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ミステリの祭典

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愚か者さんの登録情報
平均点:5.16点 書評数:25件

プロフィール| 書評

No.25 9点 ジャッカルの日
フレデリック・フォーサイス
(2024/12/23 13:38登録)
前半は、武器の改造から身分証の偽造まで、パリに潜入するまでの下準備を綿密に描写、後半に入るとジャッカルとその正体を追うルベル警視たちの手に汗握る追跡劇。
著者はロイター通信社の海外特派員としてパリに駐在していたことがある。その経験を活かして圧倒的な取材力、当時のフランスをめぐる背景が入念に描き込まれている。娯楽小説としても謀略小説としても一流である。


No.24 7点 ナイン・テイラーズ
ドロシー・L・セイヤーズ
(2024/12/23 13:29登録)
ゆったりとした語りのテンポで、そこには英国の田園地方の自然と人情が息づいており、したたかな謎と人にふさわしい天啓の恵みと配剤が待ち受けている。
前代未聞の殺人トリックも楽しめるが、この作品の魅力は、ミステリの枠では語り切れない。衆生の幸福を祈る心こそが、この宗教的ともいえる物語の核心への近道なのだろう。


No.23 1点 かがみの孤城
辻村深月
(2024/12/23 13:19登録)
それぞれ事情を抱えて学校に行けなくなった子供たちが主人公。
子供たちに希望を与え、感動や涙を誘う物語であることは認める。しかし、そんな小説はいくらでもあるし、実話で感動できるものもある。
ミステリとしてはかなりひどい。真相が透けて見える描き方は致命的。個人的には、ミステリにお涙頂戴はいらないと思っているので嫌悪感しかない。


No.22 4点 ビッグ・ヒート
ウィリアム・P・マッギヴァーン
(2024/12/23 13:09登録)
市政の腐敗に挑戦を試みた警官が、妻を殺され復讐のためボスに挑戦していく物語。
ギャングやこれと結託する徒党が弱すぎて、だらしない悪人に見えてしまう。また政界の腐敗に対する突込みが浅いため、安易な解決にすり替わってガッカリさせられた。


No.21 6点 トレント最後の事件
E・C・ベントリー
(2024/12/23 13:01登録)
米国経済を牛耳る実業家が、英国滞在中に射殺された。
トレント記者は真相究明に乗り出し、ある人物の鉄壁のアリバイを突き崩す。恋情故に封印される真相。
従来のミステリの約束事を逆手に取り、名探偵をからかいつつ、その退場を描いている。発表された当時は、かなりの異色だと想像できるのでこの評価。


No.20 8点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2024/11/11 11:11登録)
物理的に到底不可能なトリック、精密極まる構成、人物の心理描写が巧みに行われ、それが二つの大トリックを助ける表裏一体の役目をしている技巧が素晴らしい。


No.19 2点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2024/11/11 11:04登録)
大都会の詩情を包んだサスペンスの原型ともいうべき作品で、その点は評価できる。いわゆるタイムリミットサスペンスで、妻殺しの罪で死刑を言い渡された無実の主人公を親友が救出すべく、幻の女の行方を追う物語。
幻の女は結局は〇〇〇〇にいるというご都合主義にはあきれた。真犯人に対しては文句はない。世評と自分の評価がかけ離れているだろうと思った作品の一つ。


No.18 6点 ウサギ料理は殺しの味
P・シニアック
(2024/11/11 10:54登録)
レストランの主人は、謎の脅迫状を受け取る。女占星術師、恋に狂う新聞主、超一流の娼婦、狩猟自慢の商店主、神経症の女管理人など、奇矯な人物たちが織り成す日常。
噂に違わぬ変な話のロジックとお色気を加えて私立探偵を放り込んだオモシロ読みもの。


No.17 4点 ジャンピング・ジェニイ
アントニイ・バークリー
(2024/11/11 10:46登録)
技巧派ユーモアミステリというべきなのか。推理小説の「型」を知り尽くしたつもりでいる著者が、それを逆手に取りながら描いたドタバタ劇。
正直なところ、正統派ミステリ作家と読者を馬鹿にしているとしか思えなかった。一番情けないのは、プロットが読めてしまうところ。オチも想像通り。


