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ミステリの祭典

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愚か者さんの登録情報
平均点:5.10点 書評数:20件

プロフィール| 書評

No.20 8点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2024/11/11 11:11登録)
物理的に到底不可能なトリック、精密極まる構成、人物の心理描写が巧みに行われ、それが二つの大トリックを助ける表裏一体の役目をしている技巧が素晴らしい。


No.19 2点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2024/11/11 11:04登録)
大都会の詩情を包んだサスペンスの原型ともいうべき作品で、その点は評価できる。いわゆるタイムリミットサスペンスで、妻殺しの罪で死刑を言い渡された無実の主人公を親友が救出すべく、幻の女の行方を追う物語。
幻の女は結局は〇〇〇〇にいるというご都合主義にはあきれた。真犯人に対しては文句はない。世評と自分の評価がかけ離れているだろうと思った作品の一つ。


No.18 6点 ウサギ料理は殺しの味
P・シニアック
(2024/11/11 10:54登録)
レストランの主人は、謎の脅迫状を受け取る。女占星術師、恋に狂う新聞主、超一流の娼婦、狩猟自慢の商店主、神経症の女管理人など、奇矯な人物たちが織り成す日常。
噂に違わぬ変な話のロジックとお色気を加えて私立探偵を放り込んだオモシロ読みもの。


No.17 4点 ジャンピング・ジェニイ
アントニイ・バークリー
(2024/11/11 10:46登録)
技巧派ユーモアミステリというべきなのか。推理小説の「型」を知り尽くしたつもりでいる著者が、それを逆手に取りながら描いたドタバタ劇。
正直なところ、正統派ミステリ作家と読者を馬鹿にしているとしか思えなかった。一番情けないのは、プロットが読めてしまうところ。オチも想像通り。


No.16 8点 男の首
ジョルジュ・シムノン
(2024/11/11 10:38登録)
次々と魔手を繰り出し、メグレを翻弄する犯人、そしてその挑発に動じることなく、獲物の自滅を待つメグレ、クライマックスでのサスペンスと大逆転は痛快。
「何も言わずに容疑者を追い詰める」というメグレ式捜査法は、ここから発していたのだろう。


No.15 7点 妖魔の森の家
ジョン・ディクスン・カー
(2024/09/24 09:54登録)
表題作は、謎が魅力的でトリックは巧妙、伏線もあらゆるところに張られている。
登場人物の言動にH・Mが示した証拠品、さりげない情景描写に隠された意味など、テクニックの限りが尽くされている。トータルで考えればこの点数。


No.14 9点 ユダの窓
カーター・ディクスン
(2024/09/19 14:08登録)
法廷ものでありながら、十八番の密室殺人も扱われている。
裁判という枠組みの中で、ここぞといいうタイミングで証言証拠を持ち出している。中でも矢羽については多面的な扱いが見事。

10点満点で採点し直しました。4点→9点


No.13 3点 疑惑の霧
クリスチアナ・ブランド
(2024/09/19 14:01登録)
霧深いロンドンのとある屋敷の中で起こる撲殺事件。
冗談のような唖然とするトリックに、早い段階で犯人に気づいてしまうのは推理小説として駄目でしょう。

10点満点で採点し直しました。2点→3点


No.12 10点 三つの棺
ジョン・ディクスン・カー
(2024/09/19 13:54登録)
私の中では密室といえばカー、カーといえば密室なのである。
その中でもベストはこれ。濃厚な不可能興味が全編に横溢している。
トリックは非常に複雑で読み応え十分。
伏線もこんなところまで張っていたのかと判るし、解決も意外性に富んでいる。

10点満点で採点し直しました。5点→10点


No.11 7点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2024/09/19 13:47登録)
多くの容疑者の中から、ただ一つの真実に迫る。第二の殺人の現場のある証拠からピンポイントで犯人を指摘して見せるクイーンの推理は、まさにこれぞフーダニットである。
ただ見事な論理一点ばりであり、真の動機は最後まで隠される。リアリズムを追求する立場からは辛いものがある。その点が「ギリシャ館」や「エジプト館」に一歩譲るというところと言える

