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ミステリの祭典

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ナイン・テイラーズ
ピーター卿シリーズ

作家 ドロシー・L・セイヤーズ
出版日1958年01月
平均点6.82点
書評数22人

No.22 3点 レッドキング
(2024/02/19 17:43登録)
セイヤーズ「貴族探偵」シリーズ第九作。分不相応に豪勢な鐘付き教会を持つ、沼地寒村を舞台にしたミステリ・・ではなくて、殺人事件付きの英国寒村及び教会塔鐘の物語。ラストの旧約聖書「大洪水」コンパクト版展開でチョビっと盛り上がる。ミステリとしては、相次いで死んだ夫婦の埋葬の合間に埋められた、顔を潰され両手首を切断された死体と、過去の宝飾品盗難事件の謎って所で、計画的犯行と偶然事象の錯綜、相手を庇うための行為が、企図せずに事件の様相を複雑怪奇化し・・てな、既視感溢れるパターンやね。「意外な真犯人」オチも付く。
※英国教会の鳴鐘、あれって音楽なのね。残念ながら、インドシタールやバグパイプ同様、全く好きになれん。これが、グレゴリオ聖歌やガムラン打楽なら心地よいのだが。

No.21 5点 ミステリ初心者
(2021/01/12 19:15登録)
ネタバレをしています。

 文章の相性が悪く、本当に読みづらかったです(涙)。実は2020年最後の一冊のつもりで12月途中から読み始めたのですが、あまりにもページが進まないため、ビッグ・ボウの殺人に浮気しました(笑)。年間50冊目だったので(笑)。
 登場人物の多さや、文章の難しさ(個人的に)、なかなか事件が進まないテンポの悪さ、興味のない話がてんこ盛りで、正直苦行でした。

 推理小説的には、死体に謎が多くてそそります。死体は顔がつぶされ、両手が切られています。来ている服の産地が奇妙で、さらに死因がわからないという謎だらけです。犯人が誰かというより、なぜ死んでいるのかすらわかりません。
 実は、タイトルや冒頭のストーリーから、結末を予想してしまいました。当たるなよ~と思いながら読みましたが、当たってしまい残念でした…(涙)。
 この結末は事故死に近いですし、豆知識的な謎になるし、魅力を感じません。やはり私は、偶然な幸運や不運がかかわらない犯人が殺意を持って人を殺す話が好きです。探偵が殺人に関与してしまったのは面白いパターンですが。この結末だと、"顔をつぶされた死体"うんぬんが不要に思えます。

 いろいろ書きましたが、まあ要するに好みじゃなかったという話でした。

No.20 8点
(2020/09/09 23:13登録)
名作との誉れ高い本作を、やっと読みました。これほど名の知れた作品にもかかわらず、創元社から1998年に新訳が出るまでは、かなり長い期間手に入りにくい状態が続いていたことには、驚かされます。創元社もセイヤーズは1990年台になって律義に第1作『誰の死体?』から順番に翻訳していっているので、とりあえず有名作だけは読んでおきたいという人はそれだけ待たされたことになります。
で、その内容ですが、個人的には死体が発見される前の「巻の一」の部分が、何と言っても楽しめた作品でした。その間にも、過去のエメラルド盗難事件については語られているのですが。その後「巻の二」で死体が墓地で発見されてからは、多少退屈になってきます。「巻の四」の最終的解決まで、冒頭シーンからだと約1年かかるのもその理由でしょう。
ところで、殺したのは誰かという点については、クリスティーのほぼ同時期の作品と重なると思うんですけど。

No.19 8点 ◇・・
(2020/04/12 19:29登録)
墓に埋葬された死体の上に、新たな死体が。教会の鐘の音を背景に、寒村で起きる怪事件。
五百頁近い大作だが、最初の百頁過ぎまで、事件は起きない。鳴鐘法の説明から始まり、二十人近い村人たちが入れ替わり登場するので、人物を把握するのが大変だ。
しかし、それを乗り越えると、事件が動き出し、人物像も把握できるようになり、俄然面白くなる。いかにもイギリスの古き良き時代の探偵小説という雰囲気を味わえる。
「ナイン・テイラーズ」は十一冊のウィムジイ卿ものの第九作。一作ごとに事件としては独立しているが、卿の恋愛、結婚、新婚というプライベート面での変化があるので、第一作「誰の死体」から順に読むのがいい。