No.16 8点 男の首
ジョルジュ・シムノン
(2024/11/11 10:38登録)
次々と魔手を繰り出し、メグレを翻弄する犯人、そしてその挑発に動じることなく、獲物の自滅を待つメグレ、クライマックスでのサスペンスと大逆転は痛快。
「何も言わずに容疑者を追い詰める」というメグレ式捜査法は、ここから発していたのだろう。


No.15 7点 妖魔の森の家
ジョン・ディクスン・カー
(2024/09/24 09:54登録)
表題作は、謎が魅力的でトリックは巧妙、伏線もあらゆるところに張られている。
登場人物の言動にH・Mが示した証拠品、さりげない情景描写に隠された意味など、テクニックの限りが尽くされている。トータルで考えればこの点数。


No.14 9点 ユダの窓
カーター・ディクスン
(2024/09/19 14:08登録)
法廷ものでありながら、十八番の密室殺人も扱われている。
裁判という枠組みの中で、ここぞといいうタイミングで証言証拠を持ち出している。中でも矢羽については多面的な扱いが見事。

10点満点で採点し直しました。4点→9点


No.13 3点 疑惑の霧
クリスチアナ・ブランド
(2024/09/19 14:01登録)
霧深いロンドンのとある屋敷の中で起こる撲殺事件。
冗談のような唖然とするトリックに、早い段階で犯人に気づいてしまうのは推理小説として駄目でしょう。

10点満点で採点し直しました。2点→3点


No.12 10点 三つの棺
ジョン・ディクスン・カー
(2024/09/19 13:54登録)
私の中では密室といえばカー、カーといえば密室なのである。
その中でもベストはこれ。濃厚な不可能興味が全編に横溢している。
トリックは非常に複雑で読み応え十分。
伏線もこんなところまで張っていたのかと判るし、解決も意外性に富んでいる。

10点満点で採点し直しました。5点→10点


No.11 7点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2024/09/19 13:47登録)
多くの容疑者の中から、ただ一つの真実に迫る。第二の殺人の現場のある証拠からピンポイントで犯人を指摘して見せるクイーンの推理は、まさにこれぞフーダニットである。
ただ見事な論理一点ばりであり、真の動機は最後まで隠される。リアリズムを追求する立場からは辛いものがある。その点が「ギリシャ館」や「エジプト館」に一歩譲るというところと言える

10点満点で採点し直しました。3点→7点


No.10 1点 さらば愛しき女よ
レイモンド・チャンドラー
(2024/09/19 13:37登録)
ご都合主義と男の思い込みに満ち溢れたファンタジー。読んでいるこちらが気恥ずかしくなるほど展開が甘い。
物分かりのいい警官、全ての調べを持ち込んでくる元警察署長の娘、賭博船への手引きを行う元警察官、マーロウの捜査が行き詰まるたびに、サマリア人たちが手掛かりや突破口を持ち込んでくれる安易な展開に辟易。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず


No.9 8点 利腕
ディック・フランシス
(2024/09/19 13:29登録)
馬潰しのトリック、不正疑惑の意外な黒幕、元義父の信頼に応えるマン・サーチャー物語、そして誇りの喪失と再生。よくぞこれだけのプロットを盛り込んだものと感心。

10点満点で採点し直しました。4点→8点


No.8 1点 殺人犯はわが子なり
レックス・スタウト
(2024/09/19 13:22登録)
フーダニットはワンパターンな話だし、最初の人探しの解決がさらりと片付けられてしまい、クライマックスもあっけなく余韻に欠ける。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず


No.7 10点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2024/09/19 13:15登録)
無差別殺人と思われる連続殺人に、動機の見えない殺人に、手掛かりの少ない状況にドルリー・レーンが推理を披露すると真相が浮かび上がる。
もう完璧。クイーンで最も好き。文句なしの5点満点。

10点満点で採点し直しました。5点→10点


No.6 1点 斜め屋敷の犯罪
島田荘司
(2024/08/19 14:24登録)
登場人物はそれぞれ、個性的で魅力的である。
メイントリックは「そんなに上手くいくか」と思わず口に出てしまった。
多分、著者自身は本気で可能と思っているのではないか。
だとしたら、相当痛い。
謎解き部分も、nukkamさんにはげしく同意。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず

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