特筆すべきは語り口のうまさ。話しぶりは実に教師らしいが、妙に毒々しく、それでいてユーモラスなところもあり読ませる。冒頭部は、いまにもほとばしりそうな恨みつらみの感情をぐっと抑えた、女性教師の冷静な語り口に圧倒される。第二章以降は、家族や友人、そして犯人など事件の関係者による視点から語られていいく。一教師の私的な復讐が水面に広がる波紋のように、多くの関係者を巻き込み、同時に彼らの姿を浮き彫りにしていく。
語り手が次々に変わっていく連鎖ミステリの手法を用いた効果によって殺人に至るまでの経緯や、告発後の影響など、事件の背景が多角的かつ重層的に描かれている。そして予測不能なほど意外な展開を見せる。
登場人物は歪んだ嫌なタイプばかりだし、後味も良くないが、なぜか不快な感じのしない不思議なストーリーだった。デビュー作とは思えない文章力と構成力に支えられた作品。

No.43 7点 バード
(2019/01/19 10:32登録)
湊さん2冊目。1冊目はあわなかったがこれは面白く一気に読ませられた。(苦手なタイプの話だが、それでも面白いと感じた。)
少年Aについてはこんな13才いるかという気もするが、犯罪を積極的に起こすキャラだし、こういうものなのかな?少年Bはどこにでも居そうなさえない子ね。森口先生については復讐の手口えげつないな~、という感じ。ウェルテルは無能というか、蚊帳の外すぎて見てられない!、Bの母はやや気の毒な役どころといった印象。

まとめると、メインキャラは中々に個性的で、そこが良かったのかなぁと思ったり。ただいずれの奴も知り合いたくはないっすね(笑)。

No.42 7点 VOLKS
(2018/06/21 22:15登録)
皆さんの意見にもありますが、そうですね、第一章が特に素晴らしいです。
こわっ!
一章を読んだ直後の素直な感想は、まずこれでした。
この作品は、独身時代に読んでいたらあまり共感も出来ず、むしろ後味の悪い一冊となってしまっていたかもしれません。
主役と同じように一人娘を持っ母という立場になってから読んだので、理解出来る部分も多く、あのような立場になったらそんな闇を自分も抱えているかもしれないという恐怖すら感じました。

No.41 7点 tider-tiger
(2015/08/27 19:27登録)
共感できる人物が一人もいなくて、愚かだか同情はできる人物が辛うじて一名いるのみ。たまに読むならこういうものもなかなかいいものです。
陰鬱な話ですが、リーダビリティは高い。良くも悪くも軽いので難癖をつけつつも先が気になって一気読みしてしまいました。視点が交錯するシーンはかなり面白い。エンタメとしてはよくできていると思います。
あちこち無理がありますが、最も気になった点を。この話はクラスの生徒たちが先生の告白を親に黙っていないと成立しません。が、これは誰かが絶対親に話すでしょ。
6点か7点か迷いましたが、リーダビリティの高さを鑑みて7点としました。

No.40 6点 いいちこ
(2015/07/13 16:45登録)
日本語がこなれていない箇所が散見されるが、構想力の高さは確かで、第2章以降の存在により作品に深みが増しているとの意見には同感。
一方、主人公の境遇には同情するものの、その報復の仕方には到底共感できるところがなく、読後感は至って悪い

No.39 7点 斎藤警部
(2015/06/30 14:33登録)
章に依って語り手が変わりますが、やはり第一章、最も主役感のある女性教師の語る怖るべき告白が秀逸。元々この一章だけの短篇作品だったと言うのも頷けます。しかしながら、多少密度濃度は下がるとは言え第二章以降様々な登場人物の口から語られる、当事者の立場に立ってみなければ分からないそれぞれの事情、それぞれの苦悩や落ち度や悲惨さが長篇小説全体の中でもつれ合って互いを押し潰そうとするからこそ醸造される一種の暗黒感が、わざわざこの小説を長篇に仕立て上げた甲斐だと思います。最高に救いの無い内容と結末だが、何故か爽やかだ! すっごい短時間で読み切りました。

No.38 7点 sophia
(2014/04/12 23:23登録)
第一章で終わってれば傑作だったのに。
短編向きの作家なのかな。
こういう怖い女いそうだなあと思いました。

No.37 9点 ナノ
(2013/07/23 10:45登録)
なるほど、これは鮮やかな作品です。
大部分を人間心理に割き、それによって登場人物の行動理由を埋めていく、ホワイダニット作品に思えました。
そしてオチが見事に決まっています。あの部分だけで私の作品に対する評価は一気に上がりました。
本屋大賞というのも、納得です。

No.36 5点 スパイラルライフ
(2012/02/12 00:02登録)
ミステリではない気もするが、複数人物の視点で一つの物語が語られ、他者の行動の意味や背景が肉付けされていき、面白く読めました。

奇しくも同時期に出版された、毒殺魔の教室がテーマや構成が類似していて、作り込みや文章は告白が上回るものの、ミステリーとして書き上げられていたため、個人的にはこのサイトでの採点は毒殺魔が高いです。

No.35 9点 蟷螂の斧
(2011/08/19 06:50登録)
暗いストーリーであるが、ラストはかえって爽快感があり印象深い作品。「目には目を」の精神で、どうにもならないストレスを発散してくれた作品。

No.34 2点 take5
(2011/08/11 09:34登録)
読後感が悪い作品はいくつもありますが、
それでも振り返って自分の血や肉となると信じられるのは
同一作者の他の作品やその書かれた時代背景等を鑑みて
少しでも意味のあったと感じられる場合です。
一度は教育に携わった者がこういう作品を書き、それを平気で大々的に売り出す仕組みそのものが気に食わないのです。
読んでしまったので偉そうなことは言えない立場です、すみません。
良書にばかり会うのもまた違うのかも知れませんし。

No.33 7点 いけお
(2011/06/02 23:36登録)
章により視点が違うという試みがうまくはまっている。
いい人が一人もいないのも成功のポイントだったと思う。

No.32 6点 isurrender
(2011/05/30 22:54登録)
読みやすさという意味では、流行ったのも理解できる
が、ミステリとして見ると、そこまで良くはないような
1章で終わっていたら、もっと良い作品だったように思える

No.31 6点 haruka
(2011/05/28 23:58登録)
読み始めると途中で止められなくなる作品。これだけ後味の悪い読後感を読者に与えられるのは、ある意味、凄い才能だと思う。

No.30 7点 つよ
(2011/05/01 22:52登録)
怖かった。

No.29 7点 3880403
(2011/04/11 19:46登録)
テンポもよく先へ先へとどんどん読めた。
衝撃はなくラストもありそうな感じ。
良い意味で薄っぺらく、暗い話のわりに重くなくて良かった。

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