No.18 9点 tider-tiger
(2019/10/13 11:10登録)
関東からハギビスがようやく立ち去り、安否が気にかかっていた野良猫の鳴き声が聞こえて、外に出て家の周囲の折れた木の枝などを拾いながらナイン・テイラーズを想う。

1934年イギリス作品。一歩間違うと馬鹿馬鹿しい駄作になりかねない話を壮大かつ美しく仕上げた傑作。同じように一歩間違うとすごくつまらない話になりかねない『学寮祭の夜』と並んで危険な綱渡りをした感じがすごくする。
ミステリ史に残る傑作とされているが、実に危うく、ミステリ的にはけっこう肩透かしな部分も多い。埋葬のため墓を掘り起こしたら死体が出てきたというツカミの謎や事件が人情により混迷の度合いを深めてしまった点などミステリとして面白い部分ももちろんあるが、緻密な構成やロジカルに犯人を詰めていく点ではむしろミステリ色薄いとされる『学寮祭の夜』の方が上ではなかろうか。犯人についても、物語としては必然といってもいいくらいだが、ミステリ的にはやや梯子外しの感がある。

ウィムジィ卿が鐘撞きに参加させられる導入は楽しく、すべてを無に帰すかのような、それでいて事件の性質を象徴しているラストが素晴らしい。
鐘撞きに関しては、撞き手の動きをなんとなく想像し、曲はまるでわからないので鐘の音だけを想像して読んでいた(今回の再読前にクリスティ再読さんが書評に書かれていた"change ringing"の動画を視たが、想像していた風景とずいぶん違っていた)。
本作には興味深い人物が何人もいたが、絶対に変わらぬ世界の中に人間が無造作に置かれている印象がある(プロットに合わせてキャラが作られていくといった意味ではなく)。
怪獣大図鑑みたいな本で怪獣の身長とか出生地とかをいちいちチェックするのが好きだった私としては、一つ一つの鐘に説明があったのがとても嬉しい。ウィムジイ卿の担当した二番鐘サベイオスの鐘銘が好き。
――聖なるかな 聖なるかな 聖なるかな 万軍の 神なる 主――
鐘と担当する人間の関連性を考えたりするのも一興かもしれない。

あとがきによればセイヤーズは本作にはかなり力を入れていたことが窺えるが、作者本人による前書きも興味深い。
以下のようにはじまる。
~教会の鐘の音に対する苦情というものを、ときおり耳にすることがあります。~(百年前からこういう苦情ってあったのね)
神話的なスケールがあり、いろいろ深読みもできそうな作品ではあるが、セイヤーズの思いはこの前書きに凝縮されているのかもしれない。
いかにも英国人的な保守主義、懐古主義であり、日本人にも同様な気質がある(除夜の鐘に苦情を言う人もいたりする)。こんなことを書いていたら、The KinksのVillage Greenが聴きたくなってきた。

No.17 7点 ボナンザ
(2018/09/23 20:53登録)
乱歩が黄金期のベストテンに推したことで有名なセイヤーズの代表作。入り組んだ謎と痛烈なオチが秀逸。

No.16 9点 クリスティ再読
(2018/07/22 23:25登録)
今はイイ時代で youtube ででも "change ringing" で検索すれば、本作でウンチクられる「転座式鳴鐘術」の動画を見ることもできる。本作は評者の世代だと「幻の名作」で有名だったもので、高校生くらいでムリして平井呈一訳の創元「世界推理小説全集」で読んだ覚えがあるが、20世紀末に創元の新訳が出たときに購入。その頃は転座式鳴鐘術なんて本当に見当もつかなかったのが隔世の感である....
失礼、つい感慨に耽ってしまった。今回がだいたい4回めくらいの再読になると思う。悠揚迫らざる小説的充実感抜群の作品で、高校生向きじゃなかったな(苦笑)。謎解きを軸に話が進んでも、それ以上に舞台となるフェンの風土が主題のようなものだ。今回は全体を大きくまとめ上げるような荘厳な雰囲気に強い印象を受けている。悪人もいれば善人もいて、まあミステリだから職業的犯罪者はコセコセと悪をなし、巻き込まれた善人は秘密を抱え込んで途方に暮れ、教区長は祈り、ピーター卿は村人たちの話を聞いて真相を調査する。そういう当たり前な風景が、どこかしら民話のような話の枠組みの中で、1930年台イギリスのリアルな風景を介して、ふっと神話的な彼岸に吸い込まれていくような目眩む思いで読んでいた。
ちょうど水害があったばかりで被害に遭われた方のご苦労を思うと遣る瀬ない気持ちになるのだが、本作の結末でのすべてを洗い流すフェンの洪水にどこかしらノアの方舟めいた荘厳さを感じ、その人事の域を超えた何か大きな力に、ピーター卿も操られるかのように真相に導かれる。それは摂理というものなのかもしれないな。人間たちもどこかしらその祖型に還元されて、人臭い鐘たちと隠れん坊をするかのようだ。

小さなガウデ、銀の音のサベオス、力強いジョンとジェリコ、歓喜するジュビリー、甘やかなディミティと老いたるバディ・トーマス、そしてそのさなかを吠え哮りのし歩く巨大なテイラー・ポール。

繰り返されるこの鐘たちのクリシェが、本作のイノチであり人よりも人臭い登場人物として、リアルの向こう側への回路を開いている。ちょっと凄い小説である。こんなの書いちゃたら、確かにセイヤーズ、小説家なんて続けられないな...
(この文庫、巽昌章氏によるやや長めの解説がなかなか正鵠を得ていると思う。ちゃんと読む価値あり)

No.15 7点 りゅうぐうのつかい
(2016/03/15 15:53登録)
亡くなった女性を夫と同じ墓に埋葬しようとしたら、出てきた身元不明のもう一つの死体の謎。それに、以前に起こったエメラルド盗難事件をめぐる謎、行方をくらました自称自動車修理工の謎、暗号の謎など、様々な謎が絡みあって、ややこしく、わかりにくい話。翻訳作品特有の読みにくさも相まって、読み進めていくのが大変で、なかなかページが進まなかった。真相につながる情報が小出しで出てくるので、読者が謎解きできるような話ではないし、暗号の謎やエメラルドの隠し場所の謎の真相もぼんやりとしかわからない。最後から2ページ目まで読み進めて、ようやく、こういう話だったのかと納得。まさしく、神の裁きであり、ナイン・テイラーズというこの作品のタイトルにうってつけの真相。

No.14 5点 あびびび
(2016/03/15 10:34登録)
題材にされ ているのが、馴染みのない教会の鐘の鳴鐘術で、登場人物も30名を超え、何度登場人物の欄を見たのか分からないが、やはり一番のマイナスポイントは、この作家との相性の悪さだろうと思う。

それは、蘊蓄、引用の多さであり、普通に喋っている時に引用文を多用する文章にあると思う。時代背景を丁寧に説明してくれているのはありがたいはずなのだが、すらっと読めないところが不満。

中盤からは読みやすくなり、解決編も納得のいく流れだったが、今思えば、多少読み飛ばしても影響がなかったかもしれない。

No.13 8点 ロマン
(2015/10/29 18:58登録)
鳴鐘術という馴染みのない題材はイメージしにくいし、ペダンティズムも明らかに過剰。しかし、そういった全てのマイナス要素はこの物語を成立させるための必要物。顔を潰し手を切って身元を消された死体の謎と、かつての宝石盗難事件、そして暗号解読という探偵小説としての愉悦に満ち、生き生きとした登場人物描写も楽しい。終章でノアの箱舟が如く村が水没する事はイコール探偵小説だったはずの世界の崩壊である。“犯人”の正体が明らかになる事で自分が今まで読んでいたものが何だったのか分からなくなる感覚を味わう。