10点満点で採点し直しました。3点→7点


No.10 1点 さらば愛しき女よ
レイモンド・チャンドラー
(2024/09/19 13:37登録)
ご都合主義と男の思い込みに満ち溢れたファンタジー。読んでいるこちらが気恥ずかしくなるほど展開が甘い。
物分かりのいい警官、全ての調べを持ち込んでくる元警察署長の娘、賭博船への手引きを行う元警察官、マーロウの捜査が行き詰まるたびに、サマリア人たちが手掛かりや突破口を持ち込んでくれる安易な展開に辟易。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず


No.9 8点 利腕
ディック・フランシス
(2024/09/19 13:29登録)
馬潰しのトリック、不正疑惑の意外な黒幕、元義父の信頼に応えるマン・サーチャー物語、そして誇りの喪失と再生。よくぞこれだけのプロットを盛り込んだものと感心。

10点満点で採点し直しました。4点→8点


No.8 1点 殺人犯はわが子なり
レックス・スタウト
(2024/09/19 13:22登録)
フーダニットはワンパターンな話だし、最初の人探しの解決がさらりと片付けられてしまい、クライマックスもあっけなく余韻に欠ける。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず


No.7 10点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2024/09/19 13:15登録)
無差別殺人と思われる連続殺人に、動機の見えない殺人に、手掛かりの少ない状況にドルリー・レーンが推理を披露すると真相が浮かび上がる。
もう完璧。クイーンで最も好き。文句なしの5点満点。

10点満点で採点し直しました。5点→10点


No.6 1点 斜め屋敷の犯罪
島田荘司
(2024/08/19 14:24登録)
登場人物はそれぞれ、個性的で魅力的である。
メイントリックは「そんなに上手くいくか」と思わず口に出てしまった。
多分、著者自身は本気で可能と思っているのではないか。
だとしたら、相当痛い。
謎解き部分も、nukkamさんにはげしく同意。

10点満点で採点し直しました。1点→1点 変わらず


No.5 3点 半七捕物帳
岡本綺堂
(2024/08/19 14:13登録)
当時の風俗や登場人物たちが、それぞれ個性的で生き生きと描かれている。
難事件を地道な捜査で解決に導いていく捜査小説として、以後の作家たちにかなり影響を与えた貢献度は高い。
しかし、トリックは大したことはない。
古典の評価は難しい。

10点満点で採点し直しました。2点→3点


No.4 5点 魍魎の匣
京極夏彦
(2024/08/19 14:05登録)
確かに弁当箱みたいだ。
一番最初にこの表現をした人は、センスがいいな。
このボリュームに見合った面白さがあればいいのだが、中盤はかなり中だるみして、無駄に長い印象がある。
妖しい雰囲気は好みだし、真相にも驚かされた。

10点満点で採点し直しました。3点→5点


No.3 3点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2024/08/19 13:58登録)
横溝正史にかなり影響を受けたのではと思える雰囲気。
それは良いのだが、読みづらい。リーダビリティは断然、横溝正史のほうが上。
トリックは、まずまずなのに勿体ない。

10点満点で採点し直しました。2点→3点


No.2 4点 占星術殺人事件
島田荘司
(2024/08/19 13:51登録)
トリック自体は独創性があって良いのだが、リアル感に乏しいと思うし動機も弱い。
少し難解で理解するのにも苦労した。

10点満点で採点し直しました。2点→4点


No.1 2点 戻り川心中
連城三紀彦
(2024/08/19 13:43登録)
大正、昭和を背景にした美麗な文体で描かれている。
独自の耽美的な表現に魅せられるが、とてつもなく暗いどんよりとした雰囲気が自分には合わなかった。
登場人物にも魅力を感じなかったし、つくりこみ過ぎと思えた。

10点満点で採点し直しました。2点→2点 変わらず

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