No.12 10点 nukkam
(2015/07/26 02:46登録)
(ネタバレなしです) 黄金時代と呼ばれる1930年代のミステリーの中でも最高傑作クラスと絶賛されることもある、1934年発表のピーター・ウィムジー卿シリーズ第9作の本格派推理小説です。謎解き小説として良く出来ているかと言われたらむしろ欠点も多い作品だと思います。偶然の要素が重なっているのはやはりマイナスポイントだし、真相もある意味で腰砕けです。しかしそれが全く不満に感じられません。それがセイヤーズ作品がしばしば評されるところの、「ミステリーと文学の融合」によるものなのかは凡人読者に過ぎない私には何とも判断できませんが、序盤の鐘突きシーンと余りにも劇的な結末は比類なき迫力に満ち溢れており、その筆力に圧倒されます。中間部は対照的に何とものんびりした展開で、ここはじれったく感じるかもしれませんが多少の不満は最後で吹っ飛びます。私が読んだのは創元推理文庫版ですが鐘の音の描写のパンチ力が凄まじく、名訳だと思います。

No.11 9点 斎藤警部
(2015/06/09 18:48登録)
ふとした折、記憶の向こうから聞こえて来る鐘の音たちのきらびやかさに今も幻惑されます。音の洪水と水の洪水に呑み込まれ、世にも怖ろしい事の眞相はいったい何処に漂い着いたやら。
セイヤーズ女史から読者に向けて放たれた壮大な心理トリックの網、推理小説に於ける「殺人とは何か」をあらためて照らし直す大胆で残酷で皮肉な物理トリック、二者は一分の隙無くお互いを支え合い、旧い英国田園を背景に荘重たる謎の大伽藍を打ち立てますが、最後は潔く流されて行きました。。。 構築美に圧倒される奇蹟の一品。

No.10 9点 mini
(2014/01/03 09:58登録)
昨年末に論創社からドロシー・ボワーズ「命取りの追伸」が刊行された、作者のミステリー第1作目であるが、訳題がセンスねえなぁ、「毒の追伸」とかにして欲しかったな
例の森事典ではボワーズでは無く”バワーズ”と表記されている、多分だが発音上はバウアーズに近いんじゃないかなぁ
現代ミステリーにも”セイヤーズの後継者”とキャッチコピーを付けられる作家はよく居るが、ボワーズのデビュー作は1939年とまだセイヤーズがクリスティに匹敵する絶大な人気を誇っていた時期なので、”セイヤーズの後継者”の元祖的存在である、名前も同じドロシーだし

よくクリスティに比べてセイヤーズは一部のハイブロウなマニアだけでの人気だと思っている人が多いがこれは誤りである
最盛期のセイヤーズは初版発行部数でもクリスティを上回った事もあり、一般大衆的人気も凄まじかったのだ
セイヤーズとクリスティの認知度に差が出るのは戦後の話で、クリスティが戦後も綿々と作品を上梓し続けたのに対して、戦後のセイヤーズは潔く筆を折ってしまった
つまりセイヤーズは戦後の作が無い完全な戦前作家なのである、それにしては今でも海外では根強い人気が有るという意味では、同じ戦前作家でも今や海外では忘れられたヴァン・ダインなどとは比べ物にならない
要するに海外の名声に比して、ヴァン・ダインは日本だけで読まれ過ぎ、セイヤーズは読まれなさ過ぎである

さてそのセイヤーズの代表作の1つが「ナイン・テイラーズ」だ
”鐘”についての薀蓄が難しいという意見も出るだろうが心配御無用、多少は読み飛ばしても問題無いし、簡単な解説はされているし、何たって翻訳が浅羽莢子氏だしね
セイヤーズって結構トリック使いであり、幾つかの作品中に肝となるトリックが使われている
ただしそれらは一発ネタだったり、友人の医師等の専門家の助言に基づいた知識だったりで、正直作中からトリックだけを抜き出しても魅力に乏しい
セイヤーズは明らかにトリック自体のネタ品質で勝負する作家では無く、トリックからどう物語を膨らませるかに勝負を賭けた物語作家である
「ナイン・テイラーズ」もトリックだけを抜き出して、これはこういうネタですよ、と解説するのは数行で説明出来るほど簡単である
しかしそれをしても全く意味が無い、トリックが物語全体の中に織り込まれて初めてその意味が鮮明になるのだ、これぞ作者の真骨頂、まさしくミステリー史に残る名作の証なのである

No.9 8点 蟷螂の斧
(2013/09/26 10:10登録)
東西ベスト45位、英米ベストランクイン作品。素直に評判通りの作品だと思います。読むのに時間がかかりましたが、後味は心地良いです。表現が難しいのですが、文学的な香りがする異色作とでもいえばよいのでしょうか。

No.8 5点 makomako
(2013/01/13 10:10登録)
ヨーロッパの田舎町には必ずといってよいほど教会があり、案内を請うとボランティア(たいていは爺さん)が由緒や美しさをとうとうと述べてくれる。もう十分ですと思ってもなかなか放してくれない。彼らにとっては本当に立派で誇るべきものなのであることは十分承知しているが、それでも話を聴くのはつらい。
 この小説はまさにこんなときに感じた雰囲気をたっぷりもっている。きっとイングランドの人たちが読めば激しく感動したことと思います。フランスとイングランドの違いなどを述べているところも興味深いのですが、いかんせん異教徒のわたしにとっては退屈で睡眠に最適。読み通すのに時間がかかりました。

No.7 4点 TON2
(2012/12/02 17:08登録)
集英社文庫「乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーベスト10 ⑩」
 作者は欧米ではクリスティと双璧をなすほど有名ということですが、初めて知りました。
 前半は教会の鐘の鳴らし方「鐘鳴法」について詳しく説明があり、乱歩はこの部分が衒学趣味として評価しているようですが、退屈でした。イギリスの片田舎の荒涼たる土地ばかりがイメージされます。
 翻訳ものの悲しさで、登場人物の名前が区別できず苦労しました。

No.6 6点 ようじろう
(2012/02/16 21:18登録)
鐘の知識を知らないことには読むのが苦しい仕上がりなのが残念でならない。話自体は素敵で、名作といわれることも読んだらわかる。

しかし採点者が少ないなあ……。

No.5 4点 HORNET
(2011/01/10 19:03登録)
 名作と称され,著者の作品中最も有名。ですが,正-直に言って,なぜこれがそれほど賞賛されるのか分かりませんでした(自分の理解力の欠如かもしれませんが)。この長さ,このゆったりした展開で,ひっぱりにひっぱった謎の解答があれというのは・・・ひょっとしてその意外性が評価の高い理由なのでしょうか?とりあえずなんか悔しいので,氏のほかの作品も読んでみたいと思います。

No.4 5点 測量ボ-イ
(2010/08/13 10:36登録)
英国女流作家では、クリスティと並び称される氏の作品。
けれどもそんな本国においての名声とはうらはらに、日本
ではマイナ-作家扱いにされてしまっています。やはり作品
数が少ないからなんでしょうか?

さて肝心の評価の方ですが、正直難しいですね。題材にされ
ているのが、教会の鐘の鳴鐘術で、僕も含め予備知識のない
人間には理解にかなり労力を要します。勿論文章自体の読み
辛らさ(翻訳ものとしては、これでも標準的?)はありまし
たが。
という訳で、謎の提示や謎解き自体はつまらなくはないです
すが、評価としてはこの辺が妥当かと。
僕自身が英国人なら、もっと高評価できるのではと思います。

No.3 7点 okutetsu
(2009/08/21 07:22登録)
文章はあんまり読みやすくはないですね
非常に長ったらしくいろんな説明があるのでちょっと辛い
ただしトリック自体はおもしろい着想だなと思いました
納得いかない人も結構いそうだけども